時代が移ってもFast Carが求められる世界

Fast Carと言っても、
速い車の話ではないのであしからず。











Fast Carと言えば、
自分たち世代なら必ず知っているであろう
トレイシー・チャップマンの歌です。

　
彼女の登場は、音楽シーンに大きな衝撃を与えました。

　
当時はスザンヌ・ベガも人気があり、
彼女のLukaとともに誰もの心の刻まれた歌。
２つとも、未だによく聴く曲です。



そのFast Carがルーク・コムズの歌によって2023年に蘇りました。
たまにお店などでルークVerが流れると
「あれ、なんの歌だっけ？」と思った人も多いことでしょう。



もともとカントリー、フォーク、ポップ、ブルース…、
ジャンレスな雰囲気があった歌でしたが、
歌詞はシングルマザーを連想させる主人公が、
仕事もないのに速いクルマで遊び歩いている旦那に対し、
あんたのその速いクルマでどこかへ連れて行ってよ！
行き場のない現実から抜け出したい女性が絶望の先にある光を求めた歌で、
その声は祈りにも似たものがありました。

今日行われたグラミー賞で、
ついにトレイシー・チャップマンとルーク・コムズの
デュエットが実現しました。

ヒットした当時も、あまり表舞台に出なかったトレイシーですが、
今、こうしてグラミーの舞台に立って、
変わらぬ歌声で光を浴びているのはとても印象的でした。




あの歌からすでに30年以上が経っていますが、
未だ変わることのないFast Carで歌われたアメリカの現実…　
今では格差が世界中に広がって、ますます悪化しているように思えます。