![[フルモデルチェンジ]VW・ゴルフ7 日本上陸。世界のベンチマークは健在か。 [フルモデルチェンジ]VW・ゴルフ7 日本上陸。世界のベンチマークは健在か。](https://cdn.snsimg.carview.co.jp/minkara/blog/000/030/345/231/30345231/p1m.jpg?ct=4cedb8a2d38d)
少し遅れてしまったがそろそろ「ゴルフ7」の話題に触れておこう。正式発売は6月25日である。言わずと知れた世界のベンチマーク。Cセグメントの王道。コレを買っておけば間違い無しの鉄板。クルマの雑誌を見てもゴルフの事を悪く書く評論家は皆無。どこまでが本音で、あとはギャラと接待次第のお仕事で書いているのかは察するとしても、ここ数年ゴルフ=称賛絶賛と言う構図は少しばかり気持ち悪いほど。
しかし、長年VWファンを自認する私としては、ゴルフに対する憧れというか、感心の度合いは年々代を追う毎に低下している。このギャップは何だろうか....と密かに悩んでいるが、恐らく「ゴルフ」があまりにも平均点高く出来過ぎてしまったからなのかも知れない。クルマとの一体感が弱まり、クルマに乗せられている様に感じてしまうのだ。更に言えば、日本のライバル(インプレッサやアクセラ)がゴルフ4の頃と比較し、出来が良くなった事も有る。90年代後半のゴルフに乗った瞬間 「!!!」 と驚く様な差異(ボディ剛性感や直進安定性・ドアのズッシリとした開閉....)を明確に感じた。それも最近では僅差となった様に感じる。
今回「ゴルフ7」はプラットホームから全面的なフルモデルチェンジを実施した。「ゴルフ6」は「ゴルフ5」のビッグマイナーチェンジに留まる内容であったから、短命で有ることは周知の事実であった。それでも早すぎたモデルチェンジ。フォルクスワーゲンは新しいモジュール戦略「MQB」プラットホームを一刻も早く展開したかったのだと思うが、それはクルマの出来栄え・コダワリよりもコストや作りやすさを優先した結論ではなかったことを祈りたい。まぁそれでもトヨタが作るペナペナしたクルマに劣る様な事は根本的に起こり得ないのだが。
「ゴルフ7」の特徴は前述した新プラットホーム「MQB」の採用によってもたらされるモノが多い。より高剛性で軽量なボディを可能にし、上級モデルと多くの部品を共有することでゴルフの品質を上げたと説明する。従来、トゥアレグやCC等の上級モデルにしか採用出来なかったアダプティブクルーズコントロール “ACC” やプリクラッシュブレーキシステム “Front Assist Plus”をゴルフに初めて搭載するなど、「MQB」の採用によって高度な安全装備の民主化に成功。またボディの隙間やインテリアの高質感など、新型ゴルフは従来のコンパクトクラスの水準を大きく上回り、プレミアムカーと呼ばれるに相応しいポジションにまで到達したと説明する。
エンジンは現段階では2つ用意される。1.2LのTSI エンジンはよりコンパクトになり、従来のSOHCからDOHCへ変更された。最大出力・トルクに変更は無いものの、最大トルクの発生回転数は従来より低い1,400rpmからとなり、燃費も向上した。また1.4LのTSIエンジンは、従来のターボ+スーパーチャージャーの「ツインチャージャー」からシングルターボチャージャーに変更され、新たに気筒休止システム、アクティブシリンダーマネジメントシステム(ACT)をヘッドに搭載し、ツインチャージャーの最大トルクを上回る事に成功。従来の鋳鉄製シリンダーブロックは今回アルミ製に変更され、大幅な軽量化も果たしたという。どちらもエコカー減税の「100%免税」を実現している。
グレードは3つ。1.2Lの「TSI Trendline 」249万円/「TSI Comfortline」269万円と1.4Lの「TSI Highline」299万円である。導入当初からベースモデルの「TSI Trendline 」を用意したことを褒めるべきだろう。
残念なことに、新プラットホーム「MQB」の弊害なのか1.2Lエンジン搭載車はリヤサスがトーションビーム(VWの表記はトレーリングアーム)に格下げとなった。1.4Lはマルチリンク(4リンク)を採用する。ゴルフ5/6は全車・前後マルチリンクだったが、ゴルフ7は上級グレードのみマルチリンクに。まぁトーションビームだから悪いというわけではないが、従来VWの販売店で「国産のライバルは安物のトーションビームを採用しているから...」と散々説明してきたはずだが、今後はどう説明するのだろうか。個人的には、グレードや搭載エンジンで足回りを差別するような妙な「器用さ」をVWには持ってほしくないのだが。
まぁゴルフにケチを付けるとすれば、これくらいだろうか。後は盛り沢山な安全装備を含め、買って損のないクルマに仕上がっている印象である。
それでも私は「ゴルフ7」を当面は買わないだろう。特にゴルフ5/6に陳腐化を感じていない故に、程度の良い中古を買っても良いだろうし、今後クリーンディーゼル「TDI」が日本にも導入される噂もある。新プラットホーム「MQB」の熟成も気になる所。まぁあと2~3年くらい様子を見てからでも遅くはないかな。今年は新型「マツダ・アクセラ」もデビューする予定。個人的にはコッチの方が断然気になります。クリーンディーゼル+6AT(もしくは6MT)が設定されればドカンと売れるでしょうね。

Posted at 2013/06/16 23:09:07 | |
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