散らない枯葉のブログ一覧

そのＯＳの名称は「アリーン（Arene）」。

　今年に入って発表した新型のレクサス「ＥＳ」と「ラブ４」にトヨタが開発中の車載ＯＳ「アリーン（Arene）」を初めて導入することがアナウンスされている。　ＴＮＧＡはトヨタのプラットフォーム改革を表す言葉で、自動車の関連知識では今では常用語になってしまったのではないかと思います。　ＴＮＧＡ（車両プラットフォーム＋電子プラットフォーム）で大改革を成し遂げたトヨタが、次に鋭意取り組んでいたのは、近年進化の著しいクルマのソフトウェア プラットフォームの領域ではないかと思います。　テスラやＢＹＢなどのＢＥＶメーカーが先行している、トヨタは遅れているとされている中で、今後「アリーン（Arene）」が果たす役割はとても大きいと思います。

　ＢＥＶ全盛の時代なれば世界標準のソフトウェア プラットフォームが成立するはずとして自動車各社や関連メーカーが大投資をして今も開発を競っていると思いますが、トヨタはマルチパスウェイの戦略を活かし、得意のＨＥＶまで視野に入れた既存の車種への展開も考えた汎用性のあるソフトウェア プラットフォームを、そしてそのドライブＯＳである「アリーン（Arene）」を実用化し車種展開に踏み出したのだと思います。　今年度に入ってからの３車種の純ガソリン車の生産停止は、脈々と継続されるＴＮＧＡの、狙いでもある全体最適を考えた「賢い共用化」の一端ではないかと思っています。　

ハイブリッド専用車への大胆な切換え。

　昨日のプログに書いた様に、トヨタがこれまでの純エンジン車をシリーズの中に加えて販売していた、「カローラ」「ラブ４」「カローラクロス」から純エンジン仕様車を廃止し、車種としてハイブリッド専用車に大胆に切り替える施策を次々と打ち出しました。　米国で過去２２年間、トップセールスを続けている「カムリ」の純ガソリン車の生産終了を宣言して、ハイブリッド専用車へ切替えると発表したときには、"大丈夫か？" と驚いたものです＜笑＞。　２０２４年モデルの販売台数のハイブリッド比率は２０%程度しか無く、ハイブリッド人気が米国では高まっているといっても、無謀ではないかと思われたものですが、見事！にトヨタのチャレンジは成功し（タイトル画像）、ハイブリッド専用車となった今もトップセールスカーの地位を守っている様子です。


　米国で成功したから日本でも成功するとは限らないかも知れませんが、トヨタのハイブリッドの、他社を圧倒する性能と、今も続くコスト低減努力が、ハイブリッドであっても競合車の純ガソリン車と同等の価格で販売できると言う価格競争力を持つている事が最大の強みでだと思います。　日産もホンダも起死回生策として、そして新規にマツダも独自技術で新世代ハイブリッド開発に力を入れていますが、ハイブリッドならば既存の純ガソリン車よりも３０〜４０万円程度は車両価格を上乗せできると言う市場の今までの方程式を一方的にトヨタに潰されてしまった今、どう生き延びて行ったらよいか、将来ビジョンの見直しを迫られているのかも知れませんね＜汗＞。

２０２５年度に入って３車種目です。

　トヨタは２０２５年５月２３日に新型「カローラ クロス（タイトル画像）」を一部改良し５月２３日より発売するとともに、新たに GR SPORTグレードを設定しました。　GR SPORTの発売は８月４日を予定しています。」と言うニュースをリリースしました。　一部改良と言うからたいした変更内容ではないのではと思っていましたが、先に発表した「カローラシリーズ」「ラブ４」に続いて、純ガソリン車を廃止し、パワトレはＨＥＶのみにすると言う大胆な仕様変更を実施してきました。　競合他社の純ガソリンモデルがトヨタのハイブリッド車並みの価格まで値上がりし、販売施策上で環境性能も燃費も劣るガソリン車を敢えて残す必要性が無くなってきているのだと思います。


　「カローラ クロス」のライバルをマツダ「ＣＸ-５」とすると、カローラ クロスのＨＥＶのスタート価格は２７６万円、対するＣＸ-５の純ガソリン車のスタート価格は２８１万円、ＷＬＴＣ燃費はカローラ クロスが２６.４Km/Ｌ に対しＣＸ-５は１４.６Km/Ｌ と、カローラ クロスが８０%も上回っています。　「ラブ４」も同じ手法を使っていますが、若干中身と外観を変えた 上の画像の GR SPORTグレード（３８９.５万円）を追加して、お客さんの選択肢を増やす素振をして、購入価格帯を高値に誘導する巧妙な作戦も抜かりなく取り入れられている様子です＜笑＞。

燃費１０%向上、コスト３０％減。

　ホンダは５月２０日に今後の企業方針でもある「２０２５ビジネスアップデート」のホンダ社長の説明会を開催しました。　その中で過去にハイブリッド及びエンジンの新規開発は止めたとの宣言していた方針を全面撤回して２０２７年から順次鋭意開発中の "次世代ハイブリッド" に切り替える事と、２０２０年代後半に発売予定の大型モデル向けハイブリッドの新規投入も合わせて、現在のハイブリッド販売台数を年１００万台程度から、２０３０年時点では２2０万台程度にしたいと言う新たな目標を打ち出しました（タイトル画像）。　説明の中で読み取れる新世代のハイブリッドの性能目標は現在の、現在の自社ハイブリッド比較で燃費１０%アップ、コスト３０%減となるようです。
　

　ホンダとしても生き残るためにはハイブリッドに軸を移さないとダメだと自覚したのは正解ではないかと思いますが、トヨタのハイブリッドが技術的には常に先行し、モデルチェンジ毎にコストも含めアップデートさせている現状に対して、切り替えをまだ２年も先に置いている "次世代ハイブリッド" は、時系列的に見ると性能目標含めた諸施策が後手後手に回っている感じは免れないように思います。　現在のホンダのハイブリッドｅ:ＨＥＶでは、今後のグローバル市場での戦いは役不足と判断したのだと思いますが、あと２０３０年までの残された４年半の間に、ハイブリッド年販１２０万台の上乗せは簡単な数値ではないように思います＜汗＞。

発売は今年後半に米国から開始。

　フルモデルチェンジのトヨタ「ラブ４」のワールドプレミアムが昨日行われました。　そのライブ中継の動画を下の関連情報URLに入れました（注：プレゼン本番は９分過ぎからです）。　これまでの歴代の「ラブ４」が１８０の国や地域で３０年にわたり１５００万台を売ってきた実績を持つ、トヨタを支え続けてきたクルマであると言う事もあり、大胆でありながらも慎重さが感じられるフルモデルチェンジの内容であったように感じます。　全車電動化（ＨＥＶ・ＰＨＥＶ）車種に今回のフルモデルチェンジで仲間入りさせるのも時の流れと共に、近年の他社ガソリンモデル並みの価格でＨＥＶが販売できる原価低減の成果でもあるように思います。


　今回のモデルチェンジで一段と大きくなってしまったのかと心配しましたが、タイトル画像の様に大きさだけはキープコンセプトで上手く済ませているように思います。　上に米国トヨタのホームページに掲載されていたデータ（インチ）から新モデルのシリーズモデル毎の換算した車体寸法表を作って見ましたがほぼ同寸法でした＜笑＞。　見て "でかい" と多くの人が感じたならば、それを意図したデザインの勝利なのかも知れませんね＜笑＞。　シリーズモデル数を増やして客層を広げる魂胆がありそうですが、日本導入は来年３月とか、、待ち遠しく感じる人も居るのだろうと思いますね。