
みんカラでEGR制限プレートを付けるために、EGRパイプのフランジを固定しているナットを緩める際になめてしまう話がちらほらある。スタッドボルト・ナットの熱固着により外れにくいのか、結構やらかしでいるみたいです。
これを見ると、自分もEGR制限プレート付けてみたいとか、EGRクーラーを掃除してみたいとか、EGRフィルターをつけてみたいとか思った人も、手が出しにくいことと存じます。
そこで、正しいナットの緩め方をアップしますので、自信をもって緩めましょう。
●用意する物
・ラチェット式ハンドル(私はTONE:首振りはここでは不要)ラチェットの段数は最大の物を買うべし。5度送りが今のところ最高かな?埼玉55のようにけちると、後々段数不足でナットとソケットの角度が合わず少し苦労します。
・ソケット(ロングとショート各1個)
・ステンレスパイプ(延長用)
・潤滑スプレー(写真はグリス系ですが、浸透系クレ556でOK)
・手袋
・ショップタオル
●作業手順
冷間での作業をお勧めします。
(1)まずエンジンカバーを外します。
(2)潤滑スプレーをスタッドボルトとナットの間に押し当て、ワンプッシュ、チュッと一吹きします。余計なオイルは、ショップタオルで拭き取り5分ほど放置して浸透するのを待ちます。一番奥の部分は届きませんので、ショップタオルに適量取りまぶしてください。
(3)ハンドルにロングソケットをセットします。
①下の上が1番はじめです。
・必ずナットに直角に当てる。傾きは厳禁です。
・ハンドルヘッド部分を左手で持ち、ナットに押さえつけます。
・右手でステンレスパイプ(延長用)をハンドルの柄に差し込みます。
・じわ~っとトルクをかけると、ボルト・ナットのばね効果が緩み始め、潤滑油が浸透していきます。
・クイックイッとさらにトルクをかけると緩みます。(外しません)

↑↑↑5度ほど傾いた悪い例

↑↑↑延長パイプをつけた例
②下の下が2番目(最難関)
・①と同じ要領で慌てず、ソケットがナットに垂直に完全勘合していることを確認しながら作業を進める。
(4)ハンドルにショートソケットをセットします。
③上の上が3番目
④上の下が4番目
(5)すべて緩ませること(手で回せるレベルまで)が出来れば、工具はおしまい。手回しですべてのナットを慎重に外します。冷間時は素手を推奨。手袋しているとナットをエンジンのアンダーカバーへ落とす可能性があります。取ることは困難を極めます。
●ポイント
・予備のナットを買っておく事。座付きセレート無しのタイプです。スチールより、ステンレスの方が値段が高いが締め込み・緩ませ時滑りが良く使いやすい。
・メカオタクでボルトナットのばね効果を気にする人は、異材は伸び率が異なるのでスチールのまま。メカオタクはこんなところ見ないでもできますね。
・セオリーはボルト・ナット同材ですが、埼玉55工房ではこの部分がん締めは不要と判断しましたのでステン可としました。
・工具はチキンとしたメーカーの物を使う事。セット(ハンドル+ソケット各種)で安価なものは避ける。ハンドルの段数が少ない。
・長ハンドルより、通常ハンドルに延長パイプでやる方が、ほかの狭い箇所へ使いまわしができるのでお金がかからず良いかな。作業に不都合はございません。
・スタッドボルトが抜けてもあわてない。メック処理されていないので、簡単に抜けてしまいます。手でねじ込んで戻せばOK。埼玉55もねじロックで固定しようかと思いましたが、ボルトの山がへたった場合に、ダブルナットを付けて抜くのが厳しい箇所なので固定化はやめました。

↑↑↑4本中3本が抜けるようになってしまいました。長いのが上。戻すときはパーツクリーナーで要脱脂。
・締結トルクは、がん締めは不要。ナットの座がフランジにしっかり着座してから(ハンドルの柄を指2本で押しこれ以上回らなくなるところ)、くいっ、くいっと2回で45度~60度程度締め込む程度かな。ばね効果が出る程度。
※本式の締め方はくいっ、くいっせずに、トルクレンチでじわ~っとやりますが、指定トルクが不明なので、手トルク管理でばね効果が出るレベルにしております。
※手トルク管理とは手で圧力を感じて締めるように思われている方が多いと思いますが、そんな方法はありません。私がやっているのはたとえはボルトピッチ1回転が1.5mmの場合、45度は0.1875mm、60度は0.25mmボルトの伸びで弾性域でばね効果を管理しているという意味です。例ですので、実際これほどは伸びません。
分かりにくいな、トルク管理の回転角法の弾性域回転角法という管理手法です。ばらつきが出るのが難点ですがこれで十分です。関連リンクを貼っておきますのでチラ見してください。
・EGRパイプは見た限りでは取り付け面に対しがたつきもなく、フランジ部分の加工精度が高い上にメタルガスケットが付いており、熱膨張して密着度が上がりますので、この程度の締め込みで吹き抜けは起きません。
●まとめ
道具をきちんと準備さえすれば、簡単に緩みます。
■寄道話し+EGRクーラーの煤落とし
EGRはご承知の通り排気ガスです。少々吹き抜けても全く問題ありません。未燃焼ガスの吹き抜けは火災事故につながりますので大問題ですが、排気ガスはOK。煤を含んでいるので吹き抜け箇所が少し汚れます。車検はもちろんアウトですぞ。
極端な話し、EGRパイプを外したままエンジンをかけても問題ありません。温感時(暖気済)のアイドリング状態の場合、排気ガスがすべてEGRクーラーの出口からでます(マフラーからは一切でません)。

音がかなり大きく(サイレンサーついていないのでそらそうだ)、排気ガス臭くなります。長時間は知りませんが2~3000回転まで吹かしても警告灯はつきません。
★つまり、EGRクーラーの煤をホジホジしてそのままエンジンかけて煤飛ばしができます。ザルとショップタオルでEGRクーラーの出口に煤受けをしないと汚れます。電動ファンも近いので念のため動かないように養生テープで止めること。
アイドリング時はEGRバルブは閉じたままになります。トルクプロがないので吹かすと開くのかはわかりません。
●危険事項
絶対に公道を走らない事、お願いしますね。爆音がして整備不良で捕まります。
EGRパイプを外してエンジンをかけると、昔、速くなるかと思ってエアクリやサイレンサー外して乗ってみたスクーターを思い出します。
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2021/06/12 19:44:24