『What happened to WRC’s obvious Rally1 candidate?』
モータースポーツには、チャンピオンシップの主要サポートカテゴリーの優勝者は、当然、翌シーズンにトップクラスの地位を獲得するべきであるという暗黙のルールがある
ラリーは常にドライバーに報いるわけではないが、近年では2024年のWRC2クラスチャンピオン(サミ・パヤリ)と2023年のWRC2クラスチャンピオン(アンドレアス・ミケルセン)が、Rally2での成功によりRally1カテゴリーに昇格している
では、エミル・リンドホルムのことを考えてみよう
2022年のWRC2クラスチャンピオンであるこのフィンランド人は、2023年にRally1に出場する事は無く、そのシーズンの途中で、いわゆる「ドライバー育成プログラム」の一環としてヒョンデと契約したことで、そのチャンスが近づいているかもしれないという希望が開けたが、それは実現しなかった
ミケルセンを破ってWRC2クラスのタイトルを獲得してから、2年後には同じカテゴリーでほとんど脚注にしか登録されなくなり、リンドホルムはもはや話題に上がらなくなったが、それはある程度、彼には合っている
「正直に言うと、私はそもそも注目されるのが好きではなかったから、目立たなくてよかった」と、彼は笑う
「でも、個人的には、言うまでもなく2024シーズンに満足していないのは明らかです。そしてもちろん、ドライブするのはいいことだが、私は結果にかなりこだわっているので、結果が出ないのは・・・辛かったです」
リンドホルムに何が起こったのか?そして、彼の将来のチャンスは何か?DirtFish は彼と率直に話し、その答えを探った
なぜすべてがうまくいかなかったのか
i20 N Rally2 でリンドホルムはなかなか結果が出なかった
リンドホルムのキャリアの軌跡を純粋に記事だけで判断すると、心配な話が浮かび上がる
2022年にチャンピオンになって以来、WRC2クラスで優勝したことはなく、表彰台にも上がらなかった
しかし、いつものように、記事は工程を考慮していないが、リンドホルムにはそれが十分にある
2023年半ばのヒョンデへの移籍は彼のキャリアを後押しするものだったはずだが、現実的にはそれが彼のWRC2クラスでのパフォーマンスを加速させることは決してなかったし、純粋なパフォーマンス以外の要素を考慮しなければ、シュコダ・ファビア RS Rally2を手放してヒョンデ i20 N Rally2に乗り換えることは、ほとんどのドライバーが選択することのない選択だろ。
そして、2024年に苦戦しているのはリンドホルムだけでは無く、彼のチームメイトのテーム・スニネンは、CHLスポーツオートに切り替えられた「ワークス」プログラムに苦戦し、リンドホルムは僅か10ポイント、スニネンはノーポイントだった
「WRCのような高レベルのスポーツでは、多くの要素が組み合わさってすべてがうまく機能する必要があると思います。もちろん私もその要因の1つですが、最終的にすべてをうまく機能させるのは非常に困難です」と、リンドホルムはDirtFishに語った
「そして、それが今年の失敗だと思います。例えば、マシンのパフォーマンスは年末に強くなってきていました。たとえばラリー・フィンランドでは、スピード的には望んでいたところまでには至りませんでしたが、すべてが順調に進んでいた時には、ステージウインに近づくことができました」
「確かに私もミスを犯しました。それは明らかですが、これはチームスポーツであり、完全なパッケージがそこになければなりません。だから、それができなかったのは残念です・・・それをまとめるのは決して簡単ではありませんが、それが今年完璧ではなかった理由だと思います」
結局のところ、リンドホルムはこれまでと同じようにチャンピオンシップを勝ち取ったドライバーの一人ですが、2022年のミケルセンの不運を指摘する人は多いだろう
リードしながら2度のメカニカルリタイア、そしてギリシャの開幕スーパースペシャルでのあの有名なミスだ。だが、リンドホルムはあの状況でも冷静さを保っていたが、はるかに経験豊富なライバルはそうではなかった
「あの年は運が良かったと、それには僕も同感する」と、彼は振り返る
「スーパースペシャルでのクラッシュを除けば、ラリー中は彼の方が速かったと言ってもいいだろう。だが、土曜の午後には1分ほどのマージンがあったので、いずれにしても・・・アンドレアスのように110%の力で走る必要はなかった。だから、そうだね」
要するに、リンドホルムは自分がまだトップに立てるという信念を失ってはいないのだ
リンドホルムは、自分がまだトップクラスのドライバーになるだけの力を持っていると確信している
「私がそう信じるのは愚かかもしれない。でも、過去にトップに立つことができたのだから、自分が下手なドライバーになっていないはずだと今でも思っている」と、彼は笑う
「コドライバーのリータ・ハマライネンと私は、このスポーツでまだトップの成績を残せるという信念が、私を突き動かしているんだ」
ヒュンダイへの移籍は間違いだったのか?
リンドホルムは、その質問について考えるために立ち止まる
「当時私たちが持っていた情報から判断すると、それが唯一の論理的な決断だったと思うので、移籍は間違いではない」と、彼は言う
28歳の彼がまだトクスポート・シュコダに乗っていたら、もっと良い状況になっていたかどうかを知ることは本当に不可能で、結局は残念な結果が訪れたのだが、ヒョンデへの移籍はRally1カーに乗れる可能性があったためであり、リンドホルムは実際にそれを実現したが、競技ではなかった
リンドホルムはロールアウトセッションでRally1カーを運転したことがあるが、タイムアタックは一度もなかった
「ヒョンデは間違いなくトップチームだ。社内にRally1プログラムがあり、リソースも豊富だ」と、リンドホルムは続ける
「チーム全体と一緒に仕事ができて、チームメイトと仕事ができて本当にうれしい」
Rally1プロジェクトも、ロールアウトやちょっとしたテストで、本当にたくさんのことを学びました
「フランクフルトに近いテスト場でドライブしました。ご存知のとおり、チームは指定されたテストエリアでこのようなロールアウトを行うことが許可されています。ですからそこでマシンをドライブしました。10回以上ドライブしましたが、本当にとても興味深かったのは、彼らがどのように作業し、どのようなトピックに焦点を当て、どのようにマシンをセットアップするかを見ることです」
「それはとても価値があると思います。ですから、私にとってこれらのロールアウトの大きなプラスはそこだと思います」
当然、リンドホルムはドライブしたいと切望しています
「つまり、すでに述べたように、私たちがヒュンダイに行った理由は・・・まあ、Rally1カーをドライブする可能性があるからだと言っても過言ではないと思います」と、彼は言います
「ですから、話し合い中です。テーブルに載っています。でも、そうですね、それは難しいですし、まだ実現していません。でも、先ほど言ったように、その話題をあきらめたわけではありません。まだそれを推し進めています」
次はどうなるのでしょうか?
リンドホルムは、少なくともトップクラスでは不確実な未来を見つめています
リンドホルムは、2025年のプログラムをすぐに発表できると予想していますが、おそらく再びヒョンデでWRC2クラスに参戦する事になるでしょう
「プログラムが正確に何になるかは言いにくいですが、それが目標です。そして、Rally1のドライブも期待しています」と、彼は微笑みます
しかし、リンドホルムは正確にはどの位置にいるのでしょうか?
リンドホルムがタイトルを獲得したとき、パヤリはWRC2クラスの一人のドライバーに過ぎませんでしたが、2025年に彼はトヨタの完全なRally1プログラムを獲得しています
それはリンドホルムにとって問題になりますか?
「本当に彼の活躍を嬉しく思います。彼はRally2で素晴らしい仕事をし、トヨタでタイトルを獲得しました。トヨタにとってWRC2クラス初年度です。これは大きなことです。WRC2クラスに新車を持ち込んで勝つのは簡単なことではありません」と、彼は語った
「つまり、ある意味では、サミは今そこにいます。彼はトヨタにいます。彼はフルシーズンを戦うでしょう。ですから、彼がすぐに私から何かを奪うとは思いませんし、正直に言って、あなたが言ったように、私たちは仕事に集中しています。今年良いシーズンを過ごして、結果を出せるようにすることに集中しています」
「さっき言ったように、サミの活躍を嬉しく思います。フィンランド人ドライバーがRally1に再び登場するのは確かに良いことです」
もちろん、別の見方をすれば、昨年Rally1のヤリスを操ったパヤリのパフォーマンスは、経験の浅いドライバーでもこれらのマシンに乗り込んでパフォーマンスを発揮できることを証明しており、リンドホルムの立場を有利に導くだけです
「実際、それはまったくその通りです。私が言い続けているのは、マルティンシュ・セスクスとサミの両ドライバーが、Rally2からRally1にステップアップしてもいい仕事をできることを証明したということです。5年間そこにいなければ成果を出せないという意味ではありません」と、リンドホルムは同意する
「だから、これはRally2のレベルを証明していると思います。数年前にはWRCはWRC2クラスよりはるかに競争が激しいという議論がまだあったと思いますが、その差は縮まったと思います」
「そしてサミは、WRC2クラスから来ても、最初のラリーですぐにステージ優勝できることを証明していると思います」
リンドホルムの目には、グラスには半分しか注がれていない様に見えています
彼は脚光を浴びることは好きではないかもしれませんが、自分のキャリアに再び注目が集まる必要があり、そのためには再び結果を出すしかないことを彼は知っています
「もちろん、私は期待しています。今年はより良いシーズンを目指して頑張ります。そして復帰して良いポジションを争えるようになることが私の最優先事項です」と、彼は結論づけた
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ヒョンデの今季のトップ3は、ヌービル37歳、タナック36歳、フールモー29歳と、フールモーの加入でようやく次世代につなげる事が出来るラインナップになり、マシンの競争力不足等の為に成績を残せなかった為と、トップカテゴリーへの昇格を逃し、外部から(M-スポーツ・フォードからの移籍)ドライバーを招いたので、今後の昇格は難しいでしょうね
本人は移籍は間違いでは無かったとは言ってますが、本心はどうなのか
確かに当時は、競争力のあるのはトヨタかヒョンデで、WRC2クラスから昇格を考えると、ヒョンデしか選択肢はありませんでしたからねぇ・・・
現状では、才能ある若いドライバーがトップカテゴリーに昇格出来ない状況であるのが事実
テクニカルレギュレーションの変更で、新たなメーカーの参入が待たれますよね