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2006年05月04日 イイね!

2004 F1

Monologue77 2005.3.18

 去年のF1は面白かった。
 佐藤琢磨がかき回したのが、面白かったのだ。
 印象的なのはコーナーアプローチでのブレーキング。誰よりも奥まで我慢し、誰よりも限界一杯までの減速をし、それで抜いた。
 レースの醍醐味は競り合い、それを思い出させてくれた走りは素晴らしい。
 だが、それは本当に彼のドライバーとしての能力だけで実現できたことなのだろうか?

 実はFTTというデバイスがあった。フロントトルクトランスファー。
 04年のBARマシンの写真があったらフロントのサスペンションをよく見て欲しい。
 サスアーム、ステアリングロッド、ダンパーロッド以外に車体から左右のハブセンターに延びるシャフトが一本あるのがわかるだろうか?
 それがFTT。あの琢磨のサムライブレーキングの秘密を握る鍵だ。
 このデバイスの役割は、左右のタイヤの回転を適度に伝えること。そしてそれはブレーキング、特にコーナー進入中の時に威力を発揮する。
 普通、ストレートエンドでのブレーキングでは、クルマは直進しているから左右のタイヤの荷重は基本的に差はない。だから限界いっぱいまで減速Gが出せる。
 しかし、コーナー進入中は左右どちらかに荷重が寄っている。だからブレーキングでグリップを使っていくと、荷重が抜けている内輪側が先にロックし、それ以上強くブレーキをかけられず、そこまでしか減速Gを出すことは出来ない。荷重がかかっている外輪タイヤにはまだグリップの余裕があってもそれを使うことはできないのだ。
 そこでこのFTT、これで左右のトルク伝達をするとどうなるか?内輪はロックしようとするが外輪の回転(トルク)に引きづられてロックしない。つまり、より外輪のグリップ限界に近いところまで減速Gを出すことができるようになる、というわけだ。

 つまり、琢磨の乗るBARマシンは、他のチームよりブレーキング限界が高いマシンであったし、それがあのパフォーマンスを可能にした理由の一つだ。
 その証拠に04シーズンの後半、琢磨のブレーキングの見せ場は次第に切キレがなくなってきて、最後には他チームのマシンとあまり変わらなくなった。 
 それはFTTにかけられた制限が厳しくなっていく点と一致する。最初は電子制御されていたそれは、電子デバイスのドライブアシスト禁止というレギュレーションからビスカスカップリングに変更、それでも不当なアドバンテージと取られて最後にはFTTそのものが禁止となった。

 琢磨はFTTで高くなったポテンシャルをブレーキングの最大パフォーマンスに使い、サムライの評価を得た。
 一方、バトンは、そこでは使わなかった。いわゆるツッコミをせずにFTTでフロントタイヤに楽をさせることを選択したのだ。そしてそのタイヤマージンをライフやダウンフォース削減でのトップスピード確保などに使い、ポイントを獲得した。
 この二人の選択の違いは興味深い。一見着実にポイントを得たバトンの方が正解のように思えるが、単純にそうとは言えない裏がある。
 それは両者の立場を考えればわかる。琢磨は一度参戦しているとはいえニューフェイス、しかもF1では異人種の日本人だ。新人らしさを求められるし、それ「速さ」というは判りやすい形でのアピールが必要。
 一方のバトンはどうか?英国人が英国チームで走るのだから、それほど話題性になるアプローチは必要無く、着実に成績をあげることが必要だった。

 さて今年はどうだろう?速さを十分アピールできた琢磨は今度はポイントという形で結果を求められるだろう。
 自分の考えをしっかり持って行動する彼がそのあたりをどこまで意識して変えてくるか?それが楽しみだ。


 しかし、今年のレギュレーションはどうかと思うけどなぁ。






P.S.
 FTTとフロント2WAYLSDは同じ働きをします。だからFFや4WDにそれを組んだ場合、コーナー進入ブレーキングがこれまで以上にできるようになるわけで、それをどう使うかが、ポイントな訳ですね。
Posted at 2006/05/04 00:44:20 | コメント(0) | トラックバック(0) | クルマ

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「おかんアートにより製作されたフロアマット。少し黒いが素晴らしい出来栄えである。なにより原価300円のセリア仕入れとは思えない。」
何シテル?   06/13 23:37
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