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2006年04月17日 イイね!

ブレーキのエア抜き

ブレーキのエア抜き Monologue70 2004.12.13

 サーキット走行をするとよく消耗するもの、それはガソリンとタイヤとブレーキ。
 その中でもメンテナンスという関わり方をするのがブレーキ。
 作業としては、ブレーキパッドの残量チェックとエア抜きというところか。
 エア抜きをするというのはラインにエアが入っているからなのだが、この気体、正体は何で、一体どこから入ってくるのだろう?
 ブレーキのタッチを悪化させるものにベーパーロックという現象がある。これはブレーキフルードに吸湿された水分がブレーキラインやキャリパの中で熱により分離・気化し水蒸気となり、圧力伝達しなくなった状態のことだ。
 これは発生するとペダルがスカスカになって相当怖いものなのだが、熱が引くとたいがいは何事もなかったかのようにおさまってしまう。あんまりメンテしていなくて、負荷をかけるような走り方をしていない車だと起こることがあるが、何度もサーキットにいくようなメンテをしている車ではあまり起こらない。それに、水蒸気は温度が下がればまたフルードに溶け込むので、エア抜きをしているときに出る気泡とはこれではない。
 実はエアとは空気(大気)が入ってくる、というのがその真相らしい。
 どこから入ってくるのか?というと、空気はピストンシールを透過してくるのだ。
 ピストンシールはゴム製で通常はここを空気が抜けてくるというようなことはない。が、温度が高くなると、ゴムは空気を通してしまうのだ。
 そんなバカな、と思うかもしれない。が、ゴアテックスというものを思い出して欲しい。あれはゴム膜である。水は通さないが、空気は通す。そういう物性のゴムなのだ。
 ゴムにもいろいろと種類があって、空気の透過性はそれぞれ異なる。が、どれも高温になると透過性が高くなる傾向がある。
 つまり、こういうことだ。
 サーキットを走ってローターとパッドの摩擦により生じた熱がブレーキピストンに伝導されて、ピストンシール(ゴム)の温度も上がる。
 これにより空気がすり抜けやすくなるが、これだけではエアは侵入しない。シールの内外に圧力差(浸透圧)がかからないと通り抜けられない。
 ブレーキピストンがシールにより引き戻されているため、フルードには常に正圧(内→外)が掛かっているはずだが、例外がある。サーキット走行後に停車しているときだ。
 冷え始めれば、各部が縮む。液体であるフルードは体積変化が大きい。つまりキャリパ内の容積よりフルードの縮み量の方が大きく、シールに負圧がかかる。そう、ここでエアが侵入してくるのだ。
 再走行に出る時の一発目のブレーキが効かなかった経験はないだろうか?数回ポンピングしてやるとほぼ元に戻るのはローターの熱歪み、冷却収縮だけでなくこの縮み(ピストンの引きこみ)によってパッドとローターのクリアランスが開いたからだ。
 これを数回繰り返すと見事にエアが噛んだ状態になる。一回のエア侵入はそれ程ではないようだが、一日の走行会は多くて6サイクル程度吸い込むことになる。これまでの経験ではエア噛みで全く効かなくなるということはなかったが、走行会の前にはちゃんと抜いておいた方が安心である。
Posted at 2006/04/17 00:20:37 | コメント(0) | トラックバック(0) | メンテナンス | クルマ

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何シテル?   06/13 23:37
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