
■6日目 5/05(水) 天気:雨後曇り後晴れ
走行距離:16.6km
鹿児島県鹿児島市を出発し、バイクを置き去りにして鹿児島市街を観光。午後一からオイル交換を済ませて温泉に行き、屋久島行きのフェリーに乗るため谷山港まで走った。
朝6:00頃起床。窓の外を見ると、そこまで強くは無かったが雨が降っていた。急ぐ必要は無いのだが、折角旅に出ているので少しでも楽しみたいから、早起きした方が良いだろう。
朝シャンを済ませて天気予報を確認するが、昨日と全く変わっていない。午後一には雨が止む予報になっていたので、昨日立てた予定通りに進めることにしよう。明日の屋久島・種子島の天気予報も良いままだったが、明後日は雨の予報が出ていた。これはもう少し様子を見よう。多分フェリーに乗る待機時間があるから、その間に検討してみよう。
とりあえず朝食を食べにホールへ行く。東横INNは朝食無料なのでありがたい。昔は品数が少ないもののバイキングだったが、コロナの影響で弁当になっている。味噌汁だけは出してくれるので、温かいものを飲めるからありがたい。
お腹を満たし、コーヒーを飲んで至福の一時を過ごす。部屋に戻る前に、フロントのお姉さんに、チェックインの時間までには戻ってくるので、バイクを置いたままにして良いか聞いてみたが、快く承諾してもらえた。
部屋に戻って少しゆっくりする。歯磨きをして、出発準備を済ませて8:00頃ホテルを出発。トップケースには荷物が全て入らないので、折角ホテルに泊まったんだからフロントに荷物を預けることにした。日本なので、サイドバッグを荒らすような輩は居ないとは思うが、使えるものは使ってみよう。
外は雨が降っているので折り畳み傘を広げて出掛ける。雨が降っている中、出発準備をしているライダーさんが居たので声を掛けてみた。今日で休みが終わりなので、雨だろうが帰らなければならない、と笑いながら言っていた。カレンダー通りの人だと今日までしか休みが無いんだもんな。私はまだまだ休みがあるのでありがたい。
そんな話をして、まずはホテルから一番近い鹿児島市電高見馬場駅に向かった。時刻表を見ると、中々良い頻度で動いてるようなので便利だ。
どうやら鹿児島市電には2系統あるようで、ざっくり言うと鹿児島本線の鹿児島駅⇔谷山駅の間を、鹿児島中央駅経由で行くか海側を通って行くか、という感じだ。

まさに市電という電車で中々新鮮だ。高見馬場駅から郡元駅方面への市電に乗り込んだ。鹿児島中央駅前を通って行ったが、流石九州第四の街。中々の街感はあった。
次に交通局前という駅で、運転士さんが交代していた。旅で来ている電車なので、折角だからその辺を色々観察していたのだが、これが後で役に立つことになった。それについては後述する。
雨が降る中だが車窓の景色を楽しみながら、終点の郡元駅に到着。料金を払う際に、1日乗車券を購入した。そして、もう1つの経路で谷山駅方面へ乗る。ハイドラを見ると、何故かは分からないが谷山駅CPは取れていたので、上塩屋駅で降りた。そしてすぐ鹿児島駅方面のホームに向かう。1日乗車券を存分に使う。
郡元駅を通り過ぎて、東横INN近くまで戻ってきた。高見馬場駅手前の甲東中学校前駅で降りた。目の前にセブンイレブンがあったので、一服休憩する。
ここで1つ異変に気付いた。今回ロングツーリングであるが、ホテル泊まりが多いので水筒を持って来ていた。ホテルなら大体ポットもあるし、お茶のティーバッグ等がサービスで付いている所が殆どだ。それなら、まだ寒い日もあるし温かいお茶がいつでも飲める、というのもメリットが大きいので今回持ってきた。
その水筒が無くなっていた。どこで無くしたか全く分からないが、恐らくバッグのサイドポケットに入れていたので、乗降の際に席にでも落としたのだろう。
恐らく鹿児島市交通局の忘れ物センターのような所があると思うが、無くなってすぐだと情報が届いていないかもしれない。後で調べて連絡してみよう。無くなっていたら仕方ない。青い水筒だったので気に入っていたのだが。
そんなことがあったが、何とか気を取り直してここから「維新のふるさと館」まで歩く。

川沿いまで出たら、歴史ロードと名付けられていた。

色々な案内板がありながら、緑豊かな道を雨ながら楽しめた。

途中に西郷さんの誕生地があったので、少し寄ってみる。

歴史がありそうな石碑が立っていた。下級武士の家で貧しい暮らしをしていたそうだが、維新三傑に選ばれる程の功績を挙げるとは誰も思わなかっただろう。

維新ふるさと館に到着。日付が入ったボードがあったので撮影。早速入館料を払って入る。歴代島津家、明治維新の年表等色々展示がされていた。日本史の人気で2分するのが、恐らく戦国時代と幕末だと思う。個人的には戦国時代の方が好きだが、幕末もやはり維新に向かっていくのが面白いと思っているので、興味深く展示を見る。

博物館系は基本撮影禁止が多いのであまり写真は撮らないが、ここは右の軍人服を着ての記念撮影コーナーだったので撮影。
大河ドラマ「西郷どん」は、HDDに録画していたのだが、どうやらあまりにも放っておいたせいでいつの間にかHDDが一杯になってしまい、最後の4話くらいが録れていなかったのでショックを受けた。なので鹿児島下野後辺りから見れていないのが残念だ。
意外と展示が面白くて1.5時間くらい滞在した。雨の日の時間潰しには大変良い。大分雨も弱くなってきていたのでありがたい。高見橋駅から鹿児島駅方面の市電に乗る。途中で天文館駅で乗客の殆どは降りていった。鹿児島の繁華街なので、やっぱり乗降客が多い駅というのは決まっているのはどこも同じだ。
もうしばらく乗って鹿児島駅に到着。これで鹿児島市電の駅CPを全部Get出来た。先ほど鹿児島中央駅前では中々の街だな、と思ったが鹿児島駅前は少し寂れているような印象を受けた。やはり新幹線の止まる駅の方が栄えるのだろうか。
鹿児島市も駅前が一番栄えている訳ではないみたいだ。天文館周辺は、ちょうど鹿児島駅⇔鹿児島中央駅の間くらいなので、市電でその間の交通網を支えているように見える。地元の広島市と似ているな、と思った。広島市も、駅前より市電でしばらく行った所が栄えている。
何かのTV番組で見たが、広島や鹿児島のような市街地が駅から離れている街は古いからだそうだ。昔は当然電車等無い。それでも人は集落を作って生活していたが、鉄道が普及してきても、中々全てを立ち退かせて作ることは出来ない。だから、繁華街が駅から離れるようだ。駅周辺が栄えている所は、鉄道が出来たから便が良くなったので出来た街らしい。
よもやま話はこの辺で、そろそろ良い時間になったので昼食にしようかと思ったが、鹿児島駅周辺にはピンとくるものが無かったので、もう1度市電に乗る。次は鶴丸城に行きたかったので、市役所前で降りてみた。
その間PayPayが使える周辺の飲食店を探していたら、ラーメン屋が見つかった。天草でちゃんぽんを食べて以来麺類を食べてなかったので、ちょうど良いと思い行ってみた。
麺屋こころ、という店に入ってみた。特にどんなラーメンか調べずに入ってみたら、どうやら麵屋はなび監修のまぜそばだった。正直まぜそば本場の東海地方に居るので、ちとガッカリしたがまぁ良い。まぜそばは美味しかったし、バッチリ追い飯までいただく。

お腹も膨れたところで出発。麺屋こころから鶴丸城はすぐ近くなのであっさり到着。歴史を感じる門構えだ。

石垣にボコボコ穴が空いているが、これは西南戦争の痕跡だそうだ。幕末になると、大砲とかもあったと思うので、こんな痕跡が残っているのだろう。

城、と言っても天守があるわけでも無く、場内には博物館があった。黎明(れいめい)館と読むみたい。寄っていこうかと思ったが、路面は濡れているがもう雨は降っていない。それならバイクに戻ろうかと思った。
そういえば1個行ってみたいところがあった。水曜どうでしょう「対決列島~甘いもの国盗り物語~」でも出てきた、天文館むじゃきで本場の白熊を食べてみたい。夏ではないが、食後のデザートにちょうどよいだろう。

その前に、朝日通駅への移動途中に西郷さんの銅像があったので撮影してみた。

また、国道58号の起点標があった。国道58号は陸上距離は当然国道4号にはかなわないが、鹿児島から種子島・奄美大島を経由して沖縄本島まで続いている、海上を含めれば日本最長の国道でもある。
通り道の撮影を楽しみながら、朝日通駅に到着。天文館まで普通に歩いて行ける距離なのだが、1日乗車券があるので贅沢に使う。天文館通駅で降りた。

天文館のアーケードを歩くと、目立つ白熊のオブジェがあったのですぐ分かった。やはり人気店なのだろう、店頭に係員が居て案内をしてくれた。中は意外とオシャレなカフェみたいになっており、ソロだと少し入りにくい雰囲気だが、逆に有名店なのでまぁ良いだろう。

早速メニューを見る。意外と色々ある。大きさはレギュラーとベビーがあって、どうやら2人でベビー1つという頼み方は出来ないようだ。

初めてなので王道を頼もうかと思ったが、チョコレート白熊にしてみた。大きさはこれでベビー。比較対象のタバコを見れば分かると思うが、想像以上の大きさだった。調子に乗ってレギュラーにしなくて良かった。
肝心の白熊だが、物凄くフワフワな氷で練乳の甘さが引き立ちとても美味しい。ただ、ちょっと氷とチョコレートの組み合わせは若干邪道かな。やはり王道にしてみれば良かった。
白熊を美味しくいただき、ホテルに戻ってきた。フロントに預けていた荷物を受け取りバイクに積んでいく。軒先に置いてあったバイクは、数台朝とそのままの状態で置かれていたので、このライダーさん達も鹿児島市街に繰り出しているか、部屋で沈没しているのだろう。
ここで水筒の忘れ物が届いていないか、鹿児島市交通局にTELしてみた。スマホで調べると、やはりちゃんと忘れ物の問い合わせ先も書いてあったので非常に分かりやすかった。
TELに出てくれた担当の方はすぐ調べてくれて、無事届いているみたいだったので安堵する。どこに取りに行けば良いか聞いたところ、交通局本部だと言っていた。当然土地勘が無いのでどこか分からなかったが、前述した通り運転士が交代した所を覚えていたので、そこですか?と聞いたらやはりその場所だった。
なので、まずは交通局に行ってみよう。取りに行くことを係員さんに伝えて、13:00過ぎに色々お世話になった東横INNを出発した。交通局は遠くなかったのであっさり到着。窓口があったので、忘れ物を取りに来たことを伝えると、奥に行くよう指示された。
事務所のような所を訪れて、受取のサインだけして無事に水筒が返ってきた。ちゃんと忘れ物を保管してくれた鹿児島市交通局に感謝する。
そして、場所を調べていたレッドバロン鹿児島南店に向かう。国道とは別に海側に道があるのだが、そちらが産業道路と呼ばれていて国道より車線数も多く流れも良かった。しばらく走ると到着。雨上がりすぐなので、他の客はそんなに居ないと思ったが、意外と混んでいるみたい。
オイル交換をお願いすると、若干難色を示されたが何とか作業してもらえた。予約を取った場合より、若干長い40分くらい掛かったが何とか作業完了。これで存分に走れる。そこから事前に調べていた慈眼寺温泉に向かった。

レッドバロンから近かったので、15:00前に慈眼寺温泉に到着。屋根付きの駐車場もあって、とてもありがたい。この頃になると雲は多いものの少し青空が見え始めていた。
早速温泉に入るが、霧島温泉と比べるとあまり温泉感は無かった。それでも浴槽は断然広いし、サウナも開放されていたのでしっかり整える。こちらもシャンプー・リンス等は無かったが昨日ちゃんと使ったのでまぁ良い。
フェリーの時間があるので、私としては早めだが50分くらい温泉を楽しめた。コンビニで食料を買い出して、谷山港に向かった。
ちなみに、鹿児島港は全国でも有数の色々な航路がある港だ。桜島や垂水等の近距離から、沖縄・奄美・屋久島・種子島・トカラ列島等多岐にわたる。ここまで様々な行先があるところは、中々無いだろう。
その航路の殆どは、鹿児島市街にほど近い所にターミナルがある。しかし、私が乗ろうとしている「フェリーはいびすかす」は、何故か鹿児島市街からかなり離れた谷山港から出港する。なので、HPにも港を間違えないように注意喚起をされていた。
今回乗る「フェリーはいびすかす」の航路はこのような感じだ。
鹿児島谷山港 18:00発 ⇒ 種子島西之表港 21:40着
種子島西之表港 翌朝5:00発 ⇒ 屋久島宮之浦港 7:00着
変わっているのが、夕方出たフェリーが夜種子島に到着して、そのまま朝まで種子島に停泊。翌早朝屋久島に向けて出発する。2等の大広間しか無いが、うまく使えば安宿代わりになりつつ、早朝屋久島に到着するので時間の有効利用が出来る。なお、屋久島に向かう人でも種子島停泊中には下船不可。種子島から乗る人は早朝じゃないと乗れない、という制約が付いている。
このような航路を持っているのだが、HPに運行状況が載っているので雨が降っていたこともあり、海が荒れていないか気になってちょこちょこ見ていた。
屋久島を出港した、というのは確認した。上り方面は普通に逆方向で進む。朝屋久島を出港して、種子島経由で14:40に鹿児島谷山港に到着する。その後確認したら、何と種子島出発便が海上荒天により欠航になった、と表示されていた。
このような航路を持ってて、種子島出発が欠航となった。と見た時、普通の人はどう思うだろうか。私は、種子島に寄った上でもう鹿児島に戻ってこない、と思った。これはかなり焦った。屋久島に行けなくなるではないか。他の便もあるので、最悪何とかはなると思うが、かなり旅程に影響してしまう。
かなり焦りながら、他の案も考えつつまた見てみたら、今日の鹿児島港発屋久島行きは平常運航を予定。と記されていた。この時は、運行情報の更新時間がおかしかったので、一体何が正しいのか更に懐疑的になってしまった。
これは直接連絡した方が良いな、と判断して問い合わせ先にTELしてみた。今日のフェリーはいびすかすは、鹿児島を出ますか?と聞いたらあっさり運航予定です、と言われた。よく分からなかったが、これは正確な情報だろう。頭がこんがらがったが、とりあえず安心して谷山港に向かった。という背景がある。
フェリーはいびすかすの紹介と運行情報について惑わされたが、終わったところで話を戻す。レッドバロンも温泉も谷山港寄りの場所にあったから非常に便利だった。
案内看板もちょこちょこあったので、迷わずに谷山港に16:10に到着。フェリーターミナルというより、本当に貨物船のコンテナが乱立しているような感じで旅客がメインじゃない、というのがひしひしと感じられる。
例に漏れず検温を済ませて、事務所で手続きをする。バイクで屋久島に行きたい旨を告げて料金を支払った。バイクは予約は出来ずに先着順、ということだったので載せられるか気掛かりだったが、バイクは周りに誰も居らずこの後も増えなかった。
この時に、惑わされた運行情報について聞いてみた。すると、どうやら種子島に寄港せずに、鹿児島港へ直行したらしい。それなら上記の状況も納得出来た。しかし、それだったら屋久島から種子島への輸送荷物はどうするのだろうか、とか思ったが何とかするのであろう。

手続きも終わった所で、バイクを事務所前に移動するよう言われたので記念撮影。17:30くらいに積み込み開始、ということでそこそこ待たされそうだ。

なので周辺を散策する。まずはこれから乗るフェリーはいびすかす。

バイクと一緒にこちらも記念撮影。見たら分かると思うが、かなり年季の入ったフェリーだ。

海上保安庁の船もあった。

フェリーはいびすかすについて検索すると、よくネタにされているコンテナを改造したバス乗り場。

このように至る所に看板があるので産業道路を走っていれば、迷うことなく着けるでしょう。

海側に出てみたら鹿児島のシンボル桜島が見えた。
周囲を散策したところで、先ほどの事務所にテレビがある待合室があったので、そこでゆっくりする。
最新の天気予報を確認したところ、朝見た時と変わっていなかった。やはりこれだったら、明日中に無理矢理屋久島と種子島を周ってしまおう。とりあえず、明日予約している屋久島のホテルをキャンセルした。
その後はどうしようか。雨の中もう1日種子島に居たところでしょうがない。なので、計画の修正を頭の中でした。
■当初の計画
5/06日(木) 屋久島周遊。
5/07日(金) 屋久島から種子島へ渡るフェリーに乗り、種子島周遊。
5/08日(土) 種子島を周遊し、鹿児島港へ戻り、宮崎県都城市へ。
■修正の計画
5/06日(木) 屋久島周遊→屋久島から種子島へ渡るフェリーに乗り、種子島周遊し宿泊。
5/07日(金) 雨の中どうにか時間を潰し、午後一で出港するフェリーで鹿児島港に戻る。
5/08日(土) 鹿児島大隅地域の国盗り巡りをし、宮崎県南部を周って宮崎市辺りへ。
この計画なら、当初気にしていた一部残るだろう地域も周ることが出来る。折角の島を多少すっ飛ばしてしまうのは惜しいが、相変わらず天候には勝てないので仕方がない。雨が降ってもフェリーに乗るだけなら何とかなる。それでも、国盗りを進めることが出来るのでこれが最上の選択だろう。
大体決まった所で、とりあえず明日の宿を確保する。明後日予約している種子島のホテルもキャンセルして、空きがあったので同じホテルを明日チェックインで予約した。鹿児島に戻ってきた後の宿は、明後日多分チェックアウトギリギリまで居ることになるだろうから、その時に探すことにしよう。多分鹿屋市辺りがちょうど良い気がする。
これでやれることは全てやった。後は天命を待つだけだ。明後日の雨を乗り越えれば、後はそこまで悪い予報ではなかった。
そんなことをしていたら、出航の時間が近付いてきた。係員の指示に従いフェリーに入る。どこに停めるのかと思ったら、一応屋根はあるが適当な手すりの横に置くよう指示された。どうやら、手すりにロープで固定するらしい。まぁ無事に屋久島まで行ければ、細かいことはどうでも良い。

このフェリーはいびすかす。外観からも年季が入っているのは分かったが、中に入ると非常にレトロ感があった。最近のフェリーはキレイなものが多いので、こんな感じのフェリーは久しぶりだ。2019年に乗った、対馬の比田勝⇔博多航路や、長崎五島列島の宇久島・小値賀島⇔佐世保航路みたいな感じだったが、それの方がマシに思えるくらいだった。
それも当然。このフェリーはいびすかすは、元々貨物船だった。それに無理矢理客室を作った貨客船だからだ。検索すると色々出てくるので、興味ある方は調べてみてください。こういうのに乗るのも良い経験だろう。貨物船なのでスタビライザーが無いらしく、外海に出ると中々揺れるらしい。
前述した通りキャンプ道具は送り返しているのだが、このフェリーに乗るためだけにマット・枕だけはまだ持っていた。それを広げて快適空間を確保する。毛布はあったので良かった。他の客はそこそこ居たが、十分横になって荷物を置くスペースもあったので良い。まぁよっぽど一杯になることは無いらしいが。

フェリーは定刻通り谷山港を出港した。甲板に出て景色を眺める。

桜島は本当に鹿児島のシンボルだと思える存在感を示している。
出港を見届けたところで、速度を上げて揺れ始める前にコンビニで調達した夕食を食べる。

そして再度甲板に出ると、夕暮れの時間だった。

桜島も夕暮れの中浮かび上がっている。

反対側には開聞岳も見えた。

朝の雨から信じられないくらい良い天気になってありがたい。良い夕陽を見ることが出来た。

ここからはひたすら、暮れゆく空を見続けた。貨客船なので甲板にベンチとかが無いのが残念。

鹿児島から種子島・屋久島に両方行けるのは、このはいびすかすだけだ。看板を撮影。

この夕暮れは素晴らしくて、ずっと眺められる。GWだが鹿児島だけに、そんなに寒くもなく快適な温度だった。

夕暮れの中に開聞岳が大きくなってきた。あの街は恐らく指宿辺りか。

しばらく、他のフェリーと並走していた。A''LINEと書いてあるから、あれは同時刻に鹿児島港を出港する、マルエーフェリーだろう。奄美諸島を経由しつつ、24時間掛けて那覇まで行く長距離フェリーだ。これにバイクを載せれば沖縄ツーリングも出来なくはないが、費用と時間を考えると飛行機で飛んでレンタルバイク、というのが現実的な所だろう。

開聞岳の全容が見える頃には、写真に撮れるかどうかギリギリな明るさだった。開聞岳は本当にシルエットが富士山のようだ。
真っ暗になったところで船室に戻り、歯磨きやコンタクトを外しておく。ツーリングマップルでも眺めて屋久島のどこへ行こうか考えようかと思った。
しかし、開聞岳を過ぎたということは、外海に出るということだ。鹿児島の形を思い浮かべてもらえれば分かると思うが、鹿児島湾(錦江湾)は薩摩半島と大隅半島に囲まれているので開聞岳までは実に穏やかだった。
外海に出てからはかなり揺れ出したので、これで文字を読むのは流石に船酔いしそうで、危険だと判断した。幸いテレビがついていたのでそれを見ながらマットに転がりゴロゴロしていた。何度かタバコを吸いに甲板に出たが、中々真っ直ぐ歩くのが大変なくらいだった。スタビライザーが無いとこんなに揺れるのか、と驚いた。
それでも特に体調に異常も出ず、定刻通りに種子島西之表港に到着した。真っ暗な中だったので写真は撮らなかったが、到着後しばらくはフォークリフトがコンテナを運ぶような音が響き渡った。また種子島に来るつもりではあるが、とりあえず国盗りはしておこう。
乗客はどのくらいだろうか、半分か2/3くらい種子島で降りて行ったので、かなりガラガラになった。種子島の住民にとっては、ギリギリまで鹿児島に滞在出来るので良いのだろうが、時間効率で行くと屋久島に帰るのには使い辛いのかもしれない。ちょうどコンセント横の席が空いたので、移動して充電を確保出来た。
前述した通り、今の段階では種子島の乗客は増えない。停泊したフェリーに泊まる、というのは中々経験出来ないため、折角だから楽しもう。
一通り乗客が降りたところで、係員さんが消灯です、と言いながらテレビと照明を消して回っていた。明日も朝が早いし、特にやることも無いのでさっさと寝ることにする。
宿泊地:フェリー内
風呂:慈眼寺温泉 420円
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