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OX3832のブログ一覧

2024年07月02日 イイね!

リフト量の皮算用

リフト量の皮算用先日のTC1000でのテスト結果から,リアスプリングのレートを12キロ→14キロに上げた事でクルマがインリフトし易い特性になったようです(まぁ,こうなるだろうとは思ってはいましたが・・・苦笑).

こうなると,バネレートを2キロ上げた事でリアのリバウンドストロークは一体いくつ減ったんだ?と気になってくるので,簡単に試算してみる事にしました.


まず,私のEF8のリアの軸重は337kg(大分古いデータなので今はもっと重い気もしますが)なので,1輪当たりに掛かる荷重は,

  337kg / 2 = 168.5kg

次いで,リアのレバー比を1.23と仮定すると,

  168.5 × 1.23 = 207.2kg

ここから,各レートでの縮み代を求めてみると,



  12キロ ⇒ 207.2 / 12 = 17.2mm
  14キロ ⇒ 207.2 / 14 = 14.8mm (-2.4mm)

という事で約2.4mm短くなったようです.たった2.4mm・・・と思いたくなりますが,ダンパーの1ターン分が約3mmなのでそれなりですかね.


現在のリアで使っているスプリングは7インチ≒178mm なので,1G状態での長さは,



  178 - 14.8 = 163.2mm

同じくリアダンパーは以下(↓)のような設計となっていますから,



車高30mmダウンを許容限界として設計されていると仮定すると,

  196 - 30 =166mm

となり,ほぼ1G状態の長さ=ダンパーの有効ストロークですね.厳密には2.8mm調整代が残っていますが,1ターン分(3mm)も残っていないので使い切っていると考えて良いでしょう.これではヘルパースプリングを入れてリバウンドストロークを稼ぐ,といった手も使えなさそうです.


となると,次レートアップした時はスプリング長を6インチ(152mm)化するしかない訳なのですが,その場合,

  16キロ ⇒ 207.2 / 16 = 12.95mm
  152 - 12.95 = 139.05mm (-24.15mm)

といった試算から,現状より25mm近くリバウンドストロークが減る事になるので,かなーりインリフトに苦しまされそうな未来が見えます・・・.リアのレートを上げる時はフロントのレートも一緒に上げる事になるので,額面通り25mmインリフトするとは思っていませんが,いずれにせよ,次のレートアップは少し慎重に進めた方が良さそうです.


そういう訳で,当面の間は今の仕様のままとなりそうなのですが,暑い時期はともかく,冬になるとダンパーオイルが固くなってインリフトが助長される懸念もあるため,もう少し細かく減衰のセット出しをしておこうと思うのですが,ここで1つ最近よく分からなくなっている事があります.

それは,「リアのリフト量を減らしたい」と思った時に,減衰力は上げるべきなのか? 下げるべきなのか?



「上げるべき」の考え方は,「リアの減衰力が低いとダンパーが伸びる速度が速くなり,リアの浮き上がりに対する抵抗成分がないため,リフトを助長させる(だから,減衰力は上げるべき!)」というもの.

一方,「下げるべき」の考え方は,「フロントが沈んでリアが持ち上げられた時に,リアの減衰力が高いとダンパーが伸びるのが遅くなり,リフトを助長する(だから,減衰力は下げるべき!)」というもの.

何となく「リフト」という現象に対して,リアを軸にして考えるか? フロントを軸にして考えるか?の違いな気もしなくはないのですが,どちらも言っている事は正しいように思えるので悩ましいです.


個人的には,FF車である以上,重たいフロントを軸にして考えるべきかな?と思っていて,「フロントが沈むから,リアが浮くんだ」説の方が納得感があります.なので,どちらかと言えばインリフトで困ったら「減衰力は下げる」方向でアジャストする事が多いです.

とは言いつつ,これもケース・バイ・ケースなんじゃないか?と最近思っていて,



例えば,リアが伸び切った状態でもタイヤがまだギリギリ地面に接地している場合(図の左側),一応接地はしているので,減衰力を下げて伸び易くする事にはあまり効果がなく,逆に減衰力を上げてダンパーを伸びにくくした方が前傾姿勢は弱まる気がします.

一方,リアが伸び切った状態でタイヤが完全に浮いてしまう場合(図の右側),これはもう浮いてしまっているので伸びの速さ云々は関係なく,如何にしてこの「浮いている時間」を減らせるか?が焦点になる気がします.となると,減衰力を下げてダンパーを伸び易くした方が「浮いている時間」が相対的に減る気もします.

という事で,減衰力を上げるか? 下げるか?は,リアが伸び切った状態でタイヤが浮くか? 浮かないか?がポイントになる気がしているのですが,これは一体どうやって見極めれば良いんだろう・・・?と頭を抱えています(笑).


(先日こもりん.さんに撮って頂いた画像を見ると,ちょっとした操作の違いで,浮く・浮かないがあるようですしね・・・)


以上,リフト量の皮算用でした.

現状のセットでも既にリアはリフトし掛かっているので,次のレートアップは慎重に進めようと思うのですが,皮算用した結果,「完全に浮く」方向になるのだとすると,リアの減衰力はもっと下げる必要がありそうです.ただ,そうするとピッチング方向はともかく,ロール方向が不安定になるのであんまり嬉しくないなぁ~とも思っています.

次は,ピッチング方向とロール方向を分けてセットする手立てが必要になってくるのかもしれませんね・・・.


【'24.07.14追記】
リアをジャッキアップしてリフト状態を再現し,1G状態の車高と比較した結果以下でした.

  0G ・・・ 168mm
  1G ・・・ 151mm (-17mm)

17mmのダウン量から逆算すると,

  17 × 14 = 238kg
  238 / 1.23 = 193.49kg ≒ 194kg
  194 × 2 = 388kg

となるので,やっぱり重くなってますかね・・・(泣).
2024年07月01日 イイね!

リアレートアップの効果確認

リアレートアップの効果確認タイムを出すのに苦労した事もあり,イマイチしっくり来なかった先日のTC1000ですが,リアスプリングのレートアップ(12キロ→14キロ)で良くなっている部分もある事はあるので,一応ロガーデータで比較しておこうと思います.

まずはコンディションの確認.

  前回 ・・・ 気圧:1014.5hPa  気温:20.8℃  湿度:67%
  今回 ・・・ 気圧:1004.8hPa  気温:27.8℃  湿度:74%

今回の方が気圧が10hPa低く,気温も7℃高いため,大体2%(≒3.6PS)くらいパワーダウンしていたようです.懸念となっていた湿度に関してはお昼ごろだと74%程度まで下がっていたので,それほど差はなく,これが午前最後の枠で41秒台に入れられた理由なんじゃないかと思います.


続いて,サンプルとなるデータは以下の通り.

【前回(41.648)】


【今回(41.938)】


先月作ったTC1000のタイムマップ(↓)に当て嵌めてみると,



過去実績で0.6秒くらい落ちそうなところを,0.3秒落ちに留めているようなので少しは速くなっているのかも??


それでは材料が揃ったところで,ロガーデータを見てみましょう(緑:前回 青:今回).



上が車速,下がタイム差ですが,コースの前半部分(ヘアピンまで)はほぼ互角で,コースの後半部分(インフィールド立ち上がり以降)で一気に引き離されて0.3秒の差がついたようです.インフィールドの立ち上がり以降はこのコース一番のパワーセクションでもありますので,やはり2%のパワーダウンの影響が大きいのかな?と思いました.実際,各コーナーの終端速度を見ると,軒並み今回(青)の方が低いですし,それを裏付けているようにも思えるのですが,そんな中で唯一前回(緑)と同等の車速に達しているヘアピン進入が注目点となりそうです.


では,細かく見ていきます.

1~2コーナー



1コーナー進入(1つ目の赤丸)の速度は前回(緑)よりも3km/h低く,やはりコンディション差によるパワーダウンが顕著なようです.気になるのはその次の2つ目の赤丸の部分.今回(青)の方が僅かに速度低下が鈍っており(=ブレーキ踏力を緩めている),これはどこなのか?と車載で確認してみたところ1コーナーの縁石に入る手前でした(↓).



ステアリング操作を見ると,ここでほんの僅かながら舵角を戻している(カウンターを当てている)ので,リアが流れ過ぎたのを感じてブレーキの踏力を抜き,リアに荷重を戻そうとした結果だと分かります.つまり,進入速度が3km/hも低い状況でブレーキングしているにも関わらず,リアが出そうになっている(インリフトし掛けている)という事で,バネレートアップによってリバウンドストロークが減り,それが挙動に影響を及ぼしている事が確認出来ます.

ただ,そこから先,1コーナーのエイペックスを抜けて加速体勢に移ると,アクセル踏み始めの初期はクルマが多少暴れてはいますが(3つ目の赤丸),タイヤのグリップに余力が出てくると一直線に加速していくので(最後の赤丸),コーナリングスピードは確実に今回(青)の方が速そうです.これがこの先のヘアピンで前回(緑)と同等の速度を出せている要因と思われます.


ヘアピン
前回(緑)と同等の進入速度でブレーキングを開始し,ボトムスピードもラインも同等であるため,ロガーデータ上はヘアピンは何も変わっていないように思えるのですが,減速の過程を見てみると,僅かながら今回(青)の方が減速度が大きい事が確認出来ました(↓).





乗っている時も「ヘアピンで止まらないなー」という感覚があったので,ブレーキ踏力を緩められなかったのは事実で,実際に止まっていない事も確認出来ました.この要因として思いつくのは,レートアップによるリバウンドストロークの減少で,リアタイヤが浮き気味になって(↓),トータルの制動力が落ちているため止まらないんだろうと思います.



じゃあ,ヘアピンではリアのレートアップはデメリットなのか?というとそんな事はなく,立ち上がりで前回(赤)よりも小回り出来ています(↓).



先述の通り,進入のライン取りは同じ,ボトムスピードは同じであるのに,立ち上がりで小回り出来ている(アンダーステアが出ない)というのは,リアのレートアップによって後傾姿勢が抑えられているためと思われ(↓),



立ち上がりを重視するなら,やはりこちらの方向なんだろうと思います.


インフィールド
ここは今回の変更でとにかくよく曲がるようになりました.ロガーデータを見てみても,



進入速度が若干低いですが(左側の赤丸),ボトムスピードは2km/h上がっており(右側の赤丸),何よりアクセルを開け始めた初期でクルマが横に流れる事なく,しっかりとトラクションが掛かって前に進んでいる点が素晴らしいです.それなのに,この先のバックストレートで前回(緑)から遅れをとってしまっているのが悲しい点で,もうちょっと気圧の高い条件で再度確認してみたいところですね・・・.



ちなみに,前回のブログで「スピン覚悟の万歳アタック(気合と根性)」と言いましたがそれがちょうどこの部分を指していて,ボトムを2km/h上げるためには横Gが「1.1」を超える状態をずーっとキープしてコーナリングする必要がありました(↓).



正直これだけキープし続けるとあんまり生きた心地がしないので(苦笑),「もう一回やれ!」と言われても正直やりたくないコーナリングなのですが,このレートでタイムを出すためには,ここまで追い込まないとダメなんでしょうね.まぁ,確かに前後共にレートが上がったおかげで,過去にこのコーナリングにチャレンジした時よりはクルマの姿勢は安定していてコントロールし易かった(=ムリが効いた)のですが,それでもここぞの1発を狙う時以外はやりたくないなぁ・・・と内心では思います.


左高速コーナー



ここは先述の通り,パワーダウンで全然車速が伸びていない訳なのですが,左高速コーナーで横Gが前回(緑)よりも高い値を示しているのに(↓),



ライン的には,まるで切り遅れたのようにアンダーステアが出ているという(↓),



ちょっと不可解な現象が起きています.横Gが出ているという事は旋回速度が上がっていそうですが実際の車速は低く,車速が低いならアンダーステアも出ないだろうと思いきやラインは膨らんでいる・・・という,よく分からないデータです.考えられるのは横Gが大き過ぎてフロントタイヤが限界を超えてしまっている事くらいですが,この舵角(↓)でそれが起きるかなぁ~?



ここは,次回タイヤを新品にして再チェックですかね.


最終複合
ここはレートアップで姿勢変化が減少したので,アクセルOFFだけでクルマを曲げるのがより一層苦労するようになったのですが,その分より定常円旋回に近い状況となり,ボトムの位置を奥にする事が出来たようです(↓).



ただノーズのダイブ量が少ないので,最終コーナー立ち上がりでアンダーステアを出さないようにアクセルコントロールするのに,より神経を使うようになってしまったので,タイヤ任せに走らざるを得なくなっちゃったかなぁ~?とも思いました.

なお,今回のレートアップと因果関係があるのかよく分かりませんが,洗濯板手間で3→2速にヒール&トゥでシフトダウンして,クラッチを繋いだ瞬間の回転数がなぜか毎回ビシッ!と合うようになってしまいました(苦笑).



あまりにも回転数がピッタリ合い過ぎて,ショックも回転変動も一切感じないため,走行中は「アレッ? シフト抜けた?? ミスった???」と心配になってコーナリング中に左手でシフトの入り具合を確認してしまう程でした(笑).レートアップでロール量が減り,ミッションが動きづらくなって入りが良くなったのなら嬉しいですが,単にこの日のエンジンの吹け上がりの鈍さで,たまたま回転が合っただけの可能性もあるので,これも後日再チェックとしたいと思います.


以上,リアレートアップの効果確認でした.



纏めると,

  ・高速コーナー等の横Gがずっと掛かっている状態等で旋回速度が上がっている
  ・フロントのみレートアップした時の立ち上がり(Exit領域)で出るアンダーステアは消えた
  ・その反面,コーナー進入時(Entry領域)でリアがインリフトしやすくなり,オーバーステア傾向になっている
  ・コーナー中間域(Middle領域)の姿勢は安定しているのでコントロール性は良い
  ・但し,今現在のレート/エンジンパワーであれば~の話.この先は心配・・・
  ・冬場の冷えたリアタイヤだと,かなりピーキーで辛いかも?(→ウェット路面でテストしたい)
  ・リアタイヤの内圧調整でこのピーキーさを消せるか?が今後のカギとなりそう

・・・といった感じでしょうか.あと直接関係があるのか分かりませんが,ここのところ計測1ではなく計測2がベストラップになる事が多いので,もしかしたらレートアップによってフロントタイヤへの負荷が減って,少しウォームアップが悪くなっている可能性もありそうです.まぁ,単純にレートアップした事でコントロールの難易度が上がって,私の腕がそれについていけてないだけかもしれませんが(笑).



いずれにせよ,次回は新品タイヤなのでこれでバランスがどうなるか? クルマはより腕の差が出易い方向に進んだので,チャンスがあればまたプロに乗って頂いて感想を聞いてみたいところですね.
2024年05月16日 イイね!

14キロに合った減衰設定探し

14キロに合った減衰設定探し先日のTC100久方振りにEF8の先輩と対戦してきた訳なのですが,当日は20分×3本=60分とたっぷり走れる走行会だったので,前回投入したフロントスプリングのバネレートアップ(12→14キロ)によって崩れたバランスの改善策を色々と探りました.今回はその結果に関して纏めておこうと思います.

まずはおさらいとして,前回の走行で感じたレートアップの影響を振り返ってみると,以下(↓)のような感じでした.

  ・ターンイン時のステアリングレスポンスは向上した
  ・その恩恵でブレーキングのコントロール精度も向上した
  ・フロントの耐荷重が増えた事でブレーキロックしにくくなった
  ・一方,立ち上がりではアンダーステアが強まった
  ・このアンダーステアは,速度域を問わず後傾姿勢になった時に出る
  ・なお,S字の切返し(左高速~洗濯板)でのステアリングレスポンスの向上はない

ご覧の通り,メリット・デメリット両方ある訳なのですが,この中で一番の問題と感じていたのが「立ち上がりでアンダーステアが強まった」の部分です.これが特に顕著に出ているのが2コーナーで(↓),



フロントタイヤが滑って表面温度が70℃まで達してしまっていたため,ここの対策が急務と考えていました.ちなみに前回走行時はサーキットアドバイザーの日だったので,この件に関して相談してみたところ「減衰を下げてみたいですね」とアドバイスを頂きました.なので,今回はそれを主軸に探ってみました.


ではまず当日のテスト結果ですが,以下のような感じです.
(同じ走行枠の中でピットイン⇔アウトを繰返したのでほぼイコールコンディション下での比較です)

  【テスト1】
   フロント:2段戻し + リア:2段戻し ・・・ 41.683
   フロント:4段戻し + リア:2段戻し ・・・ 41.648 (-0.035)

  【テスト2】
   フロント:4段戻し + リア:2段戻し ・・・ 41.706
   フロント:6段戻し + リア:2段戻し ・・・ 41.763 (+0.057)

  【テスト3】
   フロント:6段戻し + リア:2段戻し ・・・ 42.083
   フロント:8段戻し + リア:2段戻し ・・・ 42.178 (+0.095)

  【テスト4】
   フロント:4段戻し + リア:2段戻し ・・・ 41.790
   フロント:4段戻し + リア:4段戻し ・・・ 42.144 (+0.354)

  【テスト5】
   フロント:4段戻し + リア:4段戻し ・・・ 42.144
   フロント:4段戻し + リア:2段戻し ・・・ 42.106 (-0.038)


まず最初にアドバイス頂いたフロントの減衰下げをテスト(テスト1).感触的には,



  ・クルマの動きが大きくなった
  ・2コーナーでINにつけるようになった
  ・ヘアピンのブレーキングでよく止まる
  ・インフィールドでよく曲がる
  ・最終コーナーは相変わらず曲がらない

といった印象でした.先日のブログでも述べた通り感触としては悪くない気がしましたが,きっとエンジンがタレて絶対的なスピードが落ちている(=タイヤに余力がある)せいでフィーリングが良いのだろうと思っていたので,-0.03秒はかなり予想外の結果でした.


ならばこっちの方向性なのかな?と,フロントの減衰を更に2段階落としてみましたが(テスト2),



先程はINにつけていた2コーナーで今度は膨らむようになりました.これを受けて多分こっちの方向じゃないなーと思いつつ,NGである事を明確にするために敢えて更にフロントの減衰を2段階落としてみると(テスト3),



2コーナーで完全にINにつけなくなり,加えてインフィールド進入のブレーキングでフロントタイヤがロックするようになったので,ここまで柔らかくするとフロントタイヤが負荷に耐えられないと判断しました.


これでフロントは2段階落とすのが限界と見極められたので,ものは試しと今度はリアの減衰を下げてみたのですが(テスト4),リアがフラフラになってクルマの姿勢コントロールが難しくなり,「これは間違いなくダメだ」と思ったので1周試して即座に戻してみたら(テスト5),タイムは回復しました.



これは恐らく,リアの減衰を抜いた事でIN側のリアタイヤの荷重が抜け易くなり,その抜けた荷重の分だけOUT側のフロントタイヤに負荷が乗っかって,タイヤが耐え切れなくなり音を上げたためと思われます(フロントが入らないのに,リアだけ動こうとする).


・・・という事で色々試した結果,2キロ上げたレートを相殺するかのように減衰を2段階下げるのが一番良い事が分かったので,テスト1の結果を今度はロガーデータで確認してみます(赤:2段下げ 青:基準).

1コーナー進入



フロントの減衰を2段下げた方(赤)が,1コーナーのターンインで高い速度を維持出来ています.ステアリングレスポンスが上がったような印象は受けなかったので,純粋にグリップが増えたという事なんでしょうね.


2コーナー



よく曲がるようになったと感じた2コーナーですが,車速で見ると基準の方(青)が2.5km/hほど旋回速度が高いです.この違いは何なのか?とライン取りを見てみると(↓),



2段下げた方(赤)が外に膨らまず,小回り出来ているのですが,その分ラインがタイトになって操舵抵抗も大きかったようです.いつもの距離 vs 速度の相対比較をしてみると,基準(青)の方が速かったので,ここは依然として遅くなっているようですね(フィーリングとしては大分良くなりましたが).


ヘアピン進入



ほんの僅かな差なのですが,2段下げた方(赤)が速度低下が鈍いです.乗っていた時の印象としてはこの逆で,よく止まっているように感じていたので,恐らく「よく止まる」→「だから強く止める必要がない」という事で速度低下が鈍いんでしょうね.


インフィールド



ここも1コーナーと同様に2段下げた方(赤)がターンインで高い速度を維持出来ています.再加速のタイミングも2段下げた方(赤)が早いように思えますが,アクセルを開けた先でタイヤが滑ってますね・・・.


左高速コーナー
ここは特に差異がないように思えるのですが,ライン取りの方を見てみると(↓),



2段下げた方(赤)が早くINに寄れています.つまり,ここでもターンインで2段下げた(赤)の方が良く曲がるようになった,という事なんだと思います.


最終コーナー



ここは2段下げた方(赤)がボトムも低く,立ち上がりでアンダーが出ている様子が読み取れますが(右側の緑丸),なぜそうなったのか?と手前の処理を見てみると(左側の緑丸),どうやら最終複合の1個目のコーナー(20R)で1コーナー・インフィールドと同様にターンインで旋回速度が上がり,その帳尻合わせとして2個目のコーナー(17R)の進入でボトムを落とさざるを得なかったようです.


以上の比較結果を纏めると,



  ・フロントの減衰を2段階下げた方がEntry領域(コーナー入口)でグリップが増える
  ・この増えたグリップはMiddle領域(コーナー中間)まで継続されている
  ・その結果,ボトムスピード(旋回速度)が上がっている
  ・しかし,その上がった旋回速度に耐えられるだけのグリップがExit領域(コーナー出口)ではない
  ・このため,立ち上がりでは操舵抵抗に負けて失速している

つまり,「コーナーの進入~エイペックス付近までは減衰を2段下げた方が速いが,エイペックスから先,コーナーの立ち上がりの部分では逆に遅い」という事のようです.

後半の「立ち上がりで遅い」に関しては,減衰力を下げたんだから,そりゃそうだろうと思っていて(↓),



FFの場合,一度掛けたフロント荷重を如何にコーナーの後半まで残すか?が肝になるので,減衰力を下げて早くフロントが浮き上がるようにしたら,そりゃ立ち上がりが苦しくなるのは当然だろう~と思っていました.なので,実はアドバイザーに「立ち上がりでアンダー」と伝えて,「減衰を抜いてみたい」と返事が返ってきた時には,「それは逆効果では?」と内心では思っていたりもしたのですが(笑),今回の結果からするとそう単純な話ではないようですね.


ではなぜ,FFなのにフロントの減衰力を抜いた方がタイムが縮まったのか?に関して考察してみると,それは恐らくこういう理屈(↓)なんじゃないか?と思っています.



バネレートを12キロ→14キロに上げるという事は,「同じ荷重を掛けても,同じようにスプリングは縮まない」という事です(図の右側).スプリングが縮まないという事は荷重移動量が減るという事を意味するので,その分だけタイヤに掛かる荷重も減る事になります.



もし仮に,今までタイヤに荷重を掛け過ぎていた(山のピークを超えて右側まで行っていた)のならば,荷重が減った分だけタイヤのグリップが増える事になります(図の赤矢印).しかし,今まで掛けていた荷重がちょうど良かった(山のピークの辺りだった)のならば,荷重が減った分だけタイヤのグリップも減る事になってしまいます(図の青矢印).そして,どうやら今回バネレートを上げた結果,TC1000においては後者(グリップのピークに到達出来ない)の現象が起きていたようです.

これを是正するには,スプリングの他にもう1つサスペンションを縮める力に対する抵抗成分となる「減衰力」を下げてやれば,ハイレートのままでも元のように潰せるようになる,という事なんじゃないかと思われます(↓の一番右端).





実際問題,前回走行時はフロントタイヤが滑って表面温度は70℃にまで達していましたが,今回はその時より路面温度が5℃高かったにも関わらず,表面温度は55℃程度に留まりました.この点からも減衰力を下げた事できちんとタイヤを潰し切れるようになったんじゃないかな?と思っています.

また,「減衰力を下げる事でサスペンションの縮み量が増える」という事は,「一度縮んで後,元に戻るまでの時間も増える」という事にもなるので,減衰力が下がってフロントの荷重が早く抜けてしまう分(時間的に早まる分)を,サスペンションの移動量を増やす事によって時間を稼いで遅らせる,という効果を作り出す事ができ,これがコーナーのMiddle部分まで荷重を残せるようになった(=旋回速度が上がった)カラクリなんじゃないか?とも思っています.


以上,14キロに合った減衰設定探しでした.

一連のテスト結果から,フロント:14キロに対しては減衰を2段階下げれば帳尻を合わせられる事が分かりました.これで2コーナーのアンダーステアは妥協出来るレベルになったので,前後バランスとしてはマズマズになったんじゃないかと思います.ただ,フロントの減衰を下げた事によって立ち上がりが苦手なクルマになった事は変わりがなく,またヘアピン進入時のブレーキングでよく止まるように感じた点は,言い換えれば「ブレーキロックに対する耐力も下がった」とも見なせるため,もう一工夫必要そうです.

一応このセットで大きな不満なく走る事は出来ると思いますが,更にもう1歩上を目指すのであれば,やはりリアのバネレートも上げるべきなんじゃないかなぁ~?と思いました.
2024年04月29日 イイね!

14キロ vs 12キロ(同銘柄編)

14キロ vs 12キロ(同銘柄編)アタックシーズン中に起きた再三のブレーキロック,プロ単走からのキャパ不足指摘,そして最後に行ったプリロードテストの結果から,先日のTC1000よりフロントのスプリングを再び14キロに戻しました.

フロントに14キロのスプリングを組むのはこれが2回目で,前回はHYPERCOの800ポンド(14.3キロ)だったのですが,今回はこれまで使っていたHAL springsの中反発・12キロをそのまま2キロ上げた14キロを使う事にしました.

同じ銘柄で12キロ→14キロを上げた結果がどうだったのか? 今回はその結果を纏めておきたいと思います.


まずは,いつもの通りサンプルとなるデータのおさらいから.

【12キロ:41.468】


【14キロ:41.676】


14キロの当日ベストは 41.607 でもう0.07秒速かったのですが,ベスト時はドライビング的に色々ミスっているので比較に用いるには不適切と判断し,セカンドベストの方を採用する事にしました.この結果,タイム的にはちょうど0.2秒落ちとなります.

「タイム落ちてんのか.ダメじゃん!」と言いたくなりますが,当日のコンディションは大分違うので,そちらのデータも確認しておきます.

  12キロ ・・・ 大気圧:1014hPa  吸気温:24℃
  14キロ ・・・ 大気圧:1013hPa  吸気温:32℃

気圧はほぼイーブンですが,吸気温は8℃も違いますね・・・.
吸気温≒気温と見なし,これがTC1000において何秒に相当するか調べてみると(↓),



8℃差=0.16秒に相当するようなので,0.2 - 0.16 = 0.04秒程度遅くなっている計算となりそうです.orz


アレ? やっぱり遅くなってる??と思いつつ,ここで14キロ→12キロに落とした時の感触を引っ張り出してみます.

  ①1コーナーの動きが自然になった(フロントが入らず,リアが押し出されるようなチグハグな動きがない)
  ②2コーナーがアンダーステア気味になった(クルマが外に膨らみ続け,舵を戻せない)
  ③ヘアピン進入のブレーキングで良く止まるようになった
  ④フルブレーキング時に若干フロントタイヤがロック気味?
  ⑤インフィールドが非常に良く曲がるようになった
  ⑥最終コーナーは相変わらず向きが変わらず,ここは効果なし・・・?

今回は12キロ→14キロに上げているので,印象としてはこの逆になるはず・・・と考えるとこんな感じ(↓).

  ①1コーナーでフロントが入らなくなるはず
  ②2コーナーは曲がるようになるはず
  ③ヘアピン進入のブレーキングで止まらなくなるはず
  ④インフィールドで曲がらなくなるはず
  ⑤最終コーナーの感触は変わらないはず

では,実際14キロに上げて走ってみた感触としてはどうだったのか?というと,

  ①1コーナーでフロントが入るようになった
  ②2コーナーは曲がらなくなった
  ③ヘアピン進入のブレーキングでコントロールが楽になった
  ④インフィールドは変わらない
  ⑤最終コーナーは曲がらなくなった

という感じ.アレ? 予想と全然違う結果になってますね・・・.これがHYPERCOとHAL中反発の違いなのか? 気になるところなので上記の感触をロガーデータと照らし合わせてみます(赤:12キロ 青:14キロ).


1コーナー
1コーナー進入時点の最高速は,14キロ(青)の方が1km/h低いです(↓).



やはり気温8度の差は確実に出てますね.
そこからブレーキングして,ステアリングを切り込んでいく訳ですが(↓),



100km/hを切った辺りからの減速量が14キロ(青)の方が少ないです.つまり,より高い速度でコーナリングを開始している訳なのですが,これが先述の感触①(1コーナーでフロントが入るようになった)を裏付けていそうです.

そこから先,ボトムスピードはほぼ同等ですし,再加速のタイミングもほぼ同等ですし,1コーナーの進入~中間部分は14キロ(青)の方が良くなっていそうです.


2コーナー
バネレートを上げれば基本的に高速コーナーは速くなるはずなので,2コーナーも良くなって欲しいところですが,



残念ながら14キロ(青)の方が車速が伸びていません・・・.この原因は舵角で(↓),



本来であれば,2コーナーのIN側の縁石付近ではもう少しステアリングを切る量を減らしたいのですが,全体的にアンダーステア感があってステアを戻す事が出来ませんでした.この戻せないステアが操舵抵抗となり,先述の失速(車速が伸びない)に繋がっているのだと思われます.やはり感触②(2コーナーは曲がらなくなった)は正しそうですね.


ヘアピン
ブレーキの効き具合はあまり違いを感じませんでしたが,ターンイン時のステアリングレスポンスはやはり14キロ(青)の方が良かったので,コントロールの精度が上がった感はありました.



ロガーデータで確認してみると,12キロ(赤)よりも14キロ(青)の方がブレーキングの開始タイミングが遅れていてやはり効きは下がっていそう.但し,そこからの減速量の合わせ込みは出来ていて,クリッピングポイントもキレイなV字を描いています.やはりレートアップによってフロントの耐荷重が増えているので感触③(ヘアピン進入のブレーキングでコントロールが楽になった)は事実のようですね.

但し,ヘアピンの立ち上がりに目を向けてみると(↓),



14キロ(青)の方が立ち上がりで膨らんでいるので,2コーナーと同様に加速体勢に移るとアンダーステアが強まるようです.


インフィールド
感触④では「インフィールドは変わらない」との事でしたが,



若干突っ込み過ぎ&向きが微妙に変わってない事で0.1秒失っており,14キロ(青)のタイムダウンの主要因の1つとなっています.


最終複合
感触⑤では「最終コーナーは曲がらなくなった」との事でしたが,



洗濯板通過直後は14キロ(青)の方が高いボトムスピードを維持しています.この辺り,1コーナーと同様でステアリングレスポンスの良さを表している気がしますが,ブレーキをリリースして加速体勢に移ると,ヘアピンの立ち上がりと同様にアンダーステア気味となっており(↓),



その後も向きがなかなか変わらないのか? 再加速に移るポイントが遅れてしまっているため,これで更に0.1秒失って,トータル0.2秒差となっているようです.


以上,14キロ vs 12キロの同銘柄(HAL springs 中反発)編でした.纏めると14キロ化によって,

  ・ターンイン時のステアリングレスポンスは向上した
  ・その恩恵でブレーキングのコントロール精度も向上した
  ・フロントの耐荷重が増えた事でブレーキロックしにくくなった
  ・一方,立ち上がりではアンダーステアが強まった
  ・このアンダーステアは,速度域を問わず後傾姿勢になった時に出る
  ・なお,S字の切返し(左高速~洗濯板)でのステアリングレスポンスの向上はない

といった感じでした.今回はフロントのみ2キロ上げて,リアのレートはそのままなので,前後バランス的には相対的にリア側に寄り,後傾姿勢でアンダーステアが強まるのは当然かな,と思います.TC1000においてアンダーステアが強まるとタイムは落ちる一方なので,コンディションの差を考慮しても0.05秒ダウンは妥当な結果かな?と思いました.

一応,この後2本目でリアの内圧を上げて前後バランスの改善を試みたのですが,あまり効果がなかったので,立ち上がりのアンダーステアを解消するにはリアのレートアップも必要となりそうです.
(ダンパー的には既に上限のレートに達しているので,これ以上はダンパーの仕様変更が必要ですね・・・泣)
2024年03月14日 イイね!

トーを開くと車体が持ち上がる?

トーを開くと車体が持ち上がる?フロントのトー角をOUT '10 → OUT '5に変更して走った先週のTC1000でしたが,クルマの動きが変わった事は感じ取れたものの,外乱(摩耗し切ったタイヤと強い風)のせいで,原因がよく分かりませんでした.

その中でも一番不可解だったのが,インフィールドでステアリングを左に切った時に,右フロントを軸にして,車体の左側(内側)が持ち上げられるような感覚を受けた事でした.




「なんでトーを開いただけで(それも'5という僅かな差で),車体が捩じられるような動きをするんだ・・・??」と頭を傾げたのですが,色々調べてみても,これに合致するような理屈は見当たりませんでした.

唯一可能性としてありそうだったのは「キャスター角」で,おもいっきりキャスターを寝かせた状態でステアリングを切ると,こんな感じの動きをして(↓),



タイヤが左右方向ではなく,上下方向に捩じられて,外側のタイヤは沈み込み・内側のタイヤは持ち上がる動きをするのですが,今回はキャスターを変更していませんし,トーの変化でジオメトリーも変わるとはいえ,たった'5の変化がこれだけの違いの生むとは思えず,腑に落ちませんでした.


・・・という事で,前振りが長くなりましたが(笑),この動きの原因究明をしにTC1000を走って来ました.
先週のTC1000でフロントタイヤを使い切ってしまったため(↓),



走った後,ショップに行ってタイヤを注文したのですが,生憎と在庫切れ・・・(しかも入荷日未定).新品が間に合えばワンチャン,ベスト更新が狙えるかも!?と思っていたのですが,残念ながら手に入らなかったので,街乗り用に降格しているユーズドの195/55R15を引っ張り出して走る事にしました.



当日は,僅かに風はあるものの天気は良く,朝8時の時点で気圧:1018hPa,気温:5℃と3月にしてはなかなかのGoodコンディション.「あ~,ここで新品を投入したかった・・・」と悔やみつつ,路面温度を測ってみると3℃とキンキンに冷えてます.



「これはヤベェ!」と慌ててクルマの向きを変えて,リアタイヤに陽が当たるようにし,スタートの時間を待ちます.


1本目(9:00~).

タイヤの予備がない状況なので,街乗り用を過度に減らす訳にもいかず,今回は最小限の周回数=1発で決めるべく,ウォームアップを手早くかつ念入りに行います.この頃には路面温度は10℃を超えてはいたのですが,それでもリアタイヤはA052の作動温度域には入っていないため,スパン!と回っちゃいました(↓).



ただ,これで右リアにも熱は入ったので,そのまま計測1で狙いにいきます.



しかし,前回はリアが持ち上がる症状はインフィールドだけだったのに,今回は1コーナー・ヘアピン・最終コーナーとほぼ全てのコーナーで同じ挙動が出て合わせ込めず,41.326 というタイムに留まりました.195幅のベストは41.0秒なので,まぁ,マズマズのタイムではあるのですが,もうチョイ縮められる感触はあったので,各コーナーの動きを思い出し,それをフィードバックしながら計測2へ.



結果は,195幅のベストから0.1秒落ちとなる 41.135 をマーク!
気圧・タイヤの状況を加味すればなかなかの好タイムを出せました.

この後も続けて,計測3にチャレンジしてみましたが,41.2秒とタイムが落ちたので,タレたと判断して1本目はここで終了しました.


続けて2本目(10:00~).

1本目の結果からインリフト量が多く,「そりゃ,タイヤ冷えてればスピンもするよなぁ~」という事で,リアの内圧を下げて帳尻を合わせるか?と考えたのですが,この頃には路面温度が20℃に達し,もはやウォームアップの懸念もなくなったので,減衰を1段落とす形で帳尻を合わせてみる事にしました.



ウォームアップの懸念がないので,今度は先頭にポジション取り.こちらも1発で決めるべく計測1を狙ってみたのですが,やはり195幅だとスィートスポットが狭く,1発で纏め切れませんでした・・・.orz

自分の下手さ加減に嘆きつつ,リトライの計測2で 41.239 をマークする事が出来たのですが,1本目と違って今度は全くインリフトせず,向きの変わりが遅いので「0.1秒落ちは当然だなぁ~」と思い,そのまま止めました.


最後の3本目(11:00~).

この頃には気温は13℃,路面温度は29℃まで上昇していたので,1本目のようなタイムが出せるとは到底思えず,タイヤ温存のためにも走るのは止めようかなぁ~?と思ったのですが,



AT使いのBB6が,終わりかけのタイヤで自己ベストを更新してきたので,私もこれに刺激を受けて「最後まで気合入れて走るかー!」と本日3回目となる1発勝負を試みる事にしました.

2本目の結果から,減衰を落とす=インリフトしないの構図だったので「原因は多分ダンパー内のオイルの温度だな・・・」と思い,気温の上昇度合を加味して減衰設定を元に戻し,フロントタイヤのタレ具合からコースイン→アタック→ピットインのスーパーラップにトライしてみる事にしました.



結果,やはりインリフトは発生しませんでしたが,タイムは 41.518 と平凡なものに落ち着いたので予定通り計測1で止めました.「やっぱり原因はダンパーかなぁ~?」と思いつつ,「フロントタイヤがタレて姿勢変化が少なかった可能性もあるよなぁ~」と思い,この日のゲストドライバーとして来られていた井尻さんに相談してみると,



「トーを開いてインリフトしやすくなるというのは,あまり聞いた事がない」「舵角とトーはバランスなので,上手く外側・内側のタイヤの切れ角が合って,旋回速度が上がった事が原因では?」「ロガーで旋回速度を確認してみてはどうか?」とアドバイスを頂きました.井尻さん,毎回有難う御座います.<(_ _)>


早速,戻ってロガーデータを確認してみたところ(緑:195ベスト時 青:今回),



インリフトを感じなかったベスト時(緑)と比べて,1コーナーは3.9km/hダウン,ヘアピンはほぼ互角,インフィールドは逆に2.4km/hアップ,最終コーナーもほぼ互角という結果でした.1コーナーは,今回(青)インリフトによって急激に向きが変わったため,若干アクセルを開けるのを躊躇して速度を落とした可能性もある事から,これを除外して考えると,他のコーナーは互角~アップの傾向が見られ,確かに旋回速度が上がっている可能性はありそうです.

・・・となると,フロントのトーを'5開いたのは良い方向だったのかな?と思いたくなったのですが,そもそも対策したかった「コーナー出口(立ち上がり)での踏ん張り具合の改善」としてはまだ足りず,ヘアピン・インフィールド・最終コーナーと,アクセルを開け始める領域では以前として車体が外側に流れていく傾向がまだ残っています(↓).



これ以上インリフト量が増えるのは困りますが,立ち上がりの改善を狙うなら,もう更に'5開いてOUT '20にした方が良いのかなぁ~?とも思いました.


以上,トーを開くと車体が持ち上がる?の原因究明でした.

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「Heritage Collectionを思い出しながら http://cvw.jp/b/1684331/48632815/
何シテル?   09/03 00:25
GPSロガーを使ってクルマとドライビングを改善しながら,B18C搭載のCR-XにB16AのCR-Xで挑んでいます. TC2000 1'07.4/TC1000 ...
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