皆さん既にお忘れでしょうが、EGR制限プレートの可否問題、まだ調べていました。ようやく資料が見つかりましたので、アップしておきます。
先日来、RMC-3EのEGRバルブ経路への施工を行っており、その際、EGRパイプを外してエンジンをかけます。すると、吸気はほぼEGRバルブから取り込まれ、排気はほぼEGRクーラー出口から排出されます。
このことは、ターボがほとんど回っておらず、吸気口からエアーが吸われず、マフラーから排気ガスが出ない、変わった経路が現れ、いかにEGR経路の流量が大きかったのかを改めて認識した出来事です。
そこで、解ったようで解っていないスカDエンジン。最近のマツダ技報は確信の報告がなされていないので、関係ないだろうと開かずに捨てていた2007年のマツダ技報に戻り、スカDエンジンの仕組みの根源を理解した。
詳しくは関連リンクのマツダ技報告を熟読されたい。
キーワードがちらほら見えてきたと思いますが、整理すると次の4点
1.大量EGR(量:EGR比)
2.EGRの温度コントロール(温度:低温)
3.余剰酸素量による発生SOOTの後半での燃焼(酸化化学反応)
4.燃焼にはNOxを抑える領域とSOOT発生を抑える領域があり、両立した領域をターゲットとしてコントロールしている。
この研究から低圧縮比による上死点着火へ進化し、スカDエンジンが誕生している。
★ここで大事なのは、EGRの量を減らしてはならない。EGRの温度コントロールを妨げてはならない。この2点が明らかになった。
EGRは埼玉55が想像しているよりはるかに多くの量が使われており、その量と温度が繊細なバランスの上で、両方の環境問題を両立させていることが解った。
★安易なEGR制限プレートはこのバランスを破綻させるので、お勧めしないことにする。特にΦ11以下の極端にCOOL経路を絞った場合は注意が必要だろう。EGRパイプ断面Φ25に対する流量の減少は単純な断面積比である。
埼玉55の実証ではΦ18でおとなしくなり、Φ20でホイルスピンすることがへり、Φ22で従来の滑らかな加速と高回転時の伸びがよみがえる。
9や11では1500とか1750回転からでも力強さを感じたが、その弊害は煤が増え、窒素酸化物が増え、燃費が悪化し、4000より上が吹け切らない。
もちろんエンジンの回し方にはコツがあり、トルクバンドで走る領域とパワーバンドで走る領域がある。上はやはりパワーバンドです。
高負荷時は、HOT側が単純に増えて補ってくれそうだが、COOL側のEGRバルブが開かれているとき、HOT側は流量がバルブで絞られコントロールされているのでそうはならない。かつ、温度コントロールができなくなっている。
●結論
マツダ技報より、少しの変化で4の各領域を行ったり来たりはみ出したりして、両立したターゲット領域におさまらなくなり、理想の燃焼状態を崩してしまう。理解したうえで、自由に楽しみましょう。
Posted at 2021/07/19 22:04:07 | |
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