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2021年10月11日 イイね!

トーアウトの効果(メリット編)

トーアウトの効果(メリット編)まだちゃんと1周を纏め切れていない状況ですが,フロントのトーをゼロ→アウトに振った際の変化は感じ取れたので,記憶が新鮮なうちに纏めておきます.

まず,事の発端は駆動系を一新した5月まで遡ります.ここで2速とLSDが変更となったのですが,これによって舵が最も大きくなる時(以降,大舵の時)に曲がらなくなりました.


駆動系を一新する前とLSDのフィーリングは全く変わってしまったので,今使っている2速のギヤ比と相性が悪いのだと思い,6月にプロ(井尻薫さん)にチェックを依頼したのですが,「LSDの効きは凄く良い」とのコメントで,どうやら問題はここではないようです.



「困ったなぁ・・・」と思っていたら,この時,同時に「大舵の時に曲がらない感じがある」というコメントも頂き,トー角の変更(もっとアウト側に振る)をアドバイス頂きました.その後,ショップで色んな人に話を聞くと,「EF8の足回りでアウト側に振るのはオススメしない」という見解が示されましたが,「何も変えないのは進歩がない・・・」という事で,一旦イン側に振ってトーゼロを試してみる事になりました.



7月に入り,街乗りで感触を確認した結果では,何となくフロントがナーバスになった印象(舵の初期で反応が過敏)で,失敗したかな?と思いつつ,コース上でようやくテストが出来たのは8月に入ってから.



試してみると,街乗り時と一緒でコーナー進入時はレスポンス良く曲がるのですが,コーナーの中間で大舵になった時はやっぱり曲がりませんでした(感触的には変わらない).

その後,井尻さんがサーキットアドバイザーで来られた時に,再びトーの話をしたのですが,



「トーゼロにして感触が変わらなかったのならば,やはりトーアウトを試してみるべき」とアドバイスを頂きました.

これで揺らぎ始めたところに,こもりん.さんのCR-Zの走行データと比較してみたら,CR-Xよりも100kg重く,タイヤが13mmも細いのに,大舵の時の旋回性能で負けているという事実が発覚し,これでようやく踏ん切りがついて,トーアウト化に踏み切りました.


・・・という事で,またも前振りが長くなりましたが(笑),トー角変更後(±00'→OUT 20')の結果です.

まず,全体的な感触としては曲がる事は曲がるのですが,もう少し厳密に言うと「立ち上がりで,同じ舵角であってもクルマの向きがより変わる」というフィーリングでした.



コーナー進入時(Entry)の部分はトーアウト化によって,ステアリングレスポンスが悪化するはずですが,さほど気になりませんでした.これは元々CR-Xがショートホイールベースであるため,ブレーキング時はピーキーな特性である事に加え,フロントのバネレートを上げてステアリングレスポンスを高めるというジムカーナの手法を(結果的に)取り入れていた事もあって相殺されたためではないかと思われます.

そして,肝心の大舵の時(Middle)ですが,Middleの更に半分,ブレーキを残している領域(上図の点線部分)は特に変わっている印象は受けませんでした.一方,Middleの残り半分,アクセルを踏み始める領域(上図の実線部分)は,以前よりも確実に曲がるようになりました.

乗ってる時の感覚としては,「この位置からアクセルを開けていったら,外に膨らみつつステアリングが重くなるだろうなぁ~」というところで,「アレッ? 軽いままだぞ・・・」という感じです.まぁ,この軽いままになってる事に気づくのが遅れた結果,こういう事(↓)をやらかす羽目になったりもしましたが・・・.


(ちなみに,↑の中で「あ,ヤッベ」と言っているのはスピンした事に対してではなく,電源が落ちた事に対してです)


話を戻して,逆に言うと,それくらいステアリングの舵角は変わらないのにクルマの向きは変わるようになったので,コーナー出口(Exit)からの車速の伸びは良くなっています.トー角の変更前(トーゼロ時)とのタイム差を見てみると(↓),



ホームストレートエンド(1つ目の赤丸),2コーナー後の直線(2つ目の赤丸),バックストレッチ(3つ目の赤丸)と,各セクションで0.05秒前後のゲインが得られている事が確認出来ます.


ちなみに上のデータを見ると,最終コーナーの立ち上がり~ホームストレートの区間(右端っこ)で0.05秒稼げていない事にも気づくと思われますが,これは舵角とクルマの向きを合わせ切れなかったためです.

最終複合のこの辺り(↓)で,



以前よりもクルマの向きが変わるようになったたため,その分,手前のコーナーでのポジションを修正して,もっと外側からアプローチしないといけなかったのですが,上手く合わせ切れず,インに寄り過ぎてアクセルを戻す羽目になってしまいました・・・.

トー角変更前後でラインを比較してみると,トーゼロ(青)に対してトーアウト(赤)の方が,途中からイン側に切れ込んでいる様子が分かると思います(↓).




また,これと似たような現象は,実は1~2コーナーの中間部分(この辺り↓)でも起きています.



ここは1コーナーを抜けた後,ステアリングを戻して操舵抵抗を減らしつつ,車速を伸ばしていきたい部分なのですが,途中から曲がらなくなって舵角を再び増えてしまいました.その結果,操舵抵抗も再び増えて失速しているような感触でした.

ロガーデータで確認してみると(↓),



トーゼロ時(青)に比べて,トーアウト時(緑)の方が早くアクセルを全開に出来ているのに(左側の赤丸),途中(右側の赤丸)で波形が入れ替わっており,やはり失速していました.これも先述の最終コーナーと一緒で,曲がり過ぎるが故にイン側へ寄り過ぎた結果と思われます.

いずれもドライバー側のミス(合わせ切れていない)と言えばそうなのですが,ステアリングが重たくなる方向ならばともかく,ステアリングが軽くなる方向の即時アジャストはホント難しいです・・・.


以上,トーアウトの効果でした.

トーアウト化でドライビングが難しくなったのは,走り込んで身体に感触を覚えさせれば良いだけなので大した問題ではないとして,全体的に見れば,

トーアウト化は成功!

と言えると思います.実際タイムを0.05秒削れた訳ですし,ドライバーが慣れてくれば,もうあと0.1秒くらいは削れる気がします.

こういう話をすると,「最初から素直にプロのアドバイスに従っていれば,こんな遠回りをしなかったのに~」と意地悪な事を言う方もいらしゃいますが(苦笑),シーズン中ならばともかく,今は絶対的なタイムを狙う時期でもないので,今回の過程で「トーをイン側に振るとどうなるか? アウト側に振るとどうなるか?」を身体で感じ取って学んだ事の方が,今後に繋がって有益だったと思っています.

まぁ,そんな話はともかく,複数回に渡ってアドバイス送って頂いた井尻さん,本当に有難う御座いました!

2021年10月10日 イイね!

1周を纏め上げる力

1周を纏め上げる力判断ミスから赤旗を出してしまったTC1000でしたが,その翌日,ショップへクルマを持ち込んでダメージチェックを行いました.

最初の診断では「ステアリングセンターのズレの拡大」が疑われましたが,タイヤを組み直して再チェックして頂いた結果,「問題なし」の判断.衝撃で外れたハーネスのかしめ部も処置をして頂き,これで心置きなく走れそうです. ε=(¯。¯;)フゥ


クルマの無事が確認出来たところで,舞台は再びTC1000へと戻ります.

先日のサーキットアドバイザーによるコース攻略の中で,「1ヘア~インフィールドへ向かう区間は,TC2000における1ヘア手前のS字をイメージ」というお話をされていました.



アドバイザー曰く,

 TC2000の1ヘア手前のS字において,2個目の右の縁石を踏まないように走りますか? ⇒ 踏む
 右の縁石を踏んだ後,コースなりに外側へクルマを寄せますか? ⇒ 寄せない
 縁石を踏んだら,最短距離でヘアピンのイン側(①の地点)へクルマを寄せますよね? ⇒ 寄せる
 ①の地点を過ぎたら,②の地点辺りでインから離れますか? ⇒ 離れない
 ②の地点を過ぎた後,③の地点でもうインから離れますか? ⇒ 離れない

なので,「インフィールドの①(30R)・②(13R)・③(12R)のクリップは全部通過するべき」との事です・・・.

アドバイザーが仰っていた事はごもっともだと私も思ったのですが,この①・②・③のクリップを全て通過するためには1つ大きなハードルがあるとも思っています.



それは②と③の間(青矢印の部分),この短い僅かな区間でクルマの向きを急激に変えないといけない事です.①→②をイン-インと寄せていくと,進入角度がかなり浅いので,ステアリングを目一杯切っても曲がり切れません(③のクリップに寄せ切れない).③のクリップに寄せるためには,大幅に減速させるしか手段がないと思いますが,大幅に減速して③のボトムスピードを下げてしまうと,続くバックストレッチでスピードが伸びず,バックストレッチで速度を伸ばす事を考えたら,可能な限り高い速度で③を通過する必要があると思います.

この「イン-イン-インの超タイトなラインを取れ!」と「ボトムスピードは限界まで上げろ!」という相反する2つの要求を実現するには,赤旗を出してしまったイン巻きレベルの旋回姿勢を作りつつ,立ち上がりでぴったり③のクリップにクルマの向きを合わせ込む必要がある訳なのですが,これがとんでもなく難しいと思うのです・・・.

フロントタイヤに荷重を掛け過ぎても,掛けなさ過ぎてもダメですし,荷重を掛けた後にアンダーステアになるのは論外,逆にオーバーステアを出してカウンターを当てるのもダメです.全てのバランスが釣り合うタイミングを見極めて,ブレーキとステアリング操作でそこへ持っていく・・・.9月の頭にこれをアドバイザーに教えて頂きましたが,「言うは易し,するは難し」で,これを成功させつつ1周を纏め上げるのはホント難しいです.

まぁ,難しい!難しい!と言っても,それが出来ないとタイムは出せない訳で,何度もトライして身体に覚えさせるしかありません.


・・・という事で前振りが長くなりましたが,今回はそのトライの一部始終をご紹介します.

【トライ1回目:41.894】



LAP+のセクター分割でSCT.2(1ヘア)最速の 7.190 をマークするものの,1コーナーでリアを流し過ぎてインに寄り過ぎて失速した上に,最終コーナーの姿勢作りにも失敗して不発・・・.


【トライ2回目:41.840】


高難易度のSCT.3(インフィールド~バックストレッチ)を成功させ,セクターベストの 10.398 をマークするも,2コーナーへの進入角度をミスってアンダーを出し,SCT.2(1ヘア)のタイムが伸びず.加えて洗濯板進入時の姿勢も悪くて,クルマが跳ねてタイムロスしてしまいました・・・.


【トライ3回目:41.629】


洗濯板への進入はまだ姿勢が悪いですが,その後の最終コーナーの姿勢を改善し,SCT.4(高速左~ゴール)はベストとなる 11.252 をマーク.しかし,先程の2コーナーのアンダーを意識し過ぎて抑え過ぎ,インフィールドも無難に行ってしまって,トータルとしては今一歩・・・.


【トライ4回目:41.625】


1コーナーの飛び込みを修正し,SCT.1(スタート~2コーナー)ベストとなる 12.247 をマークしましたが,それがプレッシャーになったのか? 1ヘアの進入で抑え過ぎ.洗濯板進入時のシフトダウンでも回転数を外してしまい,僅かに失速してしまいます・・・.


こういった失敗を記憶し,操作を修正して1周を纏めにいった結果・・・,


秋ノ陣 自己ベストとなる 41.560 をマークする事が出来ました.

ちなみにこのラップ,1周纏める事に意識が行き過ぎて,どのセクターもベストは出せず,おまけに1ヘアで盛大に失敗しているので(クルマを止め切れなかった・・・),クルマ的にはもっとタイムを縮められたと思います.どれくらい縮められたか?というと,各セクターのベストを繋いだタラレバベストが 41.088 になるくらいでした.この日は確かに気圧が高かったという事もありますが,この時期に41秒フラットを狙えるというのは,確実にクルマのポテンシャルが上がってきている証拠でもあると思います.

あとは,1周を完璧に纏め上げる(各セクターでベストタイの走りが出来る)スキルがドライバー側にあると良いのですが,残念ながら今の私にはそれがないようですね・・・.クルマが無事なら次は何をすべきか? もう一段階ステップアップし,次の冬で結果を残すためにも試行錯誤と反復練習を続けていきたいと思います.
2021年10月09日 イイね!

スピン→衝撃→赤旗・・・

スピン→衝撃→赤旗・・・先月,サーキットアドバイザーから頂いた貴重な助言に基づき,フロントトー角の変更を行ったのですが,変更したら即効果が確認したくなるので(笑),再びTC1000へと行って来ました.

天候は気圧が1025hPaと高く,気温は20℃台前半と秋と考えれば少し高いものの,曇り空なので路面温度が低く,なかなかのGoodコンディションです.これは何も頑張らなくてもタイムが勝手に出ちゃうのでは?とか思いましたが,こういう浮ついた考えでコースに出ようとする人間を,お天道様はちゃんと見ているものです・・・.

この日はフォーミュラ枠がなく,土曜のいつもの時間だとピットは取れないだろう・・・・と思って向かったものの,一番手間のピットが空いていて滑り込みセーフで確保する事が出来ました.

いつもの皆さん(↓)に挨拶しつつ,



先日のネタ(↓)の話をしつつ,



8時枠に出走するために急いで準備を進めようとしたら,ピットの上の方がピーチクパーチクと騒がしいです.何だろう・・・?と思って見上げたら,ピットの天井の梁に3羽のスズメが止まって,せわしなく動いて鳴いていました.



「朝,雀の鳴き声が聞こえてきたら幸福なニュースが舞い込んでくる」と言われているので,やはり今日はツイている日だな! 本当にタイムが出ちゃうんじゃないかぁ~!?なんて益々浮かれてしまったのですが,実はこのせわしく動いて声を上げていたのは,自分達の居場所を荒らす者に対する抗議行動で,幸運を運んできた訳ではない事に,この時の私は全く気づいていませんでした・・・.


時間は進み,サーキットアドバイザーによるコース解説の時間.
この日はブレーキの踏力コントロールを実現するためのシートポジションの話でした.



何のために,どこにシートポジションを合わせるか? 当たり前なようで見落としがちなポイントを解説されていました.相変わらずのアドバイザーの引き出しの多さに感心するばかりだったのですが,この話を頭の片隅に置いてしまった事が,この後,余計な疑心暗鬼を生みます・・・.


さて,解説も終わり,そうこうしているうちに出走の時間.いつものようにC30でエントリーして早速コースへ.

ピットで動いていると暑いですが,さすがに10月なので路面温度は随分と下がり,リアタイヤのウォームアップがちょっと心配だったので,念のためにこんな感じ(↓)で確認してみると,


(こもりん.さん,映像をお借りします)


ご覧の通りリアがズルズル.やっぱり秋なんだなぁ~と実感し,ここ最近1周で終わらせていたウォームアップを,もう1周追加しようかどうしようか悩んでいたところで,急に先程のシートポジションの話が頭に過ぎりました.一度それが頭に浮かぶと,何だかシートのポジションがしっくりきてないような気がしたので,一旦ピットに戻り微調整.



私はシートとかミラーとか,いつもの位置から僅かでもズレると気になってしょうがない質なのですが,この時の余計な疑心暗鬼によるピットストップによって(結局,1つ前に出して元に戻すだけの意味のない行動でした),折角熱が入りかけたタイヤが冷めてしまい,ああいう事態を招きます・・・.


ピットアウト後,再度ウォームアップを行い,洗濯板の手前まで来たところで「2回目だからもう十分かな・・・?」と思いつつ,ミラーを見たら後ろからアタック中のこもりん.さんが近づいて来たので,そのままタイムアタックを開始.ブレーキは十分熱が入っていたようですが,フロントタイヤは若干内圧が上がり切っていない感触.ラインが微妙に乱れましたが,それでも何とか修正して帳尻を合わせ,インフィールドまで来たところで問題発生!

インフィールドは30R・13R・12Rの3つによる複合コーナーなのですが,30R→13Rまでは順調だったものの(↓),



ここから更にインに切り込んで,12Rへ向かおうとしたところでリアが流れ,カウンターを当てに行きます(↓).



それでもリアのスライドが止まらないので,ブレーキを踏んで止めるか,アクセルを踏んで耐えるか,一瞬迷ったところで前回のコレ(↓)が頭を過ぎります.



滑り出したのがあの位置で,今この角度なら,あの時(↑)と同じ状況だし,アクセル踏めば・・・,



耐え・・・,



られ・・・



・・・ない! 無理ッ!!



・・・と判断し直した頃には時すでに遅し.変な角度でイン側の縁石に突っ込んでしまいました.


これ以降の様子はこちら(↓)の動画でご覧下さい.



イン側の縁石に突っ込んだ際,バキッ!と嫌な音がしてメーターのランプが消えました.「あ! ヤバい・・・.これは電源が落ちたな」と思い,キーを捻ってスタータの動きを確認してみますが,案の定手応えなし.電源が落ちてしまっているので,ハザードでSOSを出す事も出来ず,ウインドウを下げて手で合図する事も出来ません・・・.仕方がないので,カートでスピンした時によくやる,バンザイのポーズで知らせるべく,ドアを少し開けて隙間から手を出しますが,ポストから遠い事もあって,なかなか気づいて頂けません.

隙間から出した手を辛抱強く振り続けると,ようやく赤旗を出してくれたので,各車がピットに向かったのを確認した後,クルマから降りてボンネットを開けてキルスイッチの緩みを疑ってOFF→ON.しかし復帰せず.「こりゃ,どっか配線が切れたな・・・」と判断し,その場での復旧を断念.レースストラップを引っ張り出して牽引して頂きました.




(いつさん,写真お借りします)


レースストラップ買った時は,これを使う日が永遠に来ない事を願ったのですが,僅か2年で訪れてしまいました・・・.

C30枠を走行されていた方,赤旗中断でご迷惑をお掛けして申し訳御座いませんでした.<(_ _)>


さて,筑波のスタッフの方が牽引の際,クルマが傷が付かないように配慮してくれたおかげで目立つ傷跡もなく,周囲の方々からも,一見無傷なので「どうしたの?」と声を掛けて頂き,クルマをピットへ押し込むのも手伝って頂きました(感謝!).その後,もう一度ボンネットを開けてキルスイッチをOFF→ONしてみますが,やっぱり電源復旧しないので,配線を追おうと覗いたところ,キルスイッチ下流のGND側のハーネスが纏めて部分が脱落している事に気づきました.



これを手直ししてキーONすると電源が復旧.そのままキーを捻ったところ無事エンジンが掛かりました.直接の原因はこんな形で容易に特定出来たので,次は縁石に突っ込んだ際のダメージチェック.

フロントの右側面から縁石に突っ込んだので,アンダーパネルやタイヤに大量の泥が付いています.それを水で洗い流しつつ目視で確認してみるも,見た目上はダメージがなさそうです.試しにパドック内を低速でグルグル回ってみましたが,特にガタついた感触や異音もなし.ハーネスが丸ごと吹っ飛ぶくらいの衝撃なので,何らかのダメージがありそうに思えましたが,低速では分からなそうです.


仕方がないので,全開加速時を確認すべくD枠のチケットを購入してコースへ.念のため,ハーネスとターミナルをガムテープでグルグル巻きにした状態で2~3周走ってみましたが,電源が落ちそうな気配なし.

ならば,車速を上げて確認してみるかと不測の事態が起きても対処出来るように構えつつ全開加速→ブレーキングしてみると・・・,



ブレーキがロックして,ハンドルも取られます.「こりゃ,アームをやっちゃったかな?」と思いつつ,アタックしてみましたが,どうやっても42秒を切る事は出来ませんでした・・・.



これは,ショップでちゃんとダメージチェックして貰わないとダメそうです.

来週,とある場所でCR-Z祭りが開催されるようなので,見学に行こうと思っていたのですが,雲行きが少し怪しくなってきました.浮ついた気持ちで集中力を欠き,判断ミスをした結果なので自業自得ですね.赤旗を出してしまった点は大いに反省すべき点だと肝に銘じておきます.

次回は気を引き締めて走りたいと思います.
当日ご迷惑をお掛けした方,申し訳御座いませんでした.当日助けて頂いた方,有難う御座いました.<(_ _)>
2021年10月03日 イイね!

なんで2キロ差なの?

なんで2キロ差なの?前回,ジムカーナで前後のバネレートがなぜ10キロも差がついてしまうのか?の理由が理解出来ました.

続く疑問は,サーキットユースではなぜ前後2~4キロ差くらいに留めるのか?です.一番最初に思いつく理由は「前後でロール剛性に差が出ないようにするため」でしょうか.ただ,ロール剛性の働きは何となく理解しているものの,「2~4キロ差」という数字の根拠が見えてきません.

そんな折,「レバー比」の事を調べていたら,主だった車種の数値を把握する事が出来ました.
(最近の車種しか残ってないですけど,HKSのサイトはデータが詳しく載ってて便利ですね)

 EG6   ・・・ F:1.50  R:1.20
 EK4   ・・・ F:1.56  R:1.23
 EK9   ・・・ F:1.56  R:1.23
 DC2   ・・・ F:1.50  R:1.20
 DC5   ・・・ F:1.10  R:1.70
 FD2   ・・・ F:1.11  R:1.27
 ZF1   ・・・ F:1.12  R:1.05
 GK5   ・・・ F:1.05  R:1.07
 ZC32S ・・・ F:1.00  R:1.36
 ZC33S ・・・ F:1.02  R:1.25

残念ながら一番欲しいEF8の値は見当たらず,1.45とか1.57といった数字を見かけましたが,正確性は不明です.近い年代のEG6~DC2が大体似た値ですし,サスペンション形式が同じダブルウイッシュボーンなので,恐らくここら辺の値なんだろうなぁ~と思っています.


ちなみに,「レバー比」というのは,ホイールが1mm動くとスプリングは何mm動くか?の比率だそうで,次式で求められます.

 [レバー比] = [スプリング位置のストローク] / [ホイール位置のストローク]


(AutoExe 貴島ゼミナール :チューニングを楽しむための動的感性工学概論§15より)

例えば,「レバー比」が1.5の場合,ホイールが1mm動くとスプリングは1.5mm縮む事になるようです.ダブルウイッシュボーン形式のクルマが,ストラット形式のクルマよりも相対的にバネレートが高い理由は,この「レバー比」からくるスプリングの縮み量に由来しているようです(縮み量が多いので底突きし易い→バネレートを高くしないといけない).


こういった形式による差を吸収して比較するために,ホイールの位置に作用するバネレートで考える「ホイールレート」という概念があるそうで,これは以下の式で求められます.

 [ホイールレート] = [バネレート] /([レバー比] × [レバー比])

手元にEK4の純正のバネレートの数値があったので(F:3.8キロ R:2.2キロ),試しにこれで計算してみると,

 Fホイールレート = 3.8キロ /(1.56 × 1.56)= 1.6キロ
 Rホイールレート = 2.2キロ /(1.23 × 1.23)= 1.5キロ (-0.1キロ)

前後でほぼ同じ値になるんですね・・・.

ハッ!Σ(゚ロ゚;)!!

これはもしや・・・と思い,EF8のレバー比がEG6と同じだと仮定して,吊るしの車高調(F:7キロ R:5キロ)で計算してみると,

 Fホイールレート = 7.0キロ /(1.50 × 1.50)= 3.1キロ
 Rホイールレート = 5.0キロ /(1.20 × 1.20)= 3.5キロ (+0.4キロ)

現在,私のEF8に付いている車高調(F:14.3キロ R:9.8キロ)だと,

 Fホイールレート = 14.3キロ /(1.50 × 1.50)= 6.3キロ
 Rホイールレート = 9.8キロ /(1.20 × 1.20)= 6.8キロ (+0.5キロ)

サーキットユースでは有り得ないと思われるジムカーナ車両のバネレート(F:18キロ R:8キロ)だと,

 Fホイールレート = 18.0キロ /(1.50 × 1.50)= 8.0キロ
 Rホイールレート = 8.0キロ /(1.20 × 1.20)= 5.6キロ (-2.4キロ)

もしかして,「バネレートの前後差は2~4キロ差まで」と言われるのは,ホイールレート換算で前後同じくらいにする事に由来するのか・・・?と思いました.


では,ホイールレートが何に影響を及ぼすのか?というと,クルマの左右方向の荷重移動量です.


(VD講座:10. ロール剛性計算より)

「ホイールレート」は上図で言うところの「Ks」に該当し,「ホイールレート」が大きくなるほど,コーナリング中に内側のタイヤ→外側のタイヤへ移動する荷重の量(ΔW)が増える事が分かります.

従って,前後でホイールレートに差があるという事は,前後で左右間のタイヤの荷重移動量が異なるという事で,これが異なるとどうなるか?というと,定常円旋回が出来ないという事だと思います.ドライバーは舵角一定・アクセル一定で操作しているつもりでも,クルマの方が勝手にアンダー or オーバー挙動になっていく・・・という事かと.そんなの乗りにくいに決まっているので「差は2~4キロに留めるべき」と言われるのも納得ですね.


以上,「なんで2キロ差なの?」の考察でした.

仮に,この前後のレート差の許容範囲が「レバー比」に起因しているという考えが合っている場合,「レバー比」を変えれば「2~4キロ差でなくても良い」という事になりますよね.「レバー比」に直接影響を及ぼすアームの変更は,車検対応のクルマで考えるとかなり難しいですが,「レバー比」がホイール位置から求められるのであれば,インセットの変更で多少融通が利く気もします.ただ,フロントの場合はインセットを変更すると「スクラブ半径」も変わるので,話がややこしくなりますね.

疑問は少しずつ解消しているのですが,分かれば分かる程「やっぱりサスペンションって難しいなぁ~」と思う,そんな日でした.
2021年10月02日 イイね!

思考の堂々巡り

思考の堂々巡り先月までの走り込みで新しく投入した車高調のセットも煮詰まってきたので,そろそろ次のステップを考え始めています.

現状,アライメント調整で確認したい事が2点ほどあるのですが,タイヤを新調する前にやるか,新調するのに合わせてやるかでちょっと悩んでます.タイヤを新調するなら一緒にバネレートも変えたいですし,折角バネレートを変えるんだったら,その前にアライメントを決めておきたい気もするし・・・でグルグル回って答えが出ません(笑).

そもそもレート変更も,どういう方向性に進むかで悩んでいます.

現状一番の課題は,TC1000の1コーナーのような高い車速でブレーキングしながら飛び込むコーナーでリアタイヤがインリフトする事です.別にインリフトしてもドライビングで合わせる事は出来ますし,それ自体は大して苦でもないのですが(これが日光だったらちょっと苦ですけど),先日,EF8の先輩に撮って頂いた映像を見ると(↓),



再びインフィールドで白煙が上がるようになったので,やっぱりリフト量の調整は必須かなぁ~と思っています.


その後,サーキットアドバイザーにこの件を相談してみると,やはり「インリフトの対策は,バネレートよりストローク」と仰るので,リアのスプリングを6インチ→7インチに変える手が思い浮かぶのですが,「またバネが増えるのか(苦笑)」と思うのと,EF8はリアの軸重が軽い事もあって1インチの変化で結構車高が上がる可能性もあって,う~ん・・・って感じで悩んでいます(リアの車高は絶対に上げたくない).

ならば別の手として,「フロントのバネレートを上げる」という手も思い浮かぶのですが,こちらも別の日にサーキットアドバイザーに相談したら,やはり「リアで対策すべき」と仰られ,前後のバネレート差が大きくなる事に関しても難色を示されていました(「2~4キロ差に留めるべき」というご意見).




確かに市販されている吊るしの車高調なんかを見ると,大体前後2~4キロ差くらいですし,実際にサーキットを走っている方もそれくらいにされています.一方,ジムカーナに目を向けて見ると,前後10キロ差(フロント:18キロ リア:8キロ)なんてケースはよく見ますし,バネレートは軸重に合わせてセットするという原則ベースで考えれば,前後の軸重が2:1な関係のEF8の場合,ジムカーナの考え方の方が正しいようにも思えます.ただ,サーキットユーザーの前後2キロ差も実績ベースでこうなっているんでしょうから,これはこれで合っているようにも思え・・・って感じで,こちらも堂々巡りになり,答えが見つからなくて悶々とする日々です(笑).


そんな折,いつもの通りアレコレ調べていたら,コチラのブログを見つけました.こちらで述べられている事を勝手に纏めさせて頂くと,

 ・FFはフロントが重いから,フロントを固めれば荷重移動が減って曲がると思うが,それは勘違い.
 ・フロントを固めて減るのは荷重移動ではなくロール.荷重移動は逆に増える.
 ・フロントの荷重移動が増えると,フロントの限界が下がり,攻め込んでいくとアンダーステアに悩まされる.
 ・フロントを固めてよく曲がるように感じるのは,ステアリング切込み初期の反応が良くなるから.

これを読んで,車高調を変えた直後に感じた事とぴったり辻褄が合いました.



ああ,だから高速コーナーで曲がるように感じる一方,中速の複合では曲がらないと感じたのかと.「なるほど,なるほど~」と読み進めていくと,途中「レバー比」と「ロール剛性」の話が出てくるのですが,これに触れるとまたブログが長くなるので(笑),ここでは一旦横に置いておいて・・・,

 ・ジムカーナでは中低速で俊敏なハンドリングが求められる.
 ・このため,とにかくステアリングレスポンス重視.
 ・だから,フロントを固めて初期のステアリングレスポンスを確実に良くする.
 ・これだと,グリップ限界の手前はよく曲がる.
 ・でも,グリップ限界に近づくとアンダーステアが出る.
 ・じゃあ,グリップ限界に近づいた時にどうするか?
 ・強い荷重移動でリアをインリフトさせてオーバーステアに持ち込む.
 ・オーバーステアに持ち込んだ後は,フロントで引っ張ってリアのスライドを維持する.
 ・しかし,リアがインリフトした状態のままではアンダーステアに転じる.
 ・そこで,フロントで引っ張って曲がる姿勢を維持する.
 ・だから,ジムカーナ車両はLSDの装着が必須.

これを読んで,「なるほど! そういう事だったのかー!!」と納得出来ました.点と点で理解していた事がようやく線として繋がった感じです.

ジムカーナでフロント20キロとかにしているのは,前後のバランスではなく,左右のバランス(正確にはレスポンス)のためだったんですね.じゃあリアは?というと,インリフト前提なので,旋回時にアウト側にくるサスペンションがイン側のタイヤを浮かすくらい沈み込んでくれないと困るから,極端に柔らかくしているんですね.なんでこういう数値なのか,やっと理解出来ました.


理解出来たならば,これが私の求めている方向性か?というと恐らく違いますね.



ジムカーナのセッティングは,欲しいグリップのピークをコーナー入口(Entry)に持ってくる考え方.見方を変えれば,コーナー中間(Middle)部分のグリップは低いという事です.中間部分のグリップが低いのに,なんで速く走れるのか?というと,ジムカーナ特有のサイドターンがあるからでしょうね(フロントタイヤのグリップを無視してクルマの向きを変えられる).

じゃあ,同じようにリアを飛ばしたら?と言われると思いますが,リアだけ飛ばしても遅いんですよね.リアを飛ばした分だけフロントが引っ張ってくれないと意味がない.

いやいや,お前のクルマもLSDが付いているんだから,フロントで引っ張れるんだろ?と言われると,VTECの兼合いで4000~5000rpmの中回転域は割とトルクが細いので,ブレーキングでこの領域に回転数を落っことすと,引っ張れないんですよね・・・(私のEF8だと,ZF1にも負けるレベルです↓).



これを避けるために,ジムカーナ車両はクロスミッションでローギヤード化して高回転域を保っていると思いますが,私のEF8のミッションは逆にドラッグレース用のミッションでハイギヤード化されているので,ファイナルで誤魔化してはいるものの,どう考えてもフロントで引っ張るのは得意分野ではありませんね・・・.

また,ジムカーナ車両はリアがインリフトさせるタイミングは,フロントタイヤのグリップが限界を迎えるポイント,すなわちコーナー中間部分(Middle)になりますが,私のEF8はコーナー進入部分(Entry)でリフトしているので,起きている事が違いますね.この事からもジムカーナの仕様に近づけるべきではないのだろうなぁ~と思いました.


最後に,先述のブログではこう(↓)纏められていました.

 ・重心が前寄りのFFでは,フロントに比べてリアのロール剛性を高くした方がフロントのトータルグリップが上がる.
 ・その結果,コーナリング限界が上がり,トラクションも掛け易くなる.
 ・フロントのイン側の荷重が抜けにくくもなるので,LSDの効きをマイルドにでき,パワーロスも減る.
 ・アンダーステアが弱まる分,舵角が少なくて済むのでトラクションを無駄にせず,前へ進め易い.
 ・但し,リアを固め過ぎてカウンターステアが必要なほどになると,逆にコーナリング限界は下がるので注意.
 ・それから,リアがあっさりインリフトしないようにリバウンドストロークに気をつけること.
 ・また,リアのバンプ側も底突きさせない事.底突きさせるとリアの動きが唐突でコントロールしにくくなる.

「やっぱり,そっちか~」と思う反面,まだいくつか疑問が残る箇所もあるので,引続き頭を悩ませてみようと思います(笑).

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「サイドドラフトを使ったオーバーテイク http://cvw.jp/b/1684331/48478095/
何シテル?   06/09 22:35
GPSロガーを使ってクルマとドライビングを改善しながら,B18C搭載のCR-XにB16AのCR-Xで挑んでいます. TC2000 1'07.4/TC1000 ...
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