
家族が常用しているママチャリの後輪がパンクしたというので、修理の面倒をみた。
タイヤの外観は何か異物が刺さったとかでもなく、至ってキレイ。
もしやで一応虫ゴムを取り替えて空気を詰め直してみたが、一晩置くと微妙に圧が下がっているし、乗ってみると片道15分の往復くらいでかなり圧が下がってしまう。ペタンコとまではいかないが。
遡れば前後両輪ともに4ヶ月前にタイヤ+チューブを新品交換済、乗るのは片道15分の日々往復×週5日程度だから経時劣化や摩耗って理由は時期的に無い。
となると、4か月前に使ったチューブがハズレ→何処か製造時についてた傷?小穴?が使用につれ広がった感じか。
ならば今回の穴の箇所を特定しての「パンク修理」=チューブにパッチを当てるよりもいっそ、チューブ丸ごとを別物に交換しちゃったほうが先々安心だろう、と判断。出来の良くない(かもしれない)チューブゆえこの先もパンクする→都度修理する、を今後も繰り返す(同)?くらいなら。
早速近所で新品チューブを購入、自宅にて交換作業をすることにした。
使う工具類や手順はネットその他でありふれているのて割愛。「ママチャリ 後輪 タイヤ交換」で検索を。
我が家の車体は27インチの内装3段変速付き。変速なし車よりは若干手間が掛かるが、差分は些か。
外したチューブのバルブを組み直して空気を入れてみたら、確かにチューブには小さな穴が開いていて、そこから空気が漏れていた。
バルブとその穴の位置関係からの推定、穴はタイヤを介して接地する側ではなく、タイヤ側面かリムに接する側にあった。しかしタイヤの内面にもリム内面にもそれっぽい傷や異物・鋭い突起はなく、リム内面に貼られているリムテープも健在でリムの金属部分の凹凸が同テープを貫通してチューブに触れた→穴が開いたでもなさそう。
んー、チューブが偶々ハズレだったって不運か。一応国内の有名大手ブランドのものを使ったんだが。まぁ何処の誰が作ったものであれ確率的に不良はゼロじゃない(笑)。
ともあれ、チューブを取り替えて修理完了。
修理後は一晩放置でも30分か程度乗っても圧に変化無し、で完治。
今回使った新品チューブは、近所のカインズホームにて自社オリジナルとして¥880で売られてたもの、中身は共和ミリオン製。今度こそ長持ちすることを祈ろう。
さて。ここからが本題(笑)。
自転車の修理で後輪を脱着するときの、比較的ラクなDIYの方法について。
この手の後輪修理に関しては、車体を倒立させて行うといいよ的なDIY手順がしばしば紹介されている。
車体を倒立させハンドルとサドルとを接地させると、ハンドルの左右上部とサドルの着座面の3点支持で車体が自立し、前輪・後輪とも宙に浮いて自由がきく。且つ自立させるのに特別なモノが要らない=硬く平らな地面と薄い敷物程度(ハンドルとサドル表面への擦り傷防止)があればよく、お手軽だ。
しかしこの方法、実は後輪の付け外し作業には向かない。前輪の付け外し作業になら問題ないってか文句無しにお勧めだが。
後輪を車体から「外す」までは倒立でもほぼ問題ない。
倒立状態で後輪左右のハブナットを緩めて外すと、ドロヨケや荷台のステーやスタンドは支えを失い、それらのバネ性や自重により自ら崩れるように外れる。
しかし、逆に「組み戻す」のが倒立ではえらく大変。外し易いの裏返しで。
一旦外した後輪を組み戻す場合、その固定構造的に、
ハブ軸+ナットにて共締めされるドロヨケや荷台やスタンド、更にはワッシャーやらの小物を、バラした時の逆順どおりにハブ軸に掛けつつ位置云々を微調整し、最後にナットを掛けて本締め、っていう流れになる。
且つナットを掛けるまでの一連は、左右のハブ軸の両方でほぼ同時並行でやらないといけない。
車体が倒立している故に、荷台の一端はフレームに止まっているとはいえ、荷台全体は下方向=ハブから離れる方向に動こうとするから、ハブ軸に組み付けるときはそれを引き寄せる・支える方向で力を掛けていないといけない。両立スタンドに至っては、その重たい重量を手持ちしながら。且つ車輪も手で支えて、である。
この一連を倒立でやるには、人の手が4本欲しい、ってか4本無いと相当に困難。二人で左右各々の組み付け+ナット掛けまでを分担し同時並行でやる感じで。これを一人でやると、左右の一方が上手く嵌まった→ナットを掛けようと片手で支持→ナットを掛ける前にバラけてしまう→やり直し、あるいは一方は上手くナットが掛かった→一方にナットが掛かった状態で他方のステーやワッシャーやらが上手く嵌まらない→やり直し、みたく堂々巡りになってしまう。
要は、倒立させて後輪を組み戻すってのは、一人作業には向かないやり方なのだ、と、やってみるとよく分かる。
#やる前に気づけなかったんかい>俺
その点正立状態だと、下から持ち上げて支えないといけないのはタイヤくらいで、ドロヨケや荷台のステーはその自重でハブ軸近くに寄ってくるから、位置だけ調整してハブ軸に掛けてやる程度で、作業中に下支えはしなくていい。スタンドの先端はフレームの所定位置に嵌めるとそこに留まってくれるように成形されている(これが倒立だと引っ掛からないので最も厄介)。
よって正立なら、一人=手が2本と片膝くらいあれば十分作業できるのだ。
#昔から街の自転車屋さんって個人経営のオヤジさんひとり?でやってたんだから、一人作業で出来るような作りで当然ってばそうなのだが。
と言うわけで(えらく長い前置きだったが)、
車体を正立且つ後輪周りを安定に宙に浮かしたい、且つ手持ちのもので、で一工夫してみた。
#年に1回するかしないかの作業ゆえ、敢えてそれ専用のモノ(メンテナンス・スタンドとか)を買わずとも済ませたい、が本音。
そこで持ち出したのは、
我が家にあった高さ90cmのアルミ製のハシゴ兼用脚立。
家の中のちょっとした高所作業用にと、この手の脚立をお持ちの方も多いのではと思う。買うと目下の実売¥5000~。
それを用いた手順は以下。
両立スタンドを備えた車体の場合ならこの通り、片側一本のサイドスタンドな車体では+αが必要。※印後述参照。
① 車体のスタンドを立てて静置。
② 車体からサドル+シートポストを抜く。
③ 車体のサドルの位置付近に上から脚立を被せて立てる:脚立が車体を跨いだ状態にする。
④ 脚立の天板の隙間に上からサドル+ポストを通して、車体と組む。
⑤サドル底部が脚立の天板に接するまで下げ、固定する。※
⑥ スタンドを跳ね上げる/後輪下の挟みモノを外す→後輪が浮く。
※片側1本のサイドスタンドの場合は、後輪下に自身の足なり適当な台なりを挟むかで、予め後輪を地面から上げた状態で行う。両立スタンドの場合でも後輪をより高くしたければ、スタンドを立てた下に挟み物をして高さを稼いでおき、それでサドルを下げて固定すればいい。
・・・って感じ。
完成形はこんな感じ。
サドル底部の金具と脚立の天板:金属同士が直接当たるのが気になるなら、その間に薄いウェスでも挟めばいい。
脚の開き角を固定する用の掛け金は、2つあるうちの一方=車体の前側にのみ掛けている。後ろ側は後輪回りに干渉するので。
自転車の後輪周りのメンテにこの手の脚立を使うアイデア自体は、ネット上その他で既出。
しかし、その大抵は大人の背丈クラス?な大型の脚立を用い、途中の段に横木を掛けてサドルの前端を引っ掛ける方法。それに近いこと=我が90cm脚立の天板にサドルの前部を引っ掛けるのも実際試したが、我がママチャリ+90cm脚立では車体が揺れて不安定だった。
集合住宅の我が家に大型脚立は無用なので持ってない。
考えてみれば、脚立とサドルとの接点と前輪の接地とで2点支持、且つ前輪自体もハンドルもフリーで好き勝手に動ける状態だから、その2点を結ぶ直線を軸に車体が揺れる上にその軸すらもブレる。不安定なのは無理もない。
その点、上記のごとくサドルを一旦抜いて脚立の天板にシートポストを貫通させてやれば、サドル下部の左右2点で脚立の天板に触れ、前輪の接地と合わせた3点支持になることで、揺れが小さくなる。
サドルの左右で脚立の天板に接する2点の間隔がさほど広くない・前輪/ハンドルがロックされてない、で、磐石の安定状態とまではいかないものの、サドル先端を引っ掛けるだけの場合よりも桁違い?に安定する。
作業中に車体が少々動いても、サドルと脚立の引っ掛かりが外れる→車体が落下することもない。
サドル下部が脚立天板に乗って車両後部が上がってる様子を後方から。
サドルと脚立天板の間を拡大。
なお、この方法をとるには脚立の天板部分にシートポストが通せるだけの隙間が必要。
シートポストの直径は25~35mmくらいなので(車種/メーカーによるとか)、使う脚立の天板には概ね40~50mmかの隙間がないといけない。
「ハシゴ兼用」なタイプならどこのメーカーでもこのくらいの隙間はあるんだろうと思ったら、案外そうでもないっぽい。手持ちの実物にて確認されたし。
また、この方法の注意点、
このやり方で後輪を浮かした状態では、チェーンを動かすためにペダル/クランクを回そうとすると、脚立の脚とペダルが干渉して可動範囲が限られてしまう。
よって、車輪の着脱に伴いチェーンをギヤから外す/掛ける場面では、回し始めるときのペダル位置を工夫する必要がある。クランクを約半回転強しないと、チェーンが外れない・掛からないので。
ペダルをより回しやすく=ペダル/クランクの可動範囲を広くしたいならば、脚立の脚部分の開き角を広く取る。
それには、脚の開き角を固定する用の既存の掛け金を使わず、代わりに適当な紐か長いタイラップかでも左右ハシゴの下段部分を繋いで、作業に都合いい開き角に固定してやればよい。
子供車みたくサドルが低い車体で同様に後輪を弄る場合にも、上記の方法で開き角を広くする方向に調整してやれば、対応できるはず。
但し開き角を大きくすると、脚部分に掛かる「横」荷重が増える=本来荷重を掛けてはいけない方向に負荷を掛ける事になるから、扱いは慎重に。
また、シートポストを通す「隙間」が狭くなることにも注意。
他にも、ペダルがあるから当たる→ペダルを一時外せばいい、という解もある。但しペダルの付け根のネジは異様に固く、スパナに柄の長いものが必要だとかで相応に難儀するかもなので、その辺は適宜に。
ともあれ、この方法で車体を正立状態にしてだと、後輪部分をバラすも組むも作業が圧倒的に楽だった。
スタンドにせよドロヨケや荷台のステーにせよ、正立状態な車体にこそ取り付けやすいように元々出来ている、というのが、つくづく分かった(笑)。
以前は倒立させての後輪脱着+タイヤ・チューブ交換作業でトータル3時間だったか掛かったが、今回の脚立利用の正立では1時間ほどで終えられた。
街の自転車屋に後輪タイヤ&チューブ交換作業(タチ交換※)を頼むと工賃¥3000~だから、プロなら15分か30分かで終わるんだろう。DIYでも1時間程度で上がれば御の字ってところか。
#まぁ前回のお初で且つ倒立させてた作業で得た経験から、今回はかなり要領よく・迷わず出来た、という側面はあれど。いつもながら経験はPriceless (笑)。
※タイヤ+チューブの両セット売りを「タチセット」、それらの一式交換(作業)を「タチ交換」って略すのね。。。中の人は。知らなんだ。
機械いじりDIYは好き・自転車のタイヤ交換メンテはしたいが後輪は面倒くさい・ハードル高いんだよなぁ、って感じなら、上記も選択肢のひとつにしていただければと思う。
(2023/12追記)
上記ママチャリの後輪、はや半年もせずにまたパンクして上記要領にて修理した。
今回は明らかに路上異物の踏み抜き。豆粒大の金属バネから直角に伸びた細い一端が、見事にタイヤ接地面から垂直に食い込んでいた。家族がパンク後も乗っちゃってチューブの数ヶ所に穴や刺し傷が出来てしまっていたことから、迷わずチューブ新品交換で処置した。
うーん路上の異物が原因、こればっかりは不運としか云いようがないか。。。
お陰で修理にはもう慣れっこになった感(笑)。