
ソニーのスマホXperia 10 IIのドコモ版SO-41Aを、最近から使い始めた。
以前使っていたXperia X Compact(ドコモSO-02J)が修理対応期間終了後に故障したのに伴い、ドコモ「ケータイ補償お届けサービス」適用にて同機体と入れ換えに入手。
比較的新しい機種な割には(2020年春夏モデル)、いまどきの急速充電規格には非対応。
製造元のソニーも販売元のキャリア各社とも、製品スペック上にて、PDやQC規格には非対応と明示している。
しかし、各々が自ら発売しているPD対応ACアダプタを使用可能としていることから、もしやPD対応なものを使えば時短メリットが多少ともあるのでは?と思い、ダメ元で手持ちのPD対応アダプタを使ってみた。
純正のPDが使えるっていうのなら、結果の成否はともかくスマホ機体が壊れることはないってことよね、と。
結果的には成果あり。
PD非対応な従来型の5V2.4AなACアダプタや5V3AのType-C出力なそれを使うよりも、PD対応なものを使ったほうが充電速度がかなり?速かった。
#と言っても、今どきなPDフル対応機種みたくに僅か30分で残量0→50%?なんてことは無いので、念の為。
以下詳細。
使ったPD対応充電器は手持ちの
アップル純正20W USB-C 電源アダプタ、PD対応Type-C to Cケーブルは最近?ダイソー他で¥550で売り始めた
(株)E Coreのこれ↓を買ってみた。
・100W PD対応ケーブル 1m 専用スタンド付き KW-7

パッケージにはeMarker内蔵、最大20V5A、データ伝送はUSB2.0対応、とある。線長は1m。
#百均で¥550も出すってどうなのよ?>俺。
で、試して比較したのは以下4通り。
いずれも機体内OSはAndroid10。11へのアプデは未実施(様子見中)。
①出力5V最大2.4AでType-Aな口を持つACアダプタ¥330と、Type-A to Cケーブル(2.4A対応¥110)。いずれも旧来の百均商品。
②出力5V最大3AでType-Cな口を持つACアダプタ¥550とType C to Cケーブル(PD非対応・5V3A対応¥110)。いずれも新しめの百均商品。
③アップル純正PD対応20W充電器+Type C to Cケーブル(同上¥110)
④アップル純正PD対応20W充電器+PD対応Type C to Cケーブル(上記E Core製20V5A対応¥550)
それぞれで残量が少ない状態からの充電をしてみたとき、残量増加の傾斜は概ね以下だった。
※定量にはアプリBatteryMixおよび市販のUSB充電チェッカー(
ルートアール RR-TC1VAB2)使用。いずれも残量50%以下→75%程度までのほぼ直線的な残量増加状態におけるグラフ読み値から1h当たりに換算。バックグラウンドのアプリは極力止め、画面を消したスリープ状態とした。
①:40%/h、電圧4.90V 最大電流1.45A
②:50%/h、電圧4.85V 最大電流2.00A ※9/16訂正
(②':20%/h、電圧5.00V 最大電流0.95A)※9/14追記
(②”:40%/h、電圧4.90V 最大電流1.45A)※9/16追記、②’の個体違いで確認
③:50%/h、電圧5.01V 最大電流2.15A
④:60%/h、電圧5.01V 最大電流2.45A
以下スクショ/写真は④におけるもの。なおBatteryMixスクショ上部の現在値は本記事内容とは無関係。
①に関しては、旧来のUSB BC1.2規格やUSB Type-C Current 1.5A規格に準じたものゆえ、妥当というか当然の結果。
②については、USB Type-C Current 3.0A規格が適用されるらしく、④には及ばないが③同等の最大約2Aが流れる。但し接続手順次第では①以下の1Aか1.5Aかに留まる場合もある(というかそのほうが多い:詳細後述)。
色々試して②と②'②"との出現傾向で掴めたのはこれ↓。
a) 先にアダプタをコンセントに挿す→あとからアダプタ出力〜10 II機体を繋ぐ=電流が1A近辺の②'あるいは1.5A近辺の②"状態になる。
b) アダプタをコンセントに挿す前にアダプタ出力〜10 II機体までの繋ぎを済ませる→アダプタをコンセントに挿す=電流が2A近くまで出る②の状態になる。
ちなみにモノは(株)
テラ・インターナショナル ラディーノ製、ダイソーやセリア、ミーツでパッケージ違いな同一品の扱いあり。共に¥550。
ダイソーだとこれ↓

ダイソー以外?だとこれ↓
通常スマホに充電するときっておそらく前者a)のパターンが多いはず。ACアダプタはコンセントに挿しっぱなし→充電する都度スマホ機体をUSBケーブルの先端に繋ぐ、って使い方をしていれば自ずとa)の流れ故に。
ってことから、この手の百均Type-C ACアダプタを使ってて「最大3Aって割にはなんか充電が遅いような?」と感じたら、スマホ本体など負荷側を繋いだままのアダプタ本体を一旦コンセントから抜く→一息置いてまた挿す、のおまじない?が効くかも(笑)。
ACアダプタの元電源をスイッチ付きタップから採っているなら、そのスイッチを一旦オフ→一呼吸置いてオン?するでもよい。
いずれの手順でも上記b)の状態になる筈ゆえ、お試しあれ。
但し、この百均商品に限らずACアダプタのパッケージ等にある「使い方」には大抵、繋ぐときは先ずアダプタをコンセントへ挿す→ケーブルやスマホを繋ぐ、外すときはその逆順で、旨の記載がある。 よって上記の コンセント後挿し の結果については自己責任の範疇。
根本はたぶんその百均ACアダプタの個体問題?自動判別系の設計問題?かと思われ。
目下サンプル1個での結果故に、なんの確証も無いが。同一品をもう1個買い足して試しても同様だったので、設計問題の可能性大。
また、③④でも電圧が5Vから上がることは無かったことから、公表スペックの「PD非対応」というのは間違いないようだ。Type-C Current3.0Aの上限である3Aにもっと近い値が出るかと期待したが、そうはならず。まぁ上限3Aの規格内で腹八分な動作をしていると考えれば妥当かもながら。
なお③と④の数値の違いは使ったケーブルの作り(導体の太さ/長さの違いによる電圧降下の大小?)からくる、と推測。根拠はないも。
また②と③の電流値の違いには、使った電源の出力電圧にそもそも差があることの影響もあるかもしれず。
アップル純正は負荷の大小による電圧変動が少なく、常時ほぼ5.00Vびったり出ていた。値段相応に良くできているらしく(笑)。
対して百均(ラディーノ)のそれは無負荷ならほぼ5.00Vぴったり出るが、1.5Aくらい流すと4.85V前後まで下がる。
#
類似他品で以前やったみたく殻割りして改造するか。。
上記の最大電流値で①と④の比率で見ると1.7倍。
ちなみにドコモが公表している
SO-41Aの製品仕様には、①および④相当における0→100%充電時間の記載がある。それぞれ①が180分(ドコモACアダプタ01kuruko使用時)、④が140分(同アダプタ07使用時)。比率にすれば1.28倍。
実測の電流値で1.7倍、フル充電時間の公表値で1.28倍、この乖離を説明できるだけの材料は今の所無し。今後のお題に。
なお②相当の数値記載はない(ポータブルACアダプタ02は使用可の○はあるも所要時間が空欄)。
ドコモの最近の機種だと②の値が明示されていることが多いので、そこの値が①のそれと同じならType-C current3.0Aに対応していない機種・②の方が短い時間なら対応している機種、と判る。
まぁ今回の結果で①と②とに差が見られたことから、対応していると判断できて結果オーライ。
今回試した範囲では、PD対応充電器やケーブルを10 IIの充電に使うのが速度的にはベストだったのは確か。
#恐らく機体の内部的にはPDに対応し得る回路構成にはなっているのだろう。但し機体側から充電器側へ要求する電圧は従来規格の5Vを上限とする、っていう制御面の細工を掛けることにより、内部に耐電圧の高い部品(一般的には高電圧に対応する部品は大型で高価)を使わず仕上げている、と考えると「PD対応充電器を使うと最速」という実態に説明がつく。
但し、引き換えに10 II機体の発熱が増えるのも確かで、室温約27℃のほぼ無風な室内に平置きしててのピークで機体が約43℃に達している。上のBatteryMix画面キャプチャから見てとれるとおり。温度上昇にして約16℃、機体を掴もうと掌を近づけると触れる以前に熱気が伝わってくる温度。
どうしても急ぐときに涼しい〜寒いくらいの場所で充電するにはアリだが、所構わず常用するのは気が引ける。
殊に気温の高い夏場の充電は要注意だろう。気温30℃超えの無風では機体が45℃を超える→過熱抑制のため自らで充電電流を絞る筈。充電を急ぎたければ、USB扇風機の類ででも機体を冷ましながらが無難といえよう。
因みに従来型の環境で充電電流1.5A程度で充電する分には、同じく室温27℃にて機体がピーク36℃。温度上昇は9℃、偶然か必然かPD時と非PD時とでの電流の比にほぼ一致する。
もしPD対応の充電器を持っているならそれを使って試せばいいし、もし新たに買うなら出力5V時に最大3Aが出る「PD対応」を謳うものを適当に見繕ってくればいい。
ぱっと見に「PD対応・20W出力」とか書いている、比較的小型のもので充分。これXperia 10 IIへの充電に限れば5V以外の出力電圧は使われないから、9Vや12Vで最大何A出せるか?の値は気にしないでいい。
#
最近ダイソーでも売られるようになった。¥770税込。
とはいえ、
寝る前から始めて翌朝までにフル充電できてりゃいい普段使いの用途になら、PD非対応な旧来のもので十分。
無用に機体を高温にしない=バッテリーの寿命が縮む使い方を避ける観点からも、時間に余裕があるなら敢えてPDではない旧来のものを使うべきだろう。
といっても今や出力側がType-CだけどPD非対応で最大3Aって仕様の電源って選択肢が限られる、というか上記以外にほぼ皆無。
Type-Aの口を持つ最大2.4A仕様のものなら百均¥330を始め数多くあるも、それにType-A to Cケーブルを使った場合は最大1.5Aでしか充電されない(スマホ機体が電流制限してしまう:Type-C Current 3.0Aの要件を満たしていないと感知するため。ケーブルが仕様違反なアブない作りでない限りは)。機体の発熱面では安牌ながら。
夜の寝てる間の充電をし忘れた→朝の限られた時間に詰めるだけ詰めて出掛けたい、なんていう咄嗟のときならPD対応品を使うもやむ無し、って感じか。
まぁ普段から使うか否かはともかく、最速な充電手段を持っておく/知っておくのも損はない。
状況により使い分けたいところだ。
(2022/03/01追記)
結局普段の充電は専らPD対応充電器で行っている。
使っているのはダイソー¥770の
これ。
(2022/9/30追記)
目下は出先でのAC充電にはapple純正20W対応の充電器、家ではドコモ3ポートACアダプタ01を使っている。
上記ダイソー¥770の2口タイプは購入から半年?で壊れたっぽく(まともに充電できなくなった)、捨てた。
最近ダイソーで同じく¥770で売り始めたPD対応Type-C 1口のタイプもあるが、未購入。