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よしひこ@のブログ一覧

2014年02月03日 イイね!

サスペンションセッティングを解説してみた。

どうも、こんにちは。よしひこ@です。

今回は、前回のブログで挙げた車のセッティング方針について、若干解説を加えたいと思います。
・・・超長文なので覚悟してくださいね?(謎
また、文章の構成上、読み飛ばすと訳わかんなくなるかもしれません^^;
・・・ごめんなさい


最初にお断りしますが、これは車関係の仕事に付いていない、ただの素人が本やネット(Wikipedia)を見て組み立てた理屈(理論ではありません、理屈です。)と、その解釈についてまとめるものです。(ある所、セッティングメモに近いでしょうか。)



充分車のセッティングに反映できる・・・と、自分では思っていますが、明らかな間違い、プロの目から見たときに稚拙さなどが有ると思いますので、ご了承ください。。。
(ついでにその部分について教えてください(^^;)


・・・


さて、前回のブログではこんなことを書きました。

1.ジオメトリー変化の大きいところに車高を持ってきてしまったせいで対地キャンバーが綺麗に変化せず

2.尚且つサスペンションの伸び側をプリロードを掛けたことによって規制してしまい、うまくIN側のタイヤが使えず

3.さらに追い討ちを掛けるように、プリロードを過剰に掛けた結果、トレッド面へ一気に荷重を掛けてしまい、タイヤがたわむ前にすっぽ抜けるようなカンジになり、結果グリップが抜ける



今回は、何故こう考えたのかを解説していきたいと思います。



すべてはタイヤのためなのです。


と、その前に・・・自分の「理屈」の中で核になっている部分を紹介します。

・・・

みなさん、摩擦には2種類あるのをご存知でしょうか?(ゆとり世代の自分でも中学校の理科でやってる内容ですのでご安心を!)

動摩擦 と 静摩擦です。

それぞれはそれぞれ文字通り、動いているモノの摩擦と、止まっているモノの摩擦です。
ちょっとそれっぽい言い回しにすると、「運動している物体の摩擦」と「静止している物体の摩擦」となるでしょうか・・・

そして、物体を動かすのに必要な力の量は、必ず以下のようになります。

動摩擦<静摩擦

これは、急な坂に何か荷物を置いたとき、置いた時は滑らずに止まっているのに、何かの拍子でその荷物にぶつかったとき、滑り出したら止まらない・・・という現象から証明されます。

では、タイヤの摩擦を考えるとき、どちらの摩擦を考えるのが正解でしょうか。


自分は「静摩擦」だと考えています。
なぜならタイヤは回転しているからです。滑っていません。


しかし、動摩擦で考えなければいけない場合もあります。
それがドリフトしているときのリアタイヤだったり、アンダーステアが発生している状態のフロントタイヤだったりします。


そしてここで抑えるべき点は

●グリップ走行時、タイヤの摩擦は「静摩擦」であること
●静摩擦から動摩擦へ移行するには、ある程度強い力が必要で、動摩擦へ移行後はそれより少ない力でも物体(タイヤ)は滑り続けること
 ⇒静摩擦には限界があり、それを超えると動摩擦へと変化してしまう。

この2点です。

この事から、「タイヤの接地面へ非常に大きな力を加えると、滑ってしまう」ということが判って頂けると思います。

ここを覚えておきます。



(厳密にはタイヤは粘性を持った物体なので、プラスチックや金属とは違う摩擦変化が起きるのですが(スリップアングルなんかはその代表だと思います)、今回に限っては、そこまで考えるとキリがないので、単純にしておきます^^;)




・・・



さて、それでは

1.ジオメトリー変化の大きいところに車高を持ってきてしまったせいで対地キャンバーが綺麗に変化せず

の部分について解説してみます。


まず、対地キャンバーという考え方ですが、単純に「地面とタイヤの角度」と理解していいと思います。


車を静止状態とし、その状態でキャンバーがネガティブに3度付いていたとします。(車を正面から見たとき「ハ」の字になっているってことですね)

この状態で、右側だけジャッキアップしていった場合、左側のタイヤについて、車体から見た単純なキャンバー角は変わらず3度ですが、地面から見た場合、キャンバー角は減っていくのがイメージ出来るでしょうか?


つまり車体中心側のトレッド面だけが接地していたのに、トレッド全体が接地してくる・・・ということです。


(ちなみにですが、このイメージをするとき、サスペンションの代わりに「ただの棒」が付いていると考えてください。あくまでイメージですので・・・)


そして、ジオメトリー変化について、これは車のサスペンション形式、サスペンションアーム・リンクの取り付け位置によって変わりますが・・・

例えばサスペンションが沈めばキャンバーがネガティブ方向についていき、トーがINを向いていく・・・というようにそれぞれの数値が変化することを言っている・・・と理解します。


イケヤフォーミュラのWEBサイトにはS15シルビアのジオメトリー変化について、グラフ化されたものが乗っていますが・・・
シルビアの場合(と、いうか殆どの車はそうだと思いますが)、車高を下げていくと、サスペンションジオメトリーの変化量は大きくなる傾向にあります。


つまり、車高が高い場合と低い場合では、例えば10mm縮み側へストロークした場合、キャンバー角の変化は車高が高い場合は0.5度だったとすれば、低い方は1度変化してしまう・・・ということになります。



車高は大事なのです。


ところで、何故キャンバー角を付けるのかといえば、車がロールした状態で、タイヤのトレッド全体に面圧をかけ、効率よく曲がったり加速するためであります。


「面圧」とはそのままトレッド面にかかる圧力のことです。
しかし、圧力は高ければいいというものではなく、これには限界があります。


これが摩擦のところで説明した、「静摩擦の限界」です。
これを超えると・・・動摩擦へと変化し、滑り続けてしまいます。


自分の中では、この点をグリップの頂点と考えています。


少し横道にそれました。話を戻しましょう。


当然、キャンバー角はジオメトリー変化も考慮して決定されるものですが・・・
想定した変化量よりも大きかった場合、どうなるでしょう。

キャンバーのみで考えた場合、対地キャンバーが変化し、トレッド面がくっつこうとするときに、それ以上のキャンバー変化が起きてしまい、結果的に面圧のかかるトレッド面が狭くなります。

これに付随してトー角も変化するわけですから、車の挙動に影響があることは判って頂けると思います。

これが上記1.の考えに至った「理屈」です。


・・・


次に、

2.尚且つサスペンションの伸び側をプリロードを掛けたことによって規制してしまい、うまくIN側のタイヤが使えず

3.さらに追い討ちを掛けるように、プリロードを過剰に掛けた結果、トレッド面へ一気に荷重を掛けてしまい、タイヤがたわむ前にすっぽ抜けるようなカンジになり、結果グリップが抜ける


この2点について説明します。



プリロードとは、直訳すれば「事前の荷重」となる通り、0G状態(車をジャッキアップした状態)でスプリングを縮めておくことです。
スプリングとは、本来車の重さが掛かった時に縮むものですから、事前に縮めておくことを「プリロード」といいます。


スプリングにはレートというものがあり、それは車高調整式サスペンションで使われる「直巻スプリング」の場合、一つのスプリングにつき1つのレートとなります。



直巻ってこんなのですよ。




1mm縮むのに何kgの重さを掛ければいいのかを示したものがレート(kgf/mm)になるわけですが・・・


ではスプリングが伸び切った状態(荷重ゼロ)から記載されたスプリングレートが発揮されるかと言えば、そうではありません。


これはハイパコのHPにグラフ化されたものがありますが・・・
スプリングとは、縮み始めのごく初期からスプリングレートが立ち上り、安定し、スプリング線間密着(=レート∞)へと立ち上るというプロセスを辿ります。


具体例を挙げましょう。

例えば10kgf/mmのスプリングがあったとして、最初の数mm(どこまでの範囲かはわかりませんが。)は0kgf/mm~10kgf/mmへと立ち上る領域があって、10kgf/mmで安定し、そこから無限大までスプリングレートは増大していく領域がある・・・ということです。



最初プリロードを掛けようと思った理由は、その初期スプリングレートの立ち上がり部分を無視したかったためです。
最初から10kgf/mmのスプリングレートが掛かれば、ステアリングレスポンスは向上し、車の挙動が鋭くなると思ったのです。



しかし、プリロードを掛けるということは、ある部分を犠牲にする・・・ということでもあるのです。



・・・それがリバウンドストロークだったわけですね。

リバウンドストロークとは、サスペンションが伸びることです。
バンプ(縮み)・リバンプ(伸び)と表現することもありますね。


では、どのようにしてリバウンドストロークが犠牲になっていくのでしょうか。


まず、スプリングとは反力があります元の長さに戻ろうとする力です。
だからこそサスペンションが伸び縮み出来るわけですね。


当たり前ですが、0G状態ではサスペンションが伸び切ります。

スプリングが遊ばない範囲でプリロードを掛けない状態(0プリとかいいますね)では、車を接地させていくとサスペンションがストロークしていって、ある場所で止まります。
つまり、サスペンションが伸びる範囲が確保されるわけです。

しかし、ここにプリロードを掛けてしまうと、スプリングは伸びようとしますから、車を接地させていっても、あまりサスペンションがストロークしなくなります。
・・・つまり、サスペンションが伸びることのできる範囲が減ってしまうのです。


サスペンションが伸びなくなるとどうなるのか。
例えば、FF車のコーナーIN側のリアタイヤが浮いているのを見たことはありませんか?
あれは、リバウンドストローク量が足りずタイヤを接地させることが出来なく為に起こる現象です。


つまり、タイヤが浮くのです。


ということは、IN側のタイヤは仕事をすることができず、コーナーのOUT側にあるタイヤ2本に仕事(≒車重や遠心力)が集中することになります。
(理想はコーナリング中、IN側のタイヤも車を支える仕事をすることです。)

すると、面圧が掛かりすぎてしまい、静摩擦は動摩擦へ変化する点を迎えることになります。


また、初期のスプリングレートを無視することも実は悪影響があると考えました。


さて、同じ重さの同じ物体を動かそうとした場合、物体にじわりじわりと力を掛けるのと、勢いを付けて一気に力を掛けるのでは、どちらが動かしやすいでしょう?


多くの人は、最初押してダメだと判断すれば、勢いをつけて動かそうと思うはずです。
何故なら勢いをつけた方が発生する動的エネルギーが大きいからです。

しかし、その勢いとは、ごく一時的ですよね。
その後は自分の筋力で押し続けることになります。最初は動かせなかった力で動かし続けることができます。
(摩擦のところで説明しましたね。)


それと同じことがタイヤのトレッド面にも起こっているのではと考えました。
つまり、若干の「逃げ」が必要なのです。


この考え方、実は減衰力の調整でよく利用している考え方です。


先ほどから何度も出てきている話ですが・・・

タイヤのグリップ(≒静摩擦)には限界があります。
このグリップの頂点を超えると、滑り続けてしまいます。


つまり、勢いよくタイヤのトレッド面に圧力をかけてしまうと、一時的にタイヤのキャパシティをオーバーしてしまい(静摩擦から動摩擦へ移行)、その後の遠心力や車の重さに対応できなくなってしまう(動摩擦<静摩擦ですからね)のです。
これが「すっぽ抜ける」という感覚的な言葉の意味です。



・・・


以上があの3つあった文章の中身でした。
結果、車はタイヤを余計に使うだけで曲がらずトラクションの掛からない状態に陥る・・・というわけです。


相変わらずの文章力のなさと、構成の悪さで申し訳ありません・・・
読みづらく長い文章でしたが、何か参考になれば幸いです。
最後まで読んでいただいた方、ありがとうございました。


さて、次回はZ33ブレーキマスターシリンダー流用についてお送りします(何
Posted at 2014/02/03 22:47:33 | コメント(1) | トラックバック(0) | 解説シリーズ | 日記

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何シテル?   04/15 22:00
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