アフリカの地図を眺めていると、比較的大きな地域なのに周囲と異なる記載となっている場所があります。
(え?? アフリカの地図なんて見ることないって!? ‥‥‥それじゃあ話が終わっちゃうので、ひとまずあることにしてください。)
もうずいぶん前からアフリカで開催されなくなっていますが、ダカール・ラリーのゴール地点を調べるために地図を見ていたりするときに、なんかおかしいなと気が付いたりするところです。
それは、モロッコ、モーリタニア、アルジェリアに国境を接する地域
「西サハラ」。
地図によっては、周囲の国とは文字色が違ったり、別のフォントで書かれていたりすることがありますが、ここは
帰属が決まっていない地域です。西サハラというのは国名ではありません。
ちなみに、なんとなくすごく暑そうなところに思ってしまいますが、アイウン、ダフラ(Dakhla)の気温を見ると全然そんなことはありません。

海の影響なのか、特にダフラはより南にあるにも関わらず、1年中暑くも寒くもない非常に快適な場所のようです。
さて、西サハラのような帰属が決まっていない地域は、
「国際連合非自治地域」と呼ばれるそうで、その中の世界最大の地域です。他にも海洋領土として多く点在していますが、
地図上ではっきりわかる広大な地域はここしかないと思われます。

赤:現在リストに掲載されている地域
青:過去にリストに掲載されていた地域
この地を植民地としていたスペインが、
1975年に領有権を放棄したときのやり方が、今も続くこの混沌の元凶となっているようですね。それまで独裁体制だったスペインは民主化に向けた体制構築に追われ、住民に将来の帰属のあり方を問うこともなく、
モロッコとモーリタニアに割譲する秘密協定を結んだそうです。手を引いてもなお禍根を残す植民地支配の被害地域ということでしょうか。
今は、モロッコ軍が築いた砂の壁の西側の地域は、
モロッコにより実効支配されていますが、
大多数の国からは領有権は認められていません。そして、東側を実効支配する
アハラ・アラブ民主共和国は、決して少なくはない約80ヶ国から国家承認を得ているようですが、モロッコの顔色を気にする日本を含む
先進諸国からは国家として認めてられておらず、国連にも加盟できていないそうです。まさに混沌。
本来は
元からこの地に住む住民(遊牧民だそうです)による自治があるべき姿のように思いますが、モロッコが難癖を付けて住民投票を延期し続け、インフラ整備などで実効支配を既成事実化し、アハラ・アラブ民主共和国の独立を妨害し続けているとのこと。近年はモロッコ人の入植が進み、街が様変わりしてきているそうです。
https://www.asiapress.org/apn/2023/10/african-countries/commentary04/
そんな中、
第一次トランプ政権がイスラエル絡みでこの地の
モロッコの主権を認めたそうで、混沌が続くのかと思いきや、
なし崩し的に取ったもん勝ちの様相になってきているのかもしれません‥‥なんかいやだなぁ、そういうの‥‥。日本も他人事ではないですからね。
とまあ、そんなモヤモヤといろいろなことを考えさせられる
西サハラと、スペイン最高峰(テイデ山)があると聞いて驚く
カナリア諸島の間をスピットファイアは進んでいるところなのでした。
え? 以上です‥‥‥よ。オチはありません。
西サハラの横をコンテナ船が通っているのを見て、そういえば西サハラって前から気になっていたなぁと思って、少し調べてみたのでした。
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Posted at
2025/05/13 21:13:44