先月、
そんな約束をした覚えもないのに、私が約束をまもってくれないと訴えてきた婆様。
高齢化に伴う諸々が顕著になったのだろうと思われるし、邪見にはできない。
しかし、
翌日にも同じことを言いに来られた ・ ・ ・ ・ 2回も。
作業する前日の天候も気にしなくてはならないし、塗った当日に雨が降っても困る。
でもまたさらに翌日の夕方にも同じことを言いに来られた。 ついでに 「 お昼ごろには 出かけていたでしょう 」 って、私が不在の時にも1度こられていたそうな。
これは危険だ。
勿論、後方も確認してクルマは動かすけれど、自宅の敷地内に入る時には独り暮らしだから敷地内に誰もいない前提でいる。 気にしてはいても、基本は誰もいない前提だから 薄暗い時間帯とかに小さな爺婆様が座り込んでいても気が付かないかもしれない。
本当に早々に、してもいない約束を果たしてしまわなければ危険だ ( ̄_ ̄
翌日、
この前日の天気も良くて乾いているだろうし、この日の予報では翌日の午後まで雨は無し。
婆様の家へと出向いた。
ペンキと薄め液は買ってあったけど、ハケ なんて知らないとおっしゃる (-_-メ
「 あんた、ちょっと行って買ってきてよ 」
とおっしゃる。
前は、そんなことを言う人じゃなかったんだけどな・・・。
まぁ しゃーないので、我が家へ戻って 古いけど洗ってあるハケを持ってきた。
この色をここに塗ってもいーのだろうか?
でも、ご自分の趣味で選んでもらった色だしなぁ。
塗りながらも、いっそのこと塗らない方が綺麗だったと思ってしまう。
塗っている途中で、婆様が消えた。
静かになったので 反って作業がスムーズに進んでありがたいと思ってしまっている自分は、やはり流石に不機嫌なのだろうなと自覚する・・・。
婆様が帰宅した後、ご近所さんが通りかかって
「 あれぇ、hisaoさん 何してるの? 」 と。
「 ペンキ塗ってもらってるのぉ 」 と婆様。
なんかヤバイと思ってしまうのは私だけだろうか。。。
汗だくになって塗り終わり、
帰宅してシャワーを浴びて茶の間で座り込んでいたら、呼び鈴が鳴った。
出ると近所のスーパーさん。
ビール20数缶の箱 かかえてらした。 発泡酒ではなくビール。
「
〇〇さんからお届けです 」 ← 〇〇さんは、婆様だ。
「
何ごとでしょうかね? 」 と私。
「
なんか、ペンキを塗ってもらったからどうのって言ってましたよ 」
わざわざ ご近所で言ってるんかい (0_0
「
困っちゃいましたねぇ・・・ 」
受取りを拒否しても、配達に来たこの人が困るだけなので受取りはした。
「
〇〇さんへ返してこなくちゃですねぇ・・・ 」
「
・ ・ ・ では、確かにお届けしました 」
押印した紙を手に帰っていかれた。
ビールが20数本。
値引きしない小さなお店だから、金額換算は容易。
その金額を作業にかかった時間で割ると、時給1,000円くらになる。
私の本業である ( あった ) 電気家としてなら、1時間でこのビール1箱以上を貰いたい。
でも、電気家の作業ではなく、素人の力技で済ませたペンキ塗りの時給としては 1,000円が妙にリアルに思えてしまう。 そう思うと、なにか腹立たしい (-_-メ
金で雇われたのではなく、ご近所さんのお手伝いというのなら1時間で発泡酒1本くらいが笑ってすませられる妥当な線だと私は思う。
時給1,000円では
金は払った( ̄へ  ̄
と言われている気がして、何か嫌。
誰にも知られていないなら、まぁまぁまぁ。 私も何かお返しをお贈りすればすむ。
それをご近所の小さな、ご近所さんしか買いに行かないスーパーのレジ横で
「 hisaoさんにペンキを塗ってもらったから▲□&$×▽でビールを一箱 」
なんて言っていたとなると、気にした方が良かろう。
なにせ作業を目撃されている上に、話しかけられてすらもいるのだし・・・。
受取った熨斗紙が付いたままのビールの箱を 婆様の家へと持って行き、
「 これは受取れません 」
と言って婆様へ直接にお返しした。
婆様は、
困るだの どうしたらいいだの なぜ返しに来るだの、
困った顔で言い続けていたがキリが無い。
「 額が多いんです。 お金を払う気だったのなら、最初から〇〇さんに依頼してください 」
※ 〇〇さんは、ご近所の塗装屋さん。
と言ってしまった。
納得はしていないようだが、私はそれで引き上げてきた。
ヤバいのであります。
hisaoは近所の年金暮らしの爺婆から有料で何かしらを請け負う
なんて話になったらヤバいのであります。
無償で手伝う奴だ
なら何も問題は無いけど、有料ではヤバいのであります。
ここまでが前振り m(_ _)m
それから何週間も、婆様は我が家へ近寄ることはなかった。
というか、近寄らなくなってしまった (=_=;
ちょっと言い過ぎたかなぁ・・・。
などと思っていたら、呼び鈴は鳴らさずに私を呼ぶ声が玄関から聞こえた。
出るとあの婆様だった。
「
ありがとーねー (^_^ 」
「
なんのことです? 」
「
ペンキ塗ってくれたでしょぉ 」
「
先月の話です? 」
「
違う違う、昨日出かけてて、さっき帰ってきたらさぁ 」
「
なんのこと? 全然わかんないんですけど 」
「
やだぁ、壁とかシャッターとか塗ってくれたんでしょぉ 」
「
知りませんよ。 私、昨日とかバイトしてて昼間は留守でしたし 」
「
じゃー、今朝? 」
「
いえ、今日はまだ私は家から出ていません 」
「
じゃぁ、誰? 」
「
分かりませんけど、私ではないです 」
「
いやー困ったね (-_- 」
「
誰かに頼んだのを忘れてません? 」
「
誰にさーぁ 」
「
それは知りませんけど・・・ 」
「
いや困ったねー・・・・ 」
困ったねー と言い残して 帰っていかれた。
留守中に勝手に他人家の壁やらシャッターやらにペンキ塗ったら、それは悪戯。
でも、壁に絵でも描いたじゃなしに ちゃんと単色で塗り上げたなら、それは誰かに頼まれた仕事でしょう。 誰かにお願いしたことを婆様が忘れてらっしゃる以外に答えは無いと思う。
他には、婆様が自宅のシャッターの色すら忘れてしまったか・・・。
進行が、留まることを知らずに悲しみへと向かっているのかな。
昨年は、そんなでも無かったと記憶している。
年が明けて雪が融けた頃から、急な坂を転がり落ちるように・・・・。