![[最近見なくなりました]マツダ・初代デミオ 偉大な実用車だったね。 [最近見なくなりました]マツダ・初代デミオ 偉大な実用車だったね。](https://cdn.snsimg.carview.co.jp/minkara/blog/000/037/571/887/37571887/p1m.jpg?ct=7e510eb116aa)
最近、初代「デミオ」を見かけなくなったと思う。つい最近までアチコチで見かけた(様な気がする)クルマだったのに。初代「デミオ」の発売は1996年。今年で20年が経過。最終型でも2002年だから、既に14年が経過している。まぁ、そりゃ少なくなりますよね。最近はクルマが古くなると税金が上がるなんて不可解なことも起きるし。それだけ自分も歳をとったと言う事か。
初代「デミオ」を改めてよく見ると、記憶の中よりもずっとコンパクトなクルマに見える。ボディに対してガラスの面積が広く、最近のクルマに比べてベルトラインが低い。シンプルな造形と言えばそれまでだが、今見てもスッキリしていて好感が持てる。最近こういう素っ気ない位にシンプルで合理的な実用車が無い。
初代「デミオ」が出たのは1996年(平成8年)。当時のマツダは深刻な経営危機を迎えていた。どのクルマも精彩に欠け、主力の「ファミリア」はハッチバックを摩訶不思議なデザインの「ファミリアNEO」として投入したものの、大失敗。MCで急遽、無難なデザインのハッチバックを作り直すとか迷走していた時代。「カペラ」も後継として出た「クロノス」兄弟が大ゴケし、苦肉の策としてそこら辺の部品をかき集め急遽作られたのが6代目「カペラ」だった。正直、どれもこれもダメと言う雰囲気の中で登場した「デミオ」にはかなり驚いた記憶がある。
既にスズキ・ワゴンRが1993年(平成5年)に登場していたから、マツダの既存小型車プラットホーム(オートザム・レビュー)を活用し、ユーティリティ系のミニワゴンを作ろうと発想しても不思議ではないが、全高を機械式駐車場にも入庫可能な1,550mm以下に抑えた絶妙なパッケージとシンプルかつ個性的なデザインは、衝撃的であり、新鮮だった。
初代「デミオ」はマツダの期待を上回るヒットとなり、RJCカーオブザイヤー(1997)を受賞。これによりマツダは息を吹き返し、アテンザ・アクセラ・RX-8等の新世代商品を開発し、今に至る。もしあの時、初代「デミオ」が生まれなかったら....と考えるとゾッとするが、ピンチの瀬戸際でヒットモデルを生み出すのがマツダのお家芸。まぁピンチは無いに越したことはないが。
「デミオ」も3代目からはミニワゴンではなく、欧州Bセグコンパクトハッチとして再出発。再びRJCカー・オブ・ザ・イヤー(2007)に加え、2007年度ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー (WCOTY) を受賞。世界中で「マツダ2」が評価される事になったが、日本市場で育った「デミオ」は失われてしまったのが惜しい。マツダにもう少し余力があればメルセデスのAクラス・Bクラスの様に、スタイリッシュなハッチバックと、ユーティリティ系ミニワゴンの二車種を作って欲しい。
あえて初代「デミオ」に似たクルマを現行車で探すならば、スズキ「イグニス」と「ソリオ」だろうか。今のマツダが作るミニワゴンって言うのも見てみたいものです。

↓大失敗作の「ファミリア・ネオ」。今見ると結構イイかも(?)1994年6月登場

↓「ファミリア・ネオ」の失敗を受け、急遽開発されたハッチバック。1996年10月登場
Posted at 2016/03/25 20:17:32 | |
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