試乗申し込んだらすんなりOKになっちゃいましたんで、乗ってきました。
オリジナルのZZには乗ったことないので比較できませんが、成り立ちはホークみたいなハンドメイドの流れなのでそっちとの比較で。
構成はアルミのバスタブの前後に鋼管とアルミのフレームを付けた構成で日本製なのだとか。
先代と一緒なのかもだし、エリーゼと似たつくりともいえるかな。(接着ではないらしいが)
クルマとしてはかなりシンプル。ノンパワステ、ABS無しノンサーボブレーキ。
エアコンもヒーターも、屋根もガラスウインドウも無くて、サーキットベース車に保安装備をつけただけ、みたいな感。
ついでにエンジンもミッションもクラッチもありません。おかげで800キロ台。軽い。
乗ってみると、アルミバスタブはサイドシル高めで先細り。この感じはエリーゼと同じだけど屋根が無いから乗りやすい。
走り出した感じもエリーゼに似てる。高い剛性ながら振動減衰性の高いアルミ素材らしい反発感のないデッドな乗り味。これは悪くない。アシの動きもよくわかるし、路面のタッチもよくわかる。
そしてエンジン音が無い。すーっと動く。なんか自転車に乗ってる感じに近いかも。
モーターなので発進トルクはすごくいい。トラコンもないから全開にすればホイルスピンもするくらいだけど、シャシーに変なジャダーとかは出ない。
ギアないからステアリングとペダルワークに集中できて、前後左右のGやら滑りやらに専念してればいいですよ、と言われてます。シンプルだ。
ハンドルはノンパワーの割に軽い。そんなに振り回していないので、グリップが抜けていくようなところまで追い込まなかったけど、荷重の乗り具合はわかりやすい部類。
センターが少し甘いのでマウントにゴム系が入ってる気がします。振動吸収なんだろうけど、そこはリジッドで振動入っても精度高い方がいいな。
ホークのはもっとわかりやすいのだけれど、あれはシャシーのねじれとかでタイヤコンタクトが悪化してしまうのでそれが判るというとこのように思える。たぶんEVZZは接地がいいのでステア反力変化が小さいのでしょう。
ブレーキもノンサーボの割に軽い。レバーレートを大きくして比較的普通な感じにしているのでしょう。(ホーク基準で)
ホークのは減速してきても停止まで気が抜けず、トドメを差す感じで完全に停車させないとするっと前に出て行ってしまうのだけど、こちらは踏力緩めても足乗せていれば効きも残っているから、オカマ掘りそうになることはない。
とてもシンプルで余計なことを考える必要が無い。これはサーキット持ち込んで走るとイイに違いない。
一方、物足りないと感じるところもある。それはクルマ側からの語りかけがほとんどない。
路面とGの情報は十分にあるからスポーツの道具としてはいいし、プロツール的でもあるんだけど、モーターはなんにも主張してこないので、盛り上がりみたいなものがない、そういう演出が無い。
なんというか、実用に徹底した道具すぎてわくわくする感じがなく、タイムアタックとかしても本当に攻め切れたかタイム上がったかって?いう視点ばっかりでストイック過ぎな感じになりそう。
達成感が喜びにならない感じとでも言えばいいだろうか。
静かすぎることで逆にカウリングのガタつきのような低級騒音が聞こえてしまうのも興ざめ。おもちゃっぽいんだな。エンジン車ならわからないんだけど、出てきちゃった。
なんというか、素材をいじりすぎずそのまま出してきた印象。例えるなら日本料理。
ただ、素材はすごいんだが、まだ調理に洗練さがないのでガタツキみたいなエグ味が残っちゃってる感じ。ここからが作り手の腕の見せ所だと思うんだけどな。
ゴテゴテ盛られるより全然いいんだけど、もうちょっと良くできるでしょ?感が出てきちゃって、、、惜しいんだよなぁ。
セカンドカーだから割り切って乗ればいいんだけど、200キロ走れないとなると自走で行けるサーキットも限られるし、コースで丸1日遊ぶと電欠が気になる当たりもちょっと足りない。
それでお値段は35GT-Rと比べるあたりなのだそう。
それなら、・・・・耐久レース用ビビオ何台作れる?とか考えちゃうなぁ。
ホークの参考にはなったかな。電動化するつもりはないけどいろんな可能性の一つとしての姿なのかも。
乗せ替えるならモーターよりVTECか、EJ20がいいかなぁ。車検大変だからやんないけど。
夢はあるんですよ。素材の良さはとてもよくわかるので、ここからどう雑味を取り除いて、良さを引出し、洗練させていくか。その期待は持てる。けどこれは試作品の域を出ていないと思う。
むしろベースですとして、一緒に開発していくような遊び方ができると面白いと思うんだよね。
オーナー個人の志向で行われるチューニングではあるけど、それが開発にフィードバックされていくとか、一緒にクルマ創っていけるような活動ってこれまで無いし、上手くいって振り返れば名車を一緒に作ってきたなんてのが思い出にある人生ってのはなかなかのものじゃないですか。
そんな発想、実はフェラーリがFXXとかでやってたりもするので、(まああれはお布施感満載なアレですけど)無い話ではないと思うんだけど、ビジネスとしては厳しいでしょうねぇ。
今回の試乗、場所は246沿いだったんだけど、この通りはなかなかすごいところですよ。
ちょっと歩くとテスラ、ホンダ本社、ランボルギーニ、マクラーレンのショールームが並んでいて、走っている車もジャガーとかFとか普通にいるし、日本車の方が少ないくらい。
あるとこにはあるんですなぁ。