
究極の添加剤「IF-WS2 無機多層フラーレン二硫化タングステン」をオイル交換時に入れました。前はTAKUMIのX-TREAM 5W-50(計算上SEA粘度55.18)に「WS2 二硫化タングステン」を入れており、これもただ者では無い性能を発揮しておりましたが、この際、究極というものを体験しておこうと同じオイルに投入。
IF-WS2についてはミカド商事さんの関連リンクを貼っておきます。
まずは、なじませがてら燃費を図ろうと、埼玉⇔猪苗代湖の往復500キロのコースを設定し朝5時に家を出発。新国道4号線バイパスを周りの車の流れに沿って、矢板まで流してきましたが、エンブレが全く効きません。いつものブレーキの踏み方では停止線をオーバーしてしまいます。かつて停止線をオーバーしたことは一度もありません。(嘘つけ!)
何かの間違いでは無いのか?と思うくらいエンブレが効かず、シリンダーとピストンリングの摺動摩擦が感じられません。方や、クランク軸受部のメタルは55.18という高粘度に絡み取られて、4000rpm以上の吹けがオイル粘度に負けています。よって、今日は燃費は出ないと判断しました。
本来、走行を重ねて2000キロ程度走ると、基油のポリマーがせん断され粘度が程よく下がってきて、18~19キロ台の燃費が記録されますが、この様子では精々17止まりかと思われますので、燃費は別日にチェックする事にしました。

●西那須野あたりでどこか峠は無いのか?と8年ぶりにこのあたりの山登りを検討した結果、イニⅮゆかりの峠をチョイスしました。
1.八方
2.塩那(写真は塩那です)
3.もみじライン
よだれもののゴージャスさです。中でも塩那のヒルクライムはエンジンの真価が問われる坂で、トルクと馬力の両立が求められます。林道パトロールのトルクだけでなんとかなるレベルとは訳が違います。
いろはの登りもありますが、直線区間が短くヘアピンが続きますので、ハードさ加減は碓氷を全開で登るイメージでしょうか。※異論がある方は教えてください。試走しに行きます。
●結果、やはり上が吹けない。オイルが堅すぎるという事になりました。前車ではTAKUMIのDL-1で10W-40を使っていましたが計算上SEA粘度は43.00です。2000回転でのアクセルの付きがやや弱いのと、4000回転台のブローバイの多さ、オイルミストの量、スラッジの質から、現行の5W-50へ変えておりました。
動粘度43では不足し、55.18では過剰というピュンピュン号のエンジンの状態に合わせ、久しぶりにオイルブレンドで粘度を調整します。オイル替えたばかりなので、実施はひと月ほど先になります。
●皆さんは、粘度の違うオイルをブレンドしたことがありますか?埼玉55は混ぜ物大好き人間ですので、季節によってブレンドを楽しんでおります。基油の素性と添加剤の相性で混ぜてはいけないものもありますが、効かないだけで悪くなる(うなぎと梅干の食べ合わせのように)ことはありません。(迷信だろ!)
●メーカーは設計通りの性能にならないからと必ず反対しますが、全く分かっていませんね。メーカーが作ったブレンドで性能が足りないからブレンドしているのです。走行距離7万キロのスカDエンジンに合うオイルを作ってくれたら、そのまま買います。MAZDAの言う事もオイル屋の言う事も完全無視ですね。
●さて、ここからが本題です。粘度30と粘度50を2.5リットルずつ混ぜると粘度40ができるのでしょうか?
答えはブッブーです。中途半端な店ではこのような事をやっているようですが、ブレンドは必ず粘度を数値で追いかける必要があり、今日はそれをご紹介します。埼玉55流ですが、これで精度の高い数値化が可能です。

まずは、いつものSEA粘度表ですね。

細分化して、早見表を作っておきます。今回は使いませんが、ネットで買うオイルのSEA粘度が40なのか41なのかがはっきりします。100℃時の動粘度の数字情報が必要です。聞いたら教えてくれると思います。

混ぜ合わせる手持ちのオイルを一覧にまとめておきます。
★ブレンドの極意は、上から下へ下げるのが基本。下から上へ上げると同じ粘度50のオイルをブレンドしても、オイルミストの量が多くなります。また、全体の性能が、下に引っ張られる傾向があり鉱物油・部分合成油を混ぜると、もう鉱物油の特性のオイルになってしまいます。
単純に基油の粘度特性で、「VHVI(HIVI)<PAO<エステル」で粘度が高くなり、結果オイルミスト(蒸発損失率)が少なくなって行きます。mPAOのようにオイルミストがずば抜けて少ない物もありますので、一概には言えませんが、ほぼ基油の種類で値段に比例しますので、VHVIの量を少なくなる様にブレンドするのが極意です。でもVHVIの特性のオイルになります。

ターゲット粘度:55.18-(55.18-43)÷2=49.09
本来粘度調整は、上と下のセンター値を作り、評価してそれよりどれくらい上げるか?下げるのか?でやると2回で済む可能性が高い。今回は手持ちオイルの残量の関係上、5W-50(4L)と0W-30(1.6L)を混ぜて、5.6リットル粘度50.48を作ってみます。
イメージでは粘度を5程度下げるという事です。添加剤を500ml入れますので、合計6.1リットルでレベルゲージ「H」合わせ。
評価は、3000キロ走行してオイル希釈が2.5%以内か?ブローバイの量、オイルミストの量、スラッジの質、高回転時のエンジンの吹け方をチェックして行きます。予算の都合と峰岸モーターズさんの迷惑を考えて、季節に合わせて3缶でブレンドのやり繰りを回していきたいと思います。
確実に夏を越しますな!
●まとめ
・オイルのブレンドは数値で管理する
・上から下へ下げるのが鉄則(オイルグループを意識)
・鉱物油、部分合成油は厳禁
・だべ合わせ(うなぎと梅干)はエステルの極性だけ注意する
・評価を行う、お金を無駄にしないため
■寄道話し
ようやっと、娘に滞納金の支払いを済ませました。これでネットショッピングの配達におびえる日とはおさらばです。でも手持ちの研究資金はすでに底をついておりますので、夏ボまで目立たぬように!急がぬように!なんかの歌だわ。
車弄りように借りたトランクルームに宅配してくれるといいのだができないかな?
エステルの極性について、一言。エステルは極性というものがあり、金属にまとわりつきます。せっかく有機モリブデンをぶち込んでもエステルが先に陣取っており、モリブデンが膜を形成すのを邪魔します。PAOベースにエステルをブレンドして有機モリブデンを添加している市販オイルの場合メーカーの技術が光ります。
この場合は、追加で有機モリブデンを入れるより、IF-WS2のような固体ベースの添加剤が、コロの効果が出てイメージを覆す変化があり面白うございます。
●注意警告
TAKUMIのSN/CF相当記載のオイルはDPF装着車には通常使用できません。DPFのついていないディーゼルエンジン対応のグレードになります。DL-1規格は硫黄0.5mass%以下、リン0.1mass%以下、硫酸灰分0.6mass%以下、蒸発損失15%以下です。
オイルキャッチタンクでオイルミストを徹底捕集するセッティングを行った上で、下手なDL-1より安全だと勝手に判断して使っているだけです。DPF装着車はDL-1もしくはC3のグレードから選んでブレンドにご利用ください。
⭕️6.16追記
サーキット走るようなレベルの人はプロが使うブレンデングチャート表で管理してください。
http://web.kyoto-inet.or.jp/people/macchann/hiroshi/blending.htm
Posted at 2021/06/15 21:47:19 | |
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