2021年08月25日
以前のブログでご紹介したオイルを高負荷長距離実走試験をしました。
●Cumic(キューミック)5W-40 SP/CF C3 VHVI 1.4万円帯
100℃時動粘度44.74
◇EGR制限プレートは無し
◇タクミのFPBで粘度を3プラス47.74とした。
◇バーダルの遅効性エンジンクリーナーを入れており、オイルとしては汚れやすく油膜保持には厳しい。
◇雨が多く外気温は30℃以下と夏のオイルの耐久試験としては条件が満たせていない。
◇新油馴染み後の評価
◇車体はCX-5 175PS版KFのFFで8.4万キロ走行車。事前にリヴァネスRMC-3Eで丹念にカーボン退治を行っている。
◇エンジンヘッドカバーは付けたまま、オイルフィルターの所のアンダーカバーは通風排熱のため外している。
●4500キロ実走
4500キロ中、2500キロ以上は山道という超ハードな設定をした。
●結果考察と評価
・高負荷時の耐久性(距離):キューミックは4500キロで劣化は小。日中温度の高い時間帯や上り調子の負荷が高いところではメカノイズが増えるが、平地や夜間の気温の低いときは実に静かで滑らかに回っている。オイル交換時に指にとって揉んだが、粘度がまだまだ高く艶もありあと1000キロは普通に走れる。
・4500rpm時のエンジンの保護性能:山岳路で4500rpmまで連続して安心して踏み込めるか?2000~3000rpm強までは少々ガサツキが出ているが、そこから上は爽快なフィールできれいに回る。赤城山の裏(県道251)で3000~4500rpmまで回して登ったが何ら問題は無かった。エンジンマウントが劣化しており中回転域の振動やガサツキに繋がっているとも考えられる。
・1750prmからのアクセルの付き:燃焼室の密閉性能がもたらす独特の感覚だが、街乗りのしやすさにもつながる。トルクで乗る人はここを重視すべし。粘度50と比べると明らかに劣るが、スカDオイルとは比べ物にならないほどアクセルの付きは良好。
アクセルの付きをもう少しと求めるなら、必要以上にオイル粘度を上げるのではなくセタンブースターでセタン価を55程度に調整する方が一発で効果が出てコストも安く賢明である。粘度を上げすぎるとかなり高価なFM剤を入れないと燃費が悪化します。
・全体の滑らかさ:キューミックはFM剤(有機モリブデン)が入っていないので不利ではあるが、油温が高くない時は実に滑らかなフィーリングである。良質なFM剤を入れるのが楽しみになる基油である。
・ブローバイの量:2000キロを超えたあたりで4000rpmでの限界負荷では排気ガスからブローバイ臭さが出ているので吹き抜け量がやや増えていると感じる。加速力は十分なので最大負荷を掛ける人はFPBで若干粘度UP調整が有効と思われる。どの様なエンジン車もブローバイはあり、それが悪ではない。量が多すぎると問題につながる。
・オイルミストの量:粘度50のPAO+エステルと比して、キャッチタンク内の汚れ方は大きかった。オイルフィラーを開けてもすぐに油煙がおさまるので、C3の特性の高温時油膜の粘度が維持できており、蒸発損失率はかなり低いオイルと思われる。
・オイルキャッチ物の量:キューミックは黒茶の粘度が高めのオイル状が少量。捕集物に変な混ざり物が出ていないので、不純物が少なく、質の悪い添加物は入っていないと感じた。
・オイル希釈:希釈は無し。
・新油となじみ後の差:新油となじみ後の差がほぼ無く使いやすくて良い。恐らく蒸発損失率は5%前後ではないかと思われる。DL-1は15%程度、良質な物でも9%程度と聞く。
・燃費:適正粘度設定の追い込みが出来ていないがフィーリングがすこぶるいいのでセッティングが決まったら、燃費チャレンジをしてみます。燃費は発進の仕方と減速時の滑空に大きく左右されます。寄道話しに当たり前だけどというレベルですが発進のコツをまとめました。
・DPF再生間隔:チェックできていませんが、これだけの負荷を掛けたのにオイルミストが極端に少なかったことより相当に良好と思われる。ピュンピュン号がこっそりやっているのだろうが、最近DPF再生しているのを見かけない。
●まとめ
このオイルに関しては経験値の積み上げが無いので、今回の実走経験よりハードな走行を行う場合、35度を超える真夏は少なくともなにがしかの対策(エンジンヘッドカバー外しやオイルフィルターヒートシンクなどの熱対策)が必要であると感じた。街乗りでは不要。粘度の割に軽やかに吹け上がるのでスカDを回して山道を走るタイプと特に相性が良い。
オイル替えるより先にリヴァネスRMC-3Eでしっかりカーボン落としておくと激静かになります。
このオイルのミソは燃費が良く、連続高負荷にもすんなり耐え、ロングライフで、DPFにやさしい。
VHVIでモリブデン無添加のオイルとしては、性能・コストともに群を抜いているというより、今のところ比較する同グレードの相手はいない。特にこの4月よりSNグレードからSPグレードへグレードアップしており、オイルとしての性能が格段に進歩しているのにこの価格は他には無い。しばらくはこのオイルをベースにオイル管理を組み立てることとした。
■寄道話し
停車からの発進について。スカDのATは1~2へ自動シフトアップするときにロックアップせず抜けてしまう回転数がある。あまりの減速比のちがいからシフトショックを起こさないために抜いている物と想像しますが、ここで一気に燃費が悪化するので一般的なAT車の対策を記します。
対策は発進時、必ずクリープさせることである。少しクリープさせてアクセルを少しだけ付けてやると、タイヤの転がりが各段にスムーズになり、車速に応じでアクセルを踏み増すと抜けが防げる。そのまま何事も無かったかのようにどんどんシフトアップして行く。ここらはテイクさんが上手そうだわ。
そうやって1~2速はタイヤの転がりをしっかり作っておいて、加速は3速から4速で60キロ強まで。あとは流れに合わせて定速走行へ入る。燃費は確実にいい数字になりますのでお勧めです。
これは誰かがATを長持ちさせるコツとして車動画ネタでやっていたものです。
Posted at 2021/08/25 18:37:06 | |
トラックバック(0) |
エンジンオイル | 日記