
明日は遠出しますので、みんカラお休みします。少し早いですが、明日の分をUPしておきます。とあるみん友さんとオイル情報のやり取りをしてオイル粘度の見方について解説したものに加筆したお話です。数値計算は対比按分したもので、必ずしも正確ではございませんが、誤差は問題にならないレベルと考えております。
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ラブカと聞いて私のオイル計算表で動粘度からの一般的に言われる特性を記しました。あまりこだわると私みたいにオイル地獄で苦しみますので、数値で追いかける
よりフィーリングを大切にあくまで参考としてごらんください。
Aさんのケース 11万キロ
◆走行距離より適正粘度
●W-30 新車から5万キロ クリアランス30μ
●W-40 5万キロ~10万キロ クリアランス40μ
●W-50 10万キロ~ クリアランス50μ
これより、適正粘度はW-50となります。これはピストンリンクの摩耗とテンション低下により、クリアランスが広がり圧縮不足を起こすので、油膜を厚くして吹き抜け(ブローバイガス)、オイル上がり、オイルの燃料希釈を防ぐ目的の、一般的な管理方法です。クリアランスについてはエンジンにより異なりますので参考値です。
詳しくは 「5/4 オイル粘度について」、「5/5 オイル粘度について2・・・」をご一読願います。
◆SEA粘度規格 100℃の動粘度(150℃)
粘度:センター値 範囲下限<範囲上限 ()カッコ内は150℃時の耐焼き付き
20: 7.45 5.60 < 9.30 (2.60) [1粘度=0.37ピッチ]
30:10.90 9.30 < 12.50 (2.90) [1粘度=0.32ピッチ]
40:14.40 12.50 < 16.30 (2.90) [1粘度=0.38ピッチ]
50:19.10 16.30 < 21.90 (3.70) [1粘度=0.56ピッチ]
60 24.00 21.90 < 26.10 (3.70) [1粘度=0.42ピッチ]
※150℃時2.6以上ないとオイル膜が薄くなりすぎて エンジンが焼き付くことがあります。希釈すると当然下がります。
★LOVCA DEISEL-SPORT 0W-40 16800円 40℃の動粘度/73.93、100℃の動粘度/13.22
■評価
・本来50がターゲット粘度であり、密閉性に関しては大きく能力不足かと思われますので、粘度向上剤で調整する事を前提にお勧めできるオイルです。
・ラブカは計算すると、0w-41.89と40の中では下が0Wなので柔らかく冬季始動性に優れる、上が40の下限値に近いのでサラサラの省エネ系の40と言えます。40としてはサラサラですので、高回転時の吹け上がりが軽やかで気持ちがよい。
・反面、燃焼室の密閉性はやや低くアクセルの付きが良くないのと油膜が薄いことにより40としてはメカノイズが大きい傾向があります。
■増粘剤での粘度調整方法
・入れてみて、粘度が足りなければTAKUMIのF.P.B(1200円/本)を1本入れると、SEA粘度が+5になりますので、計算上46.89となりギリギリOKかと思われます。
■注意事項
・希釈が進んでから入れても目標の粘度に達しませんので、オイル交換と同時がベストです。
・粘度向上剤はポリマーであり、有効性は最大2000キロ程度とお考え下さい。
・おそらくラブカ+増粘でも粘度上、4500rpmまで回すと吹き抜けを起こし希釈がでます。
※50のDL-1はありませんので、この対策でOKです。
■ラブカの特性
基油の性能の良さ(データーが見つかりませんでした)により、増粘剤(ポリマー)を極力控えて、粘度低下やスラッジ化(ポリマーの死体)を低減している。と謳われております。断定できませんが、ポリマーが少ないのに40をクリアしている場合、もともとの基油の粘度が高くオイルミストが少ないタイプのいいオイルである可能性が高いといえます。
■DL-1とは
硫酸灰分(DPF詰まりの犯人;アッシュ化)を低くし、低粘度で省エネ性を確保しているオイルであり、高性能オイルではありません。オイルミストの指標である蒸発損失率が15%以下という非常に緩い規格のため、質の高くない鉱物油でも規格を通り、DPFへオイルミストが回りアッシュ化を引き起こすものが多数存在します。
蒸発損失率は大体公開されていないので、解りようがありませんが、ガッツリ走って・止まってオイルフィラーキャップを開けて長い時間モウモウとオイルミストがでていれば、DL-1の中でも問題のあるオイルと判断します。新油はしばらくは多く出ますが、通常1000キロ以内に落ち着いてきます。
オイルキャッチタンクをつけると一目瞭然となります。
以上がオイル粘度管理の一般的考え方です。
他にもインジェクター詰まりと燃焼室のデポジット(ピストンリング周り)がオイル希釈の原因となります。まずはオイルから初めてください。
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■寄道話し:以上がみん友さんとのやり取りです。あくまで目安ですが、買う前に40としては、どの程度の性能なのか?素性が解ってきます。30の中でも20よりの30、40よりの30により性能が大きくかわりますので、市販オイルを入れる方はチェックしてみてください。
オイル粘度を50(市販品では売っていませんが、ミカド商事で基油のmPAOを買って、手持ちのオイルに添加剤的にブレンドすれば作れます。が粘度計算はブレンド比には比例しませんので素人が目的の粘度にブレンドすることは極めて困難です。)にするとどうなるのか?
吹き抜けがほぼなくなるので、アクセルの付きが極端によくなり、低回転でのトルク感が半端なく上がる。半面重いので、4000以上の吹け上がりに軽やかさがなくなる。油膜が厚いので、安心してレッドゾーンまで回せる。オイルミストの発生が極端に少なくなる。エンジンオイルの希釈が大幅に減少する。
Posted at 2021/06/12 23:45:42 | |
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