■8日目 8/20(土) 天気:雨後晴れ
走行距離:192.7km

礼文島から稚内に戻り、国道40号を南下して再度国道232号「日本海オロロンライン」に入って初山別まで走った。礼文島では雨が降っていて、スマホの電池も微妙だったからハイドラを起動しなかったので、礼文島のルートは残っていない。
朝起きて天気予報を確認すると、今日は曇りの予報だった。なので、いつも通り朝食を自炊し美味しく食べる。昨日色々考えた結果、今日は旭川のライダーハウスか健康ランドに泊まるつもりだったので、この礼文島が最後のキャンプとなることだろう。そのつもりで撤収準備に掛かる。
このキャンプ場はカラスが多くて、キャンプ客の食料を常に狙っている。隣のテントの人が狙われていたので、自分もゴミ袋をちゃんとフライシートの中に入れておいた。しかし、甘かったみたいで届く場所にゴミ袋を置いてしまっていたので、後片付けをしている途中に引っ張り出されて荒らされていた。当然、大した物は入ってなかったので大して荒らされなかったが、改めてカラスの頭の良さに感心してしまう。
ゴミを片付けて撤収準備をしていたら、何と雨が降ってきてしまった。全く降らない予報だったのに、またもや気象庁に騙された。雨雲レーダーを見てみたら、しばらく続きそうな雨雲になっていた。
これは困った。最後のキャンプになるなら、テントとかを濡らしたくは無かったのに。本土側なら、雨が止むまで待っても良かったが、今日は8:45香深港発稚内行のフェリーに乗らなければならないので、8時にはキャンプ場を出なければならない。次の便になると4時間も待たなければならないので、それもキツイ。
幸い管理棟に屋根があるスペースがあったので、まずはテントの中身を空にすべく防水バッグに全て放り込み、管理棟に持ち込む。丁度隣の夫婦の方も雨宿りをしていたのだが、「フェリーに乗らなければならないので、雨の中でも撤収しなければ」みたいな会話をした。
そしてカッパを着て、テントを撤収する。なるべくインナーテントを濡らさないようにフライシートを外せばすぐ畳めるように、考えながら外す。何とかインナーテントのメッシュ部はあまり濡らさずに畳むことが出来たようだ。フライシートとグランドシートはビショ濡れのままなので、この状態で静岡まで持って帰るとカビが生えないか心配だ。
テントを畳んで、再度管理棟の下に戻り荷物を片付ける。今日はライダーハウスに泊まろうと思っており、テントはもう不要かと考えていたので、防水バックに寝間着・シュラフとマットだけ入れて、後はシートバッグに詰めた。そして、バイクに積む。荷物が多いので少しずつやっていたら、何と先ほど話した夫婦の方が雨の中荷物運びを手伝ってくれた。これは大変ありがたく嬉しく思う。手伝ってもらったおかげで、何とか荷物をバイクに固定し、感謝の挨拶をして8時にキャンプ場を出発した。
香深港までは20km弱の道を走る。雨の走行なので途中の景色はあまり楽しめなかったのが残念だ。順調に20分で香深港フェリーターミナルに到着し、稚内行の乗船券を購入する。ここで宇都宮のライダーさんが居た。同じ便で稚内に戻るみたいだ。
フェリーは定刻通りに香深港を出港した。稚内から来た便は朝一便ではなかったのであまり人は居なかったが、この香深港発朝一便はかなりの人が乗っていた。大広間でのんびり寝転がるのは厳しいくらいの人で溢れていた。スマホの充電をするために、場所の確保をしておきたかったので、桃岩荘名物の踊りは見ることが出来なかった。

稚内に戻りフェリーの中で離れ行く利尻山を眺めながら、利尻・礼文について思い出す。完璧な天気では無かったが、利尻山を眺めることが出来、沓形岬公園キャンプ場でのキャンプは素晴らしいものであった。礼文島も最後の撤収時に雨が降ったのは痛いが、それでも初めての島の風景は素晴らしかった。是非この2つの島はピーカン照りでのリベンジを果たしたいものだ。

そんなことを考えていたら、2時間はあっという間に経ち、稚内港に到着した。甲板に出ると雨は殆ど降っていなかったが、いつ降ってくるか分からない空模様だったので、下のカッパだけは着ることにした。
しかし、さあ今からフェリーから出るという時に雨が降ってきたので、こりゃイカンとばかり慌てて上もカッパを着て、稚内港に降り立つ。
まずは、ガソリンが空に近いのでENEOSで給油をする。昨日考えていた今日の予定は、国道40号をひたすら南下して、国盗りをしつつ旭川近郊に泊まろうと考えていた。フェリーに乗ったので出発は遅れているが、旭川までは250km程度なので夕方には到着出来るであろう。
国道40号を南下するが、ここら辺は割と良い展望が多いのだが、隣にオロロンラインがあるのでライダーは少な目だ。でもたまに来るので、こんな雨の中を走って「お互いバカやな」なんて思いながら、盛大に手を振って挨拶をする。
豊富バイパスの入口まで来たが、お腹もすいてきたしバイパスを走っても面白くないので、下道を行く。そしてどんな田舎町にも必ずある豊富町のセイコマで昼食にした。
ここら辺まで来ると殆ど雨が止んでしまった。雨雲レーダーを見ると、しばらく強い雨は降りそうにはないらしい。ただ、路面はまだ濡れているし、暑くも無いので引き続きカッパは着ておく。
ちなみに、今年のGWに四国へ行った際に雨の中を走ったが、かなりカッパから雨が浸水してきたので、四国から帰還後にカッパを新しく購入した。でも、基本雨の予報だとバイクで出ないし、今年は広島カープが強くて優勝争いをしていたので、週末は野球ばかり見ていてあまり出掛けることが無かった。なので、今回初めてのNewカッパの使用だったが、やはり新しいだけあって水はじきが良くて中々良さそうだ。
幌延町まで走り、1つの分岐点に当たる。このまま予定通り国道40号を走るか、国道232号「日本海オロロンライン」を走るか、だ。国道40号を走ろうと思ったのは国盗りがしたかったからなのだが、幌延~名寄くらいまではすでに取得しており、通る理由も無い。そこで、一旦景色の良い国道232号に入って、羽幌町から名寄に抜ける道があるのでちょっと遠回りになるが、海沿い経由で走ろうと考えた。
そうと決まれば、幌延町で国道40号から232号に入る。天塩町で道の駅「てしお」に5日前は寄れなかったので、寄ってスタンプを押しておく。

この道の駅「てしお」には、石川から日本一周中とアピールしているバイクが居た。残念ながらライダー自体は見つからなかったが、北海道を旅しているとこういうアピールをしているバイクがたまに居るので面白い。
天塩町を出発した辺りから、空は全く雨が降りそうに無い雲になってきた。そして、路面も乾き始めていたので道の駅「富士見」に立ち寄ってカッパを脱ぐことにした。
そこからは中々良い天気になってきて、展望が良いオロロンラインなので爽快に走る。5日前に走っているが、あの時より天気は良く反対方向への走行なので何も問題は無い。
順調に走ってきて、何となく。ホントに何となく、初山別村のみさき台公園に行くことにした。ここは無料のキャンプ場があり、しかも温泉も徒歩圏と素晴らしく、景色もかなり良い。

相変わらず素晴らしい景色が拝めた。盆休みも過ぎているので、テントはポツポツとある程度のようだ。まだ時間は13時くらいだったが、ここで雨雲レーダーを見てみると、国盗りで行きたかった、名寄~旭川間はかなりの雨が降っているようで、一部避難指示まで出ているような状況のようだった。
いくらなんでも、ここに突っ込むのは気が引ける。逆に、日本海沿岸は強い雨が降りそうな空でも無く、むしろ晴れてきている。どうやら、小樽・札幌近辺から北東方面に前線が伸びているみたいで、そのラインはかなりの雨が降っているが、ここ初山別村近辺はこのラインから外れているみたいだ。すぐ東70kmくらいでは大雨になっていると考えると、不思議な感じだった。
みさき台公園で雨雲レーダーを見ながら、どのくらいだろう20分は迷っただろうか。一番気になったのが、初山別村の明日の天気で曇り時々雨になっている。1時間予報では曇りのままであったが、何度も気象庁には騙されてるからなぁ、何て思ってしまう。
だが、バイクのシートバッグには今朝の礼文島の雨でビショ濡れになったテントが入っている。今の天気なら、1時間程度で乾いてしまうことだろう。このテントをビショ濡れでそのまま持って帰るのも、明日朝雨が降ってもどうせ今が最悪な状況なのだから、そう変わらないだろう。ライダーハウスか健康ランドに泊まるつもりだったが、天気さえ良ければキャンプがしたいのだから。
と言う訳で、今晩の宿。北海道最後のキャンプを初山別みさき台公園キャンプ場で過ごすことに決めた。ここは展望が良いので1日ボケっとしてても楽しめそうだし。
ここは、2年前にクッチャロ湖畔で知り合った札幌のライダーさんと一緒に泊まった記憶があり、その時も素晴らしいキャンプが出来た覚えがある。ここは、上段と下段にサイトが分かれており、上段の方が眺めが良いが、荷運びが多少発生する。下段は駐車場を囲むようにサイトがあるのでほぼバイクを横付けで設営出来る。2年前は下段にテントが多かったが、今日は先ほども述べた通りまばらなので、どこでも張り放題だ。
自分は海より岬の景色の方が好きだったので、下段に降りてみたが下段でも十分な展望が得られた。なので、荷運びが楽な下段でテントを張ることに決めた。後から調べたら、下段の方が少しトイレが遠いみたいだ。
時間も充分あるので、まずはタープを張る。クッチャロ湖畔でポールが曲がってしまったが、何とか設営出来た。そしてテントを取り出すが、フライもインナーもグランドシートも予想通りビショ濡れで嫌になる。
しかし、畳み方と撤収方法が良かったのか、インナーのメッシュ部。居住空間は殆ど濡れていなかった。これなら張っておけば乾きそうだ。

ということで普通に設営した。マットやシュラフを出すのは完全に乾くまで待つことにし、タープの下で景色を見ながらボーっと過ごす。
風もあったのでテントはみるみる内に乾いていった。マットやシュラフを出して寝床の準備をして、バイクから荷物を全て降ろす。天候はどんどん良くなっていき、何と利尻山まで見えるようになってきた。これなら、と15:30頃にもう少し走ろうと思い、買い出しも兼ねてキャンプ場を出発。また再度、天塩方面に向かって走り始めた。
遠別の街から5日前にも通った開拓農道へ向かうと、素晴らしい天気で走っていて最高に気持ちが良い。5日前と同じ場所に泊まって写真を撮ろうと思ったが、うっかりしていてデジイチもG15もテントに置いてきてしまった。

なので、ショボイがスマホで撮影してみた。やはりデジイチに慣れるとこの画質だと満足出来ない。まぁ、仕方ないので目に焼き付けておくことにする。
ちょっとしたプチツーリングを楽しみ、遠別町のセイコマで買い出しをする。ここで地元のおじさんに話しかけれて、5分くらい話した。
「地元から言うと、こんな所に何しに来るんだ。何にも無いのに」と聞かれたので、
「本州の人間からすると、どこに行っても家があるので、これだけ何も無いのが逆に良い。バイク乗りは走れれば良いので、やっぱり北海道は最高だ」
みたいなことを答えると、おじさんは地元を褒められた気がするのか、とても喜んでいた。

キャンプ場に戻ってきた頃には17時頃になっていた。天気はすっかり良くなり良い青空だ。

先ほどまでは雲が多かったが、晴れるとやっぱり景観は全然違う。撮影を終えて、夕陽に備えるため、すぐ夕飯の支度に掛かる。

最後の夜の定番にしている、牛カルビを焼く。ジンギスカンや豚カルビの1.5倍くらいするので最終日だけはいつも贅沢に。結局、北海道に居た7泊を全部キャンプで乗り切ることが出来た。炊飯も失敗することも無く、美味しくいただいた。
後片付けを済ませると、上段に上がって夕陽のスタンバイをする。

素晴らしい夕陽だ。さすがに雲多くてハッキリとした夕陽は見られなかったが、序盤の天気を考えると感動物だ。

利尻山もハッキリ見えて素晴らしい光景。

海に雲からの光が感謝して真っ赤に染まる。

一番感動したのが雲の出かたと色がすごかった。今まで見たことも無いような空を見せてくれた。

ここまで素晴らしい夕暮れは、自分の中でも記憶に無い。雨の中走ったりしたのが感情を増幅させたりしたのかもしれないが、とにかく素晴らしいものであった。

最後の仕上げに、夕暮れとバイク/テントと利尻山。タープポールが曲がっているのがご愛嬌w
大変素晴らしい夕陽を満喫したので温泉に入りに行く。下段からだと、すぐ隣が温泉なのが嬉しい。しょさんべつ岬の湯は、海沿いらしく舐めるとしょっぱい温泉で、サウナ・水風呂も完備されていた。今回のキャンプでは、礼文島の九種湖畔キャンプ場以外は全てサウナがあったので、毎日のように入ってしまった。散々汗を掛けるので、代謝が良くなっていると信じたい。
キャンプ場に戻り、しばらくマターリしてから寝ることにする。
宿泊地:北海道初山別村 みさき台公園キャンプ場 無料
温泉:しょさんべつ岬の湯 500円(キャンプ場から徒歩1分)
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