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埼玉55のブログ一覧

2021年05月11日 イイね!

なぜDPFが詰まるのか4

1.はじめに
本ブログは埼玉55がスカDエンジンを堪能するために基本的調子を整える必要があり、対策としてやっていることをまとめた虎の巻です。対策の基本の組み立てや知見は、今までのブログでほぼすべて紹介しており、リンク先の論文やマツダ技報を丹念に読み解かれたい。参考になればと思いまとめてみました。

2.心得
スカD2.2は煤とオイルミストとの戦いである。ある者は戦いに敗れガソリン車へ乗り換え、あるものは懲りずに対策型スカDに乗り換える。そして残された者は今まさに果てしなき戦いを繰り広げているツワモノである。

3.まずはじめにスカDの不具合あるあるを改めて列記する
●DPF詰まりによる、再生間隔の短期化と再生時間の長期化の影響で、燃費・出力・レスポンスの悪化。

●インテーク系統(ターボ前、インタークーラー、エアスロットバルブ、インマニ、吸気弁)にブローバイガスに含まれるオイルミストが付着する。

●大容量のEGRはクールドとホットの2系統あり、煤を含んだEGRを吸気系統に還流することにより、エアシャッターバルブ、EGRバルブ、インマニ、吸気弁に煤が固着する。この煤が前記のオイルミストと合わさり、しけった状態で固着し落ちなくなる。台所の油汚れは付いてすぐには簡単に落ちるが、熱を加えることにより強力に固着する。

●ピストンリングのデポジットによる固着でブローバイガスの増加やオイル上がりの増加が起きる。

●経年劣化でピストンリングの痩せとテンション低下でピストンクリアランスが広がり、ブローバイガスの増加やオイル上がりの量が増える。

●バルブシールが痩せてオイル下がりが増える。(これはピュンピュン号には出ていない)

●インジェクターの先に不純物が詰まり微細噴射ができなくなり、通常燃焼の不完全燃焼化とDPF再生時のポスト噴射で霧化出来なかった軽油がシリンダー壁を伝わり、クランクケース内のオイルを希釈する。

4.DPF再生を妨げている「もののけ姫の正体は」何か?
 〇 煤・カーボンが41%、
 △ オイル由来未燃焼成分が25%、
 × オイル由来の灰分13%、
 × 硫酸ミスト14%、
 〇 未燃焼燃料7%
 ※凡例:〇は容易に燃えるもの
     △は燃焼するのに時間がかかるもの
     ×はどうやっても燃えないもの

第一回のブログ「なぜDPFが詰まるのか」のリンクを参照願います。結論として、一般的に詰まっているものは煤という認知になっており、皆、煤が低温で燃える燃料添加剤に頼るが、その前に取るべき対策は×の燃えないものと、△の燃えにくいものをいかに増やさない(DPFに届かせない)対策が必要。その一つが、ポリマーが少なく、蒸発しにくいエンジンオイルを選ぶことです。

トルクプロの仕組みは存じませんが、単純にECUから情報を引き出しているだけだと認識しております。そして煤と思われている物質の発生量や堆積量は41%しかなく、他の59%について対策をとることがDPFの延命につながります。×の燃えない成分の詰まりが多いと改善することはありえなく、DPF洗浄が唯一の対策となります。煤の量はどんなに多くても容易に燃やせます。

5.対策の考察と実施

●厳密なオイル管理の実施。経年車で5000キロは厳しい。
→オイル粘度を劣化状況に応じて変える。新車はW-30、5万キロはW-40、10万キロはW-50、それ以上はピストンリングも痩せ止まりするので50を上限と考える。

高い粘度のオイルはDL-1には少ないのでC3やレーシンググレードからチョイスする。鉱物油のⅠ・Ⅱのグループは使用禁止。最低Ⅲ、できればⅣ。レーシンググレードは埼玉55流ですがディーゼル可の物に限ります。ガソリンエンジン専用であれば洗浄性と分散性が不足し、ディーゼルエンジンではオイルライン詰まりをひき起こします。

→3000キロ毎の交換を基本とし、オイルの燃料希釈がある場合は距離に関係なく交換する。※オイルレベルチェック時にオイルを少量指で揉んで艶・粘性・臭い(軽油)・ざらつきを確認する。毒性があるので指をよく洗うこと。

●オイルミスト対策としてオイルキャッチタンクで気液分離を高精度に行う。内部フィルターの強化(ここがミソ)が必要。

→金魚のストレーナーをかなり強烈に突っ込みろ過するイメージにしている。突っ込み量が少ないと気液分離精度がでない。理想は完全分離だが、ミクロン単位の相手にはストレーナーでは限度があることも事実である。

ストレーナーは抵抗となるので純度の低い鉱物油は詰まりを発生させる。詰まらせないレベルで要調整。タンクの抜き差し棒で詰まり具合を確認。埼玉55が使っているオイルキャッチタンクのみこの対策ができる。整備手帳「オイルキャッチタンクの清掃」を参照。

●ディーゼルウエポンとスートルの規定量を常用する。再生時間(距離が短くなったらクリーン目的の量へ減らし常用する)

●ピストンリング固着はエンジンオイルにバーダルリングイーズプラスを連続投与。2~3回。※これをしっかりやらないと、オイル粘度UPだけでは効果がでない。オイルの掻き残しでオイル上がりの消費が止められず、結局DPFがオイル由来成分で詰まる。5万キロ以上走ったディーゼルエンジン車のピストンリングが新品同様という事はあり得ない。不具合現象に至っておらずとも少なからずデポジットが周辺に溜まっている。定期的にやる。

●エンジン回転数を必要以上に上げない。ブローバイが増えるだけ。
※吹かして煤を焼いて吹き飛ばすという理論の人がいるが、今問題になっているのは煤ではなく燃えにくいオイル由来成分の量を減らすことである。対策が完了していない段階で吹かすと油温が上昇しオイルミストが増え、ブローバイガスも大量発生するので余計にオイル由来成分がDPFに回り込む。

ちなみに煤焼きという行為はマツダ技報で紹介されており事実です。先日のブログの「スカD2.2のKEとKFのDPF再生時間の違いについて」のマツダ技報にありますが、「捕集したPMを自己燃焼で酸化除去するのに十分な温度」を与えれば自己燃焼します。相当踏み込みますので私は意識してやることはしません。

●吸気圧センサー、燃料噴射学習はセットで定期的に行う。

●原因箇所を絞りこむために対策中はEGRリストラクターを外す。
 ※EGRを絞ると一定条件下では煤の発生が増えます。(トヨタの研究より)

■対策は1つ1つ行わずすべてを同時進行すること。この対策の全てが数ある原因への対策となっており、これだけやるということでは効果が出ない。

■対策はずっと続けるもので短距離で即効性があるものではない。
(1)オイルキャッチタンクの捕集した物質を観察し、たまに指にとり臭いとスラッジを確認する。毒性が強い物質があるので、よく指を洗浄すること。

(2)走行後はオイルフィラーキャップを開け、オイルミストの発生量と時間を確認する。もうもうとオイルミストが長時間出てくるオイルは×

(3)朝一のエンジン始動前にオイルゲージでオイルレベルを確認し、燃料によるエンジンオイルの希釈を監視する。LかHのどちらかに合わせ、1/4増加はもうアウト。2.5%以上の希釈状態にある。

(4)DPF再生間隔にこだわらず、DPF再生時間の短縮にこだわるべし。アクセル開けると煤が増える。大量につまっても煤だけならば簡単に燃える。

(5)排気ガスの臭いに常に注意し、臭いときはブローバイを疑いオイル交換を検討する。やや臭いときは完全暖気でおさまるが、オイルとしてはシール力が落ちてきている。5W-50はワイドレンジなので、ポリマー成分のせん断が進むと3000キロは使えるが目的の性能は持たない。

(6)アイドリングストップは常にOFFにし、DPF前段の触媒温度を下げないこと。

6.最後に
色々な不具合の原因があり、センサーや部品の故障は本対策の対象外となります。現在のところ埼玉55の知見はここまでであり、みん友がすでにご存じの対策方法でありますが、もののけ姫の正体をしっかり再認識のうえ、戦いを続けられることを願います。念のため、シェルルブロスの情報を再度リンク貼りしておきます。
Posted at 2021/05/11 23:23:43 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記
2021年05月11日 イイね!

アイドリングストップはどうなのか?

アイドリングストップはどうなのか?アイドリングストップは極力使用しない派です

皆さんはどうされていますか。スカD2.2のアイドリングストップはどういうわけか始動時振動が大きくブルッと大きく揺れます。もしあなたがブルッとしないのであれば他のブログを見ましょう。

エンジンのドライスタートが良くないという話は聞きますが、あくまで冷間時のことで一度掛かってしまえば関係ないと思われがちですが、今回のネタはピストン周りではありません。バッテリーでもありません。

盲点ですが、クランク軸受の話です。エンジン屋では常識なのでしょうが私は認識がありませんでした。ただブルッが嫌でOFFにしていただけです。

マツダ技報No.32(2015)-36によりますと、アイドリングストップを使用すると、クランク主軸受での金属接触の頻度が増加し凝着による摩耗が起きるとあります。

改良で摩耗の進行が緩やかな仕様を設定することができたとありますが緩やかでも必ず起きています。これはラボ環境下でオイル管理ができているという条件でしょう。

長い間大切に乗りたいならば、アイドリングストップの利用は控えるべきと思いなおしました。あのブルッになれると将来電気自動車に乗れない体になってしまいます。

今時ディーラでは軸受けメタルの損耗は修理できませんから、エンジン載せ替えか?電気自動車を買うのか?という恐ろしい判断を迫られることになると思います。私は電気自動車買えなくてKF買いました。

さて、ここからが本番です。スカDのクランク軸受の実測温度がFig.10に記載されておりますが、4000回転まで回した場合112℃と読み取れます。山道の登り坂を気持ちよくドライブして信号で1分停止。省エネオイルには十分な油膜保持が厳しい油温となります。

ましてや希釈されシャバシャバになったエンジンオイルでは、油膜の切れた状態でエンジン再始動することになりますので、軸受けメタルは徐々に損耗していきます。

スカDオイルにはモリブデンが配合されていると聞きます。モリブデンが保護膜を形成しドライスタートからしっかり守ってくれますが、残念ながらモリブデンは短命で3000キロは持ちません。

でもご安心ください。走行距離が2000キロを超えたらアイドリングストップを控えるか、DPFに影響を及ぼさない極圧剤をエンジンオイルに添加すればいいのです(添加剤はオイル交換時に入れましょう)。MAZDAさんオイルにお金掛かりすぎです。

寄道話し:私のブログは独断と偏見の決めつけなので読む価値はありませんが、もし読んで頂ける方は「さて、ここからが本番です。」の部分は是非とも私の好きなパナソニックのCMの綾瀬はるか調でお願いします。

マツダ技報やトライボロジスト系の研究報告はぜひ読んでみてください。寝る前に読むと5秒で寝れます。翌朝には知識がぎっちり頭に詰まっていることでしょう。
Posted at 2021/05/11 08:27:23 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記
2021年05月11日 イイね!

スカD2.2のKEとKFのDPF再生時間の違いについて


今年の2月に先代KEから現車KFに乗り換えました。KFは中古車であるが選定の基準を以下の通りとして、厳正な審査を行った。
1.ディーラー保証付きで安い
2.3年落ちで走行距離は7万キロ以内
3.渋滞の少ない地方都市の車
4.どノーマル車

実車は6万7千キロ。ディーゼルはある程度走っている方がDPFにいいだろうという単純な考えで、群馬県の関東マツダの下取り車をチョイス。3年で6.7万キロは1800キロ/月としっかり走っている玉でした。

DPF再生間隔は当初220キロ前後だったが、オイル粘度を上げて、オイルキャッチタンクを付けると走り方によるが300キロ台も出ており、再生時間は2.5キロ前後が多く5キロにはならない。早々と当たりだったと確信した。

前車のKEは22万キロ走行車で180キロ前後で再生が始まり、3000rpmをキープして7~8キロであった。この経験より、自分の目論み通りだったと鼻を高くしていたが、マツダ技報No.32(2015)-43に衝撃の事実が。

DPF再生時間の短縮により燃費の向上を図るため、新しいPM酸化触媒を2015年に開発していたとの事。そうなんですか!開発だけして、搭載していないなんてことはないよねMAZDAさん。

詳しくはリンクをお読み下さい。

寄道話し:煤飛ばしとかいう裏技を紹介している動画を見て怪しげな話し(DPF再生が終わった後に3000回転でしばらく走ると完全燃焼する)だと思っておりましたが理論的にはアリアリな話で、添付のマツダ技報での一節で自己燃焼として触れられておりました。「捕集したPMを自己燃焼で酸化除去するのに十分な温度」とあり、それを与えれば自己燃焼しますということになります。改良型のDPFだと450℃なのか600℃なのか分かりませんが、なり易いと考えます。相当踏み込みますので私は意識してやることはしません。
Posted at 2021/05/11 00:15:37 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記

プロフィール

「ディーゼルエンジンは初めての場合濃度濃いめが良いかもです
500ml位とか」
何シテル?   06/13 18:29
埼玉55です。よろしくお願いします。とにかく長距離ドライブするのが好きです。あとCX-5で未踏破の県は沖縄県のみ。 CX-5をKEからKFと乗り継いでいま...
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