前ブログの続き・・・話題の中心はヨーロッパへ。
記事抜粋:
『ここ数年、ヨーロッパでも角型/変型ヘッドランプは、一つの流れとなっている。だがその土壌はアメリカとは基本的な部分で異なる。ランプ・ユニットそのものまで規格化してしまったアメリカに対して、バルブ、配光など基本的な部分は押えながらも、その他の部分は、かなりの自由度が許容されているのだ。
これは、サービス性、コストを第一義に考えるアメリカと、合理性と、そして個性を重んじるヨーロッパの差であるといっていいかもしれない。』
『1960年代に入ると、角型あるいは楕円形などの変型ヘッドランプを採用したクルマが姿を見せる。また、基本的には丸型の反射鏡を使いながらも、ターンシグナルや、フォグランプまで一体化した大型レンズを使ったり(メルセデス・ベンツなど)、あるいはランプ・カバーを設けるなど、ランプをボディのフォルムに融け込ませようとする試みもいくつか見られるようになった。
さらにヨーロッパのデザイナーは、ボディの表面とレンズ面を一致させる方向へ進み始める。』
『その最初の例として挙げなければならないのは、BMW 2000Cシリーズだろう。1965年に登場したこの流麗なクーペのフロント・マスクは、丸/角のふたつのランプ、そしてサイドにまわりこんだウィンカーまでを一体に覆う大きなレンズによって、強烈な個性を与えられている。』
『いっぽう、フランスのエスプリの代表、シトロエンとなるとそのアプローチはまた異なる。中略・・・このようなシトロエンのラディカルなデザインは、ランプ・メーカーであるシビエによって支えられている・・・その開発と製作はシビエにゆだねられているのだ。またシビエは、シトロエン以外のメーカーからも注文を受けて、さまざまな変型ランプを作っていることを付け加えておこう。』
『シトロエンのリードで始まった1970年代は、エアロダイナミクスの時代となった。より低く、スムーズに整形されるフロント・エンド、シンプルな面で構成されるボディのフォルム、それらに合わせた新しい顔が育って来た。
そこでは、ヘッドランプはもはや単なる"眼" としては扱われてはいない。フロント・エンドを構成するひとつの面として、グラフィカルに処理されるようになった。こうなると変型レンズは不可欠なものになる。』
『こうした新しいデザイン・トレンドを追いながらも、それが画一的にならないのがヨーロッパだ。廉価なモデルであっても、専用のランプ・ユニットを持ち、それぞれの個性を演出している。
・・・中略・・・ランプ・ユニットの生産量も限られ、コストも高くなる。しかし、それ以上にデザイナーにしてみればクルマの顔に、画一化された表情の無い眼を与えることなど、とても我慢ができないのだ。
そしてそう言う自由が ごく当然の事として認められるのが、ヨーロッパの風土だと言えるだろう。』
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国産車が変型レンズばかりになったのはいつ頃からでしたっけ?
ひとつ割れても欠けてもアッセンブリで買わされる・・・しかも球の交換ですら非常にやっかいな構造に・・・。
Posted at 2012/02/27 19:04:39 | |
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