いきなりライニング取り出し後の画像
ライニングの取り出しは「リアハッチの開口部からライニングを斜めに傾けて取り出せばそれほど苦労しないで済むんじゃないの?なんでそんなに苦労するんだろう?」と、かなり甘く考えていました。
とりあえずルームランプのユニットの部分も全て外し、完全にライニングがフリーなったところで、シートを可能な限りフラットに倒しライニングの左右を斜めに傾け…られない!
この原因は後席用シートベルトの巻き取り部分。
Cピラーの根本の出っ張りにつっかえて、ライニングが完全に下がり切らない。
そこで一度、リアハッチから車体後方へ取り出せるところまで引き出して、ナビシート側のドア開口部からライニングを少し捻じりつつ、車体斜め左前方向へ取り出そうと試みましたが、今度はセンターコンソールやらシートの座面が邪魔して取り出せそうにありません。
恐らく、先にナビシートを外してしまえば車内の左側に障害物が減るので、左斜め前方向へライニングを抜き出すことが出来そうなのですが、センターコンソールとか色々な場所を擦りそうな気がする…。しばし悩むこと数分…。
「ライニングが破けなければ、多少ダメージが及んだところで良しとする!」(=単純に面倒くさくなっただけ)
というワケで、リアハッチから強引に抜き取りました。
自分の場合、手伝いがいないので一人作業でしたが、絶対に二人以上で作業した方が良いです。
あと、リアハッチ周辺の内張りは手間でも可能な限り先に剥がす!
数センチでも開口部を広くした方がライニングが引っかかるのを防げるし、内張にダメージが無いと思います。
強引に引き抜いたため、ラゲッジの内張りが…(汗)
擦れたウレタンでこんな状態になってしまいました…。
(掃除すれば落ちると思うけど)
そして、車外に取り出したライニングをじっくりと観察。
マップランプユニットの樹脂フレームはライニングにがっちりと接着されていて、無理やり剥がそうとすると樹脂フレームが割れるか、ライニングが千切れそうな感じ。
フレームから伸びたフラットケーブルが数か所、ライニングに溶着されていて、ここも無理やり剥がそうとするとケーブルが破けて断線してしまいそうです。
仕方がないので、フラットケーブルの上から養生テープで保護をして、クリーニングすることにしました。(可能ならば外した方が絶対に良い)
ルーフアンテナ直下にはこんなシミが…
やはり少し雨漏りしていた模様。
板金は錆びてはいませんでしたが、赤錆のようなシミが出来ていました。
ライニングを抜き取った後の車内天井。ボール紙のような薄めの紙板が一枚だけ。
これじゃあ防音効果も断熱効果も期待薄。しかも車体前側は少し剥がれて浮いている状態。
先にこっちに防音断熱材を貼り付けてしまいます。
完成写真がコチラ↓
幅1m、長さ2m、厚さ5mmのシール状になっているウレタン断熱材を使いました。
幅は切らずにほぼぴったり。長さは40~50cm余りました。
貼り付けてみると思ったよりも薄かったので、厚みはもっと分厚くても良かったかも知れない。(厚み1cmは余裕)
本当はルーフアンテナの根本部分を切り取って避けた方が良いのだとは思いますが、あのシミをみた後なので、雨漏り対策のためにそのまま。もうルーフアンテナの交換はしないから良いでしょう。
ついでにリアハッチまで延びているドラレコのリアカメラ配線等をカーテンエアバックを避けながら、ビビり音対策のためにタイラップ留め。(きっちり留め過ぎて、後々にドラレコを交換する時に苦労することになると思うケド…)
これで車内側の処理は完了。
いよいよライニングのクリーニング作業を開始します。
表皮の生地をベリベリ剥ぎ取ります。
ウレタンが完全に劣化してしまっている箇所や、一番最初に生地が浮き始めてスプレー糊で応急処置をした箇所はウレタンが劣化してライニングの下地が顔を覗かせていますが、予想した通り薄いグリーンの接着剤が残る。
どうやらこの接着剤を完全に除去するのにかなり苦労するようです。
とりあえず100均で買ってきたナイロンブラシを使ってガシガシとウレタンを削り取っていきます。
試しにワイヤーブラシで擦ってみたところ、ライニングの下地まで切り裂く感じに傷だらけになってしまったので、金属製のワイヤーブラシは使うのをやめました。
(手持ちのワイヤーブラシが硬すぎただけだと思いますが…)
劣化が進んだ箇所はウレタンが溶けだしているので、若干ベタつく感じがします。
電動ドリルの先端に付けるタイプのブラシがあれば、あっという間に削り取ることが出来ると思いますが、周囲にかなり飛び散るカモ。
自分はこまめに掃除をしながら、地道に手作業で全部落としました。(それでも靴とか服がえらいことになってました)
ウレタンを全部落とすと全面が薄いグリーンの接着剤でコーティングされた状態になっています。
このグリーンの接着剤を溶剤(アセトン)を使ってクリーニングするのが次の工程です。
下の画像は中心部分から接着剤をだいぶ落とした状態。
最初、近所のホームセンターで購入した500ccのアセトンをウエスに染み込ませて、ゴシゴシと擦り落としていましたが、全く落ちません…。
次にウエスに染み込ませたままライニングに被せて放置。接着剤が溶けだしたところをプラスチック製のスクレーパーでこそぎ取ると、ライニングの素地の白い部分が出てきます。
しかしウエスに染み込ませたアセトンが接着剤を溶かし出すまでに結構時間が掛かる。短時間だと奥まで溶けださないので接着剤が残ってしまいます(↑の薄くグリーンになっている部分がまだ完全に落としきれていない箇所)
さらに最初の一缶(500cc)で綺麗にクリーニング出来たのはたったの40cm四方程度で、全体を溶かして落とし切るためにはもっと大量のアセトンが必要になると分かりました。結局、再び近所のホームセンターまで4L缶を買いに行くハメに…。
ぶっちゃけ、最初から一斗缶くらいあっても良いカモ知れません。
上記の写真は4L缶のうち半分(2L近く)を使った状態です。
思い切りよくジャパジャパとアセトンを振りかけて溶けだしたところをどんどん削ぎ落していくのですが、接着剤が思ったよりも厚く塗られているので、一削ぎでかなり大量の接着剤が取れます。削ぎ取った接着剤がゼリー状になるため掬いづらく、非常に効率が悪い!
さらにダマになったアセトンが乾いてくると、ガムの様になって、粘着力が復活するため飛び散ると最悪です。
しかしここで手間を省くとあっという間にまた天井浮きの原因になるので、根気よく綺麗になるまで落とさなければなりません…(泣)
恐らく張り替え専門業者のプロの方達はこの工程に対しての効率的なノウハウがあるのだと思います。(溶剤をあまり大量に使わず、効率よく拭き取る方法)
もしもライニング自体にダメージを負う覚悟があれば、溶剤を使わずにサンドペーパーなどで削り取ってしまった方が効率も良いし、よっぽど溶剤を使うよりも綺麗に落とせると思います。
但しライニングの繊維が毛羽だってしまう上に、薄くなるため強度がかなり落ちるでしょう。
気化したアセトンを長時間吸い込んで頭痛はするし、雨が降り出したので先週末の作業はここまでで一旦中断。
続きはまた今週末以降となりました。