内燃機関にこだわる？

『CAPITO: WRC CAN NEVER RUN FULLY ELECTRIC CARS』

元フォルクスワーゲン・モータースポーツ・ディレクターのヨースト・カピトは、WRC（世界ラリー選手権）が次期レギュレーションで完全電気自動車を採用することに異を唱えた

現在のRally1レギュレーションは 2026年末に期限切れとなり、2027年の次期レギュレーションはWRCにとって、より多くのメーカーを引き付けるために極めて重要とみられている

コスト管理が重要な要素になる可能性が高いが、パワーユニットも重要な要素となるのは間違いなく、現在、Rally1のマシンはハイブリッドパワーを利用しており、これは維持する可能性もあるが、FIAは他の選択肢も検討する必要がある

しかし、フォード（M-スポーツ）で成功を収めた後、2013年から2016年にかけての4年間、フォルクスワーゲンをWRCで支配させたカピトは、主にスペシャルステージでの安全上の懸念から、ラリーで完全な電気パワーが機能することはないと考えている

カピトはDirtFishに「将来を定義するとき、レースの1つのカテゴリーを見るべきではないと思う。すべてのカテゴリーに目を向け、将来の技術は何を導入すべきか検討する必要があります。技術は他にもたくさんあります」とコメント



「かつては自然吸気エンジンだけでしたが、今ではe-fuel付きの自然吸気エンジン、水素、水素付き燃料電池、電気、ハイブリッドがあります」

「ラリークロスを見ると、電動化されたラリークロスは素晴らしい。パワーウェイトレシオは同じで、クローズドされたサーキットでエキゾーストサウンドがなくても、５分間のレースでスピーカーからアナウンスが聞こえるので楽しめて素晴らしいです」

「米国のナイトロクロスを見ると本当に素晴らしく、これらのマシンのパワーとパフォーマンスは素晴らしいです。ただ、ラリーではフルエレクトリックでは機能せず、その代わりにe-fuel等を使用する事が出来ます」

「ラリーではステージに観客がいるので、マシンのエキゾーストサウンドが無いと危険です。しかし、e-fuelを使用するとカーボンニュートラルとなる内燃機関を使用できるので、問題ありません。更に、現在チームが支払っている燃料代は、ガソリン価格より安いので、非常に迅速に移行できると思います」


WRC(世界ラリー選手権）ではすでに持続可能な燃料が使用されています

「ラリーは様々な路面の長距離を走行し、激しい戦いを見せる競技なので、それが解決策になると思います。自動車メーカーもe-fuel使用に取り組んでいますし、ルマン24時間レースに目を移せば、水素を燃料として使用する事を考えてます」

他の選手権では、複数のタイプのパワートレインがトップカテゴリーで競うことが認められていて、例えば、アウディの電動RS Q e-tronがトヨタやバーレーン・レイド・エクストリームのガソリンエンジンのライバルと対戦したラリーレイドや、WorldRX（世界ラリークロス）では、内燃機関のRX1マシンと電動RX1eマシンが混走するBattle of Technologies（バトル・オブ・テクノロジーズ）が先週末に始まった

しかし、カピトはラリーがそれに倣うべきでは無いと考えている

「私はそうは思わない。なぜなら、そうなるとパフォーマンスのバランスを取ろうとされてしまうからで、私はパフォーマンスのバランスが取れたモータースポーツが嫌いなんだ」と彼は言った


ヨハン・クリストファーソンの従来型ICEパワートレインが日曜日のWRXでニクラス・グロンホルムのフルEVに勝利

「1つのカテゴリーに、すべての技術を提供するべきではないと思う。何故なら、様々なカテゴリーにはそれぞれの特徴があるからで、ラリークロスをやるなら、完全電動が将来的だと確信しています」

「ラリーに関しては、e-fuelが理想的だというのが私の見解で、ル・マンやサーキットレースでは、水素も解決策になるかもしれません。つまり、メーカーごとにさまざまなカテゴリーとさまざまな提案があるということです」

「また、メーカーは1つの方向に進むべきでは無く、これらすべての技術の開発が必要です。。そして、特定の分野でこれらすべての技術が使用されるでしょう。そして、それはモータースポーツに反映されるべきと言うのが、私の個人的な見解です」

「すべてに当てはまるのが1つだけと言う訳では無く、これが現在と過去の違いで、本当にエキサイティングだと思います」とカピトは付け加えました

2027年のWRC テクニカルレギュレーションは、12月に開催されるFIA WMSC（世界モータースポーツ評議会）で承認される予定だ

－－－－－－－－－－

確かにカピトの言うように、ラリーマシンのフル電動化は難しいとは思うのですが、遠い未来、市販車がフル電動化されてしまうと、市販車ベースと言われる？ラリーマシンもフル電動化に舵を切らざるおえないのではないでしょうか？

そうなると、プリウス等に装備されているような近接音が出るようにするのですかねぇ？ｩ─σ(･´ω･｀*)─ﾝ…

まぁ、そうなったらそうなったで、現行のラリーマシンみたいな爆音を出すようにしてほしいですよね(^^;