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2025年05月26日 イイね!

原因はブレーキ?

原因はブレーキ?先日のTC1000でフロントスプリングの仕様を元に戻し,非常に良い感触だった訳なのですが,感触は良いのにタイムは出ない・・・という相変わらずの状況でした.

強いて問題点を挙げるとすれば,ヘアピンの進入⇔立ち上がりのバランスが良くない事くらいだったのですが,これでタイムが致命的に落ちるのか?というと「う~ん・・・」という感じ(ドライビングで何とか合わせ込めるレベル).とはいえ,人間の感覚なんてアテにならないので,いつもの通りロガーデータに頼ってみようと思います.

まずは,サンプルデータ.

【前回(41.656)】


【今回(41.747)】


やっぱり0.1秒遅いんですよねぇ.両者の大まかな仕様の違いを確認すると(前回→今回),

  ・フロントスプリング ・・・ 14キロ(低反発) → 12キロ(中反発)
  ・リアスプリング   ・・・ 14キロ(5インチ)+ ヘルパー → 12キロ(7インチ)+ ヘルパーなし
  ・フロントの車高   ・・・ 3mm下げ
  ・フロントのトー角  ・・・ 5'開き側
  ・ブレーキパッド   ・・・ FEEL'S RACING → IDI ゼロクロス SC6.5

フロントタイヤは新品のA052で同一条件,リアタイヤはユーズドのA052で一緒ですが,摩耗量が異なります(今回の方が溝がある).その他,細かいところではリアハブが違ったりアーシングしたりラジエターの隙間埋めをしたりしてますが,まぁ,こちらは大差ないでしょう.


続いて,コンディション.

  前回 ・・・ 気圧:1012.4hPa  気温:15.7℃  湿度:83%  路面温度:22.7℃
  今回 ・・・ 気圧:1002.3hPa  気温:18.1℃  湿度:90%  路面温度:22.6℃

今回の方が気圧・気温共に不利な条件ではありますね.過去の統計データから両者のタイム差を調べてみると(↓),





  気圧:10hPa差 ・・・ 0.2秒ダウン
  気温:2.5℃差  ・・・ 0.1秒ダウン

これを見ると,順当にコンディションの差の分だけタイムが落ちているような・・・.いや,むしろコンディションが悪かった割には0.1秒落ちに留めて善戦しているのか??


そして,ロガーデータです(赤:前回 青:今回 黒:タイム差).



全体的に見ると,ヘアピンで大幅にロスしている(上に行くほど遅い)みたいですね・・・.

セクション別に見てみると,1コーナーは今回(青)の方が0.08秒後れていますが,前回(赤)よりも早くアクセルを開けられているので,2コーナーで取り返して逆に今回(青)の方が0.04秒速い.インフィールドは最後の一伸びが今回(青)の方になく,瞬間的には0.16秒後れていますが,こちらも立ち上がりで早くアクセルを開けられているため,遅れを取り戻して実質的な差は0.03秒後れくらい.バックストレッチ~左高速は,3速へのシフトアップ後の一伸びがなく,0.03秒後れますが,そこから先,洗濯板~最終コーナー間では,今回(青)の方が圧倒的に速く,0.2秒取り戻しています.

1コーナー⇔2コーナーは相殺してチャラ,インフィールドとバックストレッチの伸び不足はコンディション差のせい(気圧が低く・気温が高い),最終複合は(路面がスリッピーで向きを変え易かった可能性もあるが)前後スプリングを元に戻したおかげ・・・と考えると,やはり一番の問題はヘアピンか?


ヘアピンだけで0.2秒は失っているので,ココに注目してみると(↓),



2コーナー脱出時の車速の伸びが今回(青)の方が良かったので,ヘアピン到達時点では2km/h程度車速が高かったようですが,ブレーキングの開始タイミングで見ると,今回(青)の方が若干早かったようですね・・・.



次に,ブレーキングの過程を見ると,両者の差がどんどん開いている傾向.つまり,今回(青)の方が「減速量が大きかった」という事ですね.



最後に,ブレーキング完了の部分を見ると,前回(赤)がキレイなV字を描いているのに対し,今回(青)の方はボトム付近で停滞している様子が分かります.あと地味ィ~にブレーキングを完了してアクセルを開けた瞬間,失速している様子も窺えます(やっぱり出口側のグリップが足りてない).

これらを纏めると,

  ・ブレーキングの開始タイミングが早い
  ・開始が早いのに,ブレーキング中も強く止めている
  ・その結果,ブレーキングが早く終ってしまい,最後何も出来ない時間が残る

という事のようですね.つまり,簡単に言うと ブレーキを詰め切れていない って事です(汗).

まぁ,確かに乗っていた時は,ヘアピンで3速→2速へシフトダウンした後,「早く止まるなぁ~」「エイペックス付近にいる時間が長いなぁ~」とは思いましたが,まさかここまでだったとは・・・.


ヘアピンでのブレーキングの仕方を変えたつもりはないので,こうなってしまった要因は,間違いなくフロントのブレーキパッドの銘柄変更が原因でしょうね.



前回使っていたFEEL'S の「RACING」が仮にIDIの「SC5」相当だったとして,以前Grok君(AI)に平均摩擦係数の特性を推測してもらったものはこんな感じでした(↓).



この推測だと「SC6.5」は「SC5」に対し,全域制動力が高いように思えるのですが,実際にコース上で試した際の感触としては,



  奥   → RACINGよりも効きが弱い
  中   → RACINGと同じくらいの効き
  手前 → RACINGよりも効きが弱い

といった印象を受けました.なので,ブレーキングの開始タイミングが早くなったのは「奥」の部分で効きを弱く感じたためかもしれませんし,3→2速へシフトダウンして以降,「早く止まっている」と分かりつつも,ブレーキペダルの踏力を弱められないのは「手前」の効きが弱いと感じているからかもしれません.

いずれにせよ,踏力に対してリニアに制動力が出ている印象を受けないので,これを何とかしたいなぁ~と思うのですが,これは本当にパッドのせいなのか? この弱い→強い→弱いといった凸凹な感触は,「タンデムブースター(↓)」に変えた直後の時の感触に似ているのですが・・・.



原因がこっちだったりしないかな? まぁ,いずれにせよ,ブレーキを詰め切れていないのは事実なので,次回の走行では意図的にヘアピンで突っ込んでみますかね.


以上,タイムが伸びない原因はブレーキっぽいというお話でした.


【おまけ】
前回よりも今回の方がブレーキングの開始タイミングが早いという事だったので,2つの動画を並べてみたのですが(↓),



違いが分かりませんね(汗).
2025年05月25日 イイね!

圧倒的にこっちが良い!

圧倒的にこっちが良い!リアに続き,フロントのスプリングも元の仕様に戻したので,TC1000に行ってテストしてきました.

スプリングの交換に合わせてフロントタイヤも新品にしたので,いつもの通り新品の一撃を狙うべく,ドライ&空いている環境を望んで向かったのですが,残念ながら前夜から雨が降り続いており,路面が乾くのを待ってからのスタートになるだろうなぁ~と思いつつ向かいました.


筑波サーキットに到着すると,ウェット路面を嬉々としている方,ウェットだろうが気にしない方,ウェットならウェットでやれる事があるという方と常連さん達も三者三様でしたが,8時になった瞬間,皆さんコースへ飛び出して行かれていました(路面を乾かしてくれて感謝・・・笑).



私の方は,路面が乾くのを待ちつつ,9時から再び降るかもしれないという予報も出ていたので雨雲レーダーと睨めっこ.気温は16℃の曇り空なので,もう1回雨が降ったら今日は路面が乾かないだろうと「待ち」の姿勢を続けました.

幸いにしてその後,雨が再び降るような事もなく,走行台数が少ないため路面もなかなか乾きませんでしたが,10時前には完全なドライとなったので走行の準備をして,空いてそうな枠を窺った結果,A8枠(11:20~)のチケットを購入しました.


ウェット後なので路面温度も22℃と低く,リアのウォームアップが若干心配だったので,フロントタイヤの皮むきと前後のスペース作り等の条件を揃えるのに3周を使った後,いざアタック!



結果は 41.747.このコンディションなら41.6秒には入って欲しかった気もしますが, 気圧が1000hPaをギリギリ超える程度だったので,こんなもんですかね・・・? 続く計測2は 41.929 と新品の一撃は早くも終了.以降は二度と41秒台を出す事が出来ませんでした・・・.ただ,計測1でベストラップを出せているので,タイヤのウォームアップという点ではやはり今の仕様の方が良さそう.

乗った時のフィーリングとしてはどうだったか?というと,以下のような感じです.

1コーナー



ターンイン時の動きにしっかり感があって,フロントタイヤの感触が掴み易く,姿勢も安定しているので挙動が予測し易い.若干リアがフラフラしている気もしましたがコントロール出来る範囲内ですし,フラフラの収束も早いので立ち上がりでアクセルを開けるのも思い切って出来ます.やはり中反発の方が良さそうですね.

ただ,レートが2キロ下がった分,フロント外輪側の限界が下がっているので,負荷に耐え切れず,グリップの限界を超え易い状況でもありました.ブレーキペダルを使った前後の荷重移動を,より繊細に行わないとアンダーステアに転じ易い傾向はありました(LSDの効きが緩いのでアンダーステアを出しても戻っては来れますが).


2コーナー



レートを下げた事で高速コーナーは遅くなるだろうなぁ~と思っていたのですが,乗っている時は2コーナーでアンダーステアを感じず,良さそうなバランス.詳細は後程ロガーでチェックですね.


ヘアピン



このレート+「SC6.5」のブレーキパッドは初の組合せなので,フロントのブレーキがロックするかなぁ~?と危惧していたのですが,そんな兆候は一切ありませんでした.フロントが沈み込み易いという事でリアのリフト量が多くなるか?と心配していましたが,こちらも姿勢は安定していて問題なし.もしかすると,インリフト後にスピン挙動が出易かったのは,低反発のヒョコヒョコ挙動のせいだったのかなぁ~?とすら思えてきました.

という事でブレーキング領域では不満なし! ただ,続く進入の領域では,リアがインリフトしている事もあってフロントが切れ込み過ぎる・・・.これを抑制するためにトー角を5分開いたのですが,感覚的にはあまり変わってないですね.その一方で,立ち上がりはアンダーステアが出易く,こちらもトー角を開いた効果が得られていない.

これらを纏めると,



  入口 ・・・ オーバーステア
  中間 ・・・ ニュートラルステア
  出口 ・・・ アンダーステア

といった感じでした.FFなので,入口がオーバーステアなのはむしろ好都合ではありますが,それがタイムに繋がっているか?というと微妙な感じ(切れ込み過ぎるのを抑えた結果,ボトムスピードが下がっている印象).それよりも出口側のアンダーステアの方が顕著にロスしている気がしていて,アクセルを開けてもクルマが前に進みませんし,入口⇔出口のグリップバランスをもうちょっと出口側に寄せたいかなぁ~?と思いました.

現状のこのクルマのバランスを踏まえると,U字コーナリングよりはV字コーナリングの方がトータルでは速い気がするので,一先ずはドライビングでアジャストしつつ,出口側の改善策を再検討ですかね・・・.


インフィールド



ここは圧倒的に今の仕様の方が良いですね! クルマが小さくクルッと回ってくれるし,クルッと回ってくれるからアクセルを開けるタイミングも早められる.乗ってて感動するくらい(笑)良く曲がりました.ただ,2段ブレーキを使った曲げ方が出来るのは,タイヤが新品の時だけで,それ以降は右フロントタイヤが負荷に耐え切れず,ロック気味になっていたので,フロントのグリップ状況に合わせてラインを徐々にIN側に寄せ,負荷の量(ロール角)を適正化しないとダメでした.


左高速コーナー



ここは特に違いを感じませんでしたが,周回を続けてリアタイヤのカスの付着量が増えてくると,テールスライドし易い印象でした(右リアに結構な負荷が掛かっている).


洗濯板



左→右と切り返してブレーキングするまでの間,若干ステアリングレスポンスが落ちた気もしますが,レートが2キロ落ちているんだから当たり前かなぁ~? そのレスポンスの鈍さが何か悪さをしている訳でもないので,多分何回か走れば忘れますね.


最終複合



ここも素晴らしかった! 洗濯板を下りてアクセルペダルに足を載せると,自然と外側にクルマが膨らんでいき,そこからアクセルペダルをON→OFFとすると,クルマが急激にIN側に切れ込んで行く.まさに理想の挙動!!

・・・と思ったのですが,どうもこの挙動は路面が原因っぽい気がしました.走行終了後,他の方の走行を外から眺めていた時に,皆さん洗濯板を下りてから右に切った時に挙動を乱しているんですよね.ブレーキロックしたり,外側に膨らんで崖(ピットエントリー)に落ちたり,この後,午後も走行したのですが,その時にはIN側に切れ込んで行く挙動は出なくなっていたので,恐らく路面が完全に乾き切っていなかったか,あるいはこの部分だけ若干オイリーだったか(前日は2輪が走行)したのかもしれません.


最終コーナー



路面の影響があったにせよ,ターンインでクルマがIN側に勝手に切れ込んでいってくれる挙動(オーバーステア)は有難く,ここでもアクセルを開けるタイミングが前回と比べると遥かに早かったです.

また,乗っている時に気づいたのですが,レートを2キロ下げた事で縁石の走破性が上がっていますね.最終コーナーIN側の縁石に右フロントを乗せた際,はじき飛ばされる事なく,ストン!と乗り越えてくれるのでアクセルを一瞬戻す操作が不要でした(縁石にはじき飛ばされると,外輪側に荷重が載り過ぎてアンダーステアに転じるため,一瞬だけトラクションを抜いてやる必要があった).今更ながらにこんな事にすら感動してしまいました(苦笑).


以上を纏めると,やはり低レート+中反発仕様の方が圧倒的に良い!

クルマが暴れず,こちらの狙い通りに動いてくれますし,挙動も安定しているので先読みし易くマージンも削れる.コーナーへの進入では曲がり過ぎなくらい,クルマがよく曲がりますし,縁石の走破性も良いので最短距離を走れます.ドライビングを変えてもクルマがちゃんと反応してくれるので,タイヤの限界も引き出せますし,良い事ずくめでホント素晴らしいのですが,唯一,

タイムだけが出ない・・・(泣).

こんなにクルマは曲がっているのに,こんなに早くアクセルを開けられているのに,なんでタイムが出ないんだ?

(;-ω-) ウーン…

やっぱり低め安定なのか? クルマの限界は引き出している感触があるのに,結果だけが出ない.こうなると見えない・感じ取れない部分(ボディ or エンジンのヤレ)とかを疑いたくなってきますね・・・.
2025年05月18日 イイね!

雨滴考察 その②

雨滴考察 その②先日,結構な土砂降りの中を静岡まで行って来たのですが,走行中に窓に当たった雨滴の動き(流れ)が自然と目に留まりました.

フロントウインドウ越しに流れていく雨滴は,当然のように上方に向かって昇っていく訳なのですが,車線変更をしようとサイドミラーを見た際,同じように上方向に昇って行くだけでなく,下方向に沈んで行く雨滴もあって「ふ~ん」と思いました.


そういえば,去年TC1000で雨練をした時に,運転席側のドアで下斜め方向に流れる雨滴を確認し(↓),



その後,どうしてこういう流れになるんだろう?と洗車場のシャワーを使って実験してみたら,ミラーの部分で水の流れが変わる事を確認しました(↓).



当時は「ああ,ミラーのせいだったのか~」と思って終わりだったのですが,この日,本当にそうなっているのかな?とクルマの内側から覗いてみたところ(↓),



ミラーよりも高い位置の雨滴は,天井に向かってひたすら昇っていったのですが,ミラー下部 もしくは ミラー上部を抜けてすぐの雨滴は,暫く横方向に進んだ後,下に向かって流れていました.ミラーを通過した後,すぐに下に流れるのではなく,暫くの間は横方向に動いて,ミラーから大分距離が離れたポイントで下方向に進んでいるのが面白いなぁ~と思って見ていました.

当然,助手席側も同じ動きをするんだろうと,反対側を見てみたら(↓),



ミラー上部は同じような流れ方ですが,ミラー下部の方はひたすら横方向に進んでおり,下に落ちていくような素振りがありませんでした.「アレッ? 右と左で流れ方が違うのか・・・?」と思い,なんでだろう?としばし考えた後,左右でミラーの角度を変えている事に思い当たりました(↓).



右側(運転席側)のミラーは,座席から近い事もあって,どちらかというと水平気味の角度で,自車寄りの後方の死角をカバーするような向きにセットしているのですが,左側(助手席側)のミラーは,車線変更時や左折時の巻き込み確認用に自車に近づいてくる物体を早期に発見出来るよう,水平よりも少し上向き・外向きにセットしています.

この微妙なミラーの角度の違いで流れが変わっているんだなぁ~と思いました.私の使っているミラーは,craft squareの「ツーリング コンペティション ミラー TCA-F」という製品で,ミラーの角度を変えるには本体自体の角度を変えないといけないのですが,一般的なミラーの鏡面だけが角度が変わる方式であれば,こういった左右で流れが異なるといった事象も起きないのでしょうね.1つ勉強になりました.


以上,短いですが,雨滴考察の続きでした.


【おまけ】
ミラー周辺の空気の流れを考える過程で,色々とCFD(Computational Fluid Dynamics)の結果を眺めていたのですが,ボンネット後端(フロントウインドウ直前)の空気の流れの解釈を間違えていた事に最近気づきました.

こんな感じ(↓)で,ボンネットの上部に沿って空気が流れるので,フロントウインドウ直前は上に引き込まれて負圧なんだろうと思っていたのですが,違うらしい.



フロントウインドウ正面に当たった空気が分散して,下方向にも流れ込むため,ここは負圧ではなく正圧になるのだとか(↓).


(TechnoStar:熱流体解析ソフトウェアとは?より)

イメージ的には,こんな感じですかね?(↓)



なので,ボンネットを浮かして後端からエンジンルーム内の熱気を抜こうとしても,実際には思ったほど抜けないのだとか・・・.室内向けの外気取入れ口がこの辺りにあるのも,ここが正圧になる(空気を押し込める)のが理由だそうで,やっぱり空力ってちゃんと解析しないと,誤った解釈をしてしまうんだなぁ~と改めて思いました.
Posted at 2025/05/23 23:32:32 | コメント(0) | トラックバック(0) | セッティング(空力) | 日記
2025年05月17日 イイね!

タミヤ本社特別見学会 2025

タミヤ本社特別見学会 2025先日,リニューアルされた新橋の「TAMIYA PLAMODEL FACTORY TOKYO」へ行って来たのですが,この時に「タミヤ本社の展示をまた見たいなぁ~」と思いました.

タミヤ本社(静岡市)には歴史館とショールームがあり,無料で見学出来るのですが,コロナ禍以降(?)予約制となってしまい,しかも平日しか受付ていないので,ちょっとハードルが高いなぁ~という事で足が遠のいていました.

ただ,静岡ホビーショー開催時は「特別見学会」と称して予約なしで見学出来るので,今年は行ってみる事にしました.本当はホビーショーの方も観たいのですが,こちらは事前登録がすぐ締め切られてしまうので,最近はなかなか観る事が出来ないですね・・・.



生憎と当日は天気が悪く,降水量が8mm/h以上と結構な雨量で「面倒臭い&危ないなぁ~」と一瞬気が引けたのですが,雨の日に走れば先日のTC1000で付いたタイヤカスが自然と洗い流されるので,「ま,カス取りのついでだと思えばいっか」と向かいました.


タミヤ本社近くの駐車場にクルマを停めて中に入ると,「タミヤ会」による1/24のボックスアートの仕様を1/1で再現したという車両展示が行われているのですが(↓),



さすがにこの雨だと観る気が起きないのでスルーさせて頂きました….入口の階段を上っていくと,前回来た時の記憶(恐らく10年近く前)には,ここにいすゞのF1エンジンが展示されていたような記憶が.しかし,今回そのスペースには本社そのもののスケールモデルが展示されていました(↓).



そこから中に入って色々見学していると,今年の特別展示だという「ロータス 99T」が(↓).



こちらは恐らくどこかのタイミングにホンダ関連施設で観れる気がするので,スルーしてお目当ての常設展示車両の方に向かいます.


1台目は,1976年のF1カー「ティレル P34」.



こちらは2023年にレプリカを観た事があるので(↓),



そちらとの比較を~とも思いましたが,恐らく最も違う車体後部がアングル的に観れなさそうなので(↓),



タイヤだけジロジロと観てました(笑).




(こちらはレプリカと違って,正真正銘当時モノのタイヤでしょうからね・・・)


お次は,1982年のF1カー「ロータス 91」.



この年代のF1はさすがによく知らないので,スルーかなぁ~と思いましたが,「いや,待てよ.この年代だと生粋のウイングカーだよな・・・」と思い直し,その辺りをジロジロと.



もっと近くで観たい!と思いましたが,この展示位置だとこれが精一杯(苦笑).



「ああ,ここの裏面を覗きたい!」と欲が出ますが,グッと我慢(笑).



ウイングカーの特徴であるサイドスカートは意外と位置が高いなぁ~と思いましたが,1982年だと可動式の有無はどうだったっけかな?と思いながら見てみました.


そして,最後が1991年のF1カー「ロータス 102B」.



財政難で困窮していたロータスにタミヤがスポンサードした事で,ロータスはその後も数年F1参戦を継続出来たというお話で,よく出てくる車両ですね.





スケールモデルは勿論の事,RCでも製品が出てましたが,個人的にはミニFが一番記憶に残っているかな.

90年代初頭のF1という事で,昨年観た「Jordan 192」を思い出しながら眺めてみると,財政難で開発が出来なったという事で非常にシンプルなフロントウイング(↓).



モノコックが薄っぺらいせいか,フロントのアームの取付位置が低く感じますね(↓).



コクピットサイドのアンダーパネルが変な突起物があるなぁ~と気づき(↓),



「ああ,これは多分アレだな・・・」と視線を上にズラしたら,やはりその真上にミラーがある(↓),



レギュレーションを満たすためだけの突起物なんだろうなぁ~と思いつつ観ていると,そのミラーの下のモノコックに変な出っ張りがある事に気づきました.

随分と歪な出っ張りだなぁ~と思い,モノコックの反対側を観るもそちらにはこんな出っ張りはない.だとすると右手側にのみあるのか・・・と思考が回ったところで,「ああ,コレ,そこにシフトノブがあるのか」と気づきました.モノコックが狭過ぎて,シフトノブとモノコックの間に手が入らずシフトチェンジがやり辛い事から,モノコックを外側に膨らませて手を入れるスペースを作っているんですね.当時はまだマニュアルミッションの時代ですから,こういった後付けみたいな改造をやったと文献で読んだ事があるのですが,実物を観るとかなりボコッとしてますね.

だとすると,これがこのクルマの特徴とも言えるのだけれど,こういうのはスケールモデルで再現出来ているのかなぁ~?と見てみると(↓),



1/20の方は,完全再現されていましたが(↓),



それより大きいスケールの方は,ミラー下のアンダーパネルが再現されていない(↓).



1/10のRCに至っては,モノコックの出っ張りも再現されていませんでした(↓).



こうして,スケールモデルの展示があるタミヤ本社ならでは楽しみ方をする事が出来ました(笑).
その後は再び実車に戻り,リア周りがシンプルだなぁ~と観ていると(↓),





オイルクーラーを発見(↓).こんなに堂々とボコッ!と出すんですね(苦笑).



車両の横にはフロントウイングが壁に立てかけられていたので,この時代独特のボルテックスジェネレーターを観ていると(↓),



資金難から持ち直して開発出来るようになった翌1992年の「ロータス 107」用のフロントウイングでは,ボルテックスジェネレーターがかなり凝った形状になっているのが分かります(↓).



ちなみに,この1992年にも「TAMIYA」のロゴが貼られていますが,一説によるとタミヤのスポンサード自体は1991年限りだったとか.ロータス側がチームの窮地を救ってくれた感謝の意を込めて,その後もロゴを貼り続けたとの事です(今じゃ考えられないお話ですね).


そんなF1ネタの最後に,コチラのエンジンを(↓).



いすゞ製のF1用V12エンジンです.私の頭の中でなぜかSUBARUのF1用H12とごっちゃになっていたのですが,確かに「ロータス 102C」に搭載してテストしていたのは,いすゞのV12ですね.



当時としてはかなり優秀なエンジンだったそうですが,いすゞが自社の実力を把握するためだけに製作したものなので実戦で使うつもりが全くなく,1回テストした後はそのままお蔵入りとなった幻のエンジンなんだとか.こういったものがちゃんと保管されて,30年後の今でも観れるのですから有難いですね.


以上,タミヤ本社特別見学会で観て来たF1でした.
Posted at 2025/05/19 20:19:26 | コメント(2) | トラックバック(0) | 博物館見学 | 日記
2025年05月16日 イイね!

低反発スプリングを紐解く

低反発スプリングを紐解くEF8の先輩に遊んでもらった先日のTC1000ですが,そろそろフロントタイヤを使い切るという事で,次に向けてのセッティングデータ集めも行っていました.

最優先で考えないといけないのは「低反発スプリングを続投するか否か」.低反発のフィーリングがかなり良くないのは明らかですが,その一方で良い部分もあるのは間違いなく,トータルで考えた時にメリットがデメリットを上回るか?が焦点でした.

まずはデメリットの確認から.

これは「フィーリングが良くない(気持ち悪い)」という事なのですが,この表現では何が・どう悪いのか分からないので,今回テストしてここを明確にしました.その結果分かったのは「ブレーキリリース時にフロントの持ち上がり方が一定の速度ではない事」を私は気持ち悪いと感じていたようでした.

一番顕著だったのはTC1000の1コーナーで,130km/h台の車速からフルブレーキングしてフロントのスプリングを縮めた後(↓),



ブレーキをリリースしてフロントの荷重を抜きつつ(スプリングを伸ばしつつ),ステアリングを切ってタイヤのグリップを縦→横に移すシーンで問題が生じます(↓).



このシーンでは,一度力を加えて縮めたスプリングから力を抜き,スプリング自身の力で元の長さに戻ろうとする場面な訳なのですが(↓),



ダンパーの減衰を使って,元の長さに戻ろうとするスピードを遅らせています.
そうする事で,ブレーキペダルのリリース量と連動する形で(↓),



フロントが持ち上がるスピードをコントロールし,タイヤのグリップを縦→横へ移す量とタイミングを,ドライバーの思い通りにコントロールしている訳です.

しかし,低反発スプリングの場合は,ブレーキペダルの位置を一定にしているつもり(フロントが持ち上がる量を抑えているつもり)なのに,勝手にフロントが持ち上がったり・沈んだりするんです・・・.つまり,ドライバーの意思や操作と関係なく,クルマが勝手に動くので「気持ち悪い」「フラフラする」「コントロールが難しい」と感じた訳です.


では,なぜこんな事が起きるのか?というと,低反発スプリングの構造がそういう構造になっているためと思われます(↓).



低反発スプリングには「オープンエンド」と「バレルタイプ」という2つの特徴があります.
「オープンエンド」はスプリングの先端が浮いている事です(↓).



浮いているという事は,この部分が接触するまで(スプリングが縮むまで)規定のレートが出ない(=バネレートが変化する)という事を意味します.

もう1つの「バレルタイプ」というのは,スプリングの中間部分の内径が大きくなる(全体を見ると樽のように見える)形状の事です(↓).



スプリングは径が変わるとバネレートも変わりますので,こちらもスプリングが縮むとレートが変化する訳です.従って,低反発スプリングは縮む→伸びる過程でバネレートがコロコロと変わるため,ドライバーがスプリングに同じ力を掛けているつもりでも,スプリングの反力がコロコロと変わり,ドライバーの意思に反して,フロントが勝手に持ち上がったり・沈んだりしているのだと思われます.


「ドライバーの意思に反して動くスプリングなんて,使い物にならないじゃん!」と思われるかもしれませんが,それは地面が動かない(=ターマック)を前提にしているからで,ダートのように絶えず地面側が変化する状況では,ドライバーの意思に反してスプリングの方で勝手に動いてくれた方が,姿勢が安定してドライビングが楽なのだと思われます.

ここから察するに,低反発スプリングを活かす方法が「反発力(伸び側の過渡特性)」である事は間違いないと思うのですが,ここで言う「伸び」とは「2G→1G」みたいな強い力で地面に押しつけて戻すシーンではなく,「1G→0G」みたいな弱い力で地面からタイヤが離れるシーンを指すのではないかな?と思いました(↓).




だとすると,コーナリング中の外輪側はともかく,内輪側であれば低反発スプリングのメリットが何かしら得られそうな気がするのですが(↓),



私としては逆にデメリットの方を感じました.これはフロントのスプリングを同じレートのまま中反発→低反発に変更した時に起きた現象なのですが,低反発だと内輪側が浮くんですよね・・・(荷重が抜けた後,スプリングが伸びるのが遅い).



反発力が低いのだから,伸びが遅いのは理屈としては合っているのですが,あまりにも内輪側が接地するのが遅過ぎて,トラクションが掛かっていない気がするんですよねぇ.昨シーズン,コーナーの立ち上がりでタイムロスが大きかったり,最高速が伸び悩んだりした原因は,このフロントタイヤの接地性の悪さが原因なんじゃないか?と訝しんでいます.


という事で,ここまでデメリットばかり述べてきた訳なのですが,「じゃあ,低反発スプリングのメリットは何なの?」と考えると,やはり「反発力の弱さ」になると思われます.

ダンパーの力を借りずにスプリングの力だけで縮む→伸びるのスピードを抑えられるため,フロント荷重をコーナーの出口までキープするのが容易では?と考えていました(↓).



しかし,今回テストしてみたところ(ヘアピンで何度か試して1回しか成功しなかった),フロントが沈んでいる時間の長さを活かして,エイペックス通過後までフロント荷重をキープし,そこからノーズが持ち上がる直前で意図的にアクセルを開けてみたのですが,アンダーステアが出て曲がりませんでした・・・.



ここから察するに,外輪側の伸びを遅くする事で荷重をキープする事は出来ているものの,内輪側の伸びがそれ以上に遅過ぎて実質片輪走行となり,左右両輪のトータルのグリップで考えると,落ちているという事なんじゃないかな?と思いました.

これらのテスト結果から,狙っていたメリットは得られず,逆にデメリットの方が多々ある事から,今回は「低反発スプリングはデメリットの方が大きい」という結論に至りました.なお,これはあくまで現在使っているダンパーを基準とした場合の話で,低反発スプリングに合わせた仕様にすれば,また違った見解になるとは思います(「低反発スプリング」という製品自体が悪い訳ではないです.スプリングというのはあくまでダンパーとの組合せなので・・・).


では,次どうするの?という話になるのですが,現在のレート(14キロ)のまま低反発→中反発に戻すと,プロに指摘頂いた「転がし気味に入ると,戻り(反発)が強く,フロントが抜け気味になる」という症状が戻ってくる事になります.



これを回避するためには,「レートを落として反発そのものを弱める」という策を取る事になるのですが,そうすると今度は日光でプロに指摘頂いた「フロントの限界が低い」という話が戻ってきます.



なので,レートを戻すならこの件をどうするか?を考えないといけませんね・・・.


まさに「アチラを立てれば,コチラが立たず」のセッティングのドツボにハマった状況な訳なのですが(苦笑),別な視点で考えると,14キロのハイレートにはいくつかデメリットがある気もしています.

1つ目が「乗り心地が悪い」.ま,当たり前の話ですね(笑).ただ,これは単純な街乗りの話だけでなく,路面の起伏に対する追従性という点でも結構悪化している気がしています.その証拠にEF8の先輩に追いかけられた際の車載を見ると(↓),



ストレートをただ真っ直ぐ走っているだけなのに,結構クルマがヒョコヒョコと上下動しています.これではトラクションがしっかり掛からないので,最高速の伸びも鈍るかなぁ~?という感じです.


2つ目は「タイヤの摩耗」.実はレートを14キロに上げて以降,タイヤの摩耗速度がかなり上がっています.



上の図は,A052のコース上での走行距離とタイムの推移を表したものです.レートが12キロだった頃は,概ね240km(TC1000だとまんま240周)前後くらいは走行可能だったのですが,レートを14キロに上げて以降は長くて200km前後,今回のセットが特に酷くて150kmで使い切る事態となってしまいました・・・.明らかにタイヤに厳しい側に進んでいる気がするので,14キロだとタイヤを上手く使いこなせないのでは?とも思っています.

なお,摩耗が早い直接の理由としては,タイヤの表面温度が高いせいな気がしていて,1回タイヤがタレると2度と戻って来ず(42秒台を切れなくなる),これはタイヤのピークグリップを超えた温度域が維持されているためではないか?と思っています.グリップレベルの低い状態が維持されるため,アベレージが落ちて「平均0.3秒落ち」となっていたりしないか?と考えています.

それ以外にも,「冬場のダンパーとのマッチングが悪い(オイルが固くなった時に減衰が合わない)」「フロントタイヤのウォームアップが遅い(タイヤを潰せず,表面で走っているせい?)」「フロントの制動力が低い(そのせいでリアがロックし易い)」等々,14キロのネガは結構あるので,一度12キロに戻して状況をリセットしてみた方が良いかな?と考えています.


以上,低反発スプリングの特性を紐解いて,導き出した結論でした.

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