2023年10月29日
LSD、リミテッドスリップデフ、をリヤにいれると安定感というかグリップ感が得られます、何故でしょう?
それは左右のタイヤが自由に差動しなくなり、ひきずって路面をにじっているからです。その抗力を落ち着いた安定感として感じ取っています。
人力リヤカーを引いている時、向きをかえると左右輪が差動します、そこに抵抗感はない。
なんならその場でくるくる回ることもできる。それが差動制限のない状態。
坂道で横向きに置いておくとちょっとでも斜めだったりしすると、くるっと回って坂を下って行ってしまいます。これ、オープンデフの不安定性です。
内輪差の抵抗が無い代わりに安定性も無くした、とも言えます。
そこで、リヤカーの両輪をシャフトで繋いでしまいます。これは直結デフ。LSDより強力で無条件に常に効いています。リヤカーは向きを変えようとすると内輪がジリジリと空回りします。その場回転はどちらかの車輪を軸にした回転がいいとこ限界、キャタピラの信地旋回はタイヤ擦りおろさないとできません。
内輪差抵抗MAXです。直進以外では抵抗が生じ、曲がり量に応じて大きくなります。
さて、ここでLSDです。これは直結デフにリミットクラッチが付いたものなのです。シャフトのねじり力が限界になると滑る。なのでイニシャル低いとスルリペチペチジリジリと、ちょっと引っ掛かりながら回れてしまいます。イニシャル上げればパキンと滑り、もっと上げればクラッチ容量の限度まで頑張ります。
そしてデフ機構中にあるカムはエンジンからの駆動力でクラッチをさらに押し付けるものです。アクセルに応じてもっとがんばるのです。
さて、安定感の話に戻りますと、LSD、まあ曲がりにくくなるんです。クルマが直結リヤカーみたいになります。それは体感上は曲がらないとかアンダーになったというレベルではなく、直進性が良くなった、真っ直ぐ走りやすい、というものになることが多いです。
また、カーブでもにじり感でわかります。曲率上がる=急カーブほどにじり感強くなります。定常円でステア量増えます。そしてこの時も曲がらない=アンダーというより、リヤの安定感が増した感じになります。
LSDがあると定常円では一定のにじり感か出て、旋回抵抗が掛かります。無いと当然抵抗は掛かりません。
この時、主にステアフィールに旋回の変化が分かりやすく現れます、フォースフィードバックです。一定の抵抗に増減が生じるということは外乱が起こっているということです。路面は完全に一定ではないのでそれがよくわかる、ということです。
一方、LSD無しだとデファレンシャルが路面の変化を吸収してしまうので、この外乱がわかりません。タイヤグリップのバランス変化から来るものはわかりますが、インフォメーション量が減ってしまっているのです。
LSDの安定感はこの2つ、旋回抵抗とインフォメーション量です。そもそも真っ直ぐ走る上に、的確な情報があるので無意識に対抗操作し、もっと安定する、ということです。
まあ、それはいわゆるグリップ走行の範囲の話ですが。
ここで最近流行りのABS流用LSDを考えてみましょう。
あれは空転した内輪にブレーキを掛けてトラクション抜けを防ぐ擬似LSDです。
つまり内輪空転がなければオープンデフと一緒で安定性に貢献するにじり力は発生しせず、直進安定性には関与しないのです。
マツダのKPCは擬似LSDとは違いますが、あれは旋回ターンインにおいて内輪のブレーキをちょっとつまんで運動性を引き出すものなので、にじりの安定性は得られません。
自分の足をにじりながら歩けばわかりますが、無駄な力を使うし靴すり減る感じもする。要は走行抵抗増して燃費が悪化することなのでメーカーはやりません。
しかし、自分の足でも地面に張り付くような安定感がある。これが欲しければやっぱり機械式LSDをつけるしかないです。
Posted at 2023/10/30 13:00:40 | |
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駆動系 | 日記
2023年10月22日
タブレットのyoutubeアプリがサボってるのでロールバックのテストついでにみてたらこんなのが。
貴族の国イギリスのキットカーショウです。規模は昔の晴海、というより平和島流通センターか。
このくらいの規模の方が目が届くというか、血が通う感じのイベントになるのかもですね。好きなヒトしか来ないし。昔のオートサロンとか、もっとマイナーな改造車イベントの空気。さすがにこちらはツナギのおじさんいませんけど。
さすがにスーパーセブン多いです、というか、ナンバーが付く昔のF3なんでしょうね。派生シャシーとかオリジナルもたくさんいます。今のインテリジェントデバイス満載カーと違って自分が走らせてる感ありますからね。
スーパーセブンの次にはフォードGT40とコブラが目につきます。どちらもイギリス、というかアングロサクソンの血筋。ホークはイタリアなのでここでは異質なのですけど、本国イタリアEUではナンバー取るの大変になってるとか。
さすが貴族の国、少しおかしくなってきたらEUも抜けちゃうし、うちの領地なんだから何走らせようと文句言われる筋合いはないよ、とかのマーチ卿もおっしゃられてます(嘘です)。
貴族といってもお庭でグッドウッドを開催できるような大貴族は数えるほどで、実際のところは日本でいうところの庄屋とか地主さんの人たちでしょう。そういう人たちがスーパーセブン買ってサーキット走れるくらいには国が豊かで安定している。かつての日の沈まない大英帝国からすれば勢いはずーっと降り続けているのでしょうけど、ローマ帝国後のように暗黒時代になったりマフィアが牛耳ったりしなかったのは島国とかいろいろな要因があるんでしょうね。
日本も80、90年代はこんなのができる力がありましたが、それは一時の勢いで、地力という感じではなかったのかも。
オートサロンも無駄にでっかくなって面白くなくなってしまった。規模だけデカくして喜ぶのは電通くらいなのだけど、それってつまり、豊かさがなくなってしまって、上澄みに逃げ、中間が無くなった。特権階級と貧しい層に別れていってるけど、それって貧困国じゃん、という気もしなくもないですな。
とは言え、その日本イケイケ80、90年代にイギリスは底辺みたいな状態でもあったもで、そんな中でも作り続けることができたのが今に繋がっていますね。
好きなだけではできないけど、好きじゃないとできないですね。
Posted at 2023/10/22 15:12:42 | |
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dialy | ニュース
2023年10月20日
自分が知らなかっただけかもしれませんけどね。
最近クルマは直すだけで乗るのは折り畳み自転車のブロンプトンばっかりです。
街中でもブロンプトン増えてきたし、最近はどんな折り車があるのかなと見てみたら。
https://hummingbirdbike.com/pages/about
日本に代理店無いみたいだけど。ブロと同じリヤフレームがスイングアーム構造になって畳むとお座りするタイプの新しいのがいました。メインフレームカーボンでやんの。
んで、技術協力にプロドライブだって。コロナで止まってたオートクレーブ釜も遊ばせておけないし、手工業なカーボンモノコックだから小回り効くし、レースカーのバスタブの隙間でも焼けるのかも(んなわけない)。
材料と設計、加工技術の進歩で折り畳みなんて壊れる要素でしかないものの自由度が広がっているようです。フレームの一部を紐のテンションで保持するタイプのものまであります。(まあ、スポークホイールも引っ張りテンションですけど)
なんか面白そうだしクルマは無理としても自転車なら作れそうな気がしてしまいます。いや、知らんけど。
Posted at 2023/10/20 16:49:09 | |
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