
■3日目 8/11(日) 天気:曇り
走行距離:328.3km
苫小牧から支笏湖南岸・羊蹄山周辺を巡って、国道5号を南下。国縫から日本海側へ出て、追分ソーランラインを走って厚沢部町まで走った。
6:00頃起床。ホテルなので朝シャンを浴びて、洗顔等を済ませてサッパリする。

ホテルの窓から外を伺ってみたが、路面は濡れておりどんよりとした夏北海道の典型的な空だった。天気予報を確認すると、苫小牧地方は午前中に雨が降るかもしれない、程度だった。全道的に雲が多くて雨の降る確率が高い予報が出ていた。しかし、目標としていた道南方面は薄曇りの予報。特に日本海側の江差だけ何故か晴れマークが出ていた。これだったら、予定通り道南方面に向かうことにしよう。
今回は奥尻島に行きたいから、というのもあって道南に向かうことになるが、例年の無計画状態だったらどうしただろうか。流石に江差までは晴れてるからとは言え行かないだろうから、ニセコ周辺でも巡っていたかもしれない。
やはり折角北海道に来ているから、基本的には道北・道東に居たい。道南を攻めるなら、旅の序盤・終盤に回すしかないので、今回の天気予報は追い風になってくれることを願うばかりだ。

そんなことを思っていたら、朝食バイキングが始まる時間になったので、レストランに向かう。バランスを考えつつ、好きな物をたくさん選んでとても満足。食後のコーヒーも美味しくいただいた。
部屋に戻って出発準備を進める。目標としていた厚沢部町くらいまでは300km強くらいだったので、そこまで早く出る必要は無いだろう。天気も良くないし、ボチボチ始める。
ホテルをチェックアウトし、バイクに戻った。相変わらずキャンプ道具満載なのに、特に何もされていない。やはり日本はとても治安の良い国だ、と改めて実感する。荷物を積みなおして、8:20頃苫小牧のホテルを出発した。
まずは国道276号を北上し、支笏湖南岸を目指す。しばらくは、苫小牧らしく工業都市だから交通量も多かったが、国道に入るころには落ち着いてきた。
夏休みだからか少し交通量も多かったが、ここで北海道でしかありえなさそうな光景が見れた。片側1車線なのに、右車線に3台くらいクルマが居て熱いデッドヒートを繰り広げていた。直線が長く見通しが良くないとありえないだろう。
そんなことを思いながら、国道重複区間を左折し羊蹄山方面へ西進する。この道は支笏湖畔南岸を通るが、林があって湖が殆ど見えないのが惜しい。ここら辺からツーリングライダーも増えてきて、手を振ると帰ってくるから北海道に来ているんだ、と実感する。
海から離れたせいか、薄曇りになり明るい空模様になってきた。雲の隙間からも、ほんの僅かながら青空も見れたので、初日からツイてる。峠を越えて大滝に入ったところで、国道重複区間も終わり、276号単独区間に再度入った。
この辺りから羊蹄山が見えてくるはずなのだが、雲が厚くて山頂が雲に隠れているようだ。でも、この周辺は道央ながら景色が中々良いので、それを楽しみながら走ると喜茂別の町に出た。
引き続き国道276号を走ってしばらくすると、羊蹄山周回道路に入るために脇道に逸れる。この間も走りは楽しいが、羊蹄山が見えないので停まって写真を撮りたい、とまで思えなかったので、そのままニセコへ向かった。
この旅で初めてニセコのセコマに立ち寄る。ここは国道から少しニセコ側に入ったところだが、行ったことがあったので知っていた。これから何回も寄ることになるだろうが、やはり最初は何となく嬉しい。飲み物を購入して喉を潤す。
セコマを出発して、北海道唯一の1桁国道5号に入る。本州の1桁国道ならばどこでも交通量が半端じゃないが、少し交通量は多いものの流れも良くて普通に走れる。蘭越周辺なら景色も良くて楽しく走れた。
ここで長万部町境の峠を越えた瞬間霧雨模様に変わってきた。やはり海からの風が当たる峠以南は天気が悪くなる傾向にある。カッパを着る程でも無かったのでそのまま突っ切ったら、市街地近い所で止んでくれた。
長万部の国道沿いで海に近い所があったので、そこで昼食を取る。長万部だと「かにめし」が有名だが、前日同僚S氏からパンを貰っていたのでそれを食べて昼食にする。海を見ながら食べるパンは中々美味しかった。
お腹も膨れたところでツーリング再開。国縫から国道230号に入り今金町に向かった。太平洋噴火湾側から峠を越えたら、予報通り天気が良くなってきた。この国道を走っている途中で、残っていた今金町の国盗り空をようやく取得。道南は正直訪れることが少ない。海沿いの道なら走ったことがあったが、今金町は道南の内陸に位置する。ここがいつまでも残っていたが、ようやくGetした。これで残りは焼尻・天売島だけとなる。今回行く予定にしているので、いよいよ北海道の空制覇が近づいてきて嬉しく思う。
目的地は厚沢部町だったが、とりあえず今金町のセコマに立ち寄ってどのように向かうか模索する。写真も殆ど撮らずに走ってきたおかげで時間に余裕はありそうだ。大きく分けて、このまませたな町日本海側に出て南下するか、再度八雲町太平洋側に出るか、のどちらかが考えられる。翌々日は日本海側の追分ソーランラインを北上する予定だ。なるべく同じ道を通りたく無いという気持ちが強かったので、八雲方面に行こうかと考えた。
しかし、どうやら今日は典型的な夏の北海道の気候のようで、太平洋側の天気は良くなかった。霧雨舞う中走っても微妙なので、同じ道メインになるが、日本海側追分ソーランラインを走ることに決めた。
私が持っているツーリングマップルは2013年版と古いので、せたな町~大成町を北海道最西端尾花岬をかすめながら通る、道道740号が未開通のままだった。しかし、風の噂でここが開通し、通れるようになったという情報は入手していた。それなら、今日は国道229号を南下して、翌々日は道道740号を北上するようにすれば違う道も走れて良いかと思う。
こんなことを考えながらせたな町に出て、国道229号を南下する。交通量が少ない道を楽しく走りながら、泊まったことがある大成野営場の看板を通過した。

奇岩親子熊岩にパーキングがあったので停まってみた。

4年前のGWに立ち寄ったことがあるが、確かに親子の熊が向き合ってじゃれているようにも見える。

ここはシルエットっぽくした方がより親子の熊だ、というのが分かりやすいと思う。

雲は多かったが、明るい感じがあってそこまでどんよりとしておらず、奥尻島がよく見えた。翌日、私はあの島に渡るはず。と思うと気が高まる。
そろそろ本日の宿を模索する。と言っても計画通りに進めてきているので、候補はあった。厚沢部町レクの森キャンプ場が、奥尻島行きのフェリーが出る江差港からも近く、温泉・買い出しも便利でしかも無料。と素晴らしいキャンプ場がありそうだ。
ここでもう1つの候補が、今日の内に奥尻島へ渡ってしまう、という手だ。本土と奥尻島を結ぶハートランドフェリーは、2018年まで江差港からとせたな港からのフェリーを運営していた。
しかし、2019年からせたな航路を休止してしまったようで、江差港からしか奥尻島に渡れなくなってしまった。2018年までなら江差まで行かなくても良かったのに、少し走行距離が延びてしまう。しかも、せたな航路の方が運賃も安かったのに残念だ。とはいえどちらにせよ、江差にもハイドラCPがあるので行かなければならないのだが。
話はそれたが、奥尻島⇔江差港のフェリーは2往復している。いずれも、朝発と夕方発ということになる。ダイヤはこんな感じだ。
第1便:奥尻港発06:50 ⇒ 江差港着09:00 ⇒ 江差港発09:30 ⇒ 奥尻港着11:40
第2便:奥尻港発14:00 ⇒ 江差港着16:10 ⇒ 江差港発16:35 ⇒ 奥尻港着18:45
今日奥尻島に行くと、テントを張るのは日没後になってしまうだろう。そこから温泉に入ったりすると、すっかり遅くなってしまいそうだ。そこから、翌日奥尻島を巡って14:00発に乗ってもあまり動けないので、結局厚沢部町のキャンプ場に泊まることになるだろう。奥尻島はそこそこ広いとは言え1日過ごすと流石に時間を持て余してしまう。他にも行きたい所もあるので、半日観光出来れば充分だと思う。
やはり予定通り、今日は厚沢部町のキャンプ場に泊まり、翌朝余裕を持って江差港9:30発のフェリーに乗って、翌々朝の奥尻港6:50発のフェリーに乗るのが最適解だと思う。なので、厚沢部町のレクの森キャンプ場へ向かうことにした。
国道から道道935号に入って厚沢部町に向けてショートカットする。途中で厚沢部川を渡り、国道227号に入ればすぐ厚沢部町に入った。
キャンプ場は道の駅の隣のように見えたので探していたら、国道沿いに大きな看板があったので入る。国道から数百メートル走ると駐車場があり、管理棟らしき場所があったので、早速受付をする。

前情報通り利用は無料で、小振りなサイトながらそんなに多くのテントは現状張ってない。15:00到着と少し早いからかもしれない。初めてのキャンプ場なので、まずはトイレと炊事場の場所を確認する。トイレは管理棟側で駐車場の端っこ。炊事場はサイトの近くにあり中々利便性は良さそうだ。
それではどこに張ろうかサイトを確認すると、やはり駐車場に近い所にファミリーテントが多く張られており、奥側は空いていた。バイクを通路の先端まで付ければ荷運びもそんなに大変では無さそうなので、奥側に陣取ることにした。5月以来のキャンプだったが、もう何度も張っているので問題無く設営。雨が降る予報は全く無かったが、早めに着いたのと翌朝も余裕があるのでタープも張ってみた。

厚沢部町厚沢部レクの森キャンプ場をキャンプ地とする!サイトは小振りだが、無料で炊事棟も屋根付きのしっかりしたものがあり、トイレも水洗でキレイだ。駐車場の横がサイトなので、荷運びも苦にならないだろう。セコマも国道に出てすぐ近くにあるし、温泉も徒歩圏ではないが、周囲に何か所かあってとても便利だ。

入口の白樺並木が中々良い。

私は林間のサイトはあまり開放感が無くて好きではないのだが、ここはそんなことは無く気に入った。
設営を終え、荷物を片付けイスに座ってゆったりしながら早速周囲の温泉を探してみる。キャンプ場から一番近い俄虫温泉なら3km程度らしいので5分もあれば着きそうだ。でも単純温泉だったので、他にも探してみる。すると、ちょっと距離が離れるが乙部温泉が硫酸塩泉でサウナも完備しているようで良さそうだ。時間もあるし、乙部温泉に行くことに決めた。米を水に浸けて温泉へ向かう。キャンプ道具を降ろしているので、バイクが軽くとても運転がしやすい。
来た道を戻るようにして、乙部温泉の看板を確認した。キャンプ場から15分程度で到着。

どうやら最近リニューアルをしたようで、とてもキレイな外観だった。早速入るが、何とシャンプー等は置いてないらしい。しまった、シートバッグに入れたままで風呂用バッグに移すのを忘れてしまったので、持ってきていない。まぁ1日くらい良いか、と諦める。
GWの福江島のように他者の余りでもあれば良かったが、洗い場にゴミ箱が置いていなかったので、それも出来そうにない。しかたないので掛け湯をして温泉に入る。やはり1日走った後の温泉はとても気持ち良い。頭をお湯シャワーのみで洗って済ませる。
次にサウナ・水風呂をこなすが、ここの水風呂は中々冷たかった。足先を入れると冷たくて入ってられないので、足先だけ水風呂から出して何とか冷やす。次に露天風呂に行くと、足つぼを刺激できる所があった。それを楽しんでいると、アブにまとわりつかれてしまう。こちとら素っ裸なので襲われたらたまらないから、もう少しやりたかったが露天風呂に入った。
最近、半身浴で肩甲骨のストレッチをしたり胴回りの運動をするのがマイブームなのだが、ここだとアブが居るので半身浴をするのも危険なので諦めた。風呂上がりに水風呂で締めてサッパリする。休憩室でしばらくくつろぎ、厚沢部町に戻る。

途中で雲は多いが、夕暮れが見えた。風車の景色も合わせて写真を撮る。

日本海側は天気が良さそうで、内陸に入ると雲が広がっていそうだ。江差のかもめ島でも行けば、夕陽がキレイかもしれないが、まさか晴れると思わなかったので、先に温泉に入ってしまった。温泉に入った後に、潮風にあまり当たりたくないので夕陽は諦めてキャンプ場に戻る。
その前にホクレンで給油して、早速2019年の黄色ライダーフラッグをGetした。今年は道南に居るので黄色は簡単に手に入る。
次にセコマに寄って買い出しをし、キャンプ場に戻ってきた。出発時よりテントは少し増えていて、まぁまぁのグループが居るみたいだ。それでもシーズン中でも足の踏み場も無いほどではなかったので、ありがたい。米を水に浸けていたので、早速炊飯を始める。
どうもここ最近、コッヘルの変形が酷くなってきたせいか、以前までは沸騰するとすぐ分かったのだが、今は音も大して変わらないし、蒸気も勢いよく出てこなくて分かりにくい。なので、弱火にするタイミングが分かりづらくなってきた。流石にそろそろ沸いているだろう、と思い弱火にしたが既にチリチリ音が鳴っていたし、若干焦げ臭くなってしまった。これは久しぶりに失敗してしまったか?と思い、ちょっと蒸らし時間を長くすることで対応する。
いつもなら、炊飯と同時に肉を焼き始めるが、少し待つ。恐る恐る開けてみて一口食べてみたが、ご飯はちゃんと炊けていた。底部も若干茶色くなっている程度で、焦げ臭かった割には殆ど焦げてなかった。真っ黒でこびりついているのを想像していたが、そこまでいっていなくて一安心。
北海道の初キャンプ飯を美味しくいただき、風呂も済ませているのでキャンプ場でゆっくりする。この時間も至福の時だ。
しかし、このキャンプ場。山の中のせいか虫がかなり多い。蚊では無いが、アブが多かったので刺されてしまった。アブは蚊とは違い、噛り付き吸血するので刺された瞬間痛みが走る。長袖長ズボンに靴下まで履いていたのだが、サンダルの足部をやられてしまった。2017,2018年は寒かったのもあり、虫には殆ど悩まされなかったが、2019年は少し暑めのようなので虫も活発に活動しているのだろう。
とりあえず、久しぶりに蚊取り線香を出してみる。付けてしばらくは変わらなかったが、次第に虫が居なくなったので効いてるみたいで何より。
一部のグループでウクレレを弾いている人が居たが、次第に酒が回ってきたからか弾き語りを始めてしまった。ちゃんと21,22時には止めてくれるといいんだけど、とか思っていたが、これも夏のキャンプの風物詩と思うようにした。
すると、いきなり轟音が響き始めた。どうやらちょうどサイトから見える所に花火が上がり始めた。キャンプ場の人たちは殆どが駐車場まで出てきて花火を鑑賞している。方向的には乙部町のように思えるが、ちょうど良い時にこのキャンプ場に来たものだ。キャンプ場で花火を見たのは、2013年の天塩町鏡沼公園キャンプ場で見た以来となるだろう。

手持ちでいくらか撮ったが、やはり花火を撮影するのは難しい。30分くらい上がったところで終わったようで、皆サイトに戻っていった。これもあったためか、弾き語りも終わったのでキャンプ場には静寂な時が流れていた。LINEを確認すると、友人M氏は、苫小牧からナイタイ高原・三国峠を経て日の出公園に居るらしい。あそこは人気のキャンプ場だから混雑してるでしょ?と聞くと、満杯だと返ってきた。それに比べると、この厚沢部町のキャンプ場は無料なのに適度に空いててありがたい。虫が多いのが少し辛いが。
改めて、しばらくキャンプ場の夜風に吹かれて21:30頃寝ることにする。これからキャンプ生活の始まりなので、このくらいの時間に寝て日の出と共に起きる生活が始まる。
宿泊地:北海道厚沢部町 厚沢部レクの森キャンプ場 無料
温泉:乙部温泉いこいの湯 400円
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