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わさび茶漬けのブログ一覧

2025年06月29日 イイね!

5シリーズの「もう一つの路線」

5シリーズの「もう一つの路線」Instagramの BMW Classic 公式アカウントにて、興味深い画像が公開されていました。


5sedesi1.jpg 
4代目5シリーズ(E39型・1996年~)
のデザインスケッチです。

前後方向および上下方向の丸みが強調されていて、目指す方向性が強く表れています。

スケッチの下端には"NAGASHIMA"と記されており、「BMWドイツ本社唯一の日本人デザイナー」でもあった永島 譲二氏が描かれた作品のようです。




BMWE34E39.jpg

3代目5シリーズ(E34型)は、直線を基調としたタイトなボディに4灯の丸形ヘッドライトを備えた、それまでのBMWの典型的なデザインでした。

4代目5シリーズは、その要素を豊かな曲面で包み、より優れた空力性能とおおらかな伸びやかさを狙ったことが、デザインスケッチを通じて伝わってきます。



nagashimaworks33.jpg

永島 譲二氏は、過去のブログでもご紹介したように、4代目5シリーズ・Z3ロードスター(E36/7型)・先々代3シリーズ(E90型)・先代3シリーズGT(F34型)・現行3シリーズ(G20型)などを手掛けられました。

過去記事で触れたZ3のデザインの方向性もそうでしたが、ボディ全体を滑らかで大きな曲面で包み込むことが、1990年代の永島氏の狙いだったように思えます。




5sedesi2.jpg

Instagramの同投稿では、永島氏による4代目5シリーズの恐らく構想段階のスケッチも公開されています。

※ なお、BMWのチーフデザイナーだったドマゴイ・デュケック氏は、過去のモデルに関する同様のデザインスケッチを個人名のInstagramアカウントで公開していましたが、昨年9月にロールス・ロイスのデザイン責任者に異動になったようです。

ルーフラインは滑らかで、4ドアクーペ的なフォルムです。



2015-bmw-6-series-gran-coupe-images-26-3-2.jpg

その流麗さは、後の6シリーズ・グランクーペ(2012年~)や8シリーズ・グランクーペ(2019年~)に通じるところもあると思います。

5シリーズの「もう一つの路線」の案は、時代をかなり先駆けたデザインだったようです


chatgpt5er4-4.jpg

なおChatGPTに、上の永島氏のスケッチのデザイン案がもし実車になっていたらどういうイメージになるかを作成してもらったところ、期待したような仕上がりにはなりませんでした...。

生成AIが作る文章や画像の全般的に言えることですが、あくまでも巷の情報の多数決的な重ね合わせであって、創造したり真髄を見出したりするわけではないように思えます。

やはりデザインというクリエイティブな仕事は、優れたデザイナーによってこそ成し遂げられると信じます。

言い方を変えれば、そこに愛がある限り、人間はAIに負けない」と思います!

Posted at 2025/06/29 20:54:48 | コメント(0) | トラックバック(0) | デザイン | クルマ
2025年05月17日 イイね!

イマドキのトルクと馬力のお話

イマドキのトルクと馬力のお話※ 12年前の人気記事(?)【 トルクと馬力、ディーゼルとガソリン 】の続編的な内容も含みますので、宜しければぜひそちらも併せてお読みください。

BMWVDEMO122-2.JPG

先月の記事【 BMWの過去から未来へと続く足跡 】にて、今年2月に発表された "BMW VISION DRIVING EXPERIENCE" というBEVのコンセプトカーをご紹介いたしました。

その最大トルクは、BMWによると1,831kgm(18,000Nm)もあるとのことです。

一般的な自然吸気エンジンなら180L!にも相当するようにも思えますが・・・

それについて解説した動画によると、BMWの説明による最大トルク値は「モータートルクに減速ギア比を掛けている可能性があります」とのことでした。

それについて考察する前に・・・

 
gearratio.jpg

一般的なエンジン車は、エンジンのクランクシャフトの回転数そのままで、ダイレクトに駆動輪を回している訳ではありません。

ギアボックスおよびデファレンシャルギアによって、回転数を下げています。

例えば320dの現行モデルの場合、8速ATの変速比は1速で5.25から始まり8速で0.64、デフの最終減速比は2.813となっています。

それによって、エンジン回転が4000rpmであれば駆動輪の回転は1速で271rpm程と、約15分の1になります。


jitensya_papa_3nin_taihen-3.jpg

坂を上る自転車などでも体感できるように、大きな力でゆっくりペダルを漕ぐ代わりに、適切なギアを選ぶことで小さな力で(すばやくペダルを漕いで)同じ仕事をすることもできます。

「 馬力 = トルク × 回転数 」という関係にあるので、同じ馬力(仕事率)でも回転数を下げるとそれに反比例してトルク値は上がります。


エンジン車の場合は、その性能に応じて変速比や最終減速比を定め、走行状況に応じてギアチェンジすることで、限られたエンジンの性能を有効に引き出すことができます。

例えば320dのエンジンが2000rpm で発揮する400Nmというトルクは、駆動輪においては1速で5,907Nm(136rpm)という大トルク・低回転に変換されます。

※トルク値と回転数が変わるものの、馬力は変わりません。

実際に駆動輪にかかっているトルク値は、エンジン性能として一般的に語られるトルク値の数倍~十数倍になっているのです。(ギアが何速に入っているかによって大きく変わります)

 

img_9c6c8da5b61630ddfbe75f6308796984307188.jpg

話題は変わって、先日ルノーから発表されたこのBEV(5ターボ3E)の駆動力は最大トルク4,800Nmとのことです。

一般的なエンジン車の最大トルクの値(例えば320dは400Nm)と比べると、とても大きな数値です。

それを伝える記事では「このあまり見たことのない数字を誤植と思った」とも書かれていて、その数値に懐疑的な報じられ方もしていますが・・・

これらは誤植ではないと考えます。

なぜなら5ターボ3Eはインホイールモーターを備えていると発表されているからです。
 

Honda_FCX_rear_in-wheel_motor_Honda_Collection_Hall.jpg

インホイールモーターとは、車輪の内部またはそのすぐ近くに配し、(一般的な定義では)減速せずに直接タイヤを駆動する方式のモーターのことです。

耐久性などの技術的な課題もあってなかなか実用化には至りませんでしたが、ルノーによると「正真正銘のインホイールモーターカーの市販車は、おそらくこれが世界初」とのことです。



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「インホイールモーターは、減速機に頼らずに数千Nm級のトルクを発揮することが求められる」とも言えますし、「そもそも既存の多くの車も、車軸のトルクとしては数千Nm級を発揮している(それが必要である)」とも言えます。

ルノー5ターボ3Eの最大トルク4,800Nmという値は、「誤植」どころかインホイールモーターであれば十二分にありえる大きさだと考えます。



xin1_01_jp-2.jpg

一方、BEVやプラグインを含むハイブリッド車に装備されるモーターの最大トルクを表す際には、一般的にはそのモーター軸におけるトルク値を使っていると思います。

エンジン ~ 変速機 ~ デフ ~ 車軸という関係と同様に、
モーター ~ 減速機 ~(デフ)~ 車軸という構造に分類されると見なし、
モーターの性能とはモーター軸で測るという考え方だと推測します。

ですが(インホイールモーターではない)一般的なEV用のモーターにおいて、減速機がユニットとして一体となっている場合があります。

「モーター軸における最大トルク」はその性能を示す値の一つではありますが、モーターユニットの内部構造の特定箇所における値に過ぎません。

それを性能表記の代表値とすることには違和感もあります。


さらに言えば、インホイールモーターも含んでトルクと回転数の設定の幅が極めて広いモーターについて、車軸トルクならまだしもモーター軸トルクについて横並びに比較することは、あまり意味が無いとも考えます。(馬力であれば意味があると思いますが)

エンジンであれば、最大トルクを決定づける排気量の違いは数百cc~数千ccとせいぜい1桁レベルですが、モーターの軸トルクの違いは2桁レベルではないでしょうか。



20220328132146.jpg  

そして、エンジンとモーターではトルク曲線の特性が大きく異なり、レスポンスや加速感も全く違います。

さらに、プラグインを含むハイブリッド車は、走行状況に応じてエンジンとモーターの役割分担が様々に変化するため、従来のような回転数を横軸にしたパワーカーブやトルクカーブというもの自体が存在しません。


結局のところ、パワートレインが多様化した現代においては、その加速性能は最高出力(馬力)で表記するしかないように思えます。(ハイブリッド車の場合はシステム最高出力)

もし性能表記にモーターの最大トルクも併記するのであれば、その測定箇所がモーター軸なのか車軸なのかを明記するか、むしろ車軸に統一する必要があるとも考えます。



そしてようやく、話は冒頭のBMW VISION DRIVING EXPERIENCEに戻りまして・・・

BMWVDXFR.jpg

この車の最大トルク値1,831kgm(18,000Nm)が、「モータートルクに減速ギア比を掛けている」からなのか、「この車がBMW初のインホイールモーターを備えている?」からなのかは分かりませんが・・・

前述の「320dの1速での車軸における最大トルク5,907Nm」の3倍程の値である、ということは言えそうです。

「ずば抜けた高性能ではあるものの、ありえない程の値ではない」とも言えると思います。

この車については、4月23日~5月2日の期間で開催される上海モーターショー2025にてさらに明らかになるようなので、それも楽しみです。




bmwelesuper.jpg

なお昨年7月には、スーパーカー的なフォルムのBMWの試作車がスクープされました。

またそのホイールにブレーキキャリパーが見えないことから、インホイールモーターを採用しているのではないかとも推測されました。

(インホイールモーターはその径が大きいことから回生ブレーキの効きも絶大で、従来の機械式ブレーキが不要になるのかもしれません)


 
Screenshot15.30.56-2.jpg

同じく昨年7月には、BMWが「ミュンヘンに拠点を置くDeepDrive社と、革新的な電気モーターの路上試験を実施する」ことが公式発表されていました。

「このコンセプトは2つの電気モーターをほぼ1つのユニットに統合することで、エネルギー効率とトルク密度に優れた極めてコンパクトな駆動システムを実現します。従来の電気モーターでは、ステーターが内側または外側のローターのいずれかを駆動しますが、DeepDrive社のデュアルローターコンセプトでは、ステーターが両方のローターを同時に駆動します。コンパクトな設計と軽量なユニットにより、各ホイールハブにそれぞれ電気モーターを搭載したインホイールドライブシステムが可能になります。」

と解説されています。

この説明からその仕組みを伺い知ることは難しいですが、極めて画期的なメカニズムを創り出しつつあるようです!




neue-klasse-x_new-dimension_3to2.jpg

自動車のエンジンもモーターもその開発は歩みを止めることは無く、走行性能はさらに進化していくようです!

そしてそこには、今まで以上の「駆け抜ける歓び」があると予想します!!

Posted at 2025/05/17 18:48:29 | コメント(0) | トラックバック(0) | | 日記
2024年01月08日 イイね!

X5の40d(直6ディーゼル)から50e(直6ガソリンPHEV)に乗り換えました!

X5の40d(直6ディーゼル)から50e(直6ガソリンPHEV)に乗り換えました!
諸般の事情により、わずか9か月での乗り換えとなりました...

PHEVは静かで速いですが、ディーゼルにも分かりやすい良さがあったと思います。

色々と進化している反面、不自由になっているところもあります。

自動車にここまで複雑な機構が本当に必要なのかなとも思いますが、それも時代の流れなのでしょうか...😅



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向かって左が新しい車、右が今までの車です。
マイナーチェンジによってバンパーとヘッドライトが変わりました。
ボディカラーは同じ(ミネラル・ホワイト)なのですが、なぜかどう見ても色目に違いがあります。



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タイヤはオプションの22インチが付いてきてしまいました。(前車は20インチ)
見た目も乗り味も個人的には20インチくらいの方が好みです...。



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内装色はブラックからアイボリーになりました。
ディスプレイは巨大に、シフトはレバーからトグルになりました(涙)



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リアビューはほとんど変化がありません
(ランプ内部の光り方がU型からX型になりました)



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エアサスを最も下げるとヤンチャさが増します



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ここまで明るい内装は初めてですが、上品で良いと思います



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後席は明るくて開放感がありますが、シートスライドやリクライニングがあるとなお良いと思います



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EV航続距離が80km程あるので、日常使用ではほぼガソリンを使用しません



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息子の受験が終わったら、遠出の機会も増えると思います!



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3台中2台がPHEVになりました。
給油は3台で月に1回あるかないかといった感じになりました。。




Posted at 2024/01/08 17:44:42 | コメント(1) | トラックバック(0) | クルマ
2023年12月19日 イイね!

AI BOXを導入しました

AI BOXを導入しました最近、"AI BOX"と呼ばれるアイテムが話題になってきているので、試しに導入してみました。

車両とApple CarPlay接続することで、各種のネット動画等を見られる仕組みです。走行中も(同乗者が)視聴できて便利です。
https://bestcarweb.jp/feature/column/661792

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この筐体の内部には、Android機能が内蔵されています。
BMWはワイヤレスCarPlayという理由からかBMW専用品が売られていて、接続にはSIMカードが必要です。(とりあえず2500円のプリペイド式を刺してあります)



この類のガジェットは(今のところ)中国製しかありませんが、恐らく本来のCarPlayの趣旨(走行中に支障のないメニューしか表示しない)からは外れているので、中国メーカーしか手を出さないということかと推測します。

ちなみにこの商品は1か月ほど前に146ドル(約22,000円)でAliExpressで買いましたが、今はなんと1210円!で売られています。(追記:元の値段に戻ったり、ときおり
激安価格になったりとおかしなことになっています)
https://www.aliexpress.com/item/1005005460665805.html

始動時の認識が遅い上に接続不能になることもあるなど不安定で、操作性もレスポンスも非常に悪いですが、長距離ドライブ時にYouTubeが見られるのは(同乗者の)暇つぶしには便利です😁

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YouTubeやTVerは繋がりますが、Netflixやディズニープラスはなぜか認証で跳ねられて繋がりません。


(追記:Netflixは繋がるようになりました。単なるIDの入力間違いでした...)



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レスポンスも操作性も悪いですが、走行中に同乗者が動画を視聴できるのは嬉しいです!


Posted at 2023/12/19 08:10:59 | コメント(0) | トラックバック(0) | | クルマ
2023年12月17日 イイね!

【堺市ヒストリックカー・コレクション見学会 with 永島譲ニさん】・後編

【堺市ヒストリックカー・コレクション見学会 with 永島譲ニさん】・後編先日、CG CLUBさんのイベント【 堺市ヒストリックカー・コレクション見学会 with 永島譲ニさん 】に参加させて頂きました。

そして【前編】(先週のブログ)では、その「堺市ヒストリックカー・コレクション」を中心にレポート致しました。


今回の【後編】は、永島 譲二氏(元BMWデザイナー)のトークを中心にお届けします。



020_onagashima (2)-2-thumb-471x313-265465.jpg nagashimaworks.jpg

永島氏に関しては、当ブログの過去記事【 3シリーズのデザインに込められた日本人の心 】にてご紹介したことがあります。

自動車デザインでは異例とも言える水彩画を用いる独自のスタイルを確立され、オペル(1980年~)、ルノー(1986年~)、BMW(1988年~)で腕を振るわれました。

4代目5シリーズ(E39型)・Z3ロードスター(E36/7型)・先々代3シリーズ(E90型)・先代3シリーズGT(F34型)・現行3シリーズ(G20型)などを手掛けられ、繊細かつ流麗な作品を生み出されました。

(BMWを退社されてからも、お膝元のドイツ・ミュンヘンにお住まいのようです。)



IMG_7537-3.jpg

永島氏のスマートでジェントルな物腰は、流麗な作品から受けるイメージと通じるものがあるように思います。

デザインに関する卓越した知識や情熱は、月刊誌『CAR GRAPHIC』にて2007年1月号から続く長期連載「駄車・名車・古車 デザイナー的見解」からも伺えますが、今回のイベントでのお話にも滲みでていました。

その貴重なトークの一部を、生産年代順にダイジェストでご紹介します。



DSC08786-2.jpg DSC08782-2.jpg

3/15 DA-2(1928年式)はBMW初の4輪車(英オースチン・セブンのライセンス生産車)であるDIXIの初期型で、それをベースにしてコーチビルダー・イーレ社が2シーターロードスターに仕立てたのがイーレスポーツ(1928年式)です。

実は、BMWの象徴とも言えるキドニーグリルは、このイーレ社によって生み出されました。

Cピラーのホフマイスター・キンク(社内呼称は
ホフマイスター・エッケ)も、グリル同様にBMWの象徴として語られますが、初めからアイデンティティとして選ばれたわけではなく、紆余曲折がありながら結果的にそうなっていきました。



DSC08784-2.jpg 14195214_10154427522594754_7871836029753380350_o.jpg

507(1958年式・生産台数252台)は、「ベンツの300SLに対抗して作られた」と語られることが多いですが、実際には知名度としては遠く及びませんでした。

私の知人で300SLを
新車発売当時に買った人がいるのですが、507はその存在も知らなかったそうです。

ですが当時エルヴィス・プレスリーが徴兵されて西ドイツにあるアメリカ陸軍基地に勤務していて、この507を1958年に中古で購入したことから一気に知名度が上がったのです。

(余談ですが、プレスリー氏はその507にエンジン載せ替えやボディ色を赤に変える等のモディファイを施した後、アメリカに持ち帰りました。長年を経て2014年に納屋に置き去りにされている状態で発見され、BMW自身の手によって美しくレストアされました。)

アルブレヒト・フォン・ゲルツによるイタリア調のデザインは、後のヘンリク・フィスカーによるZ8に、側面のルーバーは(永島氏の作品である)Z3に受け継がれています。



DSC08772-2.jpg

ノイエ・クラッセシリーズは、当時BMWと契約関係にあったジョヴァンニ・ミケロッティのデザインだと語られることもありますが、実際はBMW社内デザインチームとのミックスだったようです。

ボディ全体をクロームメッキのモールが一周しているのが特徴で、当時の話題作である
シボレー・コルベアの影響を受けていると思います。

バンパーを除くとボートのようなフォルムをしていて、先日発表された
最新コンセプトカーにも引き継がれていますね。

この1600-2 Cab(1971年式)は、2ドアをベースに
バウア社がカブリオレに架装したもので、とても珍しい車両だと思います。

ちなみにバウア社は後に
3シリーズ(初代・2代目)カブリオレも製作しますが、それは横転対策の法規が厳しくなるかもしれないという懸念からBピラーがロールバー状に残されることになりました。そんな時代になる前の作品です。



DSC08866-3.jpg

2002 Turbo(1973年式・生産台数1672台)は、初期のモデルにはフロントスポイラーに"2002 Turbo"とミラー越しに読めるように裏返しに書かれていて、前の車に「どけッ」と伝えていました。

ですが「挑発的過ぎる」として行政指導が入ったという噂で、その後はストライプのみになりました。

エンジンルームを見ると、非常に贅沢な造りをしています。

運転したこともありますが、世界初の量産ターボは、ターボラグが大きくて忘れたころに効きだす感じでした。

2002シリーズには高性能版のTiとそのインジェクション版のTiiがありますが、Tiが一番力強かった印象があります。

なお、BMWの歴代の首脳陣は
ボブ・ラッツを始め、しっかりと飛ばす人が多いですね。


(写真の向かって左はバルコムトレーディングによる正規輸入車で、フェンダーミラーを備えオーバーフェンダーが溶接されています。右側は並行輸入車で、ドアミラーかつオーバーフェンダーがボルト留めになっています。)



DSC08799-2.jpg img_6d5b4d0d835398ac20692bc877977f1398019.jpg

尚、堺市ヒストリックカー・コレクションの中で、永島氏が最もお好きなモデルは「黒い328」(328ウェンドラー・1938年式)とのことでした。

名車328ロードスターをベースに、ドイツのカロッツェリアであるWendler社が作製した、世界に数台(1台?)しかない特別な車です。(コレクションの他の車と共に、BMW GROUP Tokyo Bayのオープニングセレモニーにも貸し出されたことがあります。)

当時建設が進んでいたアウトバーンでの高速連続走行を想定して、広めのキャビンと脱着式ルーフを備えています。

(余談ですが、Wendler社はさらに空力性能を重視した過激なディテールとフォルムの328 WENDLER "STREAMLINE" COUPEも生み出します)



スクリーンショット 2023-12-03 131826-2.jpg

当日撮影した写真(約130枚)は、Webアルバムでもご覧いただけます。


・・・といった感じでコレクションの観覧を終え、エンジン始動見学、昼食(堺市名物  古墳弁当 & けし餅)と続きました。



IMG_7549-3.jpg IMG_7535-3.jpg

その後の懇親会では、永島氏にサインを頂きながらお話しし、トークの時間では以下の質問をさせて頂きました。

Q : 歴代のBMWで最も好きなデザインのモデルは何でしょうか?

A : 3.0のクーペ(E9シリーズはBMWらしさに溢れていて良いと思います。ブランドの象徴として好きです。


Q : それ以外のメーカーで最も好きな車は何でしょうか?

A : シトロエンのオリジナルのDSは非常に尊敬します。本当に尊敬します。



1973_BMW_CSL_30_E9_8-2.jpg 800px-Citroen_Ds_23_P5200915-2.jpg 


Q : 最近は、メーカーを問わず圧迫感が強い、ゴツいデザインが増えたように思いますが、どのようにお感じでしょうか?

A : 自動車のデザインは、ある時点から、キレイなデザインでは無くて、目立てば何でも良いになってしまいました。

日本に来ると強面のミニバンを見かけますが、ああいったものは日本でしか見かけません。

ああいうデザインは自分にはちょっと難しいと同時に、高級感というものが古く解釈されている気がします。

もうちょっと工夫して欲しい、やりようがあるのになとも思いますが、そういう話を始めると大変なので...これくらいにします(笑)



・・・といった感じのトークを最後に、貴重なイベントはお開きになりました。



IMG_7552-2.jpeg

日本で随一のBMWのヒストリックカーコレクションを拝見し、長年のファンでもある永島 譲二氏のお話を聞けるという、私にとっては夢のような体験でした。

来年には、永島さんの作品の展示会(名古屋)も予定されているとのことで、それも楽しみです!


永島氏には、個人的にこんな質問もさせていただきました。


p1FACE.jpg

当ブログの過去記事でもご紹介しましたが、2010年代に、3シリーズ(2012年)→4(2013年)→2(2014年)→1(2015年)→7(2015年)→5シリーズ(2017年)という順番で発表されたモデルラインナップにおいて、フロントフェイスに連続性(上級モデルほどヘッドライトとグリルが横に伸び、太く繋がっていく)が見られたことがありました。

「5年をかけて完成したこれらの綿密な連続性は、チーフデザイナー(アドリアン・ファン・ホーイドンク氏)の明確な意向によるものでしょうか?」という疑問です。

それに対するお答えは、「BMWにおけるチーフデザイナーの主な仕事は、個別の車のデザインに対して細かく指示するというよりも、予算獲得等のビジネス的な役割が多く、さらにホーイドンク氏はその傾向が強いです。これらの連続性は、各シリーズのデザイナーが各自に判断して、お互いを見ながら形成されたと推測します。」とのことでした。


BMWのデザインの方向性は、BMWという会社全体が定めていくということでしょうか...!?


尚、永島氏は前チーフデザイナーのクリス・バングル氏とは今も個人的な交流があり、先日も某国の自宅にて会われたとも話されていました。



最後に・・・


CGCLUB-2.jpg


素晴らしいイベントを企画して頂いたCG CLUBさん、誠にありがとうございました!

会員になると隔月で会報誌が届き、こういった貴重なイベントに参加できたり、各種特典がございます。

自動車文化の奥深さに触れられる、素晴らしいコミュニティです。お勧め致します!
Posted at 2023/12/17 11:56:56 | コメント(1) | トラックバック(0) | デザイン | クルマ

プロフィール

「5シリーズの「もう一つの路線」 http://cvw.jp/b/161264/48515302/
何シテル?   06/29 20:54
よく見るとちょっと違う? ...って言うより よく見ないと分からない違いが?(^-^.) 【くるまマイスター検定】の1級に合格しました♪
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