震災後最初で最後、緞帳を公開 解体予定の大熊町文化センター
2023年07月26日 09時10分
大熊町の景勝地「馬の背岬」がデザインされた緞帳=大熊町文化センター
大熊町教委は25日、町文化センターの緞帳(どんちょう)を一般公開した。センターは東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の影響で解体される予定のため、震災後最初で最後の公開となった。
緞帳は舞台と客席を仕切る大きな幕で、縦16.4メートル、横8.3メートル。町内の景勝地「馬の背岬」の図柄が描かれている。1992年4月の開設に合わせ、東電が町に寄贈した。馬の背岬は文字通り馬の背のように海に突き出した岬で、雄大な太平洋の景色を形づくっている。現在は原発事故で帰還困難区域となっている。
センターには約500席の大ホールなどがあり、震災前まで文化活動の中核施設だった。緞帳は廃棄される予定で、町は測量記録を取った。緞帳を見た町出身の渡部キイ子さん(63)は「講演や演奏を聴きに訪れた記憶がよみがえる。馬の背には朝日は昇らない。緞帳が映えるようにあえて朝日を入れたという話を聞いたことがある」と語った。
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2023/07/26 12:31:37