2021年12月08日
水の出やすい軽油・煤の出やすい軽油の関係について
小ネタをもう一つ
●オイルキャッチタンクに薄黄色の水分が溜まるという方が多いので、その量の多寡について話をします。
まず埼玉55のオイルキャッチタンクに水分は溜まりません。もっと寒くなると少し出ますがいまはZEROです。
水蒸気は出ておりますがマフラーから出ます。エンジンをガンガン回すと溜まりませんが、省エネ運転すると少し溜まります。
水分の正体は水でH2Oです。軽油は炭化水素なのでHとCの塊。理想的に燃えるとCO2とH20に変化します。
●このH2Oがブローバイに乗ってクランクからオイルキャッチタンクへ回ってきます。オイル粘度が希釈により低くなっている場合や、燃焼室の密閉性が低い場合はその量が増えます。また、エンジンに熱が入りきらない乗り方になるとピストンリングの膨張が足りず水分量が増えます。
●ピストンリングはわっか状でほんの少しだけ隙間が空いております。熱膨張すると隙間がふさがって燃焼室の密閉性が上がります。汚れで動きが悪くなっていると密閉性が上がらないと言われており、固着まで行くと派手に臭い煙を吐くとの話しなのでよっぽどのことが無い限りそうはならないでしょう。
経年劣化でピストンリングの摩耗やシリンダー壁のキズなどで、ブローバイガスが増えているという前提でオイルを1番手上げるのが簡単な対策となります。
★熱の入りにくい乗り方であれば、上より下の粘度が高いオイルを考えるのも手でしょう。経年車の物差し用のオイルはかなりお高いのですがTAKUMI AID SEAL 10W-40がベストです。下が91.13上が13.64と上はあまり高く無いが下がトップレベルの高いオイルです。
完全に熱が入ったときに上がもう少し欲しいオイルで、オイルミストが多いタイプです。オイルキャッチの捕集物は灰色系のムース状だったかな?
TAKUMIのFPBを半分程度投入し、2000キロ走行してもう半分投入し、4000キロで交換するサイクルが理想的な硬さを維持できます。
ガンガン回しまくる人には上の粘度が低いのでお勧めしません。経年車で、日常的には通勤で、休日はたまに高速で長距離ドライブをするタイプの方にベストです。
●さて、ここからが本題
軽油は炭化水素の化合物と言いましたが単一の化合物ではありません。ガソリンで100種を超え、軽油では同じ炭素数の異性体が飛躍的に増加するので数えきれないほどの化合物の混合液体です。
軽油の中には軽質なもの(Hが多め 例C5:H18)、中質なもの、重質なもの(Cが多め 例C10:H8))が混ざっており、油田と釜の温度管理により成分の比率が変わってきます。
つまり、原油や石油会社や製油所により水素量の多い(軽質)・少ない(重質で炭素量が多くなる)が発生します。だいたいJIS規格上の軽油という範囲のバラつきの大きな燃料を給油しているという具合です。
★ご想像通り、軽質分の多い軽油がH分子数が多く発生する水分量が多くなる。反対に重質分の多い軽油はC分子数が多く発生する煤が多くなる。
どこの石油会社がいいのかは解りませんが、比較的泡切れが良く(軽質分が多いのではと想像)、割引チケットで安くなる浦和美園のエネオスで給油しています。
同じエネオスでもスタンドにより泡切れの違いがかなりありますが理由は解りません。
●結論
オイルキャッチタンクの水分量が多い人は
・燃焼室の密閉性が低くブローバイ量が多い→オイル粘度上げましょう
・エンジンあったまっていないうちに走っている→燃費と相談しながら暖気
・入れている軽油の水素量が多い
ということで悩む必要はありません。せっせとドレンをしましょう。
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Posted at
2021/12/08 12:48:53
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