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2013年07月22日 イイね!

[試乗インプレッション]スズキ・スイフト XG-DJE やはり凄いクルマだ。

[試乗インプレッション]スズキ・スイフト XG-DJE  やはり凄いクルマだ。スズキ・スイフトがマイナーチェンジした。スズキが軽自動車で積極的に展開している「エネチャージ」・「エコクール」をスイフトにも装備した事と、「デュアルジェット・エンジン」と呼ぶ燃料噴射インジェクターを各気筒に2個ずつ配置した新エンジンを投入。圧縮比もレギュラーガス仕様ながら12.0を達成し、低中回転域のトルクを増しながらも、大幅な燃費向上に成功。2WDでは26.4km/L(JC08モード値)を達成。これはマツダ・デミオの「SKYACTIV-G(1.3L)」搭載車を超える数値であり、注目に値するだろう。
早速だが、新しい「デュアルジェット・エンジン」搭載モデルを約30分程度だがテストする事が出来た。グレードは最もベーシックな「XG-DJE」。価格は139.7万円のモデルである。今回のMCでスイフトは全グレードにESP(横滑り防止装置)を標準装着した。5MTも引き続き用意されるが、「デュアルジェット・エンジン」は組み合わされず、従来型の1.2Lエンジンが踏襲されるのは残念。
天候は生憎の雨。コースは幹線道路中心の一般道だが、途中結構な山道も含まれており、ショートコースながら新しいスイフトを試すには充分な内容だった。但し、高速道路は含まれていない。
スイフトは贅沢にも、ベースモデルの「XG」からフルオートエアコンやキーレススタート(プッシュ式)が奢られるから、室内にチープな印象は無い。正直、これにSRSサイド+カーテンエアバッグが装備出来れば尚良かったのだが、それは叶わず。従来同様にトップグレード「XS」のみに限られるのは残念。
期待の新エンジンを始動し、テスト開始。走り出した瞬間からクラスを超えたボディ剛性感としっとりと落ち着いたステアリングフィールにニンマリ。現行スイフトは初期から好印象であったが、より完成度が増しているのではないか。以前は少々気になったCVTの違和感(スリップ感)も驚く程に影を潜めた。何度か意地悪にアクセルを煽ってみたが、スッーと対応していたから恐れ入る。決してパワフルと表現出来るモデルではないが、非力でもない。実用車としてキッチリ・爽快に走ってくれるから改めて好感を抱いた。恐らく、新エンジンが従来型よりも低中回転域でトルクが増している事もその印象を深めているのだろう。特に新技術のアラは無く、アイドリングストップもほぼ完璧。静粛性も高く、「デュアルジェット・エンジン」の第一印象はかなり良かった。
ベースグレード「XG-DJE」のタイヤサイズは175/65R15だが、それ以外の上位グレードは185/55R16を履く。正直、安っぽいホイルカバーにはガッカリ(笑)だが、無理の無いコンフォートタイヤとの組み合わせは悪くなかった。余程コダワリがなければ、このタイヤで充分だと思う。もちろん見た目を言えば16インチだが。
ルートは山道に入っても好印象は変わらない。マツダ車の様な切れ味鋭いコーナリングではないが、ドッシリとしつつも嬉々としてコーナーに入って行く様な安心感の有るクルマ。スイフトスポーツのベースモデルで有るが故に、その素質は隠し様が無い。スイフトには欧州仕様の足回りとエアロパーツを奢った「RS」が特別仕様車の扱いながら、用意されている。今回ベースモデル同様にESP(横滑り防止装置)を標準装着したから、5MTでこれを駆るのも面白いかもしれない。価格は142.6万円(5MT/CVT共に)である。
そろそろ結論を。久しぶりにテストしたスイフトであったが、やはり素晴らしいクルマ。このサイズや価格から想像される期待値を軽々と超えてくる走りと品質を併せ持つ。先日「VW・UP!」をテストしたが、この2台を比較しても迷う事無く「スイフト」を選ぶ。「UP!」の5ドアは169万円(move UP!)だが、スイフトならばトップグレードの「XS-DJE」でも160.8万円で買える。「UP!」は低価格の実現の為に色々と割り切った部分が散見されるし、ミッションのギクシャク感はかなり慣れを要する。本来「スイフト」は「VW・ポロ」と比較したいモデルだが、国内でポロは219万円~と高く「スイフト」と比較出来る状態ではない。私がスイフトを買うならば、「XS-DJE」か「RS」の5MTで悩むだろうな。何やら新型「フィット」も気合の入ったモデルチェンジをする様子。こちらも楽しみにしている。


Posted at 2013/07/22 22:20:44 | コメント(8) | トラックバック(0) | 試乗インプレッション | クルマ
2013年07月07日 イイね!

[試乗インプレッション]VW・UP! 贅沢なクルマに飽きたらお試しを。

[試乗インプレッション]VW・UP! 贅沢なクルマに飽きたらお試しを。ようやくVW「UP!」をテストする事が出来た。グレードは4ドアの「move UP!」で価格は169万円のモデルである。ボディ色はナイトブルーメタリックで内装色はブラックデニム/ベージュのツートーン。カタログで見るよりもアッサリしていて好感触であった。毎度、何年経っても、VW車に感心するのはボディの剛性感。特に、金庫の様にガッチリとした重厚感の有るドア開閉フィールは、それだけで安心・安全を感じるもの。 低価格の「UP!」にも共通して備わっていることは大したものである。
運転席に乗り込むと、「サッパリ」とした空間にホッとする。なかなか言葉にし難い部分であるが、ゴテゴテと飾り立てるのが流行りの昨今。必要なモノだけを当たり前の場所に配置しただけのシンプルデザイン。やはり実用車はこうあるべきだなぁと再認識。それでいて、メーター周りのスイッチレイアウトはほぼ他のVW車と同様に仕上がっている。 ゴルフやポロから乗り換えてもスンナリと扱えるはずである。
キーを捻ってエンジン始動。3気筒の1.0L(NA)エンジンは予想に反して、不快な振動は抑えこまれており、知らなければ3気筒であることを意識する事は無いかもしれぬ。トヨタ「iQ」「ヴィッツ」等に搭載される1.0Lの3気筒エンジンはプルプルと低級な振動が出てしまうのが不快だったと記憶している。
独特のポジションで構成される5速ASGミッション(シングルクラッチのロボタイズド)はクリープが無く、加速時の空走感というかギクシャクしたフィールが色濃く感じられるものの、過去の類似製品(スマートやフィアットパンダ/500等)に比較すると穏やかに感じられた。日本のCVTにもズルズルと滑るような違和感を感じさせるモデルが未だ存在するから、これは慣れるしか無い。ただ、予想外だったのは「UP!」の1.0Lエンジンはなかなかパワフルで、カタログスペック(75ps/6200rpm 9.7kg-m/3000-4300rpm)で想像するよりも、キビキビと走ってくれる。これなら、ミッションの癖さえ飲み込んでしまえば街乗りから高速道路を使ったロングドライブまで万能に使えるだろう。やはり、積極的にマニュアルシフトを駆使して走るのがこのクルマの場合正解なんだと思う。これを面倒な作業と感じる人はトヨタへ行くべきだ。
エンジンを回していった時のノイズはそれなりに高まるが、不快に感じる音質ではないし、CVTの様な回転数と速度のズレもないため、気にならなかった。ただ、私は騒音にかなり寛容なタイプだと思うので、一般的には賑やかなクルマかもしれない。VW車の常で、直進安定性は鉄板。「UP!」の様なコンパクトなモデルでも、矢のように直進していくのは流石。ステアリングも路面のフィーリングをソコソコ伝えてくるタイプなので、運転していて飽きてしまうタイプのクルマではないだろう。まぁそれでも潔くMTモデルを入れてくれれば....と思うのだが、販売台数は僅かだろうね。限定車でも良いから設定されることを期待しておく。
足回りもVW流儀で徹底されており、基本的には固めで積極的にロールを許すタイプでは無いが、タイヤが165/70R14とコンフォートなサイズを履いているからか、懐の深さは感じられる。どんな道でも安心して身を委ねられるセッティングだろう。上級グレードの「high UP!」は1インチアップの185/55R15を履くから、どの程度フィーリングが変わるのか、興味がある。惜しいのは、「UP!」には全車サイドカーテンエアバッグが設定されておらず、後席乗員に対するエアバッグが提供されないこと。安全性をアピールするVWにしてはお粗末な内容である。4ドアを設定するならば、確実にケアすべきだろう。
そろそろ結論を。正直、「UP!」は私が想像していたよりも大人びたフィーリングのコンパクトカーであり、永年VW車に乗っているユーザーのセカンドカーやダウンサイジング需要にキッチリと応えるだけの実力は持っていると感じる。しかし、5速ASGミッションの違和感というか癖は明確に存在するので、これまで国産のコンパクトカーしか知らない様なユーザーにとっては違和感が強い。これを味として楽しめるか、否かがこのクルマの評価を分けるポイントだろう。数年後にはDSGへ換装される様な気もするだけに、オススメしにくい所では有る。今回試乗した4ドアの「move UP!」は169万円であり、国産軽自動車ならば、「N ONE(Premium Tourer・Lパッケージ)」や「ムーヴカスタム(RS"SA")」のトップグレードに匹敵する価格帯である。これらは安全装備についても、「UP!」に負けない内容を誇っており、ターボエンジンの力強い走りもあって、侮れない存在。また、3年後・5年後の残価(リセール)は国産軽自動車の圧勝であろうことを考慮すると、3日3晩は悩めるくらいの問題である。そういう意味で、スズキ・スプラッシュが128.7万円で提供されていることは奇跡なんだと思う。スプラッシュは完全にモデル末期であり、いつカタログ落としても不思議ではない。このクルマがもっと評価されることを期待している。


Posted at 2013/07/07 17:48:10 | コメント(3) | トラックバック(0) | 試乗インプレッション | クルマ
2013年03月11日 イイね!

[試乗インプレッション]マツダ・アテンザワゴン XD(6MT) ディーゼル+6MT!!

[試乗インプレッション]マツダ・アテンザワゴン XD(6MT) ディーゼル+6MT!!以前より、是非試してみたいと思っていた新型「アテンザ」のクリーンディーゼルエンジン+6MT車を某所でテストすることが出来た。「アテンザ」にはセダンとワゴンの2ボディが設定されているが、今回テストしたのはワゴン。初期受注ではワゴンよりもセダンのほうが売れたのだとか。私の記憶する限り、セダンとワゴンを用意するモデルで、セダンが勝つというのは珍しいと思う。まぁ「アテンザ」もモデルライフトータルで考えれば、ワゴンの方が売れるのかもしれないが。
さて、念願の新型「アテンザ」と対面して思うことは、文句なしにカッコイイ。しかし、デカイ。全長4800mm全幅1840mm全高1480mmホイルベース2750mm(ワゴン)。セダンは更に大きく、全長4860mmホイルベース2830mmとなる。流石にこのサイズになると、日本国内では持て余し気味。マツダらしく、クルマの末端まで神経が行き届くような一体感があるとはいえ、物理的なサイズは誤魔化しようがない。だが、それを飲み込んででもこのクルマを欲しいと思わせる魅力的なデザインであることも事実。まぁ本音を言えば、このテイストを損なわず、次期「アクセラ」を作ってくれれば....それがベストなんだろうね。
早速乗り込んでみても、好印象は変わらない。これまでマツダ車が苦手としてきたインテリアの質感についても文句なし。むしろ、手抜きが顕著なトヨタ車なんぞ比較の対象にもならない。マンネリ化しつつあるVW車とも十分比較が出来る。もう走り出す前から、日本人として目がウルウルしてしまう思いである。一点、ケチをつけるとすれば、基本オーディオレスであるが、クルマ本体側に販売店OPのナビ装着を想定したコントロールスイッチが装着されるのがイマイチ。まぁ時間とともに、サードパーティー製のコントロールハーネス等が準備されるだろうが、マツダの販売店では嫌がるだろうし、高価な純正OPのナビを買わせたいという意志がアリアリ。あまり褒められたものではない。
ステアリング左側のプッシュ式スターターボタンを押し、エンジン始動。静かなクルマではあるが、ガソリン車とは明確に違うディーゼルエンジン特有の鼓動が感じられる。これを嫌う人もいるだろうが、私はポジティブに感じる。折角エクストラコストを払ってディーゼルエンジンを買ったとすれば、やはり音まで含めて楽しむべきだろう。「ガソリンのようなディーゼル」では面白く無い。しかし、これもアイドリング時のみと言って良い。走りだしてしまえば、分厚いトルクに圧倒されそうになるが、サウンド面では充分に静粛な範囲である。ついでに言えば、アイドリングストップも頻繁かつ正確に作動しており、初期の「i-Stop」が嘘のようにエンジンを停止する。また、再始動も素早く、不快な振動も無い。たった数年で「常識」レベルにまで進歩した事を痛感する。
さて、なにより楽しみにしていた「6MT」だが、正直自分の期待値が高すぎたのか、結果から言ってしまえばスポーティーなフィーリングとは言えなかった。特に、ストロークが大きなミッションのフィーリングは熟成の余地がある。更に、クラッチも半クラッチの領域が比較的ワイドでミッションと同様にスポーティーと言う類ではなかった。ある意味、実用車として真っ当なセッティングとも言えるのかもしれないが、国内ではもう少し辛口のセッティングが望まれているのではないか。
「SKYACTIV-D」エンジンは極低回転域から充分なトルクを発揮することも有り、MT車でもエンストの不安を抱くようなセンの細さは全く無く、教習所を出て直ぐの人でも全く問題ない。ただ、何速に入っていてもドンと押されるようなトルクでクルマを押し出すから、MTをコキコキ駆使しながらクルマを走らせるという頭脳的な楽しみは薄い。以前、BMW135iクーペにも同様の感想を抱いた経験がある。現在はMTの設定が絶望的に少なく、更にディーゼルとの組み合わせとなると、アテンザは孤高の存在といえる。販売台数は少なくとも、あえて設定したマツダのチャレンジ精神は大いに評価したいところであるが、個人的には「面倒なMT操作こそ最大の至福」と考える故、アテンザのMTは「至福」と言えない結論に至った。恐らく、高速道路を含むロングドライブをこのクルマで駆ったら最高だと思う。得意ステージは山道ではなく、延々と続く高速道路だろう。このMTならば、アテンザよりもCX-5に設定した方が喜ばれるかもしれない。
実は、同日「6MT」のテスト後に同エンジンの「6AT」を再テストする機会にも恵まれたのだが、正直言ってマッチングという意味で「6AT」に軍配を上げたい。ただ、これは私の趣味的判断がかなり色濃く反映される部分であるだけに、ヒトが変われば評価も変わることだろう。
そろそろ結論を。新型「アテンザ」は先代よりも価格帯を上げたことも有り、低価格なクルマがもてはやされる風潮の中では極めて玄人向けのクルマである。しかし、玄人の期待にはしっかり応えてくれるだけのクルマに仕上がっているといえる。また、日本のモノづくりを守るためにも、日本人が積極的に国内産のクルマに乗るべきと考えざるを得ない時代の中で、これまでドイツ車に求めていたクルマの哲学が充分盛り込まれており、更に日本車ならではの気配りもある。永年VWファンを自認する私ではあるが、今ならば「パサート」よりも「アテンザ」を買うべきと明確に思う。ドイツメーカーは長く続いた円高為替レートの際にも価格の改定には極めて消極的だった。今後円安基調が続くと、一転して値上げをするかもしれない。その時はいよいよ見切るべき時かもしれないと思っている。
今回の新型「アテンザ」のテストは、クルマ選びとはかくも非常に難しく、奥の深いモノである事を改めて認識させられた。とても貴重な経験であり、私の今後のクルマ選びにも大きな影響を与えることになりそうである。

Posted at 2013/03/11 00:02:14 | コメント(2) | トラックバック(0) | 試乗インプレッション | クルマ
2013年01月30日 イイね!

[試乗インプレッション]スバル・ステラ L スマートアシスト(2WD/CVT)

[試乗インプレッション]スバル・ステラ  L スマートアシスト(2WD/CVT)スバル「ステラ」をテストした。もちろんダイハツ「ムーヴ」のOEMモデルである。話題の衝突回避支援システム「スマートアシスト」が搭載されたMC後モデルを試してきた。本来であれば、OEM元であるダイハツへ行ってテストするのが筋だろうが、生憎ダイハツのお店にはあまり良い印象がない。特にクルマに対して深く説明する気がないのか、価格と燃費の事しか説明出来ないセールス氏が多い印象。ダイハツ車であるコペンを所有する人間の発言として違和感があるだろうが、我がコペンは関東在住時にとあるツテを頼りクルマ好き(コペン好き)なダイハツ・セールス氏を紹介して頂いたので無事コペンを購入したわけだが、仙台に来てからメンテナンス等で宮城ダイハツを数回(数店舗)訪れているが、やはり私の期待値には達しない。その点、スバルのお店は全国的に何処へ行っても熱心に説明をしてくれるセールス氏が多い。よって、迷わずスバルへ行った訳だ。まぁほぼ「ムーヴ」と言って良いはずだ。
さて、新型「ステラ(ムーヴ)」は注目に値するクルマである。現行型は登場からわずか2年でフルモデルチェンジに匹敵する大改良を施したわけだが、明らかに商品力に欠けていた現行モデルは様々な改良によって再びトップセラーになるだけの魅力を取り戻したと言える。話題は衝突回避支援システム「スマートアシスト」に集まりがちだが、実際にはフロント/リヤ(2WDのみ)にスタビライザーを標準装着した事や、前後サスペンションのローダウン化し(NA車)・2WD車はリヤサスペンションビームの剛性アップ等、走りのスペックアップが実施されている。これまでのダイハツ車は平気でスタビライザーを外し、直進安定性が物足りないだらしないクルマが多かった。まぁ冷めた見方をすれば、「スマートアシスト」を高い精度で動作させるためには、これくらいの対策が必要だったのではないかと推察しているが、まぁそれは言うまい。約5万円の価格アップで「スマートアシスト」に加えて、VDC(横滑り防止装置)が装着されるのだから、バーゲンプライスと言う他無い。N BOXのCMでも盛んに横滑り防止装置の有効性がアピールされており、いよいよ軽自動車の世界でも安全装備が問われる時代になったと感じている。まぁVW UP!の衝撃も少しは影響したかもしれない。惜しいのは、SRSサイド+カーテンエアバッグはトップグレードの「RS」にメーカーOPされるのみに留まったこと。しかも、「RS」には「スマートアシスト」が装着できない。開発工数が足りなかったのかもしれないが、早急に「全部入り」が出来る事を期待したい。
今回テストしたグレードは「L スマートアシスト(2WD/CVT)」で価格は111.9万円。これはライバルも真っ青なバーゲンプライスである。ダイハツは工場を九州に構え、韓国製の低コストパーツを多用する事で低価格を実現(一部)している事情もあり、手放しで褒め称えるには抵抗を感じるのだが、それでも凄い。このセグメントはスズキ「ワゴンR」・ダイハツ「ムーヴ」・ホンダ「N ONE」の3強時代に突入したわけだが、正直ここまで短期間に新型「ワゴンR」の商品力が陳腐化するとは思わなかった。少なくとも、安全装備に対して「ワゴンR」は完全に一世代遅れてしまった。それでいて価格は「ムーブ」とほぼ同等。今、この3台の中から私が1台買うとしても「ワゴンR」は選ばないだろう。スズキの早急なテコ入れが期待される。
試乗したグレードは一番ベーシックな「L」に「スマートアシスト」を装着した事実上のベースモデルである。もはや個人ユースで「スマートアシスト」ナシでは買うべきでない。後々のリセールにも響くかもしれない。低価格ではあるが日常のアシとして必要な装備はひと通り揃っている。惜しいのはタコメーターが装備されないことか。個人的には拘りたい部分だ。
インテリアはMC前がセンターメーターを採用していたが大手術を施された。見慣れた普通のレイアウトへ戻った。ただ、低コストのしわ寄せか質感は正直大したことは無い。「N ONE」はおろか「ワゴンR」にも負ける部分だろう。せめて、「カスタム系」だけではなく、「標準系」にもブラックインテリアのオプションが欲しい。「N ONE」にはその選択肢がある。そして巨大な1眼メーターがあまりにも安っぽい。機能的に不足は無いが、私はコレだけで購入意欲が30%ダウンである。
しかし、驚きはこれから。例によってスタッドレスタイヤ+20分程度のショートドライブであるため、インプレッションは参考値であるが、結構な坂道も含めたコースを走ることが出来た。何より、驚いたのがステアリングのシッカリ感。軽自動車のステアリングと言えば、妙に軽くて遊びの多い頼りないステアリングを想像するが、結構ガッシリとした手応えを感じさせてくれた。やはり「スマートアシスト」の為に基本的な部分をブラッシュアップした成果だろうか。走り出した以降、スタッドレスタイヤを履く事を考慮してもクルマはフラットに安定しており、またまたビックリ。これがこの価格帯でも出来るならば、今までのダイハツ車は手を抜いていたんだな....と。やはりスズキに加えてホンダが軽自動車に本気を出した事が刺激になったのだろう。ライバルがいて製品は磨かれていく。
正直、CVTのフィーリングはスズキの副変速機構付きに軍配。「ステラ(ムーヴ)」のCVTは違和感のあるスリップ感(ズルズルした感じ)があるが、810kgのボディを走らせるのに不足はない。エンジンのノイズも適度に抑えられている。実はホンダ「N ONE」の弱点はこのエンジンノイズが大きいことだと思う。試乗コースは結構な坂道を含む郊外のコースだったが、終始、引き締まった足回りとステアリング周辺に感心していた。111.9万円と言う低価格で「スマートアシスト」とこの走りが手に入るならば、文句は言うまいと思った。願わくば、特別仕様車でブラックインテリア+タコメーターを装備した標準系モデルが出ると面白いのではないか。「ムーヴ」をきっかけにダイハツ車の走りが改善され、軽自動車全体のレベルが更に向上していくことを期待したい。とても有意義なテストだった。ちょっと「コペン」のセカンドカーとして「ステラ」を買おうかと考えたくらいである。



Posted at 2013/01/30 22:44:01 | コメント(1) | トラックバック(0) | 試乗インプレッション | クルマ
2013年01月28日 イイね!

[試乗インプレッション]メルセデス・ベンツ・A 180 BlueEFFICIENCY

[試乗インプレッション]メルセデス・ベンツ・A 180 BlueEFFICIENCYまだ発売が開始されたばかりの新型「Aクラス」に短時間だが、試乗することが出来た。グレードはベースグレードの「A 180 BlueEFFICIENCY」で284万円。それにセーフティーパッケージとバリューパッケージを装着していたから、37万円が加算され321万円のモデルであった。
まず第一印象から。写真で見るよりも、精悍で品質感を感じた。従来のAクラスとはガラリとイメージを変えた。もちろん、現行Bクラスとも違う。ゴルフやアウディA3よりもスポーティーな雰囲気を持っている。エンジンは横置きのFFレイアウトであるが、比較的ボンネットは長く一見するとFRの様な雰囲気すら感じる。少なくとも、異様なデザインのBMW1シリーズよりずっと安心して見ていられる。(1シリーズは好き嫌いがハッキリするのだろうが)
全長4290mm全幅1780mm全高1435mmでホイルベースは2700mm。ゴルフ6のサイズ(全長4210mm全幅 1790mm全高1485mmホイルベース2575mm)と比較すると、全高の低さとホイルベースの長さが際立つ。これが斬新なイメージを醸す原因だろう。それでいて最小回転半径は5.1mに抑えられている(ゴルフは5.0m)から凄い。
室内に乗り込んでみると、正直インテリアの質感は大したものと言わざるを得ない。チープな日本車はおろか、品質感では定評のあるゴルフ6でも完敗。それでいて、品質感だけではなく、斬新さとスポーティなイメージも充分に感じさせてくれる。このインテリアは写真よりも実物を見たほうが良い。これはちょっとした驚きだった。これまでメルセデスのインテリアは全般的に嫌いだったのだが、これは例外だ。
エンジンは1.6Lの4気筒ターボエンジン。所謂ダウンサイジングターボで、最高出力よりも低中回転域での図太いトルクを目指した新ユニット。ミッションは7速のツインクラッチ「7G-DCT」。VWの場合、このクラスには乾式クラッチを採用するが、メルセデスの「7G-DCT」は湿式。実はこの差が結構大きく感じた。ゴルフの場合、「GTI」は湿式の6速DSGだが、1.2L/1.4Lは乾式の7速DSGとなる。やはり乾式はコンパクトで低コスト・低燃費な代わりにフィーリングは一歩後退。年々少なくなっているとは言えブルブルした振動や唐突な振動が気になる瞬間があるが、「Aクラス」の「7G-DCT」は滑らかな変速で良かった。DSGに比較すると変速にかかる時間は多少のんびりしていた様にも感じだが、それはメルセデス流の味付けなんだろう。小さな差ではあるが、個人的にはマイカーとして長時間触れることを考えると決して無視出来る問題ではないだけに悩ましい。(私がゴルフⅥヴァリアントを比較的短期で乗り換えた要因のひとつとして、乾式DSGに馴染めなかった事がある。エンジンブレーキの弱さも気になったが。)
タイヤはスタッドレスを装着している季節だから、インプレッションは参考レベルだが、約20分程度のショートドライブでは気になる問題点はなく、とても快適な時間を過ごした。足回りもゴツゴツと硬すぎることもなく、しかしファミリーカー然としたほのぼのとしたセッティングでもない。基本はグランドツーリングだが、山道に持って行ってもそれなりに楽しめそう。どこまでも真面目にスタビリティ重視のゴルフに比べると色気がある。リヤサスは当然ながらマルチリンク。エンジン音もそれなりに聞こえてくるが、ボリュームは小さい。あまり走りを予感させるような音色で無いのが惜しい所。
シートはヘッドレストまで一体型のスポーツタイプ。やはり日本車よりもサイズが二回りくらい大きい。後席からは圧迫感があるだろうが、長距離走行時の疲労感は少ないだろう。なかなか日本のメーカーが追いつけない。もしくは追いつく気がない部分ではある。やはり、最後はクルマに対する情熱や愛情の問題だと思うが。コストに縛られクルマ好きがノビノビと仕事をさせて貰えない環境なのか。それとも、そんな人間は日本のメーカーにいないのか。
そろそろ結論を。ベースモデルとはいえ、オプションも入れると300万円を軽くオーバーするだけに、お買い得とは言い難いが、よく出来たクルマ。このセグメントにいよいよメルセデスも本腰を入れた事が良く判った。ゴルフほど真面目で事務的でもなく、BMW1シリーズほど奇異でもなく、アウディA3ほどプレミアムに偏ってもいない。程々に高級で色気もあり、実用性もある。結構貴重なクルマかもしれない。日本車ではインプレッサやアクセラがライバルだろうが、価格を含めるとあまり現実的ではない。インプレッサが6速ATやMTだったら....アクセラの2.0SKYACTIVに6MTがあったら....と妄想はするものの、何故かど真ん中ストライクが来ない事に歯痒さを感じる。まぁクルマ好きのストライクは世間一般のストライクでは無いだろうが。
「Aクラス」をベースに開発されたセダン「CLA」も楽しみである。もはや、駆動方式がFFかFRか。排気量の大小と4気筒か6気筒か...。従来からのクルマ価値観は一気に紙くず同然になっていることを実感している。

Posted at 2013/01/28 00:05:49 | コメント(2) | トラックバック(0) | 試乗インプレッション | クルマ

プロフィール

「@(ご) 下取価格って愛車の通信簿みたいなものなので、低い評価をされると買い換える気が失せますね。更に言えば自社銘柄の価格提示としては低過ぎて残念です。私もヤフオク売却経験有ります(^o^)。」
何シテル?   06/21 23:22
クルマとカメラが大好きで布袋寅泰の音楽を愛聴するヤツです。 随分と長いこと転勤で各地を転戦しましたが、ようやく地元北海道に戻ってきました。 マイカーはマツダ...
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