
最近購入したデスクトップPCのNEC Lavie DT。
プレインストールのOSはWindows10 Homeなのだが、それを同Proにアップグレードすることにした。
主な意図は、内蔵HDDをミラーリング運用にしたいのと(既にHDDは3.5"×1台→2.5"×2台に換装済み)、Windows Updateの実行タイミングを任意に決められない等の、Home特有の機能制限の回避。
元々使ってた先代のデスクトップは、Windows7 Pro DSP版を購入→10 Proに無償アップデート済みで使っていたので、それのライセンスを今回のLavie DTに移す目論見。
旧い7とはいえDSP版のライセンスだから、PC機体の買い換えに伴い新旧機体間で移し換えて使い続けるのは何ら問題ない(筈)。
但しDSP版のお約束、当時そのOSとセットで買った部品も新機体に移して使うことは言うまでもない(別にチェックされる訳でもないらしいが)。
稼働中のHomeのライセンス認証画面からMSストアへ飛んで言われるままにライセンスを買うのが最短ルートなのは判るが、元が旧い7とはいえ使い回せる手持ちのProライセンスがある以上、¥14kも出費して新たに10Proライセンスを買う気はない。
さて着手してみると、とんだ仕掛けに躓かされた。
先ずは手順が簡単なほうから、と、
いま稼働しているHome版上でライセンス認証画面→ライセンスキーの変更→手持ちの7 Pro版のライセンスキーを入力、をやってみたがNG。「そのライセンスキーは使えません」云々と弾かれた。
当該ライセンスキーと旧機体との紐付けが切れてなくて「複数機体でダブりはダメ」ってことかな?と、旧機体側でライセンス情報を消す等やってはみるも、うまくいかず。
もしかして、7 Proのライセンスキーでは10 Home→Proへのアップグレードはできない・真っ当な10 Proのキーでなきゃダメ、ってことなのか?なんかモヤっとしたまま別の手を探ることに。
次に、MSサイトからWin10インストーラーを入手し、手持ちのUSBメモリーに書き込んで使ってみることにした。
Home版が稼働している状態で、そのUSBメモリー内のSetup.exeを走らせてみると、「インストールメディアでのセットアップではアップグレードはできない」云々の説明文が表示されて終わり。
アップグレードが出来ないならばクリーンインストールなら出来るのか?と考え、
そのUSBメディアでブート起動して、HDDの未使用領域へのクリーンインストールを試みた。
すると今度は、インストーラーが勝手にHome版のクリーンインストールを始めようとする。ユーザーにHomeかProか選ばせる画面がそもそも出てこない。
Pro版がインストール出来ないんじゃ進めても無駄、と、そこで中止。
結局、MSから入手・作成したメディアをまんまで使ったのでは、Home→ProへのエディションアップもPro版のクリーンインストールも出来ない。
で、関連情報をネットで調べたら、
「(Windows8以降の)メーカー製PCでHome版がプレインストールされた個体では、UEFIにHomeのライセンスキーが予め仕込んである→Windows10インストーラーはそれを見て勝手にHome版のインストールを始めてしまう仕組みになっている」
という旨の情報を発見。
なるほどそういうことか。元々Homeなメーカー機体ではHomeが勝手にセットアップされてしまう、って現状とその仕組みは理解した。まぁメーカー製PCでいちいちライセンスキーを入力せずとも済むようにしてある、というのは判らなくもない。
でもユーザーがHome以外のWindowsを敢えて入れたい場合もあるんだから、せめて「この機体はHome版のライセンスキーを持っているためHomeをインストールしますがよろしいですか?違うエディションがご希望なら…」みたく聞いてこいよ、という気がする。
また、そんなプレインストールがHomeなメーカー製機体でも、MSのサイトから入手できるインストーラーの中身を少々弄って使えばProのインストールは可能、とのことで、その手順も書いてあった 。
この辺↓に。
●パソコンりかばり堂本舗「Creators UpdateのISOファイルからWindows10 Proのインストールメディアを作成」
https://www.ikt-s.com/creators-update-pro-media/
#毎度ながら先人には感謝である。
そこで早速、上記リンク先を参考に「Pro版専用のインストーラーを書いたUSBメモリー」を手元で作り、再び挑むことにした。
※注:末尾の2020/10/19追記も参照されたし。
それには先ず、現時点で最新のWin10インストーラーの入ったUSBメモリーを作成する。
稼働中のPC、適当なUSBメモリーを用意し、MSサイトから「メディア作成ツール」を入手して行う。MSの公式な手順ゆえ詳細は割愛。
自分は既に作成済み。
次に、そのUSBメモリーの中身を弄る。
リンク先の手順が書かれたのはCreators Updateリリース当時(2017年5月)ながら、手順の流れ自体は現時点の最新バージョンでも同じだった(2020/10/16時点)。
唯一違ってたのは、install.esdファイル内のPro版のインデックス番号。リンク先の書かれた当時は「1番」がPro版だったようだが、今回自分が手にしたインストーラーで確認したらProは「3番」だった。
よって「Proエディションのinstall.esdをエクスポート」するコマンドラインを以下と読み替えて実行、インデックス番号3のそれを抽出した。
DISM /Export-Image /SourceImageFile:E:\sources\install.esd /SourceIndex:3 /DestinationImageFile:D:\work\install.esd
リンク先との違いは /SourceIndex: のパラメーター値。1から3に変えて実行している。
その他はリンク先に倣い、Pro専用インストーラー入りUSBメモリーを完成させた。
再びPro版のインストールに挑む。
先ずは、Home版の稼働中にそのUSBメモリーを挿し、中身のsetup.exe実行でインストーラーを走らせる方法を試す。
しかし状況は以前に同じく、「メディアでのアップグレードはできない」表示で却下。
次にそのUSBメモリーからブート起動し、既存のHome版→Pro版へのアップグレードを試みるも、同様で却下。

#Home起動後にSetup.exeを走らせてダメだったからやってるのに、堂々巡りを促される(苦笑)。
めげずに同じくブート起動、HDD空き領域へのクリーンインストールを試みたところ、漸く先に進めた。突破口が開けた。
ライセンスキーの入力画面で「ライセンスキーがありません」を選び、PC内に未使用なHDD領域があったのでそこをインストール先に指定、Pro版をクリーンインストールした。
なお新品時からのHomeは別ドライブに温存したままなので、以後はHomeとProのデュアルブートな状態になった。
そのクリーンなProを起動して「プロダクトキーの変更」へ進み、手持ちの 7 pro のライセンスキーを入力すると、すんなりPro版として認証が通った。
※重要(かも)※ ライセンスキーでの認証が通った後、その機体でインターネット接続→MSサイトにアクセス→自身のMSアカウントでログインする。その後まもなく、Windows10のシステム→ライセンス認証の表示に下記のごとく「Microsoftアカウントにリンクされたデジタルライセンスによってライセンス認証されています」と出ることを確認する。
更におまけ?ってか、ここからが本命。
既に前の機体から諸々引き継いでセットアップ出来ているプレインストールなHomeを、まんまでProにアップグレードするのを試みる。
元々のHome版を再起動してライセンス認証の画面を開き、MS ストア「Windows10 proへのアップグレード」画面に進む。
するとタイトル下には「インストール」「Workstationへのアップグレード」ボタンが表示されている。今度は以前みたく「購入する」ボタンは表示されない。
どうやら、同一機体でクリーンインストールしたPro版のデジタル認証を通したことで、この機体はProのライセンス認証済み=Home→Proアップグレードはライセンス購入不要で即実行可能、という扱いに変わっている。
表示された「インストール」ボタンを押すと、既存のHomeがまんまProにアップグレード出来た。デジタルライセンス認証も通っている。
これで目的は達した。
別パーティションのクリーンなProは不要になった故に、削除した。
某か遠回りな手順を踏んでいるのかもしれないが。。。最終的に既存のHome環境をまんまProへ移行できたので良し、としよう(笑)。
余談。
それにしても、メーカー製の10 Homeな機体には手持ちの純正インストールメディアを使ってもProはインストールできない、というのは変な作りだ。
Homeなメーカー製機体をProにしたいならMSストアで¥14000払ってアップグレードすべし、という流れに持っていきたい意図ありか?と勘ぐってしまう。
オンラインでライセンス認証が通らなければ、奥の手は電話認証、というのは承知だが、
しかし今回の当初みたく、そもそもPro版が機体にインストールできない状況からでは、Pro版として電話認証する段階にもいけないから厄介である。
仕様不具合なのか、MSが意図的にそうしてるのかは謎ながら。
※(2020/10/19追記)
上記でリンクした、MSから入手したインストーラーの弄り方についての追加情報。
インストーラーを予め「Pro専用化」する以外に、起動後にHome/Education/Proの何れかをメニュー表示にて手動選択可能にする弄り方↓もある。
●雑多なまとめ「Win10Homeプリインスト機にWin10Proをインストしてみる」
https://w.atwiki.jp/matowiki/pages/117.html
→Windows10のインストールメディアの作成
実際にリンク先の手順で作成(EI.cfgファイルを書き足し、先に弄ってたinstall.esdを復元)したUSBメモリーを使い、自身のプレインストールHomeなPCにてブート起動すると、確かにHome/Education/Proの選択メニューが表示された。
記事が書かれたのは2018年だが、現時点の最新インストーラーでも同じ手順でOKだった。
この方が手順的には簡単(=メモ帳で数行書いたファイルを追加保存するだけ)且つ、これが本来Win10インストーラーのあるべき形ゆえ、今から着手するならこちらがお勧めだろう。
(2020/10/28追記)
余談ながら。
現時点で10Proライセンスを元々持っていた旧機体と、今回新たに同ライセンスを引き継いだ機体とを併用しているが、新旧どちらの機体でも、「ライセンス認証」画面を見る限りは「デジタル認証されています」と表示されており、旧い方も以前と違わず使えている。
ここ数日かでデータの引っ越しや関連作業を終わらせ、旧い方の使用を終える(初期化する)予定なのだが、今の2台で1ライセンスを使えている状況が何日までもつのかが気になっている。
Windowsってライセンス認証無しでもフルに使い続けられるのは確か30日間のはず、よって今回引き継ぎしてから1ヶ月を過ぎる11月半ば以降には、旧機体には何らかの動きがある≒制限がかかるのだろうか。
そもそも1つしか持ってないライセンスを、図々しく?あわよくば?機体2台で使い続けようなんて気は更々無いが、暫く様子を見てみようと思う。