■7日目 8/19(金) 天気:雨後晴れ後曇り
走行距離:122.2km

利尻島を前日の反対方向で周り、礼文島に渡って一通りの観光地を回った。
朝起きて外に出てみると、空はどんよりとしており利尻山は隠れていた。これでは、今日も白い恋人の丘・オタトマリ沼からの景色は期待出来無さそうだ。天気予報を確認すると、午後からは晴れの予報が出ている。何度も騙されている天気予報ではあるが、今回も何の根拠も無いが信じてみることにする。
利尻島~礼文島のフェリー出港時刻は9:20だったので、最悪8:30に出れば余裕だろう。一応、万が一を祈って昨日と逆回りに走ったとするなら、8時に出れば良いと思われた。なので、そこまで急ぐ必要は無いのでのんびり朝食を取り、撤収作業をする。

昨日後から来てた原付の人は、山の人なのか7時過ぎには出発していった。なのでまた誰も居なくなったので、これ幸いにとまたバイクを中まで入れて、荷物を載せ直すことが出来た。

予定通り8時に出発したが、まずは沓形岬の看板で記念撮影。ちょっと近づけすぎてしまったが、直すのも面倒だったのでこのままにしてしまった。
朝から沓形岬からですら利尻山は見れなかったのだから、期待はしていなかったが一応昨日と反対方向で利尻島を周ってみた。しかし、やはり昨日より更に厚い雲に利尻山は覆われていた。これではしょうがないので、オタトマリ沼も白い恋人の丘もスルーする。晴れのこの2つは、またの機会に取っておくことにしよう。
ここで何と雨が降り出してしまった。ただでさえ、折角離島まで来ているのに朝から曇っていることで、若干憂鬱になってたのに更に拍車を掛けて落ち込んでしまう。また気象庁に騙された。幸い、昨日寄った野塚駐車公園に東屋のようなものがあったことを思い出し、近くだったからそこまでカッパ無しで駆け込む。東屋ではなかったが、屋根付きのベンチがあったのでそこに座って一服しながら、これからどうするか考えた。
礼文島もこんな天気だったとしたら、天気が悪いなら正直こんな離島に居る必要は無い。稚内に帰ってしまおうかと思いフェリーの時刻表を見てみたら、鴛泊港⇒稚内行は何と10分前に出たばっかりで、次の稚内行は14:35まで無かった。案の定、目の前の海にフェリーが動いているのが見えたので、恐らくあのフェリーが稚内行なのだろう。
なら、どちらにせよ予定通り礼文島に渡ってしまおう。礼文島からなら最悪12:25稚内行のフェリーがあるようなので、利尻島にいるよりは早く稚内に戻れそうだ。
雨に打たれて弱気になって、こんなことを考えていた。しばらく待っていたら、幸い雨が弱くなってきた。カッパを着るまでも無いくらいになってくれたので、鴛泊港を目指して野塚駐車公園を出発した。
鴛泊港に到着して、礼文島行の乗車券を購入する。雨は傘を差さなくても良いほどまでには止んでいた。フェリーに載せると、今度はバイクがもう1台居たみたいだ。
定刻通りにフェリーは鴛泊港を9:20に出発した。礼文島ははっきり見えるくらいの距離なのだが、再度40分の船旅となる。

利尻山が離れていくが、キレイな裾野を描いている。乗船時間が短いのでずっと甲板のイスにいたが、ここで良いことに段々晴れてきて気分が晴れやかになる。折角の離島なんだから、晴れてくれなきゃ困るよね。

礼文島が大きくなり始めて、無事に香深港に到着した。下船前に一緒の便で来たバイクの人が現れたので、晴れてくれて良かったね~、とか軽く話した。どうやら、宇都宮ナンバーで来ているライダーさんも礼文島は初めてのようで、どこかの民宿に泊まるみたいだ。

「礼文島」と大きく書かれた看板の前で記念撮影して、どこへ行くか模索する。バイクで行けそうな所は殆ど周ってしまおうかと考えた。
香深港は礼文島の南よりにあるので、まずは礼文島最南端を目指す。走っている途中で、宇都宮のライダーさんとすれ違ったのでもちろん挨拶をする。

あっさりと、道道40号線の端っこに到着。礼文島は、道道40号線が幹線道路で南北に貫いており、ここが南側の端っこということになる。礼文島だけど知床と言うらしい。野付半島線みたいに、起点とか書いてくれてたら良かったけど、まぁ仕方ない。

険しい崖が見える。礼文島は東側は平坦だが、西側はかなり険しい崖が続くようだ。

礼文島の南側からは利尻山が見えていたので、海と背景にバイクを撮影。ちょっと雲が多いのが残念だが、利尻島は曇っていそうだが礼文島は晴れているのが嬉しい。殆ど離れてないはずだが、天気が違うのも面白い。
次に、北のカナリアパークというところへ行ってみた。どうやら、同名の映画があるらしくて、そこの舞台になったところのようだ。

高台の上からは、利尻山が望める。先ほどよりも雲が多くなってしまったか。

映画で使われた分校のセット。映画を知らないので中までは入らなかった。
ここにも、宇都宮のライダーさんが居た。礼文島には、トレッキングを除きそこまで観光地が多くないので、この先も至る所で会うかもしれない。

ちなみに、礼文島はトレッキングが非常に盛んで、至る所に登山装備を整えた人たちを見ることが出来る。確かに、こんな風景の中を歩くのは気持ちが良さそうだ。
11時になったので、早めの昼食を取ることにした。ツーリングマップルお奨めの店に行ってみた。

ツーリングマップルにも書いてあった、ホッケのチャンチャン焼きを頼んでみたが、何と目の前で炭火で焼いてくれるのは素晴らしい。中々美味かった。香深港からも近いのでアクセスも良い。
お腹も満たしたところで、礼文島巡りを再開する。次は桃岩展望台へ向かうことにした。
駐車場にバイクを止めて、展望台へ向かって歩く。結構な勾配だったので、少し息が切れていた。

遊歩道の途中は、大変見晴らしが良い。礼文島は、厳しい気候と昔に発生した山火事の影響で高い木が生えておらず、展望に遮るものが無い。

桃岩が目の前にある。大きすぎて、超広角レンズでないと入りきらない。利尻山は完全に雲に隠れてしまって、残念無念。

桃岩と海の風景が大変素晴らしい。
北海道を旅している人の旅行記に、桃岩展望台~元地灯台までの2.5kmのトレッキングが中々素晴らしいとのこと。天気も悪くなかったし、この日に稚内へ戻るには13:25発か17:05発のフェリーがあるようだが、折角天気も回復したことだし離島でキャンプもオツなものなので、今日はこのまま礼文島に泊まることに決めた。
なので時間に余裕が出来たので、トレッキングしても良いかと思った。しかし、青空だったのに少しずつ雲が増え始め、利尻山も殆ど隠れてしまった。ここからの景色は利尻山が見えないとかなりポイントダウンしてしまうし、青空の中じゃなければ行く価値が薄れてしまう。ただでさえ、往復2時間は掛かるだろうし。
と言う訳で、今回のトレッキングはPassすることにした。その代わりに楽な所は一通り周ってしまおう。利尻島も礼文島もリベンジが必要だな。
展望台から駐車場に戻ってくる途中に、宇都宮のライダーさんが来たのが見えた。この日はこれで最後だったが、展望台に行くのに結構息が切れますよ、とだけ伝えておいた。また駐車場に、「札幌民 北海道ほぼ一周中」と書かれたホワイトボードをリアボックスに付けて、旅している50ccスクーターの人が居た。まだ若そうだったが、若いうちにこういうアホなことをやっておくのも良い思い出になってくれるでしょう。

次に桃岩トンネルを抜けて、桃台猫台に到着。ここの駐車場でおじさんにナンバーを見られて、「静岡は何kmあるんや~」と聞かれた。全自走してるわけではないので、「何kmですかね~、小樽からでも400kmくらいですからね~」なんて答えておいた。ここは大型バスも来れる所なので、ちょうど出くわしてしまい、大量の観光客に囲まれてしまった。

ここから見える桃岩は、確かに上から見るより桃の形に見える。

YH桃岩荘が見えた。ここは、今では珍しくなった昔ながらのYHで、夜な夜なミーティングが開かれているらしい。参加してみればそれはそれで楽しいかもしれないが、自分は少し敬遠してしまう。

端まで全て行ってしまおうと思っていたので、桃台猫台から元地漁港を超えて進むと道が無くなった。地蔵岩がここにあったみたいだが、あまり地蔵感は無かった。
桃岩・元地への寄り道も終わり、再度道道40号線に戻り北へ向かう。道中至るところで、利尻山が望めるPAがあったが、あいにく見えなかった。礼文島はトレッキングをしている人が多いので、ちょこちょこトイレがあったりするので旅人には優しいかと思う。
ここから船泊までは見るべきものも無く、あっさりと到着。礼文島にもキャンプ場が2つあるが、設備が整っている方の九種湖畔キャンプ場を今晩の宿にしようと考えていた。キャンプ場は標識も出ており、問題無く到着した。

どこに張ろうかウロウロしてみる。すぐ隣は九種湖なのだが、木があるので座った状態で直接湖が見えない。見える場所には既に先客がいた。またパレットみたいな巨大な木枠が点在しており、ここにテントを張っても良さそうだがペグが打てないので止めておく。その代わりにこれを巨大なイスや物置きに使おうと考えた。駐輪はサイトに横付け出来るが、少々距離がある。でもリアカーがあったので、それで炊事棟とトイレの間くらいに荷物を運びテントを設営した。

今日は礼文町九種湖畔キャンプ場をキャンプ地とする! 荷物を全て降ろして、再度礼文島観光に向かう。現在運用されていないが、礼文空港に通じる道の途中が見晴らしが良いとのことなので行ってみた。

自衛隊のレーダーが宗谷丘陵みたいだ。見晴らしが良くてとても良い気分。

今から行く予定のスコトン岬が良く見えた。ここから見る夕陽は素晴らしいものらしい。雲が多いが、夕暮れの時間にまた来てみることにしよう。

次に金田の岬へ行ってみたが、大した見晴らしではなかった。ただ、観光客が何人も海を見ていたので何があるのかと思ったら、野生のアザラシがすぐ近くに居たのにはビックリした。

先ほどはスルーしてしまったが、ハイドラのCPにもなっていた礼文空港の前で記念撮影。長い間休止中になっているみたいで、とても寂れている。確かに、礼文島の中心からは離れているし、アクセス道は狭くてバスが通るのに難儀するような道だったから仕方ないのかもしれない。当然ながら入ることは出来なかった。

最後に、スコトン岬に到着。ここは、宗谷岬と日本最北端を競っていたらしいが、厳密な測量の結果わずかの差で宗谷岬の方が北にあるみたいだ。その結果、こちらは最北限と名乗っているみたい。どういう意味なのかはよく分からないが。
端っこにはやっぱり人が集まるのか、立派な土産物屋があり観光バスも来ていた。

ここで昆布ソフトなるものがあったので、試しに食べてみたが、残念ながらカップアイスを無理矢理ソフトにするスジャータタイプだったようで、そこまで美味しくは無かった。

スコトン岬の向こうにトド島も見える。相変わらず雲が多いのが難点だ。先まで行こうかと思ったが、こちらからの方が高さがあるし、天気も良くないから行かなかった。
他にもゴロタ山とか澄海岬等の展望地があるのだが、天気も良くなかったしキャンプ場に戻ることにした。九種湖畔キャンプ場は、今年の3月までは近くに銭湯があったらしいが、潰れてしまったらしい。またセイコマも香深にしか無いので、20km弱走らないと温泉もコンビニも無い。
時間も早かったので行こうかとも思ったが、ガソリンがあんまり無かったので止めておく。幸い九種湖畔キャンプ場はコインシャワーが完備されているし、商店なら近くにあったので問題無し。離島だとガソリンが高いからね。
キャンプ場に戻ってきてテント前で寛いでいると、地元の漁師のおじさんが居て周りの人たちと話をしていた。自分の所にも来て、話し相手に飢えているのか話をした。まぁ自分もかなりヒマだったっていうのもあるんだけどね。しかし、田舎の人の話は訛りがあるので、たまに何を言っているのか分からない時があるのが大変だ。
20分くらい話していただろうか、いつのまにか良い時間になったので夕食を自炊。今日は近所のスーパーに良い食材が無かったので、レトルトにしたが外で食べれば何でもウマイ。
食事が終わり、夕暮れの時間になってきたので先ほども言った、礼文空港へ続く丘へ行くことにした。少々雲が多いので夕陽は難しいだろうが、焼けた空なら見ることが出来るかもしれない。

九種湖畔キャンプ場からすぐ近くなので、充分時間的には余裕だった。いい感じに焼けてきてくれそうだ。

灯台と海が良く見える。先ほど来た時より雲は良い感じだ。

バイクも一緒に撮影。

中々良い感じの写真が撮れてご満悦。

やはり雲が多くて夕陽は見られなかったが、2日連続で焼けた空を見ることが出来て満足だ。近いとは言え、あまりに真っ暗になるとバイクで走るのが怖いので、この辺で切り上げることにしよう。
キャンプ場に戻り、コインシャワーを浴びる。湯船より疲れは取れないが、非常にさっぱりする。そして、6泊目になるので洗濯をすることにした。九種湖畔キャンプ場もコインランドリーがあるが、洗濯が60分300円。乾燥が30分300円と、クッチャロ湖畔より更に高かった。ここでも乾燥30分で一度実施したが、やはり足りずにもう300円追加したので900円も掛かってしまった。
洗濯も終わり、テントに戻って天気予報の確認をする。つい2日前に台風7号が20何年振りかに、どこにも上陸せずに直接北海道へ上陸したばっかりだと言うのに、日本近海には何と台風が9,10,11号と3つも存在するらしい。
台風10号は何故か沖縄方面へ向かうみたいだが、9号11号と2つとも北海道を狙ってくる予報になっている。
今回の北海道は、22日(月)まで滞在して、その日の夜のフェリーで静岡へ帰る計画をしていた。ただし、これは少し考えなければならない状況になってきた。
台風11号:日本近海で台風になったみたいなので、そこまで勢力は強くない。21日(日)夕方頃に道東へ上陸予定
台風9号:暴風域までは無いが、11号よりは強烈。まず関東~東海辺りに22日(月)にぶつかって進路を変えて、その日の夜に北海道上陸予定。
もうずっと天気予報も悪いままで、このままいくと最悪のケースだと22日(月)のフェリーが欠航になってしまう。殆どの台風が太平洋側を通ってくるみたいで、太平洋側のフェリーがかなり欠航になっているようだった。自分は日本海側の新日本海フェリーを利用予定であり、色々調べたら、新日本海フェリーは冬の日本海に耐えられなければならないので、かなりの大型船を使っているため、少々の台風では欠航しないようで、まだ欠航の発表はしていないようだ。
何にせよ、欠航のリスクもあり何より雨ばっかり降っている中で無理して北海道に居てもしょうがないので、早く帰ることを決断した。夏の北海道ソロキャンプツーリングでは初めての決断であった。欠航のリスクだけなら、会社の休みを延長してしまえば何とかはなるが、天気が良さそうなら強行出港に掛けるのも良いが、天気が悪い中突っ張りたくはない。
さて、それではいつ帰るのか。もう明日の20日(土)に帰っても良い、くらいの気持ちであったが、この日まで夏休み料金なのでフェリーの空きはあったが、チケットを変更すると11,000円もフェリー代が上がってしまうようだ。その料金を払うくらいだったら、どこかのビジホにでも泊まった方が良い。
21日(日)のフェリーを見てみると、2,000円強の増額で済みそうだったので、これにしようと決めた。スマホから変更手続きをしたが、やはり変更のボタンをタップするのには若干気合いが必要だった。無事変更は完了したので一安心。
21日(日)のフェリーなら、出港は11号が北海道を抜けた後になり、福井県敦賀港入港は台風9号が関東を抜けた後になりそうなので、走行にも影響が無いはずだ。今考えてもこれが一番Bestな選択だったと思う。
残念ながら一日早く北海道を離れることになってしまったが、これだけ台風が来まくっているのでは仕方がないだろう。となると、明日が北海道最後の夜になってしまう。今回珍しく、道東には全く足を踏み入れておらず道北をずっとウロウロしてたので、何とか道東にも行きたいと思っていたが、道東の天気がずっと最悪だったので仕方がない。明日・明後日も台風11号の影響か、話にならない予報だったので今回は道東を諦めることにしよう。霧多布の鳥取のライダーさんとかに今年は会えなかったのが残念。
とまぁ、色々な決断が必要だった夜だったが、北海道から1日早く帰ることになる訳であるが、良い決断になったと後から思えるようにしたいと思う。最終日は静岡で、バイクの整備とかをやることにしよう。
加えて、明日の宿をどうしようか考えた。明日も天気予報はかなり悪い。稚内はまだ持ちそうだったが、これ以上稚内に居てもやることが無い。そこでスマホで調べると、旭川近郊の比布駅前に格安ライダーハウスがあるみたいで、屋根付き駐輪場も完備しているみたいだ。明日はここに泊まって、旭山動物園でも行ってみようか。
等々そんなことを考えながら、眠りについた。
宿泊地:北海道礼文町 九種湖畔キャンプ場 600円
温泉:キャンプ場コインシャワー 100円(キャンプ場併設)
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