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2024年06月13日

昔の航空写真を見て

昔の航空写真を見て 国土地理院が昔の航空写真を公開しているサイト(https://maps.gsi.go.jp/)を見つけたので、私が生まれ育った地を眺めてみました。
写真を見ていると、まだ感慨にふけるには早いと思いつつも、昔のことが思い出されますね。


まずは、1961〜69年の写真です。


この写真で、右上から右下左下へと蛇行して流れる川と、ど真ん中上から左下に続く道、ど真ん中上から右真ん中に続く道で三方を囲まれたエリアが、私が生まれ育った地区です。この時代にはほぼ田んぼしかなく、民家もほとんどありませんね。

農家の次男として生まれた父が、結婚を機にいくつかの小さい田んぼの贈与を受けてそのうちの一つに家を建てたのが、昭和39年頃のことです。この写真にはその家は写っていません。まだ本家の田んぼだった頃です。そこから考えて、この写真は1963年(昭和38年)以前、すなわち1961~63年に撮られたものだと思います。父が結婚前なので、当然私はまだ生まれていません。

私の最も古い記憶にあるこの辺りの道は、まだ舗装されていませんでした。なので、この写真に写っている道路は、まだ舗装されていないはずです。

そのエリアの隣の左下の丸を付けたところに、長屋の集合が写っていますね。ここは今もある平屋の市営住宅です。ここに住んでいた友達も何人かいて、併設の公園もあった(「宅は」「った」の場所)ので小さい頃に遊びに行ったりしていました。こんな前からあったのかと少し驚きましたが、よく考えたら私が小さい頃にはすでに使い込まれた感じだった気がするので、きっと古くからあるのでしょう。


次の写真は1974~78年に撮られたものです。


高度経済成長期が1955〜1973年だったことを考えると、撮影されたのはその後になるわけですが、この通り絵に描いたような田舎です。
私が小学生だった頃ですね。実家も写っています。この頃にはもう、車が通れる道は舗装されていました。

小さい頃はこういう感じでしたね。基本的には田んぼが広がっていて、周辺の家の多くは小さな兼業農家でした。ちょうど子育て世代がこの地に住み始めたせいだったのか、家の数の割には私と同世代の子供はたくさんいました。外から来た方もいらっしゃいましたが、地域は全員が知り合いでした。
外からとはいっても近くの地元の人しかいない中、関西イントネーションの子が引っ越してきたときは、衝撃的だったのをよく覚えています。みんなで「あ{り⤴}がとう⤵」じゃなくって「ありが{と⤴}う⤵)」と「と」にアクセントを付けてしゃべる練習をした覚えがあります。あれっ、なんで練習した言葉が「ありがとう」だったんだろう!?‥‥覚えていないなぁ‥‥きっと優しい世界だった(?)のでしょう。
そういえば、そいつは山口弁にはすぐに慣れたのに、イントネーションはなかなか抜けなかったなぁ‥‥それが普通でみんななんとも思わなくなりましたけどね。

小さい頃には、この川で魚やえびを捕まえたり、岩場を上って遊んだり、この写真の少し上にある山を探検してカブトムシを捕まえたり、空き地でソフトボール風の遊びをやったり。冬場には田んぼを駆け回ったり、無限(嘘)に糸を伸ばして凧揚げしたり。
新しい家の棟上げ(むねあげ)のときには、餅撒きが必ずあったのも懐かしいですね。子供だろうが容赦なく大人が必死なんですよね。(ちょうどケンミンショーで、山口県民は餅撒きが大好きってやっていましたね。そうなのか、山口ではまだ餅撒きやりまくってるんだ。)
まあとにかく、小学生の頃は近所の友達と外で遊びまくっていました。
そういえば小学生の頃と言えば、こんな田舎にもスーパーカーブームは到来していましたが、まあこんな田舎なのでそんな車とはまったく無縁でした。きっと実在するのだろうけど、テレビの中の世界だと思っていました。

ところで、隣接する先の市営住宅には、今から思うにいろいろな事情を抱えた人が集まっていた気がします。大人になってから気が付きましたが、仲の良かった友達のお母さんはメンタルのご病気だった気がします。昔の片田舎なので、おそらく治療機会はなかったと思え、そう思って小さい頃を思い返すと少し胸が苦しくなります。他にも、あまり話をしたことがありませんでしたが、いつも洗濯されていない服を着ていた同い年の女の子もいました。近所の友達は私も含めてみな避けるように遠巻きに見ていて、陰でこそこそ悪口を言っていたり‥‥。親から世話をしてもらっていなかったのだと気付いたときにはもう姿を見なくなり、もう少し話しをすれば良かったと後悔しました。
私の地区の人達は、隣接する市営住宅になんとなく距離を置いていた気がしますが、子供の私はもっと一緒になればいいのにと思っていたのを思い出します。

中学生になると部活の友達中心になって近所の友達とは少し疎遠になり、高校生になると少し遠くの高校に通っていたのもあって、近所の友達とはすっかりしゃべる機会がなくなってしまいました。もうそれっきり話をしたことがありません。みんな今頃どうしているのだろう‥‥会えばわかるのかな‥‥自信がないな。
高校を卒業する頃にはこの写真よりはもう少し家が増えましたが、基本的には実家を出るまでこういう感じのところでした。


次はいきなり飛んで2008年です。その後の30年間の航空写真がないのですよね。国土地理院さん、もうちょっと集められませんか?


この写真には、実家も実家の田んぼも写っています。この頃までには、駐車場の白線が目立つアパートなんかもできていて、家もかなり増えていますね。
周辺に大きな農家はなかったので、ほとんどのところは自家消費分を賄う目的(+荒れさせてはならないという責任感のような思い)で、細々とやっていたのではないかと思います。おそらく儲かっている農家は一軒もなかったと思うので、代替わりで田んぼをやめてしまうところが多かったのでしょう。

とはいえ、田んぼはまだまだ残っていて、道の形についても小さい頃からあまり変わってはいません。たまに実家に帰ったときには、少し家が増えたなとは思いつつも馴染みのある風景ではありました。

この写真が撮られた少し後のこととなりますが、今から10年ちょっと前に、一人暮らしだった父が急に体調を崩したことがありました。兄は川崎、私は横浜在住、それを機に父を関東に呼び寄せることになりました。
田んぼは従兄に託したり、畑にして叔父さんや近所の方に貸したりして維持してもらっていましたが、人が住まなくなった家は荒れていきます。数年後に田畑とともに実家を売ることにしました。一部田んぼ(畑に転用)のままで欲しいという人がいたので、そこだけは田んぼのままで売って、それ以外は宅地開発をしていた不動産屋に売りました。うちが田んぼを売るときに、周囲にまだ残っていた田んぼも合わせてまとめて買い取ったようで、そこそこまとまった宅地が造成されました。

そして最新のGoogle Mapの衛星写真です。


売ったので当たり前ですが、実家はもうありません。周囲の田んぼはすっかり減って、新しい道が造られ(共有私道でしょう)、小さく分けられた区画に多くの住宅が建っています。
田んぼばかりの場所だったのに、住宅街に変貌したと言って過言ではないでしょう。父を関東に呼び寄せてから、この地に行くことはなくなってしまったのですが、ここ数年で劇的に変わったようです。
私が小さかった頃から考えると、人口は10倍以上にはなっていそうです。おそらく、今は互いに知らない人も多くいるのでしょうね。ここまで家が増えると、普通に考えて、顔と名前と家とが一致しそうにありません。


地方の疲弊は進み、全国各地で過疎化が進んで限界集落も増えているような中にあって、私の実家のあった地域は、街の活性が高くて人口も増えていることはありがたいことなのかも知れません。が、もはや自分の生まれ育った田舎はなくなってしまったような気がして、少し寂しい気がします。
ブログ一覧 | 日記
Posted at 2024/06/13 22:08:55

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この記事へのコメント

2024年6月13日 22:19
重要な社会問題、というか、現実の姿ですね

子どもって社会も知らないし柔軟だから、それぞれのバックグラウンドを抜きにした交友ができます。

親がそれをどう捉えるかで、子どものその後の交友関係がある程度方向付けされる部分が大きいですよね。

いろんな環境、いろんな考え方、多様性を受け入れる懐の深さを持つことは重要だと思うんだけどなぁ。

興味深い記事をありがとうございました。
コメントへの返答
2024年6月14日 7:06
いろんな思いが巡り、何が言いたいのかまとまらない散文にコメントありがとうございます。
狭い範囲にいろいろな現実の問題の縮図があったのだよなぁと、大人になってから、その地を離れてだいぶ経ってから気が付いたのですよね。
市営住宅がまだ昔のままあることも驚きなのですが、より良い暮らしとなっていることを祈ります。
小さな米農家の現実は厳しく、田んぼの維持の難しさは続くことでしょう。
2024年6月14日 14:31
こう言うアプリは、土地探しの時、使ってました。昔の地形がどうだったかとか見るのに便利でした。
確かに物心がかなり着いた頃の写真が抜けてるので、そのあたりは不便ですね。自分が生まれ育った土地でどうしても思い出せない事など、もどかしい所があります。その頃と今では感じ方が全然違うので、こういう地図を見るのは楽しいです😊
コメントへの返答
2024年6月14日 15:37
昔を知らない土地では昔との違いを感じ取れて、昔から知っている土地では記憶が呼び起こされて、楽しくてついあちこち見てしまいます。
60年代と70年代との間にあるびっくりするくらいの猛烈な違い、多くの街でのここ15年の変化のなさ(私の実家周りは変化が大きいですが)を見るだけでも、かなりおもしろいです。80年代90年代がないのは残念ですね。
2024年6月14日 14:33
なるほどと思ってしまいます
うちの周りもそんな感じです
苗も少し伸びてきてますね
オタマジャクシは野鳥のかっこうの餌
もうすぐ梅雨がやって来ます(^。^)
コメントへの返答
2024年6月14日 15:53
田んぼにはおたまじゃくしに混じってカブトエビがたくさんいましたね。田植えのちょっと後だったから、ちょうど今くらいからの時期ですね。うちの方では、田植えは6月でした。
水路で水が溜まっているところには、タイコウチもたまにいて探して捕まえたりしました。今もいるのかな。

今年の梅雨入りは、すでに遅いのにさらに遅れそうです。何事もなく無事に稲が良く育つとよいですね。
2024年6月15日 10:12
ワタシも先日土地購入の最終判断をする時にこの歴代の航空写真を参考にしました。更地での売却を希望したのですが、売主さんがどうしても現状渡しにこだわって・・・。解体したら地下から変なものが出てきたら困るなー、と心配でした。
とりあえず普通の山林⇒空き地⇒小さな納屋?⇒今の古家、ということで大丈夫かな、と思って決断したわけですが。
今、絶賛解体中なのですが、ちょっとドキドキです。(;´Д`)
コメントへの返答
2024年6月15日 10:52
そうなのですね、今、解体中なのですね。楽しみですね。

私が今の土地を買ったときは、余計なブロック塀はありましたが、それ以外はほぼ更地の現況畑(家庭菜園レベル)だったこともあり、あまり心配はなかったのですが、掘ると長めの塩ビパイプが1本出てきました。
2024年6月15日 22:48
とても読み応えのある記事をありがとうございます。
田んぼをやっていくのは大変だと色々な考えを義父から聞いています。
トラクターなどの機械が壊れた時、その先をどうするかだな、と言っていました。
SNJ_Uさんの少年時代のお話には胸と目頭が熱くなりました。
学校はまさに社会の縮図ですよね。
山口県民の餅まきに熱中する姿、ケンミンショーで見ました!
皆さん気合いが入ってますね(^^)
コメントへの返答
2024年6月16日 5:39
田んぼは余程大きなところでないと、経済的に成り立ちませんから、「思い」で続けていらっしゃる方が多いと思います。周囲の田んぼを借り受けて、たくさんの田んぼをまとめてやるような方がいらっしゃれば、うちの田んぼもそのまま維持できたかも知れませんが、担い手の高齢化が進み、そういう方はいらっしゃいませんでした。集約化しないとまさに機械の負担も重いと思います。
子供の頃を思い返すと、あれはこうすれば良かったなぁ‥‥って思うことが多いですね。

山口では餅撒きが健在で、ちょっとうれしかったです。イベントもさることながら、建売りを買っても窓から撒くというのは、だいぶやりすぎな気もしますが、私の家を建てたときに餅撒きをやらなかったのがちょっと残念でした。今、この辺りでは棟上げで餅撒きをする人は誰もいないらしい。

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「@ロッソくんのおやじさん、 ただの政治家ではなく「アメリカを変えてくれる人」と一部の層は信じて疑わないそうですね。仮想的を叩く単純化したメッセージが響くのだとか。合理性や経済原理よりも「うまくいく」と胸を張るのが効く模様。
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