70年以上も前からの教えです。
何万点もの部品から構成されている「クルマ」を車両主査という一人の人間のリードにより、感性を感じ、血が通うお客様に提供する「クルマ」という商品にしていく重い役割を担う主査の想いを、自身の自戒を込めて、後輩に伝えようとして書かれたものだと言われています。 当時も今もこの心得を全て体現されておられるような、神様のような車両主査はいないのかも知れませんが、事ある毎に、主査が読まれて研鑽されていた事を思い出しました。
▶車両主査の10ヶ条
Ⅰ.主査は自分自身の方策を持つべし.『よろしく頼む』では人はついてこない!
Ⅱ.主査は常に広い智識、視野を学べ.ときには専門外の知識、見識が極めて有効 『専門外の専門』を持つ努力!
Ⅲ.主査は大きく網を張ることを身につけよ.『大局的に如何に手を打つか』それにより将来が決まることがある!
Ⅳ.主査は全智全能を傾注せよ.『体を張れ、初めから逃げ場をさがしていることを人に感づかせるな』
Ⅴ.主査は物事を繰り返す事を面倒がってはならない.『自分に(毎日の反省)』『上に・協力者に(理解を求める)』
Ⅵ.主査は物事の責任を他人のせいにしてはならぬ。権限はない、あるのは説得力だけ。『人を怒ってはならぬ』
Ⅶ.主査は自分に対して自信(信念)を持つべし。『ぶれるなー少なくとも顔にだしてはならぬ』
Ⅷ.主査と主査付きは同一人格でなければならぬ。
Ⅸ.主査は要領を使ってはならぬ“顔”“ヤミ取引”“職権”は長続きしない。
Ⅹ.主査に必要な特性。
・智識力、技術力,経験
・洞察力、判断力(可能性),決断力
・度量、経験と実績(良否共に)と自信
・感情的でないこと。冷静であること.時には自分を殺して我慢
・集中力
・統率力
・柔軟さ
・表現力、説得力 「一定の形はないので個性を生かせ」
・無欲という欲
車両主査だった故のいきなりの実名報道、会社のモラルはどうなっているのだとの非難、会社も車種も違えど車両主査と言われる人と一緒にクルマ作りをしてきた身としては全くの他人事ではない話。 壊れて人生を狂わせた理由は何も判りませんが、激務の車両主査業務に没頭できなかった大きな悩みがあったのかも知れませんね。
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クルマ雑学 | クルマ
Posted at
2020/12/28 09:16:55