
僕自身はすでにタルガ・フローリオの故郷シシリー島にいますが、ポルシェ・ミュージアムのリポート、その2を。
このクルマ、バンパーのモールが太いことなどを除けば、前半はどう見ても初期の911、つまりナローの初期型ほとんどそのままですが、キャビン部分が普通の911クーペより明らかに背が高く、ウインドー面積も広い。
実はこれ、911開発中に生み出されたプロトタイプのひとつで、開発コード「タイプ754“T7”」と呼ばれるモデルなのであります。
その存在は以前からポルシェのヒストリー本などで知っていましたが、現物を見るのはもちろん初めてのことでした。
しかも、年式表示によれば1959年の作とのこと、911プロトタイプの901が1963年のフランクフルトでデビューする4年も前にこれがつくられていたとは、ちょっと驚きです。
それに、ボディカラーがメタリックの入ったグリーンだったのも想像と違っていましたが、実はグリーンはフェリー・ポルシェの大好きだった色とのこと。
ということは、ウチの964C2GTのシグナルグリーンもフェリー・ポルシェの遺志を継いでいるわけね・・・、というのは余談ですが。
キャビンを覗いてみると、たしかにリアシートはレッグルーム、ヘッドルームとも通常の911より広く、大人もなんとか座れそうな雰囲気で、たしかにフル4シーターの356後継車に成り得るような気がします。
そのわりにはデザインのバランスは悪くないと思いますが、だとしても911がこういうスタイルで世に出てこなくてよかったというのが、僕の正直な見解でありますね。
あの流れるようなファストバックスタイルがあればこそ、911のスポーツGTのイメージが鮮明になって、モータースポーツでの活躍もリアリティを持ってくるというもの、このスタイルでルマンやモンテカルロラリーで活躍するというのは、ちょっとイメージし難い。
後ろに大人は座れなくても、911はやっぱりあのファストバックスタイルで生まれてきてよかったと、あらためて実感したスポーツカー親爺であります。
このクルマのリアからのスタイルを見てみたい方は、コメントでリクエストしてください。後ほどアップすることは可能です。
Posted at 2009/01/25 13:24:13 | |
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