
前回のATオーバーホールから6年。
またもやロックアップしなくなってしまいました。
ロックアップしない以外は走行に全く支障はなく、変速時の滑りなども感じません。
ATに組み合わされるトルクコンバーターは液体のATFを介してエンジン回転を伝達しますが、これだとロスが生じるため、ある一定の条件において機械式なクラッチにより直結させるのがロックアップです。
整備要領書に記載されているロックアップ条件は上の図に示す通り。
高速で100km/h巡行であれば4速(OD)でエンジン回転数は2600rpmほど。
これがロックアップしていないと3000rpmくらいになります。
例によってATの自己診断を行い異常が記録されていないかどうかを確認してみますが、やっぱり何も検出されません。
ただ、前回のオーバーホールからまだ6年しか経ってないため、まずは30年間手付かずのATコントロールユニットから疑ってみることに。
しかし同型(31036-79E00)のATコントロールユニットは新品やリビルドが出ないのは当然で、中古でも見つかりません。
とりあえず見つかったPNW10アベニール用の中古品(31036-95N10)を入手。
エンジンは同じSR20DETでこれでも一応は走るという話なので試しに取り付けて走ってみましたが、やっぱりロックアップはしませんでした。
ちなみにPNW10用でも静かに走る分には問題なさそうな感じですが、強くアクセルを踏み込むとギクシャクすることがありました。ATの型番もU12のRE4F02Aに対してPNW10はRE4F04Aで異なりますし、常用はしない方がよさげです。
この検証でATコントロールユニットが原因の可能性は薄まってきましたが、30年間手付かずの"電子回路"には不安を感じます。
いつもお世話になっている整備工場のおすすめで、伊勢崎市にある「ミスラック・ワン」というお店でオーバーホールをしていただきました。
結果、タイミング信号入力とキャパシタ4個がダメになってたので修理したとのこと。
で、修理完了済みのATコントロールユニットを取り付けて走ってみましたが、ロックアップしないのは変わらずでした。ただ、この先のことを考えれば修理できたのはよかったと思います。
しかし、ATコントロールユニットが原因でないことがほぼ明らかになりました。
その後、車を持ち上げて走行状態にして細かくチェックしていただいたところ、ロックアップ信号は出てるとのこと。
これで、AT本体側に原因があることがほぼ確定しました。
しかし6年でダメになってしまったのは想定外です。
ただ、前回のオーバーホールの時点ですでに、日産からもATメーカーであるJATCOからのパーツの供給はなく、海外(おそらくアメリカ)からパーツをかき集めたとのことでした。
トルクコンバーターは非分解式ですが、切削して分割したうえで内部をオーバーホールするノウハウがある所だったので、そのように対応されたものと思われます。
でもこのときは「新品よりスムーズなのでは?」という仕上がりだったので、パーツが簡単に揃わないのが厳しかったのかなと思っています。
もちろん今もAT本体の新品やリビルド品は入手できないので、こうなるとAT本体を現品修理に出すしか手はありません。
費用も時間もかかってしまいますが、実は永年お世話になってきた整備工場の崎山自動車さんが今年いっぱいで店じまいすることになったため、込み入ったことをするなら今のうちと思いお願いすることにしました。
というわけで、前回オーバーホールした「日本ウエア・ハウス」に問い合わせてもらうと、パーツ供給状態が厳しいので難しいかも知れないとのことでしたが、やれるだけはやってもらえそうな感じでした。
送るのはAT本体のみなので、まずは車から降ろさないといけませんが、エンジンルーム内の隙間がなく整備性が悪いため大ごとになります。
インタークーラーの配管やドライブシャフトやセンターパイプなどを外して、エンジンも半降ろしで吊った状態でようやくATを降ろすことができます。
そうして降ろしたATミッション本体
洗う場所ではないため意外と汚れていました。
上にある黒い湯たんぽみたいのがオイルパンです。
なんでオイルパンが上部にあるのだろう?という見るたびよくわからない設計です。
これを送って待ちます。
結局、パーツ調達の目処が立つまでに約1ヶ月。
今回は新品のトルクコンバーターを海外(多分アメリカ)から取り寄せたとのこと。
その後、海外からパーツが到着してオーバーホールが完了するまでに約1ヶ月。合計約2ヶ月かかってしまいました。
その間は整備工場でウマに載ったまま。ご迷惑をおかけしました。
・
・
・
・
・
そうして待ちに待ったオーバーホール済みのAT本体が到着。
1年間かつ走行距離20000km以内の保証付きです。
車に載せて試運転の後、作業完了となりました。
下から覗くとAT本体がピカピカです。
車が戻った後に自分でも近場を走りましたが、80km/hでアクセルを緩める(OFFにはしない)とロックアップすることが確認できました。
一週間後には千葉のポッポの丘、またその一週間後には小諸の懐古園まで行きましたが、渋滞はともかくロックアップも効いて快適な高速ドライブでした。
願わくば今度は長持ちしてほしいです。
Posted at 2020/12/12 23:10:00 | |
U12 | 日記