エリーゼという車は、私のような趣味の方だと一度は興味を持つ車だと思います。しかし、いろいろな噂があって中々ハードルが高そうに見えると思います。しかし、実際所有してみると当初思っていた程ハードルは高くない、実に良い車でした。実際の私の体験を書いてみますが、これを読んで心配がなくなって購入する方が増えたら嬉しいです。
さて、免許を取ってからいろいろな車を乗り継いで来たのですが、エリーゼという車は運転の楽しさを追求していくと必ず突き当たる車なので、いつかは乗りたいなと思っていました。しかし、いろいろ調べてみると、壊れるとかエアコン効かない(初期はエアコンすら無い)とか、雨漏りするとか、ぶつけるとカウル交換で1発100万とかとか。結構デメリットが書かれていて中々購入するまで至りませんでした。ただ、トヨタエンジンを乗せるようになってからは故障自体はかなり減ってきておりその点は心配しなくて良いらしいとの情報も入ってきたので、購入意欲は徐々に高まっておりました。
実際、購入したのは、試乗して一発でやられてしまったことですが、その背景には、ロードスターでオープンカーの良さを知ったこと、MR2で野外駐車でもきちんとしたボディカバーを掛けておけば、車体を保護できることを知ったためでした。それでは、疑問に思っていたことが実際に所有してどうだったかをまとめてみます。
○青空駐車なんだけど大丈夫?
ボディはFRPだし、雨漏りのうわさもあるし、いたずらされそうだし、青空駐車では買えないよねって悩みは結構あると思います。私もそのクチで中々買うところまで行きませんでした。
エリーゼを買ってからすぐに引っ越してしまったので、実際のボディカバー生活は2か月とちょっとだったのですが、着脱に関しては慣れてしまえばそんなに不便ではありませんでした。

もともと引っ越す予定は無かったので、アルカディアのラッパーズというかなり高価なボディカバーを購入したのですが、風が強く吹いても飛んでいくことは無かったですし、雨が降ってもボディが濡れることもなく耐候性高いことが分かりました。ボディカバーを被せておけば、度派手なボディ色も隠せるので、防犯的にも良かったと思います。注意点はホコリが乗っている時はカバーを被せる前にきちんとふくなりはたきをかけるなりしておくことです。 青空駐車で悩んでいる方、大丈夫ですよ。ボディカバーで十分対応可能です。
○オープンカーとしてはどうなの?
これについては悪い方に予想外で、タルガトップ形態なので、オープンにしてもあまり解放感が無い上、風の巻き込みが結構あるので、オープンカーとしてはあまり良い出来ではありませんでした。

NC、ボクスターと良く出来たオープンカーを知ってしまったため辛口の評価にならざる得ませんね。NDのRFのようにリアの窓が開けば多少は違ったかもしれませんが、そんな機構を組み込んだら重くなって車として台無し。幌の開け閉めも面倒なので、オープンにしたのは数えるほどしかなかったりします。

オープンカーとして買うよりも昔のTバールーフのイメージで買った方が良いと思います。
○壊れるんでしょう?
故障については、予想していたよりも少なくて、良い意味で想定外でした。1度だけエアクリのホースの締め込みが甘かったらしく、すっぽ抜けて環8で不動車になるところでしたが故障はそれだけです。

噂のエンジンチェックランプが点灯です。普通の国産車ならディーラーで激怒するレベルの理由なのですが、まあ、壊れるだろうと予測していたのと、営業さんの手作りですからって言葉になぜか納得してしまい清々しいものすら感じてしまいました。壊れると言われているラジエーターも3年程度では大丈夫でした。 壊れないとLOTUSじゃないみたいな雰囲気もありますが、最近のは大丈夫です。心配なら、新車を買えば3年保証は付いてくるので、その間に問題だしをするのが良いかもしれません。
○パワステ無いし、エアコンも効かないんでしょ?
確かに快適装備は最低限です。
パワステについては純正タイヤであれば据え切りしなければ、気にならないレベルの重さです。ただ、低速で何度も切り返さないと入らない車庫はつらいかもしれません。また、攻めたときに路面状況によって急にキックバックのような力がかかることもあるので、片手で余裕持って運転というわけにはいかず、しっかり握っておくことは必要ですよ。パワステ無い分余計なものが挟まっていないことによる、ダイレクト感の方がプラスだと思います。
エアコンについては、キャビンが狭いだけあって嫌というほど効きます。寒いぐらい効くので安心して良いと思います。サイドシルがくそ熱くなる話も聞いてましたが、私のは大丈夫でした。問題は、風量調整が3段階選べるのですが、1でも日本車だったら中ぐらいの風が出ます。最強にしても思ったより風量が変わらなかったりするので、この辺はもう少し幅を持たせてほしいですね。1でもボーボーいってうるさいです。
○乗り心地悪いよね
あんなペッタンコの形していて乗り心地極悪のように見えますが、実は乗り心地はかなり良いです。クラウンとは言いませんが、足がしっかり動くのと、ボディ剛性があるのが相まって、乗り心地は予想外に良いです。イギリス車はがちがちに固めないで脚を動かす方向でチューニングされているものが多いようですが、エリーゼもそんな感じなので、峠道では気持ち良いですよ。
○乗り込むの大変だよね
将棋できるほどの幅のサイドシルなので、当然乗降性は最悪です。

乗降性を上げるためには屋根を外すのは一番なのですが、屋根を外した時の快適性がイマイチなのが残念です。これに関しては我慢するしかありません。対策として降りるときはシートを一杯に下げて降りれば、乗る時も多少乗りやすいです。
○荷物乗せられないよね
これも最悪といえば最悪です。

後ろにトランクはありますが、エンジンの熱がもろに入ってくるので、ピザを入れるのには良いでしょうが、生ものは厳禁です。ちなみにTRGの時に買った野菜は助手席に置いていました。助手席はスライドもしないですし、基本一人乗りの車なので、荷物置き場として活用しましょう。
○車内五月蠅いよね
はい。うるさいです。オーディオを楽しむ車ではありません。プレミアムパックだかのマットがフロアに敷きこまれている仕様なら多少ましでしょうが、素のエリーゼはアルミフロアむき出しなので、タイヤがはねた石でカンカンうるさい上、ロードノイズは盛大に入ってくるし、後ろからエンジン音が聞こえてくるので、静音性は全く期待できません。この車のBGMはエギゾーストノートとメカニカルノイズと割り切ってください。その代り、峠を流した時は車から良い音が聞こえてくるので、オーディオの必要性は感じなくなりますよ。
買う前に色々と想像していたことと実際の体験を書き連ねてみました。欲しいなと思っている人の参考になるとうれしいです。
続けて、付けて良かったパーツたち編
第1位 SACLAM AIR BOX KIT
純正エアクリBOXはトヨタ純正のものに無理やりダクトを付けたような形状で、いかにも排気抵抗がありそうな形状をしています。

エアクリBOXを交換する前は上でふんづまる感じがあったのですが、こちらの商品に交換してからはきれいに吹けるようになりました。


心配していたエンジンチェックランプも点灯せずデメリットはほぼ無いかと思います。強いて挙げれば、上まで回りやすくなったおかげでレブリミットがもう少し高ければと思うようになりました。実際、どの程度パワーアップしているかは分かりませんが、交換すれば効果が分かると思います。あと、追加効果で吸気音が大きく聞こえるようになるので、その楽しみもあります。
第2位 SACLAM サイレンサー
車を購入した時は2ZR用は設定が無かったため、私の車を開発車両にしてもらい商品開発してもらったものです。開発期間約1年。時間はかかりましたが出来上がったものは大満足でした。


エンジンルームが後ろにあるのと、加速騒音規制の関係で低回転ではあまり音が聞こえなかったのですが、しばらく使用したら焼けてきたのか、耳が慣れたのか低回転から心地の良い音が聞こえるようになりました。この車のBGMのメインはエギゾーストノートなので、音の良いマフラーは必需品だと思います。
第3位 ADVAN RZ
エリーゼ用の専用ホイールです。


お安めなので定番のホイール。鍛造ではありませんが結構軽いですし、デザインも良いです。エリーゼ純正装着のタイヤはフロント175と幅が狭いせいもあって、上りのコーナーで安心感がイマイチ。純正の設定はバランスを崩しても何とか立て直せるレベルにするため限界を低くするため、わざとタイヤを細くしているのではないかと邪推しています。定番のフロントを205にしてあげると、フロントの設置感が増すことになり、安定して走ることが可能になります。デメリットはステアリングが重くなることと、ちょっと調子に乗るとかなりなスピードになるので、バランスを崩した時に立て直せなくなることです。私の場合は、ぶつけたときの修理費が頭をよぎるので、これがリミッターになってそこそこ安全に走れました。
第4位 COX BODY DAMPER
こんなのそんなに効かないだろうと思ったのですが、付けてみるとあらビックリ。走りが上質になりました。それなりのお値段がしますが、乗り心地が体感できるほど良くなるのでオススメの商品です。エキシージにつけようと思いましたが、設定が無いのであきらめました
以上。付けて良かったパーツたちです。パーツ自体もそんなに多くないので、参考になればと思います。
約3年弱でしたが、エリーゼという車は予想以上に素晴らしい車でした。この車以上に走りにのみ振った車はありますが、最低限の快適性と素晴らしい走りを兼ね備えた車は外に無いと思います。今回、エキシージに乗り換えましたが、エキシージは性能が過剰で日本にはぴったりというわけにはいきません。エリーゼはその辺りもバッチリなので、デメリットを聞いて二の足を踏んでいる方がいたら是非、試乗してみることをおススメします。
車両価格が高いのが結構高いハードルかもしれません。ただ、エリーゼは年数経っても値段が非常に下がりにくいです。そこは一般的な車、特に輸入車と良い方向で異なるところです。計算すると実は何年か乗った後の1年あたりの金額はそんなに高くないんですね。ぜひその辺も参考になればと思います。
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エリーゼ | 日記
Posted at
2017/02/18 18:53:57