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スズキ・ハスラーのOEMモデルである「マツダ・フレアクロスオーバー(以下フレクロ)」が納車されて1週間が経過。約500kmを走破したのでファーストインプレッションをまとめようと思う。
納車日は生憎の雨天だったので、写真も適当に数枚撮っただけだった。今日は晴れていたが、強風かつ寒い(気温は0~2度位)。それでも重い腰をあげて洗車に出かけた。まぁ新車でなければ絶対に行かなかっただろう。今年の冬は厳しい....。
写真も以前であれば一眼レフを使って撮影していたが、ここ数年はすっかりコンパクトデジカメで撮影する事が多くなった。今回も小型軽量の
キヤノンIXY3で撮影したものだが、一昔前のデジタル一眼レフに匹敵する画質である事に驚く。軽自動車も以前は我慢のクルマであったが、今やこれ以上の性能は日本国内で必要なのだろうかと思うほどに進化している。日本の高い技術は小さなモノこそに色濃く発揮されるのは間違いないだろう。
フレクロを改めて見ると、ポップなデザインやカラーで賑やかなクルマに感じるが、根本的に軽自動車規格の枠を目一杯使った箱型で真面目なフォルムである。普通、クルマのスタイリングは上方(ルーフ方向)に向かって絞られていくのがセオリーだが、このクルマはあまり絞られていない。故に、運転席に収まってもヘッドスペースはかなり余裕がある。コペンはまるでヘルメットを被っている様な感覚だったから余計にそう感じるのかも知れない。恐らく、ダイハツ・タントが発売される以前であれば、このデザイン手法は違和感を伴ったかも知れない。しかし、今ではタント・スペーシア・NBOXなど、各社箱型フォルムが全盛の時代である。
キーレスプッシュスタートシステムでエンジンを始動すると、不快な振動も無くかなり静かなクルマである事に気づく。もはや3気筒エンジンをネガティブに感じる時代では無い。欧州の各メーカーはダウンサイジングを推進する過程で、2~3気筒エンジンを次々とリリースしている。解釈を変えれば、日本の660ccターボエンジンも、いよいよ国際的な競争力を持ち始めたのかも知れない。スズキの最新鋭ユニット「R06A型」にターボを装着したDOHC VVT ターボ エンジンのスペックは64PS/6000rpm 9.7kg-m/3000rpmを発揮。組み合わせるミッションは副変速機構付CVTで変速比7.28のワイドレンジを誇る。このCVTは2009年にパレットに初搭載された事は記憶に新しいが、初期モデルは副変速機の切替タイミングに多少なりとも違和感を感じた記憶があるが、フレクロに関しては今のところ感じていない。また、個人的にCVTの一番嫌いな部分である「ラバーバンドフィール(エンジンの回転と加速が一致しないモッサリ感)」が皆無とは言えないが、かなり陰を潜めている。恐らく、ターボエンジンが低回転域から分厚いトルクを発揮するから無闇にエンジンの回転を高める必要が無いからだろう。街中~山道~高速道路を含め、エンジンが4000rpm以上回る事は極めて少ないのには驚かされた。以前試乗したNAエンジンのハスラーとは印象の異なる部分である。総じて、スムーズでトルクフルなクルマと言う印象。街中~山道でも瞬発力や登坂力不足にイライラする事は無く、キビキビと走るし、高速道路で100km/h+アルファで走っていてもエンジンは3000rpm付近で涼しい顔をして回るだけ。全く大したものである。
フレクロの全高は1665mmとワゴンRと比べて+25mmしか違わないから、外観から受けるイメージに比べて走りに不安感は無い。全車にフロントスタビライザーを装着しているのもその対策なんだろう。比較的堅めの足回りは路面の凹凸を拾ってしまう傾向があるが、高速道路では望外な安定感があった。ステアリングの手応えは比較的しっかり。タイヤが何処を向いているのか判らない様な不安感も無く、過度に敏感でも無く、総じて長時間走っていても疲労感を感じないクルマである。(高速道路を走っていてもエンジンが延々と高回転をキープする様な事にならないから疲れないというのもありそう)但し、エンジンのサウンドは聞き惚れる様なタイプでは無い。これはK6A型ユニットの方が心地よいビートを奏でていたと思う。 また、「エネチャージ」を搭載した事で、減速エネルギーを活用して発電し、リチウムイオンバッテリーを充電するのだが、もう少しセッティングは煮詰める余地がありそう。現時点ではアクセルを離した段階で発電が始まるのだが、発電抵抗のせいか思っていたよりも早く失速してしまい、改めてアクセルを踏む必要が出る場合がある。クルマの癖を掴んでくれば気にならなくなる部分であろうが。この辺はもう少し観察していきたい。
ハスラー/フレクロは「コペン」の様な走りの楽しさや刺激を感じさせてくれる類いのクルマでは無いが、車中泊も出来てしまう広い室内や独特のスタイリングがクルマに乗って旅に出る事の楽しさを思い出させてくれるクルマである。思えば、1993年(平成5年)に初代ワゴンRが登場したときにも同じような事を感じた記憶がある。質素なクルマであったが、箱型のボディに切り立ったAピラーとガッシリとしたルーフレールがこれまでの軽自動車では感じなかった楽しさやワクワク感を演出していた。もしかしたら、ハスラー/フレクロはいつの間にかド定番商品になっていた「ワゴンR」の再来なのかも知れないと思う。案外、息の長いモデルになるかも知れない。個人的な希望を言えば、ターボ+4WDにもMTを。そしてSRSサイド・カーテンエアバックの設定をスズキにはお願いしたい。その選択肢が提供された暁には再度買い直す予定。やはりクルマ好きとしてはMT車を手放してしまうのは寂しい限りであるが、来年ホンダ「S660」が発売になるまではフレクロ君とのんびり楽しんでいくつもりである。

Posted at 2014/03/09 00:40:14 | |
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