さて、10月30日(土)にピュンピュン号が2週間の入院からようやく退院した。お世話になった、サービス・営業マンにお菓子を持って受け取りに行った。
●退院後整備として決定しているやる事を整理してみた
・オイルキャッチタンクの強化★
・エンジン内部のシリジウムコーティング1回目★
・mPAOでの粘度調整
・IF-WS2の投入量調整
・尾瀬小繁ラインで負荷試験
・静音化計画のタイヤ組み込み
・ATFの交換
・ブレーキパッドの交換
今年はスキーに行くつもりなので、スタッドレスタイヤもどこかで調達して組まなければならない。
これらとは別に研究として
・DPF連続再生への道(セタン価57~)★
・煤の発生を抑える燃料添加剤はあるのか?(DBF-4編)★
・スカDのDPF酸化作用の原理(他メーカーのDPFとは異なる)
★は同時進行中
●オイルキャッチタンクの強化
ただ、強化するという事では、なかなか目標をクリアする事は出来ないので改めて基礎情報を整理してみる。
◆オイルミストの量は?
オイル粘度はW50弱に設定する予定で、W50粘度でのオイル消費量を調査した。エンジンオイルの基礎知識によると完全暖気後のテスト車のシリンダー中央の油温が120℃時の1時間当たりのエンジンオイル消費量を量った試験結果は次のとおり。
W30=6g/h
W40=5g/h
W50=4g/h
これを埼玉55に当てはめてみると最大月4000キロ走行し130hほど車を転がしている。
4g×130h=520g÷0.85(密度)≒611cc
計算では600cc強のオイル消費が考えられる。いかんせん、試験データが古いこともあり現代の加工精度の上がった車両では7割程度と推察するのが妥当かと思う。≒420cc、これがブローバイやオイル上がりで消費されている事となる。
オイルキャッチタンクは4000キロで80cc捕集できており、捕集フィルターを緩く設定したことにより、60%程度の捕集率と考える。
80cc/0.6≒133cc-80cc=53cc
★1ケ月4000キロ走行で53ccがインテーク系に廻って行ったことになる。これは驚きだ。べらぼうに多いな。毎月RMC-3Eをきちんとやらんとすぐにベタベタ煤が溜まってしまう。
あんたの乗車時間が驚きだわ。
◆次はオイルミストの粒径とターゲット
オイルミストの粒径は阪大の実験で0.2μm~7μmという事が解っている。このうち粒径0.9μm以上のオイルミストを捕集できれば、全体の90%を捕集できることが解っている。
過去の試験では様々な物をフィルター材として詰め込んだが、なんと羊の毛が一番捕集効果が高かった。今回は羊毛を復活させ0.2μmをターゲットとして、オイルミストをせん滅する事に取り組む。
◆材料について
羊毛は先人の研究論文からヒントを得て試験してみたが、断面形状がねじれてうろこ状のキューティクルがあり、かつ化学繊維には無い適度なちじれがある事で化繊より捕集率が高かった。ラーメンの手もみちじれ麺に濃厚スープがよく絡む現象と同じだ。
ダイソーで手芸用の毛束を買った。フエルト細工に使うようだが、毛はくちゃくちゃに丸めずに、束のまま縦長に使います。
◆フィルターの改良
今回はフィルター材の密度を上げずに、円筒状内部フィルターの長さを長くする(20mm→70mmへ)事により、フィルター材は緩めに詰めているが、オイルミストがフィルター材に接触する機会(確率)を上げる目論見である。密度と長さを調整しながら、OUTホースの内側のオイル付着状況で最適解を導き出したい。カインズで材を適当にそろえ70mmの筒を装着した。
★4段フィルター材構成
1段目 スチールウール少々
2段目 ナイロン系のフィルター4mm厚を5枚
--- ここまでは今までの設定で、これ以下が今回追加部分 ---
3段目 本数は定かでは無いが、羊毛1束だ。それを50mmほど
4段目 ナイロン系のフィルター4mm厚を1枚(羊毛の抜け止め)
羊毛の本数で密度調整、長さで接触機会調整をすることにより、ターゲットとする0.2μmのオイルミスト捕集に挑む。

以前のフィルター部分

今回のフィルター部分
●装着して試走
軽油にDBF-4を25ml、セタンブースターを100ml投与し、セタン価57(思っているだけで確証は無い)に調整した。エンジンオイルにレヴィテック Power Shotを投与して500キロほど試走した。

わざとオイルミストを発生させるためレッドゾーンまでぶん回している。まずは新しいフィルター材がオイルミストを90%以上捕集できていると見え、黄色みがかった水分のみ溜まった。フィルターはオイルを吸って黒く変色しているので、やがて真っ黒なオイルがしたたり落ちてくるだろう。
●結果の考察
結果から、水蒸気は通しているが、オイルミストはほぼ全量チャッチできると考えられる。冬場に長距離走って、羊毛部が目詰まりしないか観察をする。他の材は2万キロ近く走行試験を行ったが目詰まりしていないので問題は羊毛だ。
●効果の検証
簡単な方法としてはOUTホースの内側のヌルヌル感チェックで、今のところギシギシしている。念を入れてWタンクにして、下流タンクに油分が回って来るのか?という事で最終的な検証が出来ればいいと思案しているが、あまりに軽油が高くてちょっとしたことに余分なお金をかけたくないので、まずはワンオフの検証用装置を作る。
ブログ一覧 |
オイルミスト対策 | 日記
Posted at
2021/11/02 12:13:33