
我が家で愛用の老機PC HP dx7300ST。
いまだに騙し騙し使い続けている。
最近になり内蔵HDDの空きが尽きてきたので、外付けHDDを付け足すことにした。
内蔵HDDは購入当初の80GBでスタートし、いまは1TB×2台のRAID1構成、
勝手にミラーリングされるRAID1だからバックアップも不要とばかり、OSから過去ウン年分の写真やらホームビデオやらを詰め込んでいる。偶然か幸いにかデータ消失などのトラブルもなくここ数年使ってきた。
UEFI対応BIOS搭載が当たり前になる以前のこれみたく旧い機種で、OS起動用に使う内蔵HDDの換装・容量アップを続けると、いずれMBRの仕様に由来するいわゆる「2.2TBの壁」にぶち当たる。
いまどきは3.5" HDDの市販品のボリュームゾーンの容量はもはや2桁TBになろうかというこのご時世、旧型故のネックを避けるためにコスパのピークを過ぎた2TBなHDDをわざわざ選んで買うのも勿体ない。
まぁ現用PC本体の先が見えつつあるこの時期ゆえ、今回は将来の買い替えを見据えて極力無駄にならない選択をしようと、RAID1が組める外付けHDDを増設することにした。
ここでHDD「外付け」の道を選んだことが、表題の如くハマりの元になろうとは思いもせず。。。(苦笑)
先ずは、USB3.0接続なRAID1対応のHDDケースなるものを購入。
最安値で実勢¥5000前後から見つかるが、なんとなく無難そうなところで、RATOC の
RS-EC32-U3RX を買ってみた。
HDDは容量当たりの単価が現時点で最安の、シーゲイト製
3TB HDD(BarraCuda ST3000DM008)を2基、Anazonから購入。

それぞれに約¥8,000、合計¥24,000の出費。
今どきのこれくらいは見込み通り。
ケースにHDDを組み込んでのRAID1立ち上げは、何の問題もなし。
ケース付属の取説に従い、蓋を開ける→まっさらの3TB HDDを2基差し込んでネジ止め→蓋を閉じる→電源投入→背面のボタンとLEDでRAID1用に初期設定、これだけで容量3TBのRAID1 HDDが完成する。
PCに繋いでGPTで領域確保し、NTFSでフォーマットした。
ここまで順調なのも目論見どおり。
さて、早速大量データを保存してみるべし。。。と、試しに100GBほどの写真データをコピーして書き込んでみた。
一見調子良さげに書き込み始めたのだが、しかし全部書き終わらないうちにエラーで中断。
書き込む先のフォルダにアクセスできません云々、だと。自分で作って直前まで粛々データを書いてた先のフォルダを突然見失うらしい。不用意にHDDが取り外されたかのごとく。
愛機にはもともとUSB3.0ポートがなく、PCI Express×1な拡張カードをつけて使っており、今回のHDDケースにもそのUSB3.0でつないでいる。
どうもそのUSB3.0で使うとダメで、PCに元からついているUSB2.0で使う分には問題ない感じ。
しかし今どき読み書きするデータ量がGB単位であることを考えると、高速なUSB3.0で確実に使えるようにしておきたいところだ。
問題の原因がソフト的なもの=デバイスドライバーか設定かならいいのだが。。。と期待しつつ、調査と対策に乗り出す。
わが愛機は現在 Windows10 Pro 64Bit、Ver.1607で動いている。USB3.0ポートは拡張ボード:PLANEX
FFP-US3PE2(
PL-US3IF02PEのパッケージ違い、販路限定品)による後付け。
そのボードに搭載されているUSB3.0 I/Fデバイスは Renesas(旧NECエレ)のuPD720200。USB3.0用としては比較的旧い先発モノゆえに安く買える。ちなみに2017/12現在も
Amazonにて販売中。
このボードにWindows10で自動的に当てられるデバイスドライバーは「Renesas USB 3.0 eXtensible Host Controller - 0096(Microsoft)」、その名の通りMicrosoft社謹製。まだβテストバージョンなのではと思わせる、中途半端な番号付け。
とはいえ一応、ボードやドライバーのインストール自体は正常にできていて、デバイスマネージャーにも異常を示す表示は特にないし Windowsの自動更新に掛けても「ドライバーは最新です」と出てくる。
しかし USB3.0 とか Renesasとかの単語でネット検索してみると、気になる記事が散見される。
実はWindows10より以前のWindows7/8/8.1の頃から、このRenesas製デバイスを用いたUSB3.0 I/Fを内蔵あるいは増設したPCにおいて、インストールしたドライバの出所の違い(MicrosoftかRenesas/NECか)あるいはそのリリースバージョンの新旧によってトラブル発生する場合があるという。
例えば、外付けしたUSB3.0 HDDを認識しないとか、自分みたく使用中に見失うとかいう事例が、少なからずあるようで。
また、USB3.0外付けHDDケースの類を販売するメーカーの中には、PC側にRenesas/NEC uPD720200 のUSB3.0 I/Fを搭載している場合、接続先の自社USB3.0機器の認識/動作に問題が起きる場合があるとして、その解決策としてRenesas製のドライバーに替えるよう勧めているメーカーもある。(株)センチュリーの場合だとこんな↓感じ。
http://www.century.co.jp/support/manual/renesas.html
#自分が買ったHDDケースの出所RATOCからは、この手の情報は出ていないが。
ならばモノは試し、と、ドライバーをMicrosoft製からRenesas製に変えてみることにした。
あちこちネット検索した結果、Renesas製ドライバーの最新リリースバージョンは「2.1.39.0」らしいと知り、国内パソコンメーカー某社のHPからダウンロードしてきた。
#Renesas社自身はデバイスの供給元に過ぎず、エンドユーザーに向けた直接的なドライバーのリリースはしていない。よってドライバーの入手は、そのデバイスを搭載したPCあるいは拡張ボード製品のベンダーからとなる。
ダウンロードしたファイルを解凍して、インストールに成功。
但しそれだけだと、先にインストールされ作動しているMicrosoft製ドライバーは勝手に外れて・入れ替わってはくれない。
ネイティブWindows10用であるMicrosoft製ドライバーのほうが、本来は旧Windows用であるRenesas製よりも優先されてしまうのか?よくわからないが。
「デバイスマネージャー」画面で「ユニバーサル シリアル バス コントローラー」を見ると、まだ「Renesas USB 3.0 eXtensible Host Controller - 0096」が生きている。そこでその名前を右クリック→「ドライバー ソフトウェアの更新...」→「コンピュータを参照して...」→「コンピュータ上の...一覧から選択」→「Renesas Electronics USB3.0 Host Controller」を選択する。
これでデバイスマネージャ画面にて「...-0096」が消えた代わりに「Renesas Electronics USB3.0 Host Controller」が表示されれば、ドライバーの入れ替えは成功。
一応ここでPCを再起動し、デバイスマネージャーにエラーがない・Renesas製ドライバーで引き続き作動していることを確認。問題なし。
しかし。。。現象に変化=効果はなかった。
相変わらず、外付けHDDにUSB3.0経由で数十GB単位のデータを書き込もうとすると数分後?、途中でエラー中断してしまう。
そこで更に、ドライバーとともにインストールされる「USB3.0 Host Controller Utility」なるソフトをスタートメニューから起動し、「USB3.0パワーマネージメント機能を無効化する」にチェックを入れてみた。これは上述センチュリー社が公表している手順を参考にした。
その時の画面はこんな↓感じ。
1ヶ所のチェックボックスにチェックをいれてOKするだけ。
その後、計400GBほどのデータをUSB3.0経由で書き込んでみたら、今度は何のエラー表示もなく完走した。苦労?の甲斐あって。
どうやらこの「パワーマネージメント」機能が悪さしてたらしい。
長時間かかる連続したデータ転送の最中に節電機能の類を間違って?働かせてしまい、USB3.0ポートの通信を途絶でもさせているのだろう。
案外、ドライバーそのものの出来の良し悪しというより、上記「パワーマネージメント」を強制的に且つ簡単に無効化する設定UIがインストールされるか(=Renesas製)否か(=Microsoft製)の違いがキモなのかもしれない。
つまりuPD720200の機能的問題?バグ?が根底にあるのでは、と。あくまで想像だが。
何だかんだあったが、ようやく使い物になるめどが立った。購入元との保証修理云々のやり取り無しに、自己解決で済んだのはかなりの幸い(笑)。
しばらくこれで使ってみることにしよう。
(追記)
上記USB3.0での内蔵HDD→外付けHDDへのファイル書き込み速度は、実測で約75~80MB/sec。期待してたほど速くない?感も持ちつつ、まぁ良しとしている。
USB2.0での平均25MB/secに比べれば3倍近いし、対象ファイルのサイズの大小が入り交じっていての話だから、たぶんこんなもんなのかも、と。
そもそもPC本体が旧い・非力なのも一因か(苦笑)。
ちなみにCrystalDiskMarkによるベンチマークでは、Sequential Readで135MB/sec・同Writeで100MB/secくらいの値は出ている。
その後も再度、500GB近いデータの一括・連続書き込みを行い、問題なく完走することが確認できたことから、この件はこれで落着とした。
なお、もし今からこの手のUSB3.0増設ボードを買われるのなら、
同じRenesas製でも後発の改良型である uPD720202 搭載品をお勧めしておく。
上記のような事象が起きないか否かは不詳ながら。。。
(追記2)
その後ネットで見つけた情報が気になり、追加で試してみたので続報しておく。
拡張ボード上のuPD720200のファームウェアを最新?に書き換える、というもの。
これを実行した直後、デバイスドライバーが勝手に以前のMicrosoft「eXtensible...0096」のほうに置き換わってしまったが、あわてずにまた上記Renesas製に戻した。
実行後のファームウェアバージョンは下記のごとく、以前の 4015 から 4021 に変わっている。
更に上でトラブル解消できたと書いた「パワーマネジメント機能を無効化」チェックを試しに外す=元通り有効にしてみたが、今度はHDDに400GB近くデータを連続書き込みしても、以前みたくエラーはしなくなっている。不具合は再現せず。
もしかして、同機能の内在バグが最新ファームで修正されたって話なのだろうか? ならばそれで結果オーライ、願ったり叶ったり、である。
なおファーム書き換えの手順および関連データは、Intel社HPの下記を参考・入手したものを流用した。
https://downloadcenter.intel.com/download/22775/Renesas-Electronics-USB-3-0-Firmware-Updates
→200_Front.zip
ファームウェア更新って訳も分からずにやって失敗すると、ボード自体が使い物にならないゴミと化すリスクがある。実行するならくれぐれも、作業手順や内容を十分理解したうえで着実に臨まれたい。
(追記3)
その後、デバイスドライバーを当初のMS純正0.98に戻したが、それで数百GBの書き込みをしてもエラーすることなく調子いい。
ということは、元々拡張ボード上のuPD720200に書かれていたファームウェア4015に問題ありだった→4021で修正されていた、ってことになる。おそらく、だが。