ポルセンからのお誘いをいただき、火曜日にType982となった新型718ボクスターに乗って来ました。
エンジンが水平対向自然吸気6気筒から、同じく水平対向4気筒のターボになった新型ボクスターですが。
こんかいのモデルチェンジは、良くも悪くもType981→982に変るのに充分と感じさせるモノになりました・・・。
『ライトサイジング』を謳う新世代ポルシェの思想が、911シリーズよりも端的に現れているといっても過言ではないのかも知れません。
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(C)サンデ
ポルセン到着。^-^
「新世代ターボ」化されたクルマ達が並びます、ここポルシェに措いてもNAは絶滅危惧種ですね。
「ウシロがつかえてないからお好きにどうぞw」
とキーをいただいた718はボクスターS(PDK)の右ハンドル仕様。
2.5Lターボで350psと「GT3並」の380N・mのトルクを低回転からフラットに発揮する高性能エンジンを搭載する上級グレードです。
乗ってみる―。
最初に感じるのはオープンカーらしからぬ落ち着いたインテリアと「守られ感」
MRなので当然ですが、リヤバルクヘッドが高く、ドライバーの「耳の高さ」まで後部隔壁が聳え立ってます。
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(C)サンデ
986より987、987より981と背中の壁が高くなっていったので「開放感」と云う観点からはオープンよりタルガトップに近い感覚。
NDロードスターもそうですが、背中がガッチリ壁に守られているので軽快感は削がれてますね。
NA6は肩甲骨が露出する勢いなので、尚更かも知れませんね。
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(C)サンデ
ロック/アンロックまで完全自動で開閉するトップを閉じると、内張りが立派過ぎてコレがオープンカーである事を忘れます。w
オーナー的には「クーペを兼ねる」ので、やっぱり
ケイマンより高いのは当たり前だな、と実感しますね。
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(C)サンデ
リヤの視界は「チッコイ窓」で劣悪か?
と思いきや、ルームミラーからの視界は非常に良好。
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(C)サンデ
高速の後方哨戒もOKさ!
て感じ。^ー^
運転すると―。
助手席の嫁はん、ドライバーの僕の統一見解として。
「フツウやね・・・」
という第一印象。
コレは最後まで変らなかったのですが。
1.トルクフル
2.高品質な内装
3.右ハンドル
4.PDK
以上のファクターがこのクルマの正体をぼやかしている様に感じます。
なんかね、スポーツカーと云うよりセダンに乗ってるが如き安心感と安定感。
そして出力特性。
感覚で言えば
『素のマカン』に近いかな?
国道に躍り出てアクセルを踏むと
「グモォー・・」というくぐもった音と共にスルスルと加速。
非常に乗り易く、平和。
今までのボクスター、特に小排気量モデルのエンジンを回したときの
「ガロラララララ・・・」という歯切れ良い美声からするとカナリ無骨。w
ココでステアリング4時の位置に盛り込まれたスポーツダイヤルを「Sport+」にセット。
アクセルを奥まで踏み込むと、
居眠りしていた子供が叱られて飛び起きた様なダッシュ力でパカーン!と一気呵成に加速。
『うぉっ、はえぇ!』
そこからアクセルを全閉にしても吹き返しか?
収まりがつかない感じで
回転落ちが無い、ここが一番「ターボ」を感じさせますね。
ウチにあった
「ジャガーXF2.0ターボ」とよく似てるわ。
スポーティではありますがソリッドではなく活発。
ウチまで行ってみよ!
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嫁はんを家まで送って降ろし、そのまま
カレラSを試した観音山へ。w
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(C)サンデ
パドルを使わず(※コワくて使えないw)スポーツ+の状態で上り下りしたんですが、やはりトルクで上りハンドル切ると曲がり、ガシッと止まる高性能車と云う印象ですね。
エンジンの存在感はあるんだけど主張はほぼ無くメルセデベンツ的。
『大柄な黒子か・・・』
んで、こんかい何よりも強く感じたのは、ポルシェが推し進める「右ハンPDK化」の違和感でして。
2ペダル右ハンドルという事で、話題に上るオフセット。
以前にケイマンGTSの右ハンMTに乗った時と比べると、カナリ印象が違います。
コレが僕が最適なポジションを執った時のペダルコンタクト。
アクセルを踏んで前進するときの配置です。
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(C)サンデ
左右の脚の中心線から見て「足の開き具合が一番自然な位置」でアクセルを踏むと、黄色い斜線の部分でAペダルを踏む事になります。
赤い斜線が拇指球で、一番体重を乗せ易い親指付け根。
蹲踞の時に体を支える骨の位置です。
ブレーキと違い、アクセルは「面で踏む」ので多少のオフセットは問題ではないのですが・・肝心なのはブレーキで。
まず、ブレーキペダルを踏む時、右足の開きをマイナス方向に捻らないといけない。
通常
「1時の方位」(右30度)に開いてドライヴしている右足を。
ブレーキング時に
「12時よりも左」の左6度(時計の59分)くらいまで捻る必要があり。↓
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(C)サンデ
しかも
ブレーキペダル操作時に、右足外側でアクセルも踏んでしまうのですね。(黄色斜線)
右足でABペダルを同時に踏んでしまうのですよ・・・。
コレは3ペダルの
ケイマンGTS右ハンMT↓には無かった事象です。(僕にとっては)
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(C)サンデ
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(C)サンデ
しかもどうやら右ハン2ペダルの場合、ブレーキを軽く踏んだ時「アクセルペダルとの高さ」が合ってしまうらしいのですね?
コレが左ハン3ペダル(997GT3)の場合。
アクセル操作時に「アクセル板」を拇指球で操作出来てます。
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(C)サンデ
アクセルは「板」を前後に操作するので、足の裏全体で押し込めれば問題は無いのですが・・・。
まあ体重の懸け易いところで操作出来た方がモアベターよ。(小森!?w)
そんでブレーキング時は・・。
カカトの支点はそのままに、拇指球でシッカリペダルを押し込む場合の右足の角度はアクセル操作時の30度→15度くらいと。
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(C)サンデ
脚を逆方向に捻らないので、無理なく操作出来るのですね。^ー^)b
しかも、左MTの場合、ブレーキペダルとアクセルペダルの「高さの関係」はより極端で。
「FSWの1コーナー」フルブレーキばりの踏力で踏み抜いた時に初めてアクセルと高さが合うのですね。
つまり
「100%のフルブレーキ時のみH&Tが解禁される」というシュツッドガルドからのメッセージなのですね。w
これこそが
「設計思想」と云う奴です。^ー^
しかし右ハンATにはソレが無い?
コレは
今回右ハンPDKを試乗された識者皆さんのご意見を仰ぎたい所ですね~。
とまあ、性格的に「ドライヴィングポジションとペダル配置」に多くを裂いてしまいましたが。w
総括いたしますと718ボクスターS・右ハンドルPDK
986前期~981前期までのボクスターとは似て非なる者だと思いました。
やはりエンジンは
「クルマの心臓」と云うだけあって、そのクルマの生命を彩っているのだな、と感じましたね~。
今までのポルシェと云うのは全体的に
ソリッドなスポーツカー。
それは「自然吸気フラット6」を前提とするシャシー性能とのバランスで構築されてきた物です。
シュン!と、バラランと軽やか且つドラマチックに回るエンジンを生かすハンドリング。
それは螺旋状に溝を切った
円錐の、その溝を回転しながら駆け上がる様な加速感と云うか尖鋭感を楽しむものだった様な気がします。
カレラ系がGT3になると、その円錐の「尖り」が鋭くなって回転速度も上がる感じ。
それが今回の718系ターボは、同じ螺旋を切った回転物でも
「円柱」になった感じなんですよね。
rasen posted by
(C)サンデ※イメージです
太くてトルクフルなんだけど、駆け上がる尖鋭感は希薄。
高回転へ向かって駆け上るエクスタシーを取り除いてしまったのかな?
実用域の扱い易さ=素人でもメーカーの宛がった「速さ」を享受出来る代わりに、引き出す術を失ったのかも知れませんね。
来年発表されるであろう、僕が超期待する
ルノーアルピーヌヴィジョンも2ペダル化されて、間違いなくこの手の特性になるのでしょうけれど。
それはそれで良いのかな?と思ったりもします。
それらが2ペダルで乗る「新しい時代のスポーツカー」なのでしょう。
ペダルレイアウトはともかく、アルピーヌが718的な万能感で出て来たら是非欲しいです。w
なので、今回のボクスターが今までのボクスターとまるで違うスポーツカーになっていたのでチョット面食らっただけでして・・・。
踏み倒せば今までよりも速く、それが安楽に表現出来るのだから悪い訳は無いのです。
718は、女性やスポーツカーでも飛ばさない向き=オシャレな道具としてポルシェ製のオープンカーを遣い倒せるセンスを持つ方には、今までの「走りヲタ」感が抜けたポルシェで街を流すという新しい使い方が無理なく出来て良いと思うんですよね。
カチ回さなきゃダメなんか?
というポルシェからのメッセージ。w
そして、実際サーキットや山に持ち込めば持ち込んだでバカ速いという正義。
そんな「万能のスポーツカー」それが新型718ボクスターって感じか?
来るべき高出力電気モーター駆動への布石なのかもしれませんね。
右ATのペダルレイアウトが許容出来れば悪くない選択だと思います。 ̄□ ̄)ゞ
「S」より素の2L乗ってみたいな・・・。