
我が家は築20年のマンション、最近水回りの老朽化が目立ってきたことから、気になった箇所から順次にDIYでメンテをしている。
今年の初めには
食洗機初設置のついででキッチンのシングルレバー水栓の一式交換、つい先日は風呂場のシャワー付きサーモ混合栓の一式交換を行ったばかり。
さて今回はトイレ。LIXIL/INAX製、タイトル写真は同社サイトに出ていた同型のイメージ。
#我が家の実態写真は諸事情により割愛(笑)。
用足し後に放水すると完全に止まり切らない・一日中チョロチョロと貯水タンクに給水し続けている~便器へ垂れ流している動作不具合を、週末DIYで修理した。
思えばたぶんここ1年か2年か、もしかしたらそれ以上の間ずっと続いてたのに見て見ぬふりしてた現象。。。幾らの水道代を捨ててきたのかは不詳。知らぬが何たら、か(苦笑)。
この手のロータンク式水洗トイレにおける放水/給水の正常な動きとしては、
待機状態→使用者がハンドルを捻る→ハンドルから鎖で繋がれたタンク底部のゴム玉が引っ張られ浮き上がる→放水→タンク内水位が下がる→ゴム玉が沈んでタンク底部に吸い付き放水停止/フロートが下がりバルブが開いて給水→タンク内が満水位に近づく→フロートが上がって給水量が次第に絞られる→満水位で給水が停止→待機状態、
・・・となるのが本来。
しかし、我が家のここ最近の実態ではダブルで問題あり。
1) 放水を終えてゴム玉が下がった後の状態でも、便器内へ水が僅かずつ垂れ続けていて、完全には放水が止まっていない。
2) 給水が進んでタンク内の満水位を越えてもなお細々と・滴るような給水が続く。結果、タンク内に立っているフロー管の上端を越えた水が便器内へ恒常的に流れ出ている「源泉掛け流し」状態(オーバーフロー)。
1) は以前から数年かおきに起きていた症状で、修理も経験済み。
黒いゴム玉の表面が経年劣化(年中水に浸かっている故の加水分解?)でヌルヌルな状態になると、下がりきった状態でも微妙に隙間が空いて水が滲み出す=便器内に漏れるようになる。
対処としてはシンプルで、そのゴム玉を同一型の新品に取り替えればいい。INAXではΦ55と65の二種類あるが、うちの場合はΦ65が適合する。
2) はこの20年で手を入れた記憶がなく、調査から着手。
#年のせいか何時やったか忘れただけ?(苦笑)。
先ずは現状確認、
手動でタンク内のフロートを持ち上げ、上がりきった状態=本来なら給水弁が全閉してなきゃいけない状況を作ってみたが、それでも給水がチョロチョロ~ポタポタと止まらないのが確認できた。
となると、給水弁=フロートバルブが閉まりきらない、バルブ内部の問題。
踏まえて、メーカーWebサイト(LIXIL=INAX)から当該便器/タンクと同型番・年式の分解図を入手。給水をキッチリ止めるにキモな部品の品名・品番を特定した。
うちの機種の場合、バルブ内に「シートパッキン」という500円玉大のゴムの円盤状の部品が使われていて、
タンク内の水位上昇→フロートが上がる→シートパッキンの中央がフロートに繋がったピストンで押し上げられる→押し上げられたそれが内部の水路を塞ぐ→給水が停止、という動きをしている。
メーカー公表の、我が家で使っているバルブ(ボールタップ)周りの分解図を一部引用。丸数字10が「シートパッキン」である。
なおこの辺はメーカーや型式、時には製造年によっても異なるから、手元の実物とメーカーサイトの情報とを突き合わせての確認が不可欠。合わない補修部品に無駄な出費をせぬように。
状況からして、このシートパッキンも上記ゴム玉同様、劣化により表面がヌルヌルになって水を止めきれなくなったのであろう。ならばこれを交換すればいい。
ということで被疑部品は2点で確定。
下記2つの純正補修部品を近所のホームセンターで買ってきて取り替えた。
a) フロートゴム玉:LIXIL(INAX)PK-TF-10R-L ¥1100前後
b) シートパッキン:LIXIL(INAX)PK-50-280 ¥500前後(2個入り)
前者は大抵のホームセンターで在庫していると思うが、後者はややレアな模様、近所の数件を回って見つけてきた。
もしかすると「プロ向けの工具屋/資材屋」のほうが入手容易かも。
作業としては難しくはない。
前者は、タンクの蓋を外して手を突っ込んで、今までのそれを外して新品に置き換えるだけ。工具も不要。
後者は、上図のボールタップ部分一式をタンク内から一旦外す→分解→内部部品交換→一式の再取り付けとなり、スパナ/モンキーレンチとプラスドライバーが必要。とはいえ、水道栓のコマやパッキンの交換を手掛けたことがあるなら楽勝だろう。
各々の補修部品には詳細な施工説明書も添付されている。
両方一度にやって、作業は30分か1時間か程度で終わった。
作業後は期待通り、放水直後に便器内へのチョロチョロも無し、給水も満水位でピタッと止まってくれるようになった。
無事解決。
以下ぼやき。
上記「シートパッキン」をホームセンターで買うと価格がバカに高く、しかも無駄がある。
そもそもメーカーの部品情報によると単品売りで¥100前後の代物、使うのがタンク1台に1個だからトイレが1箇所な我が家に2個売りは余計だ(残る1個を年単位でスペア保存しろって言ってる?>LIXIL/INAX)。
まぁ数の余分はさておいても、メーカーがホームセンター陳列用にパック詰めした途端に2個で¥500=単価で2.5倍になっちゃうって、あんまりな気がする。
プロに来てもらって工賃ウン千円?をプラスして払うのに比べたら、DIYで遥かに安上がりに済ましているにしても。
なおDIY作業上のアドバイスを一点。
この手の水回りのゴム部品交換は素手でやらないこと。
補修部品に添付の取説にも書かれた "あるある" ながら、水中で劣化したゴム部品に触るとべっとりと黒のプリンターインクの如く汚れがつくから、防水性で薄手の炊事用手袋(使い捨てタイプ)でもはめて臨むことを強く推奨。
素手でやっても後で石鹸で洗えば汚れは落ちなくないが、手指の爪まわりや皺に入り込み、結構しつこく残る。
また、作業中にその「黒インク」な液体が飛散し周囲に付着すると黒い薄汚れたシミになるから、付け外しの最中の飛散・外した旧部品からの滴下にも要注意。旧部品は外した矢先にゴミ袋へ直行、が無難だ。
この修理に掛かった費用¥1700弱、これをこの先の水道代で取り返すにどのくらいの期間が掛かるのかは不詳。翌月以降の水道代で、以前よりも月々どのくらい差がつくものかウォッチしてみることに。
とはいえ、ここ暫く続いてたスッキリしない状況が一件解決しただけ良し、としようか。。。トイレだけに(笑)。
余談。
これみたくタンク→便器への垂れ流し事象で業者を呼ぶと「ボールタップ一式交換で部品代¥5000+工賃」だの、ひどいと「タンク自体が旧いからタンク一式交換必要ゆえ部品代¥5万~+工賃 」だのと、桁違い?の見積りを吹っ掛けられる場合も往々にしてある模様(類似事例をネットで見かけて驚いた)。
上記のごとく原因からして、自分みたく要所をピンポイントで部品交換したにせよ、ボールタップ一式やタンクごと取り替えたにせよ、処置直後の結果もその後の経過も大差なく、いずれ数年おきに再発するのは免れない事象にも関わらず。。。
対処を業者へ委ねるにしても、業者の言い分や見積りを鵜呑みにせず慎重に判断・対応されることをお勧めしたい。