
みんカラらしく車に纏わる話ではあるのですが、おそらく興味のある人はほとんどいません。下手すると誰もいないかも知れません。かつ、書いていることは「だから何?」だと思います。まあそれは追々と。
脈絡なく何気に始めます。さてと。
そんなにたくさん情報があるわけでもないですが、
良く見る感じのMk3(その1)のエンジンルーム(左側)はこんな感じです。
錆や汚れが目立ちますが、年式を考えると平均的にはこんなもんでしょう。見た目が悪いだけで、機構的・機能的には問題ないものと思われます。現存している個体は、しっかりメンテされているものが多そうです。見た感じでは、機構的にはほぼノーマルのままの個体です。
・これは、シリンダヘッド(ウォーターポンプジャケット、プーリーも)が赤く塗装されているので、エンジンの上周りが分解整備されたことがあるのだと思います。
・この時代の発電機は、まだオルタネータ(交流発電機)になっていなくて、
ダイナモ(整流子発電機)が使われています。
・純正ラジエータは
16インチ幅の小さいもので、両側に鉄板のステーを介して取り付けられています。
・ラジエータファンは、クランクからベルト駆動されるウォーターポンプに同軸に付いていて、エンジンで直に駆動されています。
少し手が入っているMk3(その2)のエンジンルーム(左側)だとこんな感じ。
これは概ねきれいですね。
・シリンダーブロックが緑、シリンダーヘッドが黒に塗装されていますが、全体をオーバーホールされたことがあるエンジンのようです。
・標準のダイナモが
オルタネータに交換されています。効率と容量を改善するためでしょう。
・ラジエータ周りは純正のままですね。
同じ車の右側を見てみると、

・キャブ周りはピカピカで、エアフィルターは新しそうです。
・
燃料ラインはエンジンの前を通って、前側のキャブ→エアフィルタの外側→後ろ側のキャブの順で配管されています。少なくとも見えている範囲の燃料配管は新しく変えてあるようです。一部ステンメッシュホースになっているところがあるのは、パーコレーション対策だと思われます。
・このエンジンはクロスフローではなくターンフローなので、
吸気系の下をエキマニが通っています。ですが、キャブや燃料配管と排気系の間の遮熱対策は特にされていません。先のステンメッシュ化はそのためなのでしょう。
・この時代の純正ラジエータファンは、鉄板4枚羽です。
・ヘッドに上がってきた
ブローバイガスを燃焼させるため、キャブの後のインマニ(後ろ2気筒側)の途中に付けられたキャッチデバイスにヘッドからホースが繋げられています。
別の少し手が入っているMk3(その3)のエンジンルーム(左側)は、

・これもエンジンはオーバーホールされたことがあり、全体に黒く塗装されています。
・ダイナモはそのままになっていて、オルタネータには変更されていません。こだわりなのでしょうか。
・ラジエータは
幅の広い21インチのものに交換されています。
・ファンはエンジン駆動のままですが、羽根の枚数の多いタイプに変えられています。
同じ車の右側を見てみると、

・エアフィルターはサードパーティ製に変えられています。よくある改造です。
・燃料配管にパーコレーション対策のようなものは見られません。
・ブローバイガスの燃焼周りはその2の車と同じ構造です。
Mk4(その1)のエンジンルーム(左側)

そもそもですが、Mk3からMk4で劇的には変わっていません。
・ダイナモはオルタネータに標準で変更になっています。
・ラジエータは、標準ではMk3と同じ16インチ幅でエンジン駆動のファンのままですが、これには、
ラジエータの前に電動ファンが増設されています。電動ファンの追加はよくやられる改良のようです。
・電動ファン駆動を温度ON/OFFする制御器(コントローラ)も付けられていて、大きな調整つまみが見えます。温度センサはラジエータホースの隙間を通して無理やり取り付けてあるようです。水漏れがちょっと心配。
・Mk4から燃料系の取り回しが変更になっていて、
エンジンの後ろを通って後ろ側のキャブ、前側のキャブの順の配管に変わっています。
・Mk4からはキャブとエキマニの間に遮熱板が設けられています。燃料配管はやや後ろ方向に離して通してあります。パーコレーション対策がなされたのだと思われます。
・ブローバイガスを吸気に戻すために使われていたキャッチデバイスがなくなり、
キャブに直接配管するように変わっています。ホースが二股に分けられ、二つのキャブにそれぞれ戻されています。
別のMk4(その2)のエンジンルーム(右側)

・これの方がブローバイガスを吸気に戻す配管がわかりやすいですね。
・この個体は、Mk4なのに燃料系がエンジンの前側を通してあります。理由はわかりません。なんででしょう。
・ラジエータとファンは標準のままです。
Mk4の後の1500(その1)のエンジンルーム(右側)

・1500とMk4のエンジンルームの見た目はほとんど変わらないと思いますが、
ブローバイガスを戻す配管がキャブの内側から外側に変わっています。
・この個体はラジエータが21インチの幅広のものに変えられています。標準は1500でも16インチです。
・キャブとエキマニの間に遮熱板があるのがわかります。ちょっと小さい気もしますが。
それとは別の1500(その2)のエンジンルーム(左側)

・これもラジエータが21インチの幅広のものに変えられています。
・これにはラジエータ電動ファンが追加されています。
・Mk4(その1)と同じファンコントローラが付けられていて、同じ方法で水温センサーが取り付けてあります。
デスビ等イグニッション系は、物理的なポイントを使った純正のままのものもあるかもしれませんが、ほとんどが電子式に変えてあるのではないかと思います。スパーク強化デバイスもいろいろとあるようです。進角をテーブルで書き換えられるものあり、なんならBluetooth接続でスマホからいじれるキワモノもあります。
燃料ポンプは、低い位置にあるカムシャフト(エンジンはOHV)でロッドを介してダイヤフラムを押し引きする機械式のものが標準です。

モデル世代によって、燃料配管の引き回し方の違いもあって、少しずつ異なる形状のものが使われています。燃料フィルターは透明で中が見える適当なものに変えられることが多いようです。
‥‥‥‥まだまだありますが、ひとまず‥‥‥
最近は何故か、こんな感じでMk3以降のそれぞれの世代の各所を理解しつつ、Mk3中心に具体的な実例を日々チェックしています。日本にはあまり情報がないので、世界中のサイトを見て回って。よく行われる改造の目的や、個々のオーナーさんの思いや車好きっぷりを想像したりしています。なお、Mk2以前はちょっと好みではないので、何となく目が行きません。
そのうえで、最近
こういうMk3(その4)を見つけました。

・ダイナモはオルタネータに変えてあります。
・ラジエータは21インチの幅広のアルミ製のものに変えてあります。必ずしもアルミが優れているわけでもないですが、見た目が良いですね。
・電動2連のラジエータファンが取り付けてあり、エンジン直駆動のファンが取り外されています。

・わかりにくいですが、キャブとエキマニの間に手作り風の遮熱板(パンチングメタルっぽい)が取り付けてあります。パーコレーション対策もしっかりやられているようです。

これら熱対策には余念が無いようで、真夏でも大丈夫と特出しして謳っています。
・ブローバイガスを戻すあたりは、Mk4と同じ構造になっています。Mk3でもそういうのがあったのか、キャブ周りをMk4から移植したのか、エンジン毎移植したのか、理由はわかりません。
・燃料配管がエンジンの後ろを通してあります。Mk4以降を参考にしたものと思われます。
・機械式燃料ポンプが取り外されていて、そこには蓋がしてあります。

燃料ポンプは電動のものに交換してあるらしく、エンジンルームにはなさそうなので、燃料タンク回りに設置してあるのでしょう。
・オイルポンプそばの穴からシリンダヘッドに繋ぐオイルラインが増やしてあります。

ここには、油圧計を接続したりすることが多いようですが、このオイルラインの目的はなんなのでしょうか。他の個体(1500(その2))にもその改造がされているものがありました。

なお、シリンダヘッド側には元々ネジを切った穴が開けられていて、標準ではボルトで塞がれているようです。
その他、このMk3(その4)は、
・カム、
・排気系(エキマニ、マフラー)、
・ブレーキ本体、
・油圧系(ブレーキ、クラッチ)、
・足回り(ブッシュも)、
・リアアクスル、
・追加ゲージ
等々、様々に手が入っていて、ちゃんと走る車にこだわっているオーナーさんの思いをヒシヒシと感じます。
いいなぁ。
部品も安くて供給も問題なさそうだし、構造がシンプルでめっちゃいじりやすそうな車だし、見ているだけでたいへん充実した楽しいカーライフを過ごされてるんだろうなぁと思いを馳せてしまいます。
乗っても驚くほど楽しいんだろうなぁ、きっと遅いんだろうけど。