
■8日目 8/16(金) 天気:晴れ後曇り
走行距離:281.9km
浜頓別町からオホーツク国道238号を南下し、紋別を観光した。その後、ダートを乗り越えてサロマ湖展望台へ行き、大空町まで走った。
5:00頃起床。あまり明るくなかったので、少し寝坊してしまった。早速最新の天気予報を確認する。目的としていたオホーツク地域は段々良くなってきていた。当初は17日(土)は終日雨の予報だったが、午後からは曇りに変わった。そして、十勝のみ晴れの予報が出ていた。ただし、道東は別海・羅臼等も含めて全て16(金)~17日(土)午後まで雨の予報だった。
当初の予定では羅臼に行きたいと思っていたが、昨日代替案を検討した通り、女満別湖畔キャンプ場まで行ってタープまで張り、17日(土)は予想よりも早く止むならそこから撤収して、霧多布のキャンプ場に向かう。ここは夏に住み着いている知り合いが居るので、会いに行くのも悪くない。それか十勝方面に向かう。泊まってみたいキャンプ場として、上士幌航空公園か士幌高原ヌプカの里があったので、どちらかだろう。午後まで降るようだったら、そのまま女満別に連泊してしまうのが良いだろう。

そんなことを考えながらテントから出ると、クッチャロ湖畔は相変わらず曇り空だったが、東の空は雲が一部無く、朝焼けが出ている感じだった。トイレに行き洗顔等を済ませて、朝食の支度をし美味しくいただく。
友人M氏は2018年も泊まった別海のキャンプ場を検討していた。ここには大型テントがあり、その下が確保出来れば雨でも非常に快適なキャンプが出来て、雨の日のキャンプ選択最有力の所だった。
ところが、HATINOSUで2019年から大型テントが撤去される、という口コミがあった。アレが無くなったら、雨の日の別海の魅力がかなり薄れる。あそこは長いフカフカの芝生が魅力の1つだが、雨の日はその芝のお陰でくるぶしくらいまで濡れてしまうので、それが難点だ。セコマと温泉が近いのはありがたいが。
そのことをM氏に言うと、電話確認してくれて、老朽化のため2019年から撤去となったようだ。皆大型テントを期待して各方面からも問い合わせが来ているみたい。雨の日でも快適にキャンプが出来るのを願って別海に来る人も居るだろう。口コミが事実だと分かり、私も少し残念だ。
別海はタープもいつの間にか別料金になったから、大型テントも無くなったことで雨の日に使うことはもう無いだろう。ソロで良くある、テントの上に被せるようにすれば問題無いらしいのだが、それで管理人と揉めたこともある、という口コミも見たので、無用なトラブルはお互い避けた方が良いと思われる。
北海道では少ないが本州ではタープ別料金が結構多い。もちろん場所を取るのは分かるのだが、ライダー用のタープなんかはテントの上に被せた場合は、超激混みでも無い限り、そこには張らないでしょ。というくらいのスペースしか占有しない。複数での宴会スペースとして張ったとしても、無しと有りで占有スペースはさほど変わらないだろうに、と長年疑問に思う。
もちろんファミリー用のタープはかなり大きいので、取られても仕方ないと思う。だから、タープと一括りにするのではなく、柔軟な対応をしてくれると大変嬉しいのだが、そこまで求めるのは管理者側の手間が増えるだけだから、無理な話であろう。
話は逸れたが、女満別湖畔キャンプ場が候補として考えている。そのまま真っ直ぐ行くと早く着きすぎてしまうので、適当に観光しながら向かうことにしよう。
撤収を開始しようかな、ってところで隣に張っていたSR乗りでムーンライトテントのライダーと軽く話をした。彼はどうやら、前日小樽に上陸してオロロンラインを走り続け、口コミを見てクッチャロ湖畔が良かったらしいから来たようだ。温泉も近くでキレイでとても最高だ、と喜んでいた。私もココは大好きなので、何となく嬉しい。
オロロンラインのストレートは彼にとってはあまり魅力的では無かったようで、途中で飽きてきたらしい。話している感じだと、クッチャロ湖畔を検索するくらいだから、北海道ビギナーのような印象を受けたのだが。私なんかは未だに飽きずに、毎年のようにオロロンラインも来ていると言うのに。こればっかりは個人の価値観の差なので仕方がない。
彼は、浜頓別から国道275号を通って旭川方面に向かうらしい。「道はまともですか?」と聞かれたから、「立派な道ですよ」と答えておいた。これもそうだが、北海道には酷道というものは存在しない。全て片側一車線以上は確保されているし、雪国だから一部を除いて道幅も路肩も広い。さらに雪国だというのに、国道の冬季閉鎖は知床峠だけ、という充実っぷりだ。楽しいか否かは置いといて、北海道で国道を走る限り離合困難になることは無いだろう。
翌日に掛けての雨を気にしていたので、旭川なら健康ランドが2軒ありますよ、と教えると喜んでいた。一番分かりやすいのが国道40号沿いの旭川健康ランドで、HPのクーポンを見せると、2,000円程度で泊まれた記憶がある。他にも比布駅前にRHもあったはず。
一昔前は北海道内にも健康ランドが結構多かった。2003年に初めて愛車で北海道に行った時は、苫小牧・釧路・北見等にもあって、そこを拠点に周っていた。今となっては道央を除くと旭川と函館にしか無いので、これでは拠点に周ることは難しい。あれだけ各所に安い温泉があって、RHとかも充実しているからか、北海道で健康ランドは中々難しいのかもしれない。

またも話が逸れたが、SRのライダーと楽しく話すことが出来た。こちらも撤収を開始しなければならないので、まずはテントの中身を全てテーブルの上に放り出す。そして、乾かしたいものを椅子に干して少しずつ撤収する。テーブルがあるとこれが出来るから、とても楽だ。
順調に進み荷物がまとまったのでバイクに積んでいく。出発できるな、て思ったところで隣に居た横浜ナンバーのおじさんに話しかけられた。おじさんも結構北海道歴も長いらしく、昔は走ってばかりだったが今はそんなことは無く、寄り道や交流を楽しんでいるらしい。元々台風が来そう、ということで今日から2日間連泊で網走のホテルを予約していたが、天気予報が良くなってきたので逆の意味で残念だ、と言っていた。既に当日なので、キャンセル料が50%だから1泊泊まった分だけは掛かってしまうので、それだったらホテルにしようと言っていた。
これだから、早めに動くのはリスクを伴う。もちろん早期確保することで安心は出来るのだが、もう盆休みも終わりに近づいた頃だと、当日・前日予約でも全く問題無い。ちなみに私も一応ホテルは見ていた。余裕で空きがあったので、とりあえず様子を見たおかげでキャンプが出来そうで何よりだ。と言っても、北見なら1泊3,500円のホテルがたくさんあり、連泊しても7,000円だからTV等でヒマを潰せるのは大変ありがたいだろう。
他にも、北海道郊外では、家の前でバーベキューをしている光景を良く見かける。おじさんは理由は忘れてしまったが、何らかの要因でそのバーベキュー前に停まったらしい。そしたら、「エンジン切ってこっち来い!」とか言われて、突然見知らぬ家庭のバーベキューに参加させてもらったらしい。北海道ならそういうのも有っておかしくないと思う。
私のバイクを見ておじさんは、「私がこんなバイクに乗って北海道を走ったら、自制心が効かなくてかっ飛んで走ってしまうだろう」と言っていた。おじさんだけあって、色んなバイクに乗ってきたらしいが、そういうのもあり今は250ccに落ち着いたらしい。私は、抑えられる方だと思うので大丈夫だと信じているが、400と違って650はパワーがあるので、たまに羽目を外してしまいそうになることがあるのは否めない。逆に、北海道は景色が良いからあまり飛ばさずに、適度な速度で風景を楽しみながら走る方が私は良いと思う。
おじさんと話していたら出発が遅れてしまい、結局いつも通りくらいの8:00過ぎにキャンプ場を出発した。国道238号に出て南下する。浜頓別町南部には風車も立っているのだが、天気があまり良くなかったので寄らなかった。
しかし、今日は風がとても強くて風車の辺りは本当によく流された。国道238号唯一の神威岬のトンネルは、海側から雲が掛かってて天気があまり良くなかった。
枝幸の街に入っても雲が空の主役だった。枝幸の街には三笠山という中々の展望台があるのだが、この天気だと行っても仕方がないと考えて、枝幸もスルーした。
元々の天気予報は曇りだから仕方ないかなぁ、このまま走っているだけだと女満別に早く着き過ぎちゃうなぁ。とか考えながら走っていた。ところが、枝幸の郊外に出てしばらく走り、雄武町に入ったところから晴れだしたのだ。
枝幸の神威岬から紋別までは、ぶっちゃけこの国道238号は単調であまり楽しい道ではない。所々海は見えるが、今まで曇り空の中走ることが多かったためか、そのような印象を持っていた。ところがやはり晴れで走ると、海も真っ青だし陸地側の牧草地の緑も映えてとても気持ちが良い。2017年も雄武町辺りから晴れだしたが、その時は歌登に寄り道したし、乙忠部の先から晴れてきたからまた違う印象を持つことになった。国道238号のこの区間も中々悪くないじゃない。
そんなことを思いながら走っていたが、出発からノンストップで道の駅「おうむ」に到着して休憩する。元々天気が良くなかったので、紋別で観光でもしていこうかと考えていた。以前流氷観光した時に、とっかりセンターのフィーディングタイム(給餌時間)でアザラシと触れ合えるのが楽しかった記憶があるので、それにでも行こう。アザラシと触れ合うのは、大雨でも無い限り楽しめるだろう。現在天気が良いが、紋別も同様に晴れている保証は無い訳だし。
スマホで時間を調べてみたら、10:30からだった。ほぼ真っ直ぐ行けばちょうど良い時間になりそうだ。もし余りそうなら流氷岬にでも寄ることにしよう。
何となくの行動も決まり、道の駅「おうむ」を出発する。泊まったことがある、日の出岬の看板を横目に国道238号を走る。結局天気はずっと良いままなので、とても気分良く走れた。
紋別が近づいてくると交通量が増えてきて、少し流れが悪くなったので流氷岬には寄らずに紋別海洋公園に向かう。ここは、カニの爪のオブジェ・とっかりセンター・海洋公園キャンプ場・オホーツクタワーが固まっている、紋別の観光拠点とも言えるだろう。

ちょうど10:20にとっかりセンターへ到着した。中々ナイスな時間配分だ。夏休み最終日だからか、そこまで混雑していなかったのでありがたい。周囲は子供連れやカップルばかりのなか、ソロで行くのは若干気が引けるが出来るだけ気にしないようにしている。するとソロのライダーが1人居るのが確認出来た。少し心強い。

入場料金200円を払いゲートを越える。正直フィーディングタイム以外は見どころが無いが、元々自然界で弱ったアザラシの保護施設なので、動物園のレベルを求めてはならない。

早速アザラシが水面から顔を出したりすると、子供達が騒いだりする。見た目はすごく可愛らしい。
しばらく待つとフィーディングタイムが始まったので、手を消毒してから入るように、係員さんからの指示があった。

若めのお姉さんが出てきて、1匹ずつの紹介をしながらアザラシが広場に上がってきた。1匹どうしても上がってこないヤツが居たが、お姉さん曰くアザラシは非常に臆病で、風が強い等があると出てこない時もある、と言っていた。

この一番目立つ所に出てきたアザラシの名前は良く覚えている。マガオ君らしく、目立ちたがりな上にエサをねだって吠えたりしていたので、アザラシも中々頭が良さそうだ。

健康管理のため、腹を見せたり口を開いたりするのを躾るらしい。このつぶらな瞳がとても可愛らしい。
一通り、餌やりと説明が終わった所で最後に触れ合いタイムだ。お姉さんの合図で、注意事項を伝えられ家族連れが子供の写真を撮ったりしていた。子供が落ち着いたところで、私も折角なので触れ合う。アザラシにも体毛はあるのだが、水で濡れている。ちなみに、冬前にはかなり脂肪を付けるので、今が一番痩せている状態らしい。でも、プニプニしててとても触り心地がよかった。
アザラシに触って良いのは背中だけで、尻尾・足・頭周辺は絶対に触らないこと、ということのようだ。水に生きる生物なので、尻尾や足をもしやられると、泳げなくて簡単にやられてしまう。そのため、かなりその部位は神経を使っている、とお姉さんは説明していた。

最後にお別れの最後ということで、お腹をペチペチと叩いてサヨナラをしてくれた。プールに戻った後に、折角なので館内を見回る。アザラシに関するクイズがあったり、子供が描いた絵が飾ってあったりと、中々楽しめた。
他にもアザラシシーパラダイスというのもあるみたい。今回は行かなかったが、どうやら2015年9月にオープンしたらしい。前回紋別を観光したのが、2014年だったので知らない内に新しい施設が出来ていたみたいだ。ここも、ふれあい体験施設となっているようで、今度紋別周辺を通る時には寄ってみたいと思った。

次に海洋交流館に入ってみた。冬季はここから流氷観察船ガリンコ号が出港する。流石に~17:00までと営業時間が短いがセコマもあった。この隣は海洋公園キャンプ場があるので、歩いてコンビニに来れるのはありがたい。温泉はプリンスホテル等で入れるだろうが、少し遠いのでバイクで行くしかないだろう。今日は風が強くて、中々キャンプをやるのは大変そうだ。

一服休憩していたら、レストランがオープンしたので移動するのも面倒だから、昼食にする。オホーツクカレーというのがあったのでそれにしたが、正直オホーツク色がカニの切り身くらいしかないので、若干ガッカリだった。でもルーは美味しかったので、まぁ良いだろう。

お腹も満たしたところで、周辺を少し散策。流氷観光船ガリンコ号が、その真っ赤なボディを背負い、冬を待っているように見えた。網走の流氷は見たことがある。紋別は来るのは来たが、悪天候のため欠航になってしまい、ガリンコ号には乗れなかったので乗ってみたい。

あの奥にあるのがオホーツクタワーで、上ではなくて下に伸びており、海中が覗けるというのが売りらしい。送迎用バスが出ているが、流石にあそこまで行くのも面倒だし、折角晴れているから展望の良い所に行きたいので、行かなかった。
どうしようかと思ったら、紋別にスカイタワーというのがあるのを思い出した。ハイドラCPになっているので寄ったことはあるが、入ったことは無かった。これだけ天気が良い訳だし行ってみよう。調べたら、入場料200円らしいがこの天気なら払う価値はありそうだ。
海洋公園は紋別の東側に位置する。スカイタワーは西よりなので来た道を少し戻った。案内を曲がると、中々の急勾配なコーナーのある山道を楽しく登っていく。

しばらく走ると、スカイタワーに到着した。ここは大山の頂上付近に位置し、TV中継局も兼ねているらしい。入ってみると、1Fで絵の展示をしていた。そちらには興味が無いので、早速入場料を支払いエレベーターに乗って上がる。

これは中々の眺めだ。全面ガラス張りで外には出られないから撮影には不向きだが、キレイに保たれていたので充分撮影出来る。

南東方向の眺め。弧を描く海岸線が美しい。先ほどまで居た海洋公園が良く見えた。紋別市街も中々大きい。

その反対側は、山が広がっており人が住んでいるとは思えない景観で、このギャップも北海道らしさを感じる。
撮影と景色を充分楽しみ、1Fに降りる。コーヒーがサービスで飲める、と書いてあったので探してみたら、バリスタが置いてあったのでありがたく1杯貰う。窓が開いている中、涼しい風が吹き込んできたのでとても気持ちが良い。
紋別を楽しんだところでツーリング再開。引き続き国道238号を南下した。海沿いの公園にでも寄ろうかと思っていたが、何となくいいやと思いスルーしてしまった。湧別町に入り、三里浜への分岐を過ぎて進んで行くとサロマ湖に出た。幸い天気は相変わらず晴れが続いている。
ここで1つ妙案が浮かんだ。折角晴れているし空気も澄んでいる。日もまだ傾いていないし、サロマ湖展望台に行ってみようかと考えた。
この展望台の最大の難点は1つ。往復10km強のダートを走る必要があることだ。2015年にも行ったことがあるが、あの時はキムアネップ岬キャンプ場にテントを置いて空荷で登った。今回は当然キャンプ道具満載状態なので、万が一倒した場合のリカバリーが非常に大変だ。
一応前回通った時に、深ジャリも無く全線固く締まったダートだったのは確認している。殆ど恐怖感も無しに走ることが出来たので、大丈夫だと思われる。それと、2018年に浦幌町の昆布刈石展望台へ、勇猛果敢にキャンプ道具を積んだまま行けた。また荷物は降ろしているが、根室のフレシマ湿原を見るためにもダートを走った経験があり、ダートに対する自信が付いていた。
昆布刈石のダートより、サロマ湖展望台の方がマシなのは間違い無い。よって絶景を求めてダートを越えて展望台へ行くことにした。
道の駅「愛ランド湧別」を通過して、道道961号の交差点を過ぎてすぐ標識があったので右折した。右折してほんの100mも走らない内にダートが始まった。
予想通り、殆どジャリも無く勾配もそこまでキツく無い。走りやすくはないが、ダートとしては良い部類であろう。2015年の時は、キムアネップ岬に居て戻らないといけないので、東側から登って東側に下った。今回は、西側から登ったのでこの道は初めてだ。下りは東側にしようと思う。
2015年は朝だったので1台オフ車に抜かれたくらいで離合することは無かった。今回は流石に昼間なので、多分2台くらいとすれ違った。しかし、バイクだからまだ良いがクルマ同士のダート離合なんて考えたくもない。
結局特に不安も感じずに、東側との合流点に到着。何故かここからは舗装されているので快適に走り、無事サロマ湖展望台に到着した。到着してすぐぐらいに、セローがやってきた。流石オフ車の走りは心強そうだ。

早速そこそこある階段を登っていくと展望台が見えた。

到着。書いてある通り、視界は360°。は正直言い過ぎだが、それに匹敵する展望が待っている。

これがサロマ湖展望台からの眺めだ。ダートを苦労して越えてくる価値は充分ある景色だと思う。

サロマ湖とオホーツク海の境も良く見えた。

オホーツク海との接合部を望遠。2015年は朝早かったので、まだ逆光が残っていた。でも今回は、午後一を少し過ぎた程度なので、とても澄んだ青空で素晴らしい景色を拝むことが出来た。

キムアネップ岬もよく見える。あそこのキャンプ場も大変良いのだが、いかんせん大きな蚊が多くて難儀をする。よって、4年前に利用して以来行っていない。
超広角レンズだけ持ってきたが、それでも全てを収めることが出来ないくらい広い。流石、全国第三位の広さを誇る湖だ。
ここから見る朝陽なんかは素晴らしそうだが、朝暗い中あのダートを登る気は中々起きない。ここの駐車場はトイレもあるのでゲリラキャンプも可能な場所ではあるが、山の中なのでクマが怖い。それは夢のまた夢になるだろう。
サロマ湖展望台からの景色を楽しみ駐車場に戻ってきたら、キャンプ道具を積んだオンロードバイクが2台増えていた。結構頑張ってここまで来ているライダーも多いみたい。帰りは前述通り東側に向かったが、ここでも2台程度と離合があったが何とか避ける。しばらく走ってきたところでクルマが追い付いてきた。下りは流石に怖いのでゆっくりだったから仕方がないか。
譲りたいが譲れそうな所が無い。まぁこちらもよくクルマに蓋をされるので、たまには良いだろう。と思っていたら、完全に尻に付かれる前に、舗装路へ出た。そうなったからにはこっちの物なので、普通に走るとあっという間に後ろに見えなくなった。やはり舗装路は快適だ。ダートを走った後だと、舗装のありがたみが大変良く分かる。
国道238号まで戻ってきたが、ちょっと逆戻りをして道の駅「サロマ湖」へ向かう。良い時間になったので、ソフトクリームを食べた。
休憩をして、再度国道238号を南下する。サロマ湖の湖岸をのんびり走っていると、常呂の丘の上に高い塔のような物があった。折角天気が良かったので、展望台的な所は寄っていこう、と考えた。ツーリングマップルを見ると、常呂百年記念塔と書いてあり、そういえば一度行ってみたかったな、と思ったことを思い出す。
早速国道238号から、小さな標識があったので右折する。しばらく走ったところで公園のような分岐があったが、特に案内が無かったのでスルーしてしまった。しばらく走ったところで間違いに気付くが、これが思わぬ成果をもたらした。

大変素晴らしい丘の形状と、奥に見える能取岬とオホーツク海の展望が素晴らしい。能取岬を上から見下ろすことが出来るところは、あまり無いかもしれない。

展望塔に行きたかっただけだったのが、思わぬ副産物を生みだした。久しぶりの感動した風景に出会い写真を撮る。

惜しむらくは、電線が思いっきりあることだったので、超広角で撮影すると避けられなかった。

望遠レンズに付け替え。わずかに白黒ストライプの能取岬灯台が見える。

もちろん愛車も撮影する。本当に電線が無ければ最高なんだが。

能取岬側を何とか電線を入れずに撮影。

こんな写真も撮ってみたり。
こういうこともあるから、ナビに任せるのはダメなんだと思う。今回は道を間違えなければ、この風景には会えなかった。もちろん、間違えた時点で大概副産物等そう簡単に生まれない。でも、時々このような絶景に導いてくれることもあり、その時のインパクトは絶大だ。何せ自分が意図した場所では無いところで絶景を見つけた時の喜びというのは、言葉では伝えられない。
ツーリングマップル等どこにも載っていなく、紹介もされていない絶景を見つけると、何だか自分だけのお気に入りの場所・秘密基地のようで凄く嬉しいし満足感がある。そういえば、屈斜路湖のコタン温泉を管理している民芸屋の主人も、似たようなことを言っていた。確か、店の前に「北の大地、ナビを切って発見の旅を」みたいなことが書いてあった気がする。
ナビに指示された場所だけに向かうことは、旅ではなく、旅行なんだと私は思う。同じ漢字を使っているが、その言葉の持つ意味は僅かに違う。時間の限られている社会人であれば、他の地域なら中々旅は出来ない。でも、北海道ならキャンプ道具さえ積んでいれば、旅行ではない旅が出来る。ナビの普及率はかなり高いと思うが、もし100人居て1人でも、こういう考えの人も居るんだ、とか思ってくれたら書いた甲斐がある。ナビは現在地の確認程度に留めてもらえれば、新たな発見等もしやすくなるだろう。
しかし、北海道にはまだまだ私が知らない風景と言うのは存在する、ということを改めて感じた。クルマを含めると8年連続の夏休み北海道であるが、本当に奥が深い。天気や雲の具合等で感情が異なってくるから、やはり夏の北海道は最高だ。
大分寄り道をしてしまったが、それではお目当てだった常呂百年記念塔へ向かう。雰囲気の良いパターゴルフ場の横を進むとあった。

記念碑を撮影。

ここは別名ホタテタワーとも呼ばれているらしく、確かに一番上がホタテのようにも見える。

それでは早速登ってみよう、と中に入ったところ面白い張り紙を見つけた。確かにツーリングマップルにも百段の階段とあったので、覚悟はしてきたが予算の削減等に悩まされたのであろう。

えっちら階段を登っていくと、階段に段数が書いてあった。

百段目に到着した。肝心の展望はどうだろうか?

正直に言うと、それなりに苦労して登った割にはかなりガッカリだった。まず、ガラスが非常に小さく、しかも汚いので外の景色の開放感等が全く感じられない。

一応何とか風景を撮影した。何を思ったのか縦ラインの入ったガラスなので、写真にも写り込むし風景を撮影するには全く期待出来ない。

紋別のスカイタワーは、若干写真に反射が写り込むが、大型のガラス張りなので開放感があり、中々良かったのだが。
これは中々のガッカリ名所だと思った。間違えたところにある絶景ポイントが無ければ、かなりの立腹が予想されたが、悪い気分じゃなかったのでまぁ仕方ない、と思えることが出来た。この塔の設計者は何を考えて設計したのだろうか、約30年前の設計なので今みたいな大きなガラスとかは更に高価だったり、出来ないとかがあったのかもしれない。それでも、ガラスの掃除はしてないし管理の不十分さを感じてしまった。
北海道でも、時には「何だこれだけか」と思わせられるガッカリ名所というのは存在するが、私の中での北海道ガッカリ名所ダントツ1位に躍り出てくれた。まず百段階段を登るというハードルがあり、苦労して登った挙句にこの仕打ち、というのは中々味わえないだろう。ツーリングマップルにもコメントが入っているので、期待もしてしまう。
今までの私的北海道ガッカリ名所1位は黄金道路だった。割とどこでもツーリングスポットとして挙げられているが、まず襟裳岬まで遠いので行きにくいこと。そして、体感的には道の半分はトンネルで、海の風景が殆ど見えないこと、から期待して行くとちょっとガッカリしてしまうと思っている。
それでも、襟裳岬手前の望洋台からの景色は中々良いし、時折海に近い所も走れるし、険しい海岸線も見れるから走る価値はあると思う。これを見た方々の中で、是非ガッカリしてみたいと思う方は、是非常呂百年記念塔へ行ってみてもらいたい。私は恐らく二度と行くことは無いだろう。
ちなみに私は有名なガッカリ名所、札幌時計台は普通にアリだ。建物に歴史を感じることが出来るし、中も札幌農学校の展示があって中々面白いと思う。
目的地じゃないところの方に興奮した、何とも言えない気分になったが気を取り直して出発する。
この辺で本日の宿を模索する。再度天気予報を確認したが、朝見た時と大きく変わっていない。羅臼温泉野営場に行きたいところだが、雨のオフ日を考えて予定通り、女満別湖畔キャンプ場にしよう。
M氏ともちょくちょくLINEでやり取りしていたが、意外と2人が噛み合ってない会話をしていた。まず私はオホーツク海側は雨が降っても今夜から。道東は今日1日雨だという予報を見ていた。その状況の中でM氏は、
「美幌峠を越える~」とか
「和琴半島見て来る~」とか
「別海に行く~」とか言っていたので、よく行くな。と思っていた。雨雲レーダーも何度か見たが、別海等の道東は所々に雨雲が掛かっているのを確認出来た。私なら、確実にそっちには行かずに、網走周辺を散策したことだろう。
後から聞いた話だが、M氏の見た天気予報は道東曇りだったそうだ。私は大体Yahoo天気とウェザーニュースの両方を確認するのだが、どちらも雨が出てたと思う。でもM氏はウェザーニュースを使っていて「曇りだった、もうウェザーニュースは信じない」と大変ご立腹だった。2人の情報で何が違うのだろうか? 恐らくであるが、ウェザーニュースアプリの「ココ検索」と「天気予報ch」で同じような地域なのに結構変わっていることがあった。なので、ここら辺の原因だろう。
M氏は道東はずっと雨だ、と言っていた。それもあり、M氏は前日女満別に泊まって撤収していると分かってて、私が女満別へ行こうと思ったから、「じゃあ、女満別で待ってるね」と半分冗談、半分本気で言ったところ、女満別に帰る。と返信があった。
これで2回目のM氏と合流となり、今からとても楽しみだ。常呂百年記念塔を出発して、能取岬に行こうかどうかで悩む。
翌日雨予報のため、タープを張らなければならない。これまたM氏情報で、女満別湖畔は風が中々強かったのでタープは大変かも、と言っていた。それもあり、早めに行こうと決め、能取岬は行かないことにした。先ほどの高台から見えていたので、それで満足していたのもある。
国道238号を網走方面に向かって能取湖岸を快走し、道道104号へ右折した。網走湖が見えるかな?って思っていたが、時折見える程度だったのが残念。この辺まで来ると、先ほどまでは晴れていたが、段々雲が多くなってきてしまった。元々、網走の天気予報は曇りだったから仕方ないだろうが、夕暮れは厳しいかもしれない。そこから、道道248号へ左折。しばらく行くと、女満別方面の標識があったので農道を進むと、国道39号に出てほぼ女満別の真ん中に出てきた。
ここまで来ればキャンプ場はすぐそこで、受付である観光案内所の前に16:00頃到着し、バイクを停める。パッとサイトを見たが、予想通り夏休み最終日のためガラガラでどこでも張り放題だ。受付をしてゴミ袋を購入し、早速どこにテントを張ろうか悩む。当然湖に一番近い最前列が良いが、空いている所を確保出来た。
雨が降るのが濃厚なので、出来るだけ盛り上がっている所を探す。若干窪んでいるところがあったので、そこを避けて場所の目星を付ける。そしてタープをまず張る。そしてテントを張っている最中に、M氏がやってきた。開口一番、「こんな温泉から遠い所に設営してから」と言われた。私の中で、今居るところがこのキャンプ場の特等席だと思うのだが。美肌の湯寄りにも駐車場があって、トイレも炊事場もあるのでM氏は前日そちらに張ったようだ。「でも、そっちだと湖畔の雰囲気が無いじゃん」と言っておいたが、何を優先するかは人それぞれなので仕方ないだろう。
月形の時も話したが、とにかくM氏は歩きたくないらしい。規模にもよるが私が、「キャンプ場の端から端程度なんて誤差みたいなもんじゃん」、と言ったが「誤差じゃない」と反論されてしまった。そういえば、2018年も斜里の天まで届く道で、展望台がすぐ横にあるのに行かなかったくらいだから、本当に歩くのが嫌いなのだろう。私は写真が趣味なのもあり、時間さえあれば散策は割と好きだ。そんな話をしながら、テントをお互い張っていく。

大空町女満別湖畔キャンプ場をキャンプ地とする!ここも私の採点では最高点のキャンプ場だ。乗入が出来ないのが唯一の減点ポイントなのだが、シーズンを外せばほぼ乗入感覚でテントを張れる。温泉も徒歩圏に2軒あるし、セコマも近くで網走湖の雰囲気も良く、とても素晴らしい。
唯一と言っていい残念ポイントは、隣接温泉の美肌の湯には、シャンプー・リンスが無いことと、コインランドリーが1個しか無いことだ。美肌の湯はホテルも兼ねてて、この夏休みの時期は大学生の合宿なんかに使われているみたいで、彼らに洗濯機を占領されてしまう。なので、あまり当てに出来ないことくらいだろう。
私は前日洗濯を済ませたが、M氏はそろそろしたいらしい。前日しようと思ったらしいが、やはり大学生に占拠されていた、ということで出来なかったと言っていた。翌朝は雨で時間を持て余しそうだから、一応夜の温泉の時に見るが最悪翌朝しよう、と言っていた。また、M氏は1回撤収したのに、また同じ女満別湖畔で変則連泊になってゴメンね、と言ったところ、張っている場所が違うのでギリセーフ、と笑っていた。
米を水に浸けて、夕食の買い出しにセコマに向かった。すぐ近くだが、若干徒歩では遠いのでバイクで向かう。宴会になるのでちゃんとビールを買うが、サッポロクラシックの350ml缶が無かった。私としては、北海道で飲むならコレ、と思っていたが無くて残念。仕方ないのでプレミアムモルツにしたが、M氏が店員に聞いてくれた。最初は、やっぱり在庫が無かったらしいので謝られたが、6缶パックならあった。店員さんは何とそれを解体してくれて、1本で売ってくれた。これは大変ありがたく思う。細かなサービスがとても嬉しく思えた。
キャンプ場に戻ったところで月形では先に温泉に行ったが、今日はM氏の到着が遅れたので、夕暮れの時間が近い。なので、食事を先に取ることにした。

しかし、雲が多くて微妙な夕暮れしか見れなかった。前日はとてもキレイな夕陽が見れたらしいので、それは残念だ。それでも網走湖畔の景色は大変良い。
まずはビールを空けて2人で乾杯する。キャンプ場で飲むビールは大変美味しい。良い感じに酔っぱらったところで夕飯を美味しくいただく。
そういえば今日は8/16でお盆最終日だ。2017年も同日に女満別湖畔に泊まった時、灯篭流しがあったのを今回もあるのかな?と期待していた。そう思っていると、老夫婦がやってきてバイクのナンバーを見て話しかけてきた。静岡から来たんですね、とかやっぱり北海道は最高です、等の話をした。
その後、灯篭流しの話になったので、湖畔の桟橋から流すはずですよ。と答えたら、「静岡の人なのによく知ってるね」と言われた。何せ毎年北海道に来ていて、たまたま8/16の女満別にも泊まったことがあったから知っていたが、何だか嬉しかった。
その肝心な灯篭流しだが、M氏と会話に夢中になっていたら、いつの間にか終わっていた。M氏は写真に撮りたかったらしいので、残念がっていた。やはりソロとマスではその辺のアンテナの張り方が違うので、ちょっと鈍感になってしまったのだろう。それなら仕方がない。
会話の中で、M氏は来年来れるんだったら、ガスを持ってくるのを止めようか、とか言い出したのでビックリする。私の場合は、節約も兼ねてキャンプも楽しみの1つにしているので、自炊は欠かせない。炊き立ての米と肉を焼いて食べて、コーヒーを飲む。これも至福の時だと思うので、ガスは必須アイテムなのだ。キャンプ飯は全部コンビニで良い、とまで言い出したから、買い出しに便利なキャンプ場ばかり周れば良いが、何にも無いところや寄れないことも時にはあるので、私はやはり食料・自炊用品はキャンプをするのであれば持っておいた方が良いと思う。
食事も済ませ、20:00頃から温泉に行く。未だに美肌の湯しか行ったことが無く、湖南荘も日帰り温泉をやっているが未だに行けていない。HPに日帰り温泉について記載が無いのだが、クチコミ等だと受付も20:30までということだから、今回も美肌の湯にしてみた。ちょっと調べてみると、湖南荘は内湯のみのサウナ無しのよう。それだとちょっと魅力が薄れるな。連泊の時とかは変えてみるのも面白いかもしれないが、基本はやはり美肌の湯の方がポイントは高い。
M氏と一緒に行ったが、一応コインランドリーを覗いてみると使用されていた。やはり翌朝やるしか無いだろう。ここのコインランドリーはやはりあてに出来ないことを痛感する。温泉に入ったが、ヌルスベ系の温泉でとても気持ちが良い。サウナ・水風呂・露天風呂もあって、文句の付けようが無い。シャンプー・リンスが無いことだけだろう。
M氏は何と前日ここ美肌の湯でサウナ・水風呂を3setこなしたらしい。一昔前には水風呂もあまり入れなかったというのに、エライ成長を遂げている。本当に我々の洗脳教育が実を結んでいると感じた。今回は2setこなして、露天風呂でダラダラしてあがる。
休憩室でしばらく寛ぎキャンプ場へ戻る。少し話していると、もう22:00を過ぎたのでお開きにして寝ようとした。
しかし、22:00を過ぎたにも関わらず、家族連れの子供が遊具周辺で大騒ぎをしている。ガラガラのキャンプ場に子供の声だけが響き渡り、近隣に住宅もあるため流石に迷惑だと思うが、親は何をしているのだろうか。久しぶりの喧しい夜が、夏休みも終わったキャンプ場であるとは想定外だった。概ね北海道民のキャンプマナーは良いことが多いのだが、たまにはこのようなこともある。
そんなことを思いながらシュラフに入っていると、喧しいにも関わらずいつの間にか眠ってしまっていた。
宿泊地:北海道大空町 女満別湖畔キャンプ場 310円(ゴミ袋込)
温泉:山水美肌の湯 420円
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