
DPF再生間隔対策について色々試験をしてきたが、入手できないものであったり、価格が高くて常用できないものであったりと結果が出ていない。仕方が無いので最終兵器を出しました。
埼玉55工房の主任研究員の調査によると燃焼時の煤の発生を左右するものは次の3つ
・燃焼温度
・EGR量
・空燃比
このうちEGR量は40%が必須で、理想空燃比を1とした場合1~2(2が燃料リッチ)の範囲であれば燃焼温度条件を満たせば、燃焼時の煤が発生しない無煙燃焼領域にあてはまる。非常に範囲が狭い領域で走り方だけではコントロールでないことは解っている。
●つまりもっとも支配的条件は燃焼温度であり、それを裏技でコントロールしようという話であります。
具体的には1600K~2000Kにコントロールしたいのだが、冬場は1600Kに達しない(計算では1427K)事が多く、アクセルを開けると簡単に煤が大量発生する。発生した煤は燃やせばいいやという考えでありスカD2.2はそういう基本設計のエンジンです。
2000Kを超えると煤は発生しないがNOXが大量発生してくるので環境基準の要件を見たすには高ければいいというものではない。
●DPF再生間隔の変化
SH型エンジンはインマニのEGR合流部分の煤固着状態によりEGR量が充分確保できていないケースが多いので、個体差の大きな話しとなる。埼玉55のピュンピュン号の例で言うと。
■夏場は常時300キロ台でたまに400キロ超
■冬場は常時200キロ台でたまに300キロ超
●施工方法
埼玉55工房のチーフメカニックが300円台の銀色アルミテープをインタークーラーの前面90%にペタペタ貼り付けた。
かなりカッコ悪いが茶色のガムテープよりはましだろう。いつか黒に替えたいな。試験中でありどうせ貼ったり剥がしたりの調整を繰り返すので、美観は後回しとなった。
●吸気温と燃焼温度の関係
以前読書の勧めでご紹介した日本財団の電子図書館のデータから、吸気温度20℃の変化は燃焼温度100℃の変化をもたらす実験データーがある。
●インタークーラー出口の温度
インタークーラー直後は測れないので吸気シャッターバルブ当たりの鉄金物部分に磁石付き200℃温度計をセットして秋口から毎日データーを収集している。結果は外気温と走行方法に大きく左右される。
■施工前(秋口)
55℃~85℃
■施工前(初冬)
35℃~65℃
★施工後(初冬)
50℃~95℃
ゆっくり定速オートクルーズで流すと温度が低く、積極的にアクセルを踏んでいくと温度が上がります。
概ね15℃~30℃の差があり、燃焼温度では100℃以上上げる事ができていると考えます。95℃の時は裏赤城を全開で登った時の温度で普通のワインディングでは85℃程度になります。
低い方を65℃まで昇温させたいところですが、たまにヒルクライムをするので燃焼温度が2000Kを超えないように程よい温度調整が必要となります。
場所的にはEGR合流部分の熱影響がある部分でインタークーラー直後とは30℃程度の差があると思われる。トルクプロなどで見れる人はチェックしてみてください。
●重要なのは、概ね15℃~20℃温度を上げる事が出来た事により、燃焼温度が100℃上がり、夏場の燃焼温度条件に近い状況にあると考えます。
●データー取りはこれからですが、温度調整がこれでいいのか?不明な点が多いので、条件を少しづつ変えながら走行実証試験を続けてLOGを取ろうと思う。いきなり400キロとか出るとうれしいな!
■寄道話し
インタークーラーも冷やしすぎは良くない。ユーザーとしてはインタークーラーの前面にシャッターを付けて、夏は全開、秋口に少し絞り、冬は全閉と調整できるようにしたいものです。
得意のガムテープで作るんか?
・・・
せめて黒にしておけ!
Posted at 2021/12/14 12:27:34 | |
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煤対策 | 日記