■3日目 7/19(日)
南大東島を観光して、那覇空港を経由し静岡に帰還した。

起床し、部屋の外へ出ると沖縄らしい夏空が広がっていた。昨日の天気で観光しても微妙だったから、これは良い方向に転がってくれたみたいだ。

泊まった月桃ムーンピーチの外観。たまにはこういう宿に泊まるのも良いものだ。
部屋に戻って出発準備を整えていると、奥さんが朝食を持って来てくれた。美味しくいただき、昨日借りた原付に乗って月桃ムーンピーチを7:30頃出発した。
さて、南大東島空港を離陸するのは15:30。1時間前くらいまでには戻ってくるように言われたので、7時間くらいある。原付もあるし、このくらいの時間があれば十分色々周れることだろう。
まずは、宿・南大東空港からほど近い、東海岸の海軍棒プールに行ってみる。島だからか案内があまり無く適当に細い道を曲がって行ったら見つかった。原付だからその辺は小回りが効くので良い。

今回の相棒の原付。

高台から海を臨む。南大東島には砂浜が無いらしく、所々に岩で囲った遊泳出来る所がある。

下に降りてみた。空は完全に夏の雲だ。断崖が続くのが南大東島の特徴だ。

海がとてもキレイだ。

サトウキビがよく植えられている。沖縄の夏空はとても美しい。
改装したての東屋があり、休憩するにも良い場所だった。

海軍棒プールの次は、島の南部にある日の丸山展望台に到着。

南国の雰囲気を味わいながら展望台に向かう。

見晴らしの良い展望台だった。南大東島は中央の方が標高が低いらしく、島全体を見渡せる展望台はあまり無いみたいだ。
日の丸山展望台を後にして、原付で走っていると南大東町中央部に出た。事前に、南大東島では毎日8:30にラジオゾンデのバルーンが気象台から飛んでいくらしい。ちょうど良い時間だったので向かってみた。
ところが気象台がどこにあるか分からず適当に彷徨っていたら、空にバルーンが飛んでいくのが見えた。残念ながら間に合わず、写真も撮れそうになかったので諦める。
星野洞の予約を9:30くらいにしてたので、もう少し時間がありそうだ。西海岸の塩屋海岸に行ってみる。

こんなところにも原付なら気兼ねなく入っていける。

夏の空に透明度の高い海がとても素晴らしい。

波が上がった瞬間を撮影。南大東島は、すぐ深くなるそうなので基本的には遊泳禁止になっている。ここや、先ほど訪れた海軍棒プール等の岩で囲った人口の場所でしか泳げないみたい。

次に、星野洞にほど近い大東神社に訪れる。大きめの土俵があり、相撲が出来るようになっていた。祭りの時にでもやるのだろうが、今はとても出来ないのだろう。

離島で歴史の浅い島だが、神社信仰は全国共通のよう。

ジャングルの中みたいな雰囲気がとても良かった。

南大東島は地形学的に一度も大陸と繋がったことが無いらしいので、独自の生態系が残っている。ダイトウオオコウモリが特別天然記念物になっているようだが、夜行性なのだろうか見ることは出来なかった。
予約した時間が近付いてきたので、星野洞に向かった。

大東神社からすぐなのであっさり到着。
受付をして、入口のカギを開けてもらう。どうやら常時空いている訳ではなく、係を用意しなければならないので、予約制にしているのだろう。多分そこまでわんさか観光客が来るような島でも無さそうだし、ちゃんと予約をして行くことを推奨する。

入口まで案内してもらい、電気を付けてもらって後はご自由に、という感じだ。見終わったら声を掛けてくださいとのこと。

長いスロープを下っていく。帰りは動くスロープがあるようなので、立派な建物だ。
鍾乳洞の管理には湿度が重要らしく、ドアも二重になってたり、絶対閉めるよう注意喚起されていたり、とても大事に管理されていた。

どうやら客は私1人のようで、広い鍾乳洞を独り占め出来た。

階段もよく整備されていて雰囲気がとても良い。

壁がとてもエグい形をしている。

スマホのライトを当ててみた。こうやって光を通すということが、この鍾乳洞が生きている証拠、らしい。

広角で撮影。
他の客も居ないのですごくゆっくり星野洞を満喫出来た。帰りは動くスロープで楽々戻って、受付のお姉さんに礼を言って次に進む。このお姉さんは大阪から嫁に来たらしい。のんびり休暇で来るなら島は良いと思うが、生計を立てようとすると大変そうだが、住めば都なのはどこもそうだろう。
島の北部にバリバリ岩という名所があるようだが、正午頃に訪れるのが良いらしい。食事は島の中心部にしか無いので、もう少しこの周辺を散策して昼食を取って北部方面に向かうとしよう。

というわけで、西港に来てみた。南大東島のメイン港らしく、週に1便那覇からの貨客船が来るらしいが、乗客は桟橋ではなく、コンテナにクレーンで吊り下げられて上陸するのがが大東島名物になっているようだ。

展望台っぽくなっており登れた。

キレイな緑が広がっており、キャンプが出来そうな感じだ。熱帯夜だし虫も多そうなので、夏は難しいだろうが。

何かの廃墟が残っており、この窓枠跡から海が見えて構図として気に入っている。

カンカン照りの夏空が広がってとても気持ちが良い。公園を少し歩いてみる。

南大東島は八丈島からの開拓民が訪れたようで、記念碑が建っていた。しかし、何故八丈島から南大東島に来ようと思ったのか。昔の技術の低い船しか無かった時代に、命の危険を冒してまで一攫千金に掛けたのだろうか。昔の人はアグレッシブだと思った。

公園の麓まで降りてきた。何年に作られた公園なのかすぐ分かる名称だった。しかし、あれから20年も経ってしまったのか。忘れもしない、大学入学のキリ良い年だったので非常に印象に残っている。

島の子供達が卒業記念に毎年追加されていくようだ。てっきり1学年数人レベルの学校だと思っていたが、意外と子供も居るようで何よりだ。
しかし、南大東島には高校が無いらしく、殆どの子供達は沖縄本島に高校入学と同時に移住するらしい。そこからどれくらいが島に帰ってくるのだろうか、なんて思ったりした。
意外と楽しかった西港を満喫し、中心部に行ってみる。

昔は、南大東島で産出されるサトウキビを運搬するためにシュガートレインという列車が走っていた。今は当然トラックに変わっているが、今でもレールだけが島内にいくつか残っている。

使っていた列車が展示されている。

もう何年放置されているのだろうか、とても年季を感じてしまった。

原付と記念撮影。

ミレニアムにタイムカプセルを埋めたらしい。2025年に開封されるらしいが、時が経つのは早く5年後に迫っている。

もう少し時間がありそうなので、隣のふるさと文化センターに行ってみた。南大東島の歴史やサトウキビの収穫に使っていた備品の展示等があり、まぁまぁ楽しめた。
ようやく食堂が空く時間になったので昼食にしよう。南大東島は、前述したように八丈島からの入植者によって開拓された島だ。なので、八丈島でも有名らしい島寿司とかが名産のようだ。

なので、大東そばと島寿司が食べられるらしい「いちごいちえ」にしてみた。中に入ると、よく地方にありがちな食堂の雰囲気だった。

大東そばセットにしてみた。そばというよりうどんみたいな麺の太さだ。島寿司もとても美味しくいただいた。
お腹も満たしたところで南大東島の散策に戻る。ちょうど正午なので、前述した北部のバリバリ岩に行ってみよう。

到着。地球の息吹が感じられるところのようで、現在も南大東島は年間7cm北東方向に動いているらしい。

その地殻変動の影響で、大地が裂けていったのがこの名称そのままのバリバリ岩と名付けられた。

何この冒険感・・・ 年甲斐も無く、散策しててワクワクしてしまった。

この大地の裂け目から、ダイトウビロウが真上に伸びている。

先ほど正午がオススメと書いたが、裂け目の幅が狭いので殆ど太陽光が入らない。正午なら太陽が真上にあるので、光が差し込むので良いようだ。
しかし、とても中二心を刺激されるスポットだった。結構足場が悪いので、ちゃんとしたトレッキングシューズを履いてくることを推奨する。こんなところで遭難したら、誰にもしばらく見つけてもらえない気がする。一応観光地だし、駐車場にクルマやバイクがあったら気付いてくれるかな。なんて、思ったりした。
冒険と言っていいようなスポットのバリバリ岩を満喫して、次はどこに行こうか。近くに南大東島漁港があるようなので、そちらに行ってみる。

すぐ近くなのであっさり到着。相変わらずの素晴らしい夏空だ。1日ズレて結果的には本当に良かった。

中々スケールの大きな漁港で、つい最近出来たばかりのようだ。漁港なのに、海が美しい。

北岸なので北大東島が見えた。

北大東島だけを撮影。

漁港だけに漁船がたくさん泊まっている。何となく来ただけの漁港だったが、思った以上に楽しめた。
ここら辺で趣向を変えて、少し内陸に向かってみる。大池という南大東島で一番大きな池があり、そこに展望台があるようなので行ってみる。

小さい島なのですぐ到着。

大池の展望はそうでもなかったのが残念。

しかし、一面のサトウキビ畑が広がっており、この景色は良かった。
内陸に行ってみたが、やっぱり島なので海の風景を見るべきか、と思い再度北岸に向かってみた。

やっぱり海が良い。本場海岸という所に来てみた。

南大東島では珍しい、若干遠浅の海でエメラルドグリーンの海がキレイだ。北大東島もハッキリ見えた。

何でこんなに海がキレイなんだろうか、と朝から何度も思っている。
これで海の見えるスポットは一通り巡ったようなので、今度は先ほど展示されていた、シュガートレインの線路跡が近くにありそうなので、行ってみよう。

特に大きな看板とかがある訳ではないので、Google先生の案内が無いと辿り着くのは難しそうだ。確かに線路跡が残っている。

この周辺もサトウキビ畑が広がっていた。

サトウキビに囲まれた道路があったので撮影。
これで行きたいと思ってたスポットは一通り周れた。もう少し時間があるので、元々旧南大東空港のターミナルを改装して、島まるごと館というスポットにしたようなので、そちらに行ってみる。

若干迷いながら、島まるごと館に到着。途中ショートカット出来そうと思いながら適当な道に入ったら、凄い道に入ってしまったので若干時間が掛かってしまった。
館内は正直取り立てて面白い展示物は無かったが、ずっと外に居るのでたまには屋内でゆっくりするのも悪くない。
そろそろ戻る時間になった。朝居た月桃ムーンピーチまで戻って部屋に置いていた荷物を回収して、再度奥さんに南大東空港まで送ってもらう。
送迎中の車内で話したことだが、南大東島はあまり観光に力を入れておらず、そういう声も少ないようだ。私もコロナ禍の中、もし星野洞とかが空いていなかったらどうしよう、とか思った。とにかく情報があまり掴めなかった。観光協会のHPも、GWの自粛依頼から更新されていなかったので困った。
結果としては殆ど入れない所は無かったので良かったのだが。奥さんが言うには、南大東島はサトウキビや漁業等で生計を立てている人が多くて、観光需要が無くても食べていけるから、だそうだ。
それもあって行政もあまり役に立たず、やはり自分の生活は自分で守らなければならない、って言ってたのが印象に残った。私もこのような時勢で出歩いて良いものか迷うこともあったが、私の旅のスタイルは基本殆ど人との接触が無く、風景が好きなので基本的には屋外に居るから、リスクは少ないと考えている。もちろん、マスク着用と手指消毒は欠かさず行っているのは言うまでも無い。

そんなことを話していたら南大東空港に到着した。奥さんに感謝の言葉を伝えて、会社の同僚への土産を購入した。
小さな保安検査場を抜けてしばらく待つと、案内があったので飛行機に向かう。

相変わらずの離島空港なのでターミナルから歩いて飛行機に向かう。

那覇空港まで宜しくお願いします。
飛行機に乗り込んだが、この旅初めて隣に乗客が居た気がする。もちろん相互にマスクはしている。

飛行機は定刻通りに南大東空港を離陸していった。左側に見える集落が中心部で、後はサトウキビ畑が占めている。

北大東島も含めて大東諸島を後にする。次回の訪問があるかどうかは分からないが、島の旅はやはり良いものだ。
大東諸島が見えなくなった後は、ひたすら海しか見えない。しばらくのんびりしていると、沖縄本島が見えてきた。この時期なので南向きに着陸するだろうから、海中道路付近から本島に入った。

そこから左方向に向きを変えて那覇空港に着陸した。流石に那覇空港はボーディングブリッジでターミナルに入る。南大東空港線はJALグループであり、帰りはANAに乗るので乗継手続きをANAカウンターで行う。
セントレア行きの搭乗口でしばらく待つと、案内が始まったので飛行機に乗り込む。

飛行機は定刻通りに那覇空港を離陸した。上空から新しく出来た第二滑走路がよく見えた。こう見ると、那覇近郊は結構な街だというのを実感する。

慶良間諸島だろうか。島並と夕暮れが良い感じ。

素晴らしい夕暮れも飛行機から見ることが出来た。
沖縄のフライトは殆ど海しか見えないので景色も大したものは見れないが、夕暮れの時間は中々楽しかった。
景色を見ていたら、陸地が見えてきた。恐らく紀伊半島だろう。ここまで来ればすぐなので、飛行機はセントレアに無事着陸した。
明日も仕事は休みなので、あまり急いで帰る必要も無いから名鉄とJR鈍行を乗り継いで23:30頃ようやく自宅に着いた。
今回の沖縄の旅は南大東島を周った。色々な離島に行ったが、どこも色んな特色があるのでどれが良いも悪いも決められないのだが、良い島だった。
これで国盗りは制覇出来たが、後は各離島。阿嘉島・粟国島・伊江島に空港CPがあるので、これを取りに行かなくては。でも、やはり国盗り制覇が一番プライオリティが高いので、次はまずは奄美諸島に行きたい。そこが終われば、また沖縄に行ってみたいと思う。
足掛け2014年から訪れてきた沖縄も少し一段落となるでしょう。また来る機会があれば、島に行きたいところだ。
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