ミカドオイルさんのブログにDPFに詰まっているものの割合がざっくり出ています。どのような個体で取ったデータなのかは解りませんが、他の情報と合わせても大きな乖離は無いと思います。
◇燃える物(73%)
① すす・カーボン,41%
② 未燃焼エンジンオイル,25%
③ 未燃焼燃料,7%
◇燃えない物(27%)
④ 硫酸分,14%
⑤ 灰分ASH,13%
●DPF再生でなんとか燃えそうな物は73%、燃えない物は27%となると考えます。DPFの圧損限界値が500キロなので、燃えない物が27%詰まると365キロ毎に再生されます。硫酸分と灰分ですから例の石膏の話しですね。これはどうしようもありません。
●ところがなかなか、365キロ毎にはなりません。これはオイルミストとオイル上がりでDPFに廻って来た未燃性エンジンオイルがなかなか燃えにくいと考えられます。
●DPF再生はDPFに軽油をぶっかけません
DPF再生のメカニズムは過去に少し触れて電気が流れる話をした。煤に軽油をぶっかけて煤を燃やしていると思われている方がいるかもしれませんので少し解説を。
装置としては一体化されていますが、中身はDPFよりエンジン側にディーゼル酸化触媒(DOC;Diesel Oxidation Catalyst)というものがあり、ここで軽油が酸化する反応熱によりDPFを600℃以上まで昇温させ、DPFの煤が酸化して二酸化炭素に分解されます。
●埼玉55の仮説(これ以降は今まで検証してきた情報からの妄想です)
この時、煤はDPFから電子が移動し酸素と吸着し酸化反応しやすいので、煤の酸化反応により酸素は消費され、高温のガスが非常に酸素プアな状況になります。600℃といわれる残留酸素濃度の薄いガスに未燃性エンジンオイルは高温でいぶされて炭化(炭焼きの原理に近いな)して溜まって行きます。
オイルはCとHの化合物であり、燃える物質なので燃やしたいけれど中々燃える事が出来ない状況です。未燃焼燃料もCとHの化合物であり同じような話です。未燃焼燃料が大量に燃えるとDPF溶損のリスクもあるかと思います。
そうすると、DPF再生は①のすす41%だけ燃焼し、②と③は部分的には燃えるがすべてを燃やしきる事ができない。500キロ×0.41=205キロ毎の再生になります。そしてどんどん②~⑤が溜まって詰まりが進んで行きます。この詰まり具合の量により距離が短くなっていきます。
●強制燃焼
かなり時間がかかりDPF劣化リスクがありますが、いよいよの時は強制燃焼でじっくり②③を含めてDPF再生を行う事も有効な手段だと思います。再々行うようなものではありません。街中の駐車場では絶対にできませんのでディーラーにやってもらうのが安全でしょう。
強制再生は煤を焼き切った後も長々とやっていますので、酸素リッチな高温ガスがDPFに届き、②③を焼き尽くしてくれるのではないかと期待します。
スートルやらなんやら入れて何とかしようとする人がいますが、②③④⑤には一切効果がありません。酸化触媒に金属系を用いて①の酸化反応を350℃くらいでも反応するように促進しているだけで、DPFの問題状況は解決されません。
●歯止め
行きつくところはオイル選定(オイルミストの少ないタイプ)、オイル管理(希釈させない)、オイルキャッチタンク(オイルミストセパレーター)で、DPFに廻るオイル由来成分を減らす努力でしょう。
燃料で希釈されたオイルから発生するオイルミストは未燃焼燃料を多く含んでおり、オイルキャッチの黄色水の黄色成分と思っています。これは燃焼室でほぼ燃えずに、そのままDPFへ回って行き③となっている。
●RMC-3Eは?
DPFに滞留している②未燃焼エンジンオイルがカチカチに炭化していると効果は無いと思いますが、ベタベタの油性を保った状態だと、RMC-3Eの界面活性作用がオイルの結合を緩め、5~15μmと思われるDPFの気孔をいくらかは通り抜ける事ができるのではないかと期待できます。
※日本ガイシ製セラレックDPFフィルター 基材孔15μm、プレコート孔5μm、気孔率48%。マツダは情報が無かったのですが、大差はないものと思っております。
■寄道話し
ずいぶんDPFの話を真剣にしていますが、埼玉55はこんなもんいずれは詰まるだろうから吹けが悪くなったらDPF洗浄するだけと決めておりますので実際にはさほど気を使っておりません。仮説に対するツッコミや対論は大歓迎します。知っている事があれば教えてください。
Posted at 2022/01/19 18:11:03 | |
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